トップに戻る 2023年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順
→0:17→ 垰 →0:28→ 鷺ヶ峰 →0:15→ 垰 →0:10→ 乳房杉
昨日は豪華な夕食にびっくりしたが、今朝の朝食も昨日と同様豪華で、目玉焼きは燃料で焼く物、シャケ、納豆、海藻、漬物三種、サラダでこれらは他の部屋の人たちと同じだった。朝食後レンタカー会社へ移動し手続きの後すぐに出発した。最初に向かうのは乳房杉で、レンタカー会社へ行き方を聞いたところ、先週大雨が降ったので銚子ダム経由の道の状況は分からないとのこと。反対側の布施地区にある蓬莱荘横から登る方が安全とのことだった。
旅先なので安全第一、布施地区へ向かい隠岐国分寺への分岐を過ごし、銚子ダムへの案内に従い交差点を右折、しばらく進むと乳房杉への近道の銚子ダム横を通る道が現れるが通過、まずかぶら杉を見学する。新武良トンネルを潜った先でかぶら杉の案内を確認し、右の駐車場に車を置いてかぶら杉を観賞した。
かぶら杉は中村のかぶら杉と言われる杉で、樹形が鏑矢の先に似ているからとか大きな株が目立つからなど諸説あるそうだが、1本の株が根元から複数の幹に分かれたもので、幹は現在7本残っているが、かつては12本あったそうだ。大きな杉なので近くから写真を撮っても全体像が分からないほど大きい杉である。杉の手前には目玉おやじなどの妖怪が置かれており、こんなものは15年前には無かったものである。この辺りが少しずつ賑やかになっているのはとても嬉しい。
かぶら杉を出発、やがて国道485号に合流し右折、登山用の飲料水を購入していなかったので自動販売機で2本購入、国道を道なりに進むと乳房杉へ6.2kmの案内に着いた。ここまで銚子ダム入口から20分程度の時間を要した。案内に従い林道南谷線を進むと約15分で乳房杉へ到着、銚子ダム経由から考えると、ロスタイム20分と言うところだろう。確かに道は広く事故の心配は少ない。
さて、最初に乳房杉の観光だが、確かに乳房の形をした大杉である。案内に寄れば乳房杉の根元には岩盤があり、必要な水分を地中から得ることが難しい。周辺の温度が常に高いこともあり、乳房杉は地上にある根から水分を得ていたため、根がこのように発達したそうだ。道路横の展望所には鳥居が設置され、鳥居から先のロープ内側には入れなくなっていた。
さて、大満寺登山を始める。乳房杉から少し下った所で南へ向かう登山道入口に出会う。大満寺山0.9kmと案内されているので間違えることは無い。なお、この登山道は15年前にもこの地に設置されていた。登山道に入り周囲に杉を眺めながら少しずつ高度を上げる。時折草の茂る場所もあるが、総じてよく踏まれており路に迷う心配は無い。
滑りやすい場所には補助のロープが設置され、行き届いた配慮がありがたい。ただし、周囲が自然林に変わり、足下に石のある水平道は滑りやすいので注意が必要だ。周囲に展望の無い登山道を進んでいたらやがて有木方面からの登山道と合流、これで前回通った道と出会うことができた。
分岐を右折し大満寺山へ向かう。案内には大満寺山へ0.5kmと書かれていた。大満寺へは最初こそ緩やかな傾斜だが、すぐに傾斜がきつくなり、補助のロープが現れた。倒木の下をくぐれば足下には不安定な石が転がり、慎重に足場を選びながら高度を上げる。やがてピークに立ったかと思うとわずかに下り、再び足下不安定な道をわずかに高度を上げる。
すぐに案内標識を過ごせば「創立80周年記念・島根県立隠岐水産高等学校」のプレートの置かれた大満寺山山頂に着いた。前回登山時には西郷港方面を眺めることができたが、本日は霞みの中である。一等三角点の置かれた山頂で小休止の後、今回は反対側に下りる。
岩の目立つ道をわずかに進むと急傾斜の道に変わり、補助のロープを伝って慎重に下る。滑りやすく急峻な下りはしばらく続き、この方向からの登山を当初予定していたが、最後に苦労するパターンのようだ。左右に草の茂る道を一気に高度を下げる。やがて坂の傾斜が緩み一安心。
すぐに鋪装道に着き、入口に立つ大満寺山0.6kmの案内を眺める。こちら側からの登山道は、距離が短いだけ急登と言うことである。坂をわずかに登れば峠に着き、右側に掲示されている「大満寺・鷺ヶ峰登山コース」の案内を見る。案内に寄れば、大満寺ルートは隠岐最高峰からの風景が、鷺ヶ峰ルートでは尾根沿いの変化に富む植物相を見ることができるそうだ。
林道を出発し、今回遠征最後の鷺ヶ峰三角点へ向かって登山を始める。山道に入り鷺ヶ峰へ0.6kmの案内を過ごす。6月の登山なので左右に草が生い茂っているが踏み跡は確かなので路に迷う心配は無い。すぐに木の階段を登れば三角点まで0.5km、大した距離では無いようだ。案内板も設置されフェリーの出港時間を気にしている身ではとても励みになる。
