白神岳(しらかみだけ)青森県深浦町〜五所川原立佞武多(たちねぶた)

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2013年8月4日

登山口駐車場 →0:10→ 登山道入口 →0:30→ 二俣コース分岐 →0:40→ 最後の水場

   →0:40→ マテ山分岐 →0:30→ 展望地 →0:40→ 山頂 →1:00→ マテ山分岐

   →0:25→ 最後の水場 →0:30→ 二俣コース分岐 →0:40→ 登山口駐車場

全歩行時間 5時間45分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 鹿児島県の屋久島とともに日本で最初に世界自然遺産に登録(1993年12月)された白神山地は、今年12月に登録20周年の節目を迎える。

 この白神山地は、青森県西部から秋田県北西部にまたがる13万ヘクタールに及ぶ山地で、世界最大の面積で広がる原生的なブナ林16,971ヘクタールがその登録対象である。

 また、白神山地は、ツキノワグマ、ニホンザル及び特別天然記念物であるニホンカモシカや天然記念物であるクマゲラ、イヌワシをはじめ、ブナ、ミズナラ、サワグルミなど多くの樹木、アオモリナンテマ、ツガルミセバヤなどの特産種を含む豊かな動・植物相をもち、遺伝子の貯蔵庫と言われている。

屋久島 宮之浦岳 厳島神社 弥山

 私の世界遺産登録地での登山は、屋久島の宮之浦岳(自然遺産)、厳島神社(文化遺産)の宮島弥山富士山(文化遺産)、石見銀山遺跡(文化遺産)の矢筈城跡が踏破済みであり、本日は新たに自然遺産に登録されている白神山地の主峰、白神岳へ向かうものである。

富士山 石見銀山遺跡 矢筈城跡

 青森県深浦町の「道の駅 かそせいか焼き村」を起点とすれば、道の駅の前を走る国道101号を南下、途中で十二湖への案内を過ごす。進行方向の右側にはJR五能線が走っており、とてものどかな風景が広がっている。JR深浦駅の先から海岸線を離れて中山峠を経由し、JR陸奥岩崎駅方面へショートカットするが、くねくね道なのでかえって時間が掛かったのかも知れない。やがてJR白神岳登山口駅を過ぎると、左に白神岳への登山口が分岐する。

JR五能線 十二湖駅 白神岳登山口(写真をクリツクで別角度を表示)
白神岳登山口駐車場 トイレの整備された建物(写真をクリツクで建物内)

 ここで国道を離れ、道なりに進むと午前6時半に広い駐車場の整備された登山口へ着く。少し先の建物の中には清潔なトイレや休憩所が整備されており、この建物の中で寝ることもできるようだ。建物の内部を確認した後、6時40分に登山を開始する。建物横には、「二俣コースは登山道の一部が崩落しており、現在通行できない」と案内されてる。そこで、本日はマテ山コースを往復することにする。

最初は舗装道を進む 登山届の記帳所

 建物を右に過ごし、少しの坂を登るとすぐに舗装道へ着き、この舗装道を道なりに進むと登山届を記帳する三角形の建物が見えてくる。ノートに出発時間を記入し、いよいよ6時50分に白神岳へ向かって山道に入る。この入口から山頂までは6.5km、二股分岐までは1.4km、長丁場なのでのんびり歩くことに徹する。

白神岳登山入口 登山者カウントの機械

 頭上に木漏れ日を感じながら進むと、登山者の人数をカウントする機械の前を通過、その先には木の階段が設置されている。足下にコンクリートを流した道を過ごし、この先では横木の階段の道を抜ける。足下が良く整備されているのでとても歩きやすく感じる。

木漏れ日刺す登山道 切株の残る道

 右に伐採された大きな根の張る木を過ごせば、登山口より1kmを通過、山頂までの距離は残り5.5kmになった。不安定な天気なので、周囲の風景は少しぶれ気味で、なかなか焦点が定まらない。右に植林帯を眺めながら緩やかな傾斜の道を進むと、7時22分に二俣分岐へ到着。この分岐から山頂までは5.1km、マテ山までは1.95kmと案内されている。

マテ山コース・二俣コース分岐 水場

 この分岐を直進すれば、二俣コースだが、登山口の案内のとおり、登山道の一部が崩落しているため、分岐を左折してマテ山コースを取る。すぐにロープの渡された道となり、少し急な坂を登る。すぐに坂の傾斜は緩くなり、最初の水場に着く。ここで冷たい水で顔を洗い、さっぱりする。

壊れかけた階段 向かいには霧のかかる山が見える

 山腹につけられた細い道が続くので、少々気を遣いながら進むと、向かい側の霧の先に山が見えてきた。ただし、位置関係はよく分からない。間もなく登山口から2km、山頂まで4.5km地点を通過、二俣分岐からは600mの地点である。足下にヤマアジサイの花を眺め。少しの傾斜の坂を登る。

