岩屋観音巡り 源明山(げんめいざん)・嘉納山(かのうざん)縦走 山口県周防大島町

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2002年 6月 9日 源明山・嘉納山・嵩山縦走を見る
2003年 9月23日 源明山・嘉納山・文珠山縦走を見る
2008年12月 7日 岩屋観音巡り 源明山・嘉納山縦走を見る

2020年 9月26日 源明山 保慶の岩屋コース往復を見る
2024年 1月13日 源明山 保慶の岩屋コースと秋の岩屋観音見学を見る
2008年12月 7日

登山口 →0:40→ 保慶の岩屋観音 →0:50→ 展望地 →0:15→ 源明山

 →0:40→ 観畑岩屋観音 →0:50→ 嘉納山 →0:10→ 慶法院岩屋観音 →0:45→ 下山口

全歩行時間 4時間10分

 新・分県登山ガイド34「山口県の山」(山と渓谷社 中島篤巳著)に掲載されている瀬戸内アルプスの文珠山・嘉納山・源明山。この三山に嵩山(だけさん)を組み合わせればバリエーションに富んだ山歩きを楽しむ事が出来るし、今回紹介する岩屋観音を含めれば、周防大島の魅力も更に深まるものと思われる。

 中島先生のご案内による山歩き、本日の目的は岩屋観音巡り。今回初参加はウオーキングが趣味の柳井市Iさん、歴史に造詣の深い岩国市在住のMさん。今や山歩きグループの常連となったTさんと一緒に大島大橋手前の物産センターにて待ち合わせをした。但し、物産センターの手作りお弁当は間に合わず、物産センターを出発し大島大橋を渡る。大島大橋突き当たりの信号を右折し国道437号大島環状線に入る。

コンビニ先の交差点より周防大島町役場方面へ左折 右に屋代ダム

 途中のコンビニでお弁当を購入し、少し先の県道103号に入り、周防大島町役場を右に過ごす。更に県道を進み、志度石トンネルを抜け、屋代ダムを右手に見ながら道なりに行けば、大島オレンジロードの農道に着く。道路上に立つ「源明」の標識に従って右折、この先の左手に保慶の岩屋観音・保慶の七不思議などの標識が立っており、この場所が今回の登山口となる。

穏やかな屋代ダム 源明の標識に従い右折

岩屋観音巡りの登山口

 本日は周回道を採るのでオレンジロードの農道を引き返し、先程の分岐を過ごす。更に農道を進むと、橋の手前に右手へと分岐する林道が現れるので右折する。そのまま林道を道なりに進めば民家を右手に見るので、民家の150〜200m手前のカーブ付近に車を配置する。実際の下山口はもう少し先で、松の木の立つ右カーブ付近であるが、左手の駐車地に枯草があったため、大事を取った。

橋の手前を右折し林道に入る 下山口は左手が少し広くなっている

 さて、登山口まで引き返し登山準備の後出発する。「保慶の七不思議」とは自然の奇岩に、生活に係わる名称を付けたもので、早速右に七不思議の一つ、昔馬に乗った武士が後世に残した「馬の足跡」を右手に見る。この先の木の橋を渡れば、赤ん坊を抱いた婦人が猪に追われ飛んだと伝えられる「飛び石」を右に見る。

馬の足跡 木の橋を渡る
飛び石 大きな一枚岩を通過

 この先で滑り易い大きな一枚岩を通過、足下に気を取られていたら、農道先にある笛吹峠の敵をこの穴から矢で打ったと伝えられる「矢穴」を見落としてしまった。神主の烏帽子にそっくりな大岩「烏帽子岩」の付近には大きなつららが連なっており、昨日の冷え込みは尋常で無かったことが解る。

左が烏帽子岩 岩の下につらら

 烏帽子岩の先で道は分岐し、左手には保慶の七不思議を訪ねる道が続いている。よこしまな心の持ち主は挟まれると伝えられる「せり岩」、四季を通じて快適な風が吹き出る「風穴」、昔湯が出ていたが、後に道後へ移ったと伝えられる「湯の段」と続く。こちらの散策は後日のお楽しみとする。本日はこの分岐を右に採り、保慶の岩屋観音へ向かう。標識には岩屋観音まで1.4kmと掲示されている。

分岐標識 分岐を右に採る

 滑り易い岩の続く道に入り、中島先生は目印のテープを巻く作業に忙しい。左右にアオキの茂る登山道は急登で滑り易く、ゆっくり高度を上げる。間もなく登山道は左(北)方向に向き、植林帯の中を進んで行けば、登山道は右(東)へ向き、はっきりした踏み跡の残る道を登る。

左右にアオキの茂る登山道 植林帯の下を進む
登山道は右(東)へ向く 落ち葉の絨毯

 暫く展望の無い道が続いていたが、南には木の間越しに馬の背が見えてきた。日射しも戻ってきたので明るい登山道歩きに会話も弾む。周囲に名残の紅葉を確かめながら進んでいると目の前には倒木が現れ、倒木を潜ると保慶の岩屋観音に到着した。

