行者様U・須佐高山U(ぎょうじゃさま・すさこうやま)行者様旧参道コース 山口県萩市須佐地区

2005年 3月10日 初回登山を見る
2007年 5月26日 金光康資氏・中島篤巳氏と登山を見る

2007年5月26日

行者様・須佐高山

参考コースタイム

登山開始 →0:25→ 石組みへの分岐 →0:07→ 高山と行者様の鞍部

 →0:05→ 行者様 →0:05→ 行者様山頂 →0:10→ 高山と行者様の鞍部

 →0:08→ 舗装路 →0:15→ 須佐高山 →0:25→ 黄帝社

全歩行時間 1時間40分

 いよいよ尊敬する「防長山野へのいざない」の著者「金光康さん」「山口県百名山」等の著者で医学博士の「中島篤巳先生」(お二人のご紹介は末尾に記載)、山口県山岳界の重鎮である両氏と、初めて山歩きにご一緒させて頂く日がやってきた。6時半にネット仲間の大星さんの運転により柳井を出発、今は岩国市となった周東町高森付近より国道2号を走り、周東町西長野手前から国道376号を通り、周南市八代・須々万を経由、その先で国道315号に入り周南市鹿野を過ぎ、阿東町徳佐に到着、交差点付近のコンビニにて昼食用のお弁当を購入する。

 そのまま国道315号を須佐に向かって進み、右手に十種ヶ峰を見るのだが霞んでいる。時間の経過と共にこの霞は取れるだろうと期待しながら進むのだがいっこうに霞が取れない。柳井から丁度2時間半の行程で、午前9時前後には須佐に到着、集合時間の10時半には早すぎたので有名なホルンフェルスの観光に向かう。

ホルンフェルス断層を観光

ホルンフェルス断層の周辺散策

 日本海側に向かい、豪快なホルンフェルス断層に感激、周囲をしばらく散策し、その後海苔石園地方面に向かい眼下の展望を眺める。この時点で黄砂が降っていることがわかった。遠く中国から運ばれた砂のために本日の展望は望めないようだ。

海苔石園地の展望

海岸から眺める高山は黄砂で霞んでいる 須佐駅に到着

 午前10時前にホルンフェルス断層を出発、須佐駅に到着すると、既に沢山の方が登山準備をされていた。間もなく金光さん・中島先生も到着、初めてお会いした金光さんはとても気持ちの良い方で、想像していた通りの素晴らしい方だった。また、中島先生は私の勤務している病院に、20年以上前に勤務されていたことがあり、1年前にもふらりと病院を訪ねられた際にお会いしているのだが、とても懐かしい気がした。

須佐駅に停車した電車 須佐駅前にて事前の打ち合わせ

 下山後の車の配置をした後、須佐駅にて総勢15名の紹介があり、そのまま須佐駅を出発した。本日は新たに整備された「行者様旧参道コース」を通り「行者様」の山頂を踏んだ後、磁石石で有名な「須佐高山」を経由して「黄帝社」まで下りるコースを取る。

 国道191号を少し田万川方面に進み、北谷付近から左折し、そのまま道なりに進むと高良地区に到着、分岐の中央に鳥獣保護区の赤い標識が立ち、その横には「高山登山道・行者様コース入口 山道開拓団」の標識がかけてある。

北谷付近から国道を左折 分岐を左に取る

 標識に従い左の荒れた道に入ると正面に最奥の民家を見る事が出来る。登山道は右に向かう林道に続いており、車を下りて登山準備をする。中島先生より季節はずれのミカンの配給を受け、金光さんより周辺の地図が渡され、現在地の確認の後、午前11時05分に行者様へ向けて登山を開始する。

電柱には行者様コースの標識がかけてある 登山開始

 歩き始めるとすぐ左手に休耕田が広がり、この場所からは高山の舗装路横に立つアンテナを眺めることが出来る。この先しばらく展望が無くなるので、しっかりと周囲の位置関係を眺めておく。

左に休耕田を見る アンテナを眺める

 この先の分岐は右の道を取り、少しシダの残る道を進んで行く。この先で更に道は分岐し、右手に「行者様(山)・高山登山道 山道開拓団」の標識を見て右の道に入り、いよいよこの場所から山道となる。足下のシダは綺麗に刈り払われており、とても歩きやすくなっている。