山腹につけられた坂道 最後の水場

涼しげな最後の水場の風景

 岩の張り出す場所を越え、足下に清水の湧き出す地点を越えると、深浦営林署の「頂上まで3,810M」の案内が木に打ち付けられている。すぐに最後の水場に到着、この地点から登山口は2.6km、山頂までは3.9km、二俣分岐からは1.2km地点である。おいしい水をたっぷり飲み、最後の水場を出発する。

険しい岩の道 ロープの渡された急登

 すぐに岩の道が現れ、岩に手を掛けて登り切る。この先にはロープの渡された急登に変わり、補助のロープを掴んで少しずつ高度を上げる。木の根の入り組んだ道をなので少々手こずる道だが、慎重に登れば大した困難ではない。美しいヤマアジサイを眺め、緑のシャワーを浴びながら進むと、登山口より3km、山頂まで3.5km地点を通過する。

緑のシャワー ムシカリ

 所々に整備された登山道の名残を見つけ、登山道途中には可憐なムシカリの花を観賞する。やがて登山口から3.35km、山頂まで3.15km、二俣分岐から1.95km地点へ到着。この場所はマテ山への分岐である。ただし、展望は望めないとのことなのでそのまま山頂を目指す。

マテ山分岐(写真をクリツクでマテ山への道) ヒラタケ

  尾根道を更に進むと、時折木道が現れる。この付近は湿地帯なのかも知れないが、木道のおかげで安心して通過することができる。一旦鞍部へ下り、すぐに登り返すと、左側に途中からポッキリ折れた木が見えてきた。この木にはヒラタケが群生しており、とてもおいしそうだが、世界遺産の山域なので、持って帰るわけには行かない。写真だけを撮り、更に歩を進める。

木道 ブナ林

 登山口から4Km、山頂まで2.5km地点を通過、この先でも山頂まで2.3kmの案内を過ごす。このように距離表示と頻繁に出会うので、とても励みになる。登山道から眼下に港の見える場所があり、下山後にどこの港が見えていたのか、探すのが楽しみである。

霧が発生 木道を進む

 周囲に霧が目立ち始めたので標高が少し高くなって来たようだ。霧の中を進むため、視界が少々遮られる事になるかも知れないと思いながら山頂を目指す。登山口から5km、山頂まで1.5km地点を通過、登山道の左右には笹原が目立ち、笹原の先には急な階段が待っているので、歩行注意の案内を眺めて慎重に高度を上げる。

ロープを補助に高度を上げる 突然展望が開ける

 更にロープの補助の渡された道に入り、展望のない道を辛抱しながら進むと、突然前方に山頂方面の展望が見えてきた。これから目指す尾根には霧がかかっており、尾根の先には建物が見えている。海を眺めると厚い雲に覆われており、展望を得ることはできないようだ。しばらく霧の晴れるのを待っていると、山頂方面の展望が開け、山頂手前に立つ建物がはっきり見えてきた。

山頂手前の建物 日本海は霧に阻まれている

展望地から眺める風景

 日本海の展望は雲に覆われているため、山頂へ向かって進むことにした。足下には美しい花が咲いており、真夏のお花畑観賞を楽しむ。日本海の展望は霧が晴れそうで晴れないのがとてももどかしい。尾根へ続く笹原が気持ちよく、一本の線のような道を進む。

快適な笹道を進む 十二湖コース分岐

 坂の傾斜は相変わらずなので、花観賞を楽しみながら慎重に高度を上げる。間もなく十二湖コースとの分岐へ到着、山頂までは0.7kmとなっている。岩木山方面を眺めるが、手前の山が丁度岩木山の山容を隠しており、眺めることはできない。

岩木山は雲に隠れている 笹原の先に山頂(写真をクリツクで山頂風景)

 山頂へ向かう緩やかな傾斜の道を進む。天候不安定なので晴れたり霧が流れたりの状況を繰り返している。足下には美しい花を観賞しながら進むのがとても楽しい。前方にはとんがった建物が高山の雰囲気を引き立てており、少しずつ山頂へと向かう足も速まる。山頂にはすでに数名の登山者が見受けられ、談笑している姿も眺めることができる。周囲には笹原が広がり、この雰囲気も素晴らしい。

クルマユリ

山頂手前から眺める風景

 山頂へ向かって一旦鞍部へ下るが、下る手前から眺める周囲の風景がまた素晴らしい。建物の先には青空が覗き、緑の笹原とのコントラストに感動しながら立ちつくす。この風景が白神岳登山の醍醐味と思われる。鞍部の先には祠が祭られており、この先にはクルマユリの花が鮮やかな色で咲いている。

清潔なトイレ 避難小屋

 眼下を見下ろせば、霧の切れ間から港の風景が一瞬現れた。さあ、建物の横に向かおう。すぐに建物の横へ到着、背の高い避雷針のあるこの建物は、清潔な公衆トイレだった。トイレ棟の先には避難小屋が建ち、中で寝られるようになっている。

