トップに戻る 2023年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順
焼火神社入口から国道485号まで戻り左折、瀬戸山トンネルを潜り、西ノ島大橋を渡り浦郷地区を通過。この先の左に由良比女神社があるので立ち寄る。するめ大明神に参拝し、多くのお願いをした。神社横の由良の浜ではかつてイカをたくさん拾うことができたと言われている。由良比女神社参拝が終われば、いよいよ国賀海岸への道を進む。
道の横に国賀海岸の案内の立つ場所へ着けば、もう目的地までわずか。すぐに国賀海岸の駐車場に到着、小さなリュックにペットボトルを2本入れ海岸へ向かって坂を下る。天上界と言われる奇岩大岩の並ぶ国賀海岸、周囲の景色は15年前と全く変わっていないように見える。
象鼻岩、尖った観音岩、かえるに見える蛙岩など素晴らしい展望が続いている。摩天街へ向かう遊歩道を進んでいると正面に通天橋が見えてきた。青空の下の通天橋は感動的な美しさで、これを形容する言葉が見当たらない。周囲に広がる奇岩大岩も素晴らしい。
摩天崖へ1.8kmの案内を見て遊歩道を出発、横木の階段を登り、背後を眺めれば天上界の先、海を挟んで赤尾展望所の緑が鮮やかだ。眼下に通天橋も眺めるが、美しい景色が続くのでいっこうに高度が上がらない。更に高度を上げると放牧地の中に入る。この先からはフン対策に集中する。ただし、乾燥したフンは少々踏んでも大丈夫で、本土の牧場での嫌なにおいは全く感じない。従って牛馬の横を通っても悪臭は無く、放牧地を歩くのに大した問題は無いことを先に説明しておく。
さて、放牧地に入ると通天橋の上にそびえる左に急峻な崖が現れた。これだけでも凄い景色である。右に休憩中の牛を過ごし緑の草原を進む。背後には赤尾展望所がなだらかな丘のように見えている。途中には木道も設置されており、この上を通り少しずつ高度を上げる。振り返れば明らかに高度が上がっていることが解り、緑の草原は更に美しい。
赤尾展望所に天上界の風景、今日一日でこの美しい景色を何回見ることだろう。見る間に赤尾展望所の緑の草原に白い雲が懸かり、青い空も併せてそのコントラストが美しい。次第に坂の傾斜がきつくなり、木道を一気に登れば天上界を真下に見る場所に着いた。
この美しさは以前眺めた景色と全く変わらないものである。ここで展望所へ0.1km(摩天崖へ1.2km)の案内に従い少し西へ移動すれば摩天崖の断崖と天上界の展望を眺めることができる。摩天崖は今も風波の影響で少しずつ浸食されているのだろう。この景色も素晴らしい。
進行方向に立っている牛はこちらの動きを見て道を譲ってくれるので心配はいらない。最後に摩天崖へ向かって草原を進めば、背後に乙姫御殿が現れた。赤尾展望所の先には雲が目立ち始めたが頭上は晴れており、明るい日差しが心地よい。すぐに標高257mの摩天崖に到着、摩天崖の周囲は寝そべる牛と観光客で賑やかだった。
今度は赤尾展望所や天上界、乙姫御殿を正面に眺めながら下るため、美しい風景に途中で何度も足が止まる。国賀海岸まで下り立ち、最後に通天橋を眺めるが、やはり素晴らしい。国賀海岸の最後は国賀神社へ参拝、いつも感動するのは火野葦平の隠岐島寄譚よりの一説。 三百メートルある摩天崖をはじめとする粗面玄武岩の断崖絶壁には龜島、烏帽子岩、佛岩、乙姫御殿、通天橋、鬼ヶ城などの名がついているがこの絶勝を筆舌で表現することは出来ない。 頼山陽は耶馬渓を見て筆を投げたといふがその十倍もすばらしいこの國賀を見たら眼をまはすかもしれない。
そう、この国賀を形容する言葉は凄い以外無いと思う。車に戻り次に向かう場所を考えるが、もう西ノ島町に滞在できる時間は残り少なくなっている。最後に後醍醐天皇行在所跡の黒木御所へ向かう。別府港前を通過し、この先にある後醍醐天皇行在所跡の黒木神社へ向かう。 元弘の乱に敗れた第96代後醍醐天皇は1332年西ノ島に配流されたが約1年後島民たちの献身的な協力により脱出し、鎌倉幕府倒幕に成功した。碧風館を左に過ごし奥へ進むと左に階段が続いている。黒木御所跡の石柱を確認して石段を登ると、すぐに黒木神社へ着く。
レンタカーを返却し別府港に着いたフェリーしらしまに乗船し出港。西ノ島のフェリーターミナルには「げげげの鬼太郎の目玉おやじと一反木綿」が「ありがとう」と、手を振っていた。フェリーから黒木御所跡、家督山を眺めながらそれぞれに登った事を思い出す。内航船が家督山の前で交差し島前での楽しい二日間はあっと言う間に過ぎたことを痛感した。
フェリーから三郎岩を眺め、更に中ノ島の金光寺山を眺める。金光寺山の中腹に建つ「隠岐しぜん村」、山頂手前に建つ施設もフェリーから眺めることができた。 島後の島々が見えてきたところで高速船レインボーが目の前を横切る。隠岐の島町最高峰の大満寺山がその勇姿を現し、いよいよと言う感じで島後が近くなってきた。
西郷港に入るに連れ日は西に傾き、大満寺山もその裾野が手前の景色に遮られてしまった。フェリーしらしまは定刻に西郷港へ到着、港から本日宿泊のホテルへ向かう途中に眺める大満寺山山頂は、平坦に見えた。ホテルに到着後すぐに夕食を摂ったが、カレイの味噌煮、刺身、豚の生姜焼き、焼き鳥、フライ、香の物など食べきれないほど豪華だった。
摩天崖から眺める展望
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