小五郎山 金山谷ルート〜向峠ルート(こごろうやま)山口県岩国市

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2002年 8月20日の登山記 (向峠〜山頂往復)を読む
2010年11月14日 金山谷鉱山ルート(金山谷〜向峠へ縦走)を読む
2015年11月 3日 向峠ルート(向峠〜金山谷へ縦走)
2015年12月 8日 金山谷鉱山ルート(金山谷〜向峠へ縦走)を読む
2016年10月10日 金山谷鉱山ルート(金山谷〜山頂往復)を読む
2017年10月27日 向峠ルート 鉱山跡まで往復
2018年10月21日 金山谷鉱山ルート(金山谷〜山頂往復)を読む
2019年8月12日 向峠登山口から金山谷登山口、向峠登山口まで周回
2020年11月14日 向峠登山口から金山谷登山口、向峠登山口まで周回
2022年8月28日 金山谷鉱山ルート(金山谷〜山頂往復)

2015年12月8日

駐車場 →0:05→ 登山口 →0:05→ オンドル跡 →0:15→ 休憩所 →0:10→ 寺床

 →0:10→ 展望台 →0:25→ 鉱山跡説明板 →0:05→ 竪穴式坑道

 →0:10→ 横穴式坑道 →0:15→ 山頂 →0:40→ 向峠 →0:50→ 林道出合

 →0:25→ 向峠にこにこ市(登山口)

全歩行時間 3時間35分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 前回(11月3日)の小五郎山登山では向峠登山口から金山谷へ縦走したので、今回は逆コースを採る。久しぶりに山口県の山(山と渓谷社)の著者、中島先生のご案内による登山で、同行者は中国新聞記者柳岡さん、同カメラマンの天畠さん。今年から祝日となる山の日(8月11日)の紹介を兼ねた取材登山である。

2016年1月8日 中国新聞の記事(クリックで拡大)

吉賀町新田地区から眺める小五郎山(クリックで拡大) 山口・島根の県境に架かる深谷大橋(クリックで拡大)

 向峠登山口へ車を1台配置し、金山谷へ向かうと、登山道を整備をされた地主の山本誉さんに出会ったのでご挨拶。山本さんの整備された駐車場を出発し、甲羅ヶ谷に入る。

下山口の向峠バス停 金山谷ルート入口

 左に入山記録の箱を眺めてコンクリート舗装の道を折り返し、5分で登山口へ着く。ここには金山谷鉱山ルートが2009年4月に完成したことや鉱山跡などの説明板が設置されている。案内を眺めて登山道に入れば、足下には小石などが多く、滑らないよう慎重に歩を進める。

金山谷ルート登山口 歴史ある石組み

 すぐに左右の分岐があり、左が登山道、右はオンドル跡への寄り道である。ここではオンドル跡を眺めるため右道を採る。登山口からは5分程度でオンドル跡へ到着、これは昔の床下暖房で、石の中で槇などを燃やし、足下を暖める構造となっている。明治の時代にはもう使われなくなっていたので、使用されていたのは江戸時代までだろう。

オンドル跡地 見張台跡

 この付近の足下には、作業道用に組まれた石組みが残っており、貴重な遺跡を眺めて先へ進むと登山道に合流する。しばらくは杉の植林帯の下につけられた登山道を進む。坂の傾斜が急なのでゆっくり歩きが続く。ジグザグを描きながら高度を上げれば、進路は少しずつ右方向へ向き、自然林の下へ着けば、見晴台跡へ着く。但し、展望自体は向かいの山が見える程度で、絶景が広がるわけでは無い。

休憩所 急な坂が続く

 更に高度を上げれば平坦な休憩所へ到着、最初から急登が続くので。丁度良い所に休憩所が設けてある。小休止の後休憩所を出発、急な坂へ向かう。自然林の下、落ち葉を踏みしめれば、右に大栂への分岐へ着く。大栂までは約350m、片道10分程度で大きな栂を見学することができる。

寺床(修験堂跡地) 眼下に田野原地区の集落

 分岐を過ごし前方に岩が目立ち始めると、間もなく寺床(修験堂跡地)へ着く。この付近では何度となくお堂の跡を探しているが、未だに見つけることができない。この上にそびえる大岩を左に見ながら坂を登るが、ここで麓を眺めると、樹間越しに島根県田野原地区の集落が見えている。これは落葉のこの時期にしか眺めることのできない風景である。