山頂へ続く道 一等三角点の置かれた白神岳山頂

白神岳の山頂風景

 もう山頂は目の前、木道の整備された道を進むと白神岳の山頂へ到着、一等三角点の置かれた狭い山頂には大勢の登山者がおり、ベンチに腰掛けた登山者が昼食を摂っている。周囲に広がる展望を眺めていると、名峰岩木山がなだらかな山裾を見せているが、山頂部は雲の中に隠れている。ラーメンを食べるためのお湯を沸かす間に、登山者は次々と出発し始めた。

白神岳山頂から眺める風景

にぎやかな白神岳の山頂風景

 山頂に青森の人が残っていたので、青森ねぶた祭りの話しをすると、青森まで帰らずに今日は五所川原の立佞武多を見ると良いと教えてくれた。そのうち山頂を独り占め状態となったのでのんびりカップヌードルとおむすびの昼食を摂る。間もなく埼玉から来た人が山頂へ到着。この人は、仕事を辞めて、しばらくの間のんびり山歩きをするということで、明日には八甲田山へ登るそうだ。

登山途中に眺めた花

 山頂でのんびり過ごしたので下山を開始。下山途中にしっかり花の観賞をしようとしたが、見る角度が違うので、登山時に目をつけていた花が分からなくなった。それでもいくつかの花を観賞、最後に日本海の展望を眺めようとするが、こちらは霧や雲に包まれていた。

日本海 岩木山方面

下山時に展望地から眺める風景

 午後3時前に無事登山口まで戻ったが、有名な黄金崎不老ふ死温泉へ入るには、既に時間が迫りすぎている。そこで、別の温泉に向かうことに決め、一旦港まで下り、山頂方面を眺めてみた。やはり想像の通り、港からトイレ棟を見つけることができた。

海岸から眺める白神岳 双眼鏡で眺めるとトイレ棟が見える

 国道まで戻って北上し、途中の展望所から白神岳を眺める。やはりトイレ棟が目印で、山頂の位置がよく分かる。更に北上し、みちのく温泉へ到着、若がえりの湯に入る。この温泉は鉄分が多く、お湯は黄金色というか、茶色なので有名な黄金崎不老ふ死温泉も同じ泉質と思われる。

みちのく温泉と露天風呂の風景

 温泉の案内によれば、源泉掛け流し100%の天然温泉で、遊離二酸化炭素含有量日本一。「美人の湯 とも呼ばれ、美肌効果もあるそうだ。また、みちのく温泉には多くの露天風呂があり、眼下に日本海を見下ろし、JR五能線までも間近に眺めることのできる温泉である。のんびり温泉に浸かり、白神岳での汗を流した。

深浦町の海岸線 千畳敷

 みちのく温泉を出発、国道101号を北上し、五所川原を目指す。このとき眺める海岸線が美しく、名もない岩などがとても美しく見える。度々立ち止まりながら進んでいると、千畳敷海岸に出た。ここは日本の水浴場55選に剪定されており、千畳敷及びかぶと岩は深浦町指定の名勝で、千畳敷周辺は、寛政4年(1792)の地震で海底が隆起し、水面にあらわれたところで、かぶと岩、潮吹き岩などの奇岩怪岩が多くみられる。

千畳敷海岸の風景

 その昔、領内巡視で立ち寄った弘前藩主は、ここに千畳の畳を敷いて、200間の幕を張り、風景を眺望したことから千畳敷と呼ばれるようになった。その後も太宰治、大町桂月など多くの文化人らが訪れ、この景色を賞賛しているそうだ。夕日の美しいことは分かるが、本日は五所川原の立佞武多が待っているので、美しい海岸を眺めて千畳敷を出発する。

岩木山(写真をクリツクで拡大) 五所川原市街から眺める夕日

 深浦町から鰺ヶ沢町、つがる市を経由して五所川原市に入る。五所川原市から南西方向を眺めると、岩木山の山頂付近が雲の上に覗いており、美しい山容をしばらく眺める。やがて五所川原市に入ると同時に美しい夕日を眺める。

五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)祭り

 五所川原の中心街へ向けて進むと、ねぶた祭りのため通行止めの箇所に着いた。そこで、前の車の後について行くと、岩木川の河川敷に入り、幸運にも駐車することができた。すぐにみんなの後をついて行き、商店街に入ると大きな立佞武多が街中を移動している。

勇壮な五所川原ねぶた祭り

 大きな立佞武多に感激、5階建てのビルより高いねぶたはとてもユーモラスだが迫力がある。7時過ぎから8時過ぎまで約1時間程度ねぶたを見学。やはり本場のねぶたは圧倒されるほど迫力がある。感動のねぶた見学の後、渋滞の中を抜け、コンビニでビールなどを買いこみ、宿泊所へ向かった。

ブナ林

水場

展望地

建物と山頂

山頂を遠望

山頂から眺める風景

五所川原立佞武多

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 青森県深浦町 登山口付近のMAP

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