木の間越しに馬の背 名残の紅葉

倒木を潜れば保慶の岩屋観音に到着

 大きな岩屋の下には石仏が置かれており、護摩を焚いた跡を見ることが出来る。暫く石仏を観察していると、中島先生より一番小さい石仏が歴史のある石仏との説明を受けた。保慶の岩屋観音への参拝を無事終えたので、右手に岩屋観音を眺めながら出発する。坂を登るほどに岩屋の大きさを実感、大きな岩の下に岩屋があった事を確認し、尾根を右方向に進む。

岩屋観音に参拝 歴史ある石仏
岩屋を出発 岩屋を振り返る

 右手に大岩を見上げながら進むと、岩の間につららを見つけた。結局岩を右から巻きながら尾根に登り、西側には木の間越しながら馬の背から頂海山へ至る展望が広がる。もう少し進めば北に集塊岩の展望地が見えており、中島先生より今から向かいの展望地に向かうとの説明を受ける。

岩を右から巻きながら進む つらら
紅葉も美しい 集塊岩の展望地

 紅葉の美しい樹林の下、緩やかに北へとカーブを描きながら進めば、集塊岩の岩場へ到着。荷物を置いて展望地へと下りて行く。すぐに樹林が無くなり、周囲に展望が広がってきた。展望地に下りれば南に柳井市平郡島の西端、右手に上・下荷内島が続き、上関町皇座山手前には馬の背から頂海山へと続く山並みが美しく、北西には笠佐島を挟んで左に柳井市街、右に琴石山の展望が広がっている。眼下を見下ろせば足の竦むような断崖に思わず尻込み。それでも美しい展望に感動、ここで記念撮影となる。

展望地へ向かって下る 展望地

展望地から馬の背方面

頂海山と柳井方面

記念撮影 足下は絶壁

 展望地を出発、荷物を背負って落葉の自然林の下を進み、歩くこと5分で源明峠からの登山道と合流。快適な登山道を源明山目指して進んで行けば、登山道との合流点からわずか5分で、「四境の役大島口戦跡碑」の立つ源明山の山頂に到着した。

源明峠からの登山道と合流 快適登山道
「四境の役大島口戦跡碑」の立つ源明山の山頂 賑やかな山頂

 時刻は計ったように丁度12時、周囲の美しい展望を眺めながら昼食タイム。日射しを浴びながら晴天の空の下で頂く食事は最高なのだが、昨日来の寒波のため少々寒い。お湯を沸かしてお味噌汁を配布、これがなかなか好評でこれから先は暖かい飲み物が一番のごちそうである。

源明山山頂から馬の背方面

笠佐島と柳井方面

嵩山・白木山方面

 本日の源明山山頂は我々を含め、20人以上の登山者で大賑わい。昨日来の寒波のため、積雪の中国山地を避けて暖かい大島に向かった人が多かったようだ。記念撮影の後源明山を出発、名物の急な階段を下りて行く。手すりの付けられた階段を300m下りれば電柱の立つ場所に着き、ここには「四境の役源明峠戦戦没者供養塔」が立っている。また、この電柱の分岐を少し東側に下りれば歴史ある祠と出会う事が出来る。

源明山を出発 四境の役源明峠戦戦没者供養塔
歴史ある祠 快適な縦走路を進む

 この先暫く嘉納山へ向かう快適な縦走路を進む。周囲に展望は無く、途中には多少のアップダウンはあるものの、明るい縦走路は気持ちよい。源明山を出発して25分で左手に「観畑観音入口200m」の標識を見る。登山初年度の2002年(平成14年)7回目の登山時にこの岩屋観音へ向かったが、登山初心者の単独行には心細い道だったので、途中で引き返した記憶が蘇ってきた。

観畑観音入口の案内標識 縦走路から左に入る
左に大岩を過ごす 斜面を下る

 標識に従い分岐に入れば右手に大岩を過ごす。この先から急な斜面を下りて行くのだが周囲の木を掴んで下りれば大丈夫。目印のテープに従って下りて行けば道を間違えることはない。斜面を下りた後、山腹に付けられた道を北に進めば再び急な斜面となる。但し、この斜面にはロープが渡してあるので大丈夫。すぐに水平道となり、南に向かって進めば左右にロープの渡された最後の難所を通過。本日二つ目の観畑岩屋観音へ到着した。

北に向かう ロープで下る
ロープを伝って進む 観畑観音へ到着

 岩屋の中には石仏が置かれ、やはり護摩を焚いた跡が見受けられた。本来の参道は南から続いていたそうだが、現在は今回通った道が本道となっているようだ。暫く岩屋を眺めた後観畑観音を出発、急な斜面を登り返し縦走路まで戻った。