ところがほんの数秒進んだところで鷺ヶ峰へ0.4kmの案内が置かれ標識に対する信頼が失せる。登山道は階段などが整備されとても歩きやすく快調に歩を進める。「大満寺山系の鳥」の案内を過ごし少し坂を登れば三角点まで0.3kmの案内を通過する。
この先で鉄製の手摺りが現れ、次に鉄製の階段が現れる。急な坂を登ると周囲にオキシャクナゲが現れた。もう花期は終わっているので残念だが、もう1ヶ月程度早ければ満開のシャクナゲを眺めることができたようだ。大岩の横を進み手摺りを伝って岩を越える。この辺りの登山道はしっかり整備されている。
岩の多い場所を通過すると周囲が少し明るくなり、西方面を眺める展望地に出た。当日は前方に霞がかかっていたためはっきり展望を確認することはできなかったが、登山途中のアクセントにはなりそうだ。足下にホウチャクソウが見えた先で「大満寺山系の花」の案内を過ごす。もう三角点までは0.1kmと案内され、目的地まではわずかな距離になっている。
山腹に続く道を進み、わずかに高度を上げれば鷺ヶ峰の標柱が立っていた。分岐を左へ進めば300mで神原高原、右にとれば屏風岩観察ポイントと案内されている。分岐の先左には四等三角点が置かれており、この地点が本日の目的地である。三角点を確認し、展望岩観察ポイントへ28mの案内を見て分岐を出発し北へ進む。
すぐにいくつかのオキシャクナゲを眺めることができた。これは幸運以外何物でも無い。ピンクのつぼみも残っており、お花見の季節を少し過ごしてしまったが希少な花を観賞できたのでとても満足である。そのまま先へ向かうと大岩があり、この上に立てば柱状節理の屏風岩を眺めることができた。少し霞み気味ではあるが屏風岩を眺めることができたので満足である。
更に奥へ進むと550mの標高点手前でトカゲ岩を眺めることもできるようだが、フェリーの出港時間を考えるととても行けそうに無い。このポイントで下山を開始する。三角点まで引き返し、元来た道を引き返し、林道へ下り立った。そのまま林道を下り乳房杉を観賞し駐車地まで帰り着いた。
町に戻るのには銚子ダム方面へ直接下ることにした。これは2台の車がこの方面からきて、道の状況に問題が無いと言うことを聞いたからである。確かに道路上には落石等も無く、問題無く麓まで下ることができた。この先は残された時間で隠岐国分寺や隠岐三大杉の残りの八百杉観賞をする。
銚子ダムの先を左折、最初に隠岐国分寺へ向かう。国分寺の本堂は2007年(平成19年)に焼失しており、私が前回訪問時したのはこの翌年2008年(平成20年)で、当時は本堂の建っていた場所には礎石以外何も残っていなかった。その後15年の間にりっぱな本堂が再建されていたことがとても嬉しい。当時は本堂が無かったので直接後醍醐天皇行在所跡を眺めることができたが、今回は本堂横を通って行在所跡へ向かう。
広い行在所跡の奧には玉城鎮守社が祀られており、後醍醐天皇の御尊像が祀られているとあったので向かってみたが、御尊像を拝見することはできなかった。前回訪問時に眺めた「後醍醐天皇御遷幸六百六拾年記念之碑」と碑に書かれていた吉川英治の私本太平記の一節、後醍醐天皇御遷幸ゆかりの寺略縁起を見逃してしまった。
さて、国分寺を出発、次は最後の訪問地の玉若酢命神社で、駐車場に車を置いて境内に入り随神門を潜る。この先に立つ八百杉は樹齢千数百年と言われる国内有数の杉の巨木で樹高約30m、胸高周囲約11m、初めて眺めたのが30年程度前だがやはり感動的な大きさである。その後玉若酢命神社へ参拝、玉若酢命神社は玉若酢命を主祭神とし大国主命、須佐之男命外二柱の姫神を配祀。玉若酢命は水若酢命と共にこの島を開拓された二祖神である。
立派な神社、八百杉、随神門を眺めていよいよ隠岐の島の登山と観光は終了である。レンタカーを返却し、タクシーで港まで送ってもらい、フェリーくにがに乗り込み15時10分に西郷港を出港。デッキに立ち隠岐最高峰の大満寺山を眺めながら売店が購入した弁当を食べる。 最後の最後まで昼食はこんなものばかりである。大満寺山の山頂は右側から登っており、一旦ピークに着いて、わずかに下って登り返せば山頂に着いた。左側の方が確かにわずかに高くなってる。大満寺山の左側にわずかに覗いているのが鷲ヶ峰だろうか。大満寺山が見えなくなるまでデッキに座り隠岐の島の方向を眺めていた。たった3日間の隠岐旅行はあっと言う間に終わった。時間に追われて忙しい三日間でもあり、なんと言っても楽しい三日間であった。
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