分岐を右に取る 更に分岐を右に取る
シダが綺麗に刈られている 大きな岩を過ごす

 時折左右に大きな岩を過ごしながらの坂道が続き、しばらくは明るい空の下、緩やかな坂道を快適に進んで行く。 登山開始から15分足らずで竹林帯の中を通過、その先で少し木々の迫る樹林帯の中を進むと更に5分で足下に白いギンリョウソウを見ることが出来た。この花は本日最初に見た花である。

樹林帯を通過 ギンリョウソウ

 その先の左手に座るのに丁度良い岩(勝手に座禅岩と命名)を過ごし、座禅岩の先で左に分岐する道についての説明を受け、左の道に少し入るとすぐに立派な石垣が設置されていた。何時の時代の物だろうかと審議が続いたが、ワイヤーロープが残っていたので遠い昔に設置された物ではないようだ。

休憩によい岩(勝手に座禅岩と命名) 左に石垣のある分岐

石垣を眺めるため寄り道をする

 丁度良い小休止になったので、元の道に戻り登山を再開する。なお、この分岐付近には鳥獣保護区の赤い標識が立っているので目印となる。この先で登山道は左右に折り返し、その後真っ直ぐに樹林の下の坂道を進むと行者様への鞍部に到着した。鳥獣保護区の標識からは7分の行程である。鞍部にて小休止の後、行者様に向かう。

左右に折り返して進む 鞍部にて小休止

 行者様に向かうに連れ、左手に大きな岩が目立ち、足下に参道らしき石段を踏みしめて行くと正面に行者様の大岩が見えてきた。大岩を過ごして振り返ると懐かしい行者様を見ることが出来た。早速行者様に参拝し、沢山のお願いをする。

左には行者様の大岩 行者様

 行者様の中を初めて拝見すると、外から見た大岩の中に祠が祭られているようで、周囲の岩は不思議な色をしている。行者様の参拝後、上の方に祠があるというので参拝をする。この付近には見覚えがあるのでそのまま岩の左を巻いて岩の上に上がると高山方面を見渡すことが出来た。

行者様に参拝 行者様上に安置されている高良権現に参拝

 本日は黄砂のため霞んでいるが、空気が澄んでいれば素晴らしい展望を見ることが出来る。但し、この岩道は慎重に進まないと危ない箇所があるので、通常は行者様から左手に向かう坂道を進む方が無難である。

高良権現上の大岩から高山方面は霞んでいる 行者様から左斜めの坂に向かう

 行者様から左斜めの坂に向かうと間もなく足下に大岩を踏みしめながら進むことになり、その先からは尾根沿いに右方向に向かう事になる。尾根に着くと左手に「行者様山頂」の標識が掛けてあり、左手の大岩の上に立つと眼下には灯台と雄大なる日本海が広がってくる。

足下に大岩を踏みしめて登る 行者様山頂の標識が掛けてある

大岩の上に立つと日本海と灯台が見える

 この大岩の場所から少し進んだ左手に「磁石石」(標識は無い)があるのでコンパスを持っている方は試してみると良い。石の周囲にコンパスを近づけると方位が狂っていることがわかる。磁石石の先を少し進むと足下に赤い標高点が立っており、この場所が行者様の山頂らしい。このほかに目印はなく周囲は樹林の中なので行者様からの展望はない。

行者様の磁石石 行者様山頂付近

 標高点にて記念撮影をした後、山頂から引き返すことにした。行者様の横を通り、元来た道を引き返す。間もなく鞍部に到着、ここで昼食を取ることになった。皆さんと同じ場所で、時間を共有している幸せをかみしめながらの昼食は多分忘れられない思い出となるだろう。

行者様の標高点 行者様から下りる

 昼食後にはいつものコーヒータイム、我が家の冷蔵庫にしばらく眠っていた、ゴディバのチョコレート風味のコーヒーを、永さんにお願いして煎れて貰う。甘い香りが周囲に漂いとても良い感じ。金光さん・中島先生より美味しいという言葉を頂き、私まで嬉しくなってきた。残りのコーヒーを皆さんに飲んで頂き楽しい時間を過ごすことが出来た。

昼食風景

 午後1時に鞍部を出発、須佐高山に向かって進むことになった。美しい青葉の下、鞍部から登り返して・・・と、言っても鞍部から舗装路まで7分の行程であり、すぐに舗装道に到着、舗装路から行者様の美しい山容を眺める事が出来た。

鞍部を出発 木漏れ日の中を進む
舗装路に到着 舗装路から眺める行者様

 舗装路にて午後から予定のある中島先生を全員が見送る。中島先生より「一足早く現実に戻ってきます」とのお別れのお言葉を頂き、大爆笑の後、高山に向かう。舗装路から須佐湾の見える場所もあるのだが、本日は黄砂のため展望はない。