香仙原 展望台の大岩

 西に白旗山を眺めながら進んでいると、北北西には島根の香仙原や名峰安蔵寺山が顔を出している。間もなく大岩の展望台へ到着、岩上は白旗山や安蔵寺山を見晴らす展望台である。展望台を過ごせば、山腹につけられた岩の目立つ道を辿り、沢を3回渡れば金山谷鉱山跡の説明板の立つ精錬所跡へ着く。

岩場を抜ける 作業所跡

 この付近には銅の精錬により廃棄されたカラミを多く見る。急斜面の先には石組みが多く、精錬用の作業所がこの付近に多く存在したことの証しであろう。平坦な地点で足下を探せば簡単にカラミを見つけることができる。

カラミ(クリックで拡大) 石組み

竪坑跡(クリックで拡大) 横穴式坑道へ

 さて、更に坂を登れば竪穴の坑道跡が残っており、もう少し上には横穴式の坑道跡が当時のまま残っている。登山道を離れてこの坑道へ向かう際、足下に注意しているとカラミがあり、このカラミの中に緑色の緑青を見つけることができる。これこそが、この金山谷鉱山で銅を産出していた証しである。

カラミに緑青を見つける(クリックで拡大) 横穴式坑道入口

 この先にある横穴式坑道は奥行きが約30mあり、ライトさえあれば中に入ることができるので探検してみる。ライトに光る細かい粒子を最初は鉱物の光だと思っていたら、これは水滴だった。

坑道内部

 さて、坑道跡を過ごせば山頂へ向かう急登が待っている。足下に甲羅ヶ谷の名前の元となったコウラグサ(ミヤマカンスゲ)を眺め、補助のロープを伝って高度を上げれば、間もなく広く平坦な小五郎山の山頂へ着く。

山頂手前 山頂

大峰山・鬼ヶ城 羅漢山・法華山

 当日は曇天で、羅漢山方面に雨雲が発生する悪条件ではあったが、展望自体は良好で、東に鬼ヶ城、その先に大峰山と名峰が続き、最初は雲で霞んでいた冠山、寂地山も眺めることができた。また、北北西に安蔵寺山、北西に香仙原も落葉の樹間越しに眺め、山頂からの展望を満喫することができた。山頂で遅い昼食後、登山口とは反対側の向峠へ向かって下山を開始する。

香仙原 安蔵寺山

 一ヶ月前に感動した紅葉はすべて終了、落葉のすっきりした樹林を眺めながら坂を下る。十王山と大谷辻を見晴らす展望地も見える世界が様変わり、正しく冬枯れの風景である。大谷辻の右側に大将陣山を眺めていると、やがて坂の傾斜が強まり、滑り落ちるように坂を下れば、鞍部の休憩所へ着く。

十王山・大谷辻 急斜面を下る
鞍部の休憩所 炭焼き窯跡(クリックで拡大)

 平坦な鞍部からは樹間越しながら北東に容谷山を眺めることができる。これも落葉のこの時期だからこそである。鞍部を出発、松の多い植生に感心しながら坂を下り、途中で少し分かりにくいが炭焼き窯跡を通過する。

赤松林 作業道出合
イノシシゲートを通過 向峠登山口へ到着

 自然の遊歩道のような快適な道を下り、周囲に赤松林過ごして作業道へ着く。緩やかな傾斜の作業道を下ってイノシシゲートを通過、間もなく下山口の向峠バス停へ到着、このコースはロングコースである。

 最後まで縦走された柳岡さん、長い距離をご苦労様でした。

 なお、本登山の記事は、2016年1月8日に中国新聞山口版に掲載された。

小五郎山(左側)

深谷大橋

精錬所跡の石組み

カラミ

広く平坦な精錬所跡

カラミに残る緑青

寂地山・吉和冠山

羅漢山と法華山

 前の山 虎ヶ岳 常安寺正面コース を見る

 次の山 竜ヶ岳 西主尾根コース 登山道整備 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 山口県岩国市 小五郎山  登山口付近のMAP

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