観畑観音へ参拝

 縦走路からは再び快適な登山道を歩き、一路嘉納山を目指す。縦走路を少し登ると「内海多島海景観」の標識の立つ展望地に到着。東には嵩山(だけさん)、その先には周防大島の一番括れた安下庄地区の展望が広がり、右に平らな白木山、左に大見山と周防大島東部の名峰が連なっている。

「内海多島海景観」の標識 嵩山・大見山・白木山

 北にはこれから向かう嘉納山のアンテナが立ち、我々を待っているかのようだ。周囲の展望を眺めた後に展望地を出発、快適な縦走路を進んで行く。展望地を下りれば嘉納山まで1.4km、源明山からは1.1km歩いている。明るい縦走路を進み、広い林道を右に過ごし、階段を登っていると嘉納山まで200m標識と岩屋観音まで200m標識を見る。岩屋観音には最後に向かうのでそのまま山頂に向かう階段へと進む。

明るい縦走路 林道と出会う

 間もなく右手に大きなアンテナを過ごすとT字路へ到着。この分岐を左に採ればすぐに嘉納山の山頂に到着した。山頂中央には旧日本軍の砲台跡を見る事が出来る。山頂からは周囲に360度の展望が広がり、特に広島方面を注意してみると遠くに灰ヶ峰のレーダードームなどを確認。但し、全体的には霞んでいるため写真に納めることは出来なかった。

山頂手前のアンテナ 嵩山への分岐

嘉納山山頂から東の展望

 山頂より岩国広島方面、四国方面、柳井方面などを眺めていると最後に文珠山の山頂に目が止まる。最近何か立っているとは思っていたが、アンテナのような施設が出来ているようだ。最後に文珠山の山頂風景を双眼鏡で眺め、3回目の記念撮影の後、嘉納山を出発する。

文珠山山頂にはアンテナが立っていた 嘉納山にて

 嵩山への分岐を過ごし、先程確認した岩屋観音への道に入る。少し笹が気になるが大した障害ではなく、入口からはほとんどゆるやかな坂道を5分で慶法院岩屋観音に到着。本日最後の観音様に参拝する。

 「平城天皇の大同元年、弘法大師が唐の国での修行を終えられて帰られる途中、大畠瀬戸で船が難破し、周防大島の三蒲(みかま)に上陸された。その際に屋代島(現周防大島町)の文珠山、帯石山、嘉納山などで衆生済度の行をされたと伝えられています。この岩屋には阿弥陀如来、不動尊、妙見権現、石鎚権現、弘法大師の像が奉安されていますが、うち三体は弘法大師自らが刻まれたと伝えられています。」と岩屋観音の説明板に書かれており、とても由緒ある岩屋のようだ。

岩屋観音の標識に従い進む 少し笹を分けて行く

慶法院岩屋観音の参拝

 時刻は午後3時20分、もう陽が傾き始めているので下山を開始する。下山は元来た道ではなく参道コースを採ることにした。今年春に中島先生が整備された道なのだが、夏場に草の勢いが増したため、少し歩きにくくなっているが目印のテープに従って歩けばなんとか下りることは出来る。但し一般には岩屋観音参拝の後、縦走路にへ引き返した方が無難である。

旧参道コースを下りる 岩屋を振り返る

 今回は熟練者の指導のもと、慎重に下山を続ける。ヤブ道を歩きなれた人ならば、踏み跡を確認し、テープに従って下りて行けるのだが、今回は初心者も含まれており、特に時間をかけて慎重に下山する。途中2ヶ所道案内のお地蔵様を確認。この道が昔の参道であることは間違いない。

少々ワイルドな下山道

途中で出会った2体のお地蔵様

 今年は台風こそ無かったものの、強風による倒木もあり、匍匐前進(ほふくぜんしん)などを繰り返し、慶法院岩屋観音からは45分で無事下山口の林道に到着した。林道を少し下りれば左手に民家を過ごし、周囲に広がる夕陽を浴びた美しい風景を眺める。間もなく事前に配置した車に到着、無事登山口まで帰る着くことが出来た。

難所も無事通過

        下山口にはテープが巻かれていた                林道から眺める夕陽を浴びた紅葉

 午前9時半に登山を開始して午後4時半に配置した車に着くまで約7時間、しっかりと一日遊ぶことが出来た。登山口にて解散し、Iさんと一緒に法師崎農園に行くと今年は青いミカンが目立っており、例年に比べると少しミカンの完熟は遅い気がした。でも赤みかんは大豊作、ネーブルも実は小さいが沢山実をつけており、文旦も沢山実っていた。

初収穫の文旦 赤みかん

 再来週は恒例のみかん狩りイベントを開催予定、今年もみかんは美味しそうだ。

烏帽子岩

保慶の岩屋観音

集塊岩の展望地

源明山

四境の役源明峠戦戦没者供養塔

観畑岩屋観音

嘉納山より

慶法院岩屋観音

 前の山 琴引山 を見る

 次の山 石ヶ坪山・石鎚山縦走 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 山口県周防大島町 嘉納山 登山口付近のMAP

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