中島先生(中央)と記念写真 擬木の階段道に向かう

 正面の擬木の階段道を登り、未舗装道を左に進むと右手にトイレを過ごし、その先の階段を上ると高山山頂に到着した。周囲には磁石石の説明板も設置してあるので勉強になる。山頂には一等三角点が立ち、空気の澄んだ日に岩の上に上がれば素晴らしい展望が開けている。

須佐高山三角点 山頂の岩の上の金光さん

 高山山頂から北の方面には有名な風穴があるので、荷物を置いて見学に行く。案内標識も設置されているので迷うことは無いのだが、滑りやすい土質なのでロープを掴みながら慎重に下りることをお勧めする。少し下りて行くと風穴の説明板の上に大きな穴が空いている。この付近に来ると、とても涼しい風が吹いており、夏場に来ると気持ちが良い場所である。

山頂風景 風穴

 風穴を楽しんだ後、高山に戻り山頂散策を続ける。周囲にはお地蔵様も鎮座されており、明るい山頂を楽しむ。以前眺めた須佐湾の展望を思い出しながら周囲を眺めていると霞んだ風景でも美しく見えてくるから不思議だ。山頂にての散策の後、いよいよ高山を出発することになった。

山頂広場 山頂の石仏

 山頂の右手から黄帝社に向かって下りて行くと樹林を伐採した箇所を過ごし、下山口から3分で天然記念物高山の磁石石に到着、コンパスを近づけてみると確かに方位が狂っている。しばらく珍しい磁石石を見学した後更に下山を続ける。

黄帝社への下山口 磁石石

 この先下山道は黒いホースに従って下りて行くことになり、ホース沿いに下りて行けば迷うことはない。木漏れ日の射す樹林帯を総勢14名でゆっくりと下りて行く。途中ではまだ早い笹ユリのつぼみを眺めたり、小さな花を観賞したりで緩やかな坂道を下りて行く。

黒いホース沿いに下りる ササユリに時期には早すぎた

 磁石石を出発して15分程度下るとそれまで緩やかだった道は角度がきつくなり、滑りやすい道に変わってくる。相変わらず足下には黒いホースが続いており、慎重な下山が続いている。間もなく竹林帯に入り、一旦右に大きく迂回し、左側に戻るように進んで行くと目の前にはフェンスに囲まれた施設を過ごし、そのまま右手に進んで行くと下山口の黄帝社に到着した。

黄帝社に到着

 黄帝社の左手の狛犬の前には錆びた刀剣のような物が置かれていた。手に持ってみるととても重く、本物の刀剣に思えるから不思議だ。黄帝社に沢山のお願いをした後、黄帝社を出発する。先発隊は事前に配置した車にて運転手を乗せ、登山口に車を取りに行ったので、我々は少しずつ舗装路を下りてゆく。

狛犬の前には錆びた刀剣のような物 中国を向いている台座

 明るい空の下、舗装路歩きも悪くない。ゆっくりと舗装路を下りて行き、左手に栗林を過ごすと山頂方面にはアンテナを眺めることが出来る。周囲の休耕田はわらびの里となっており、春の適当な時期に日時を決めてわらび取りを実施しているそうだ。この標識を見た後に迎えの車が到着、須佐駅に向けて出発する。

わらびの里 金光さんと記念写真

 須佐駅にて全員の記念写真を撮った後、散会となった。一日楽しい山歩きをすることができた喜びをかみしめながら須佐駅を出発した。皆様楽しい山歩きをさせて頂きありがとうございました。

須佐駅にて記念写真

 

中島篤巳氏の紹介

医学博士、作家、日本山岳会会員、片山伯耆流柔術宗家、空手道師範、写真家、スポーツ医

山岳関係の著書には「山口県の山」、「山口県百名山」、「広島県百名山」、「岡山県百名山」、「鳥取県百名山」等多数あり

 

金光康資氏の紹介

日本山岳会会員、山陽小野田市役所勤務

著書に「防長山野へのいざない第1集」、「同 第2集」、「同 第3集」平成19年2月には「同 第1集改訂版」を発行された

 

 前の山 猿政山 を見る

 次の 胡麻ヶ岳 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 山口県萩市 須佐高山 登山口付近のMAP

登山リスト(あいうえお順)に戻る

登った山のリストに戻る

トップに戻る