大師山(大師山)・白滝山(しらたきやま) 山口県岩国市美和町
2002年8月24日 白滝山往復登山を見る
2005年11月23日(水曜日)の大師山〜白滝山縦走を見る
2016年 2月21日の大師山〜白滝山周回2016年を見る
2022年11月12日の白滝山〜大師山周回登山を見る

2005年11月23日(水曜日)

大師山〜白滝山縦走

登山口 岸根地区集会場

ガイド本 中島篤巳著 山口県の山

登山開始 9:18 大師山到着 10:28 大師山出発 11:13 岩峰到着 12:05 岩峰出発

 12:44 白滝山到着 12:51 白滝山出発 13:03 下山終了 13:35

登山開始 1:10 大師山到着 0:45 大師山出発 0:52 岩峰到着 0:39 岩峰出発

 0:07 白滝山到着 0:12 白滝山出発 0:32 下山終了

登山時間 4:17

 久しぶりに中国山地の熊出没地区に向かおうと、島根県吉賀町(旧六日市町)の友人に熊情報を聞くと、今年は例年に比べて暖かく、まだまだ熊の冬眠には早いと言うことなので、本日は近場の美和町大師山から白滝山への縦走に向かうことにした。

 登山初年度の2002年(平成14年)に白滝山には登っており、その時の感動は今も覚えている。山頂から見る弥栄ダム・寂地山方面の素晴らしさをもう一度味わうことができるだろうか。

 美和方面に行く際のいつものルートである新岩国に向かうが、台風による高速道路崩壊のため最近このルートを通るのに5分から10分程度余分に時間がかかる。新岩国を通り過ぎ、国道2号の多田交差点から県道111号岩国美和線を快適に走り、松尾トンネルを抜け、弥栄ダム分岐を右折し、県道135号を走るとすぐに弥栄ダムの手前の県道116号に着く。

登山口の岸根地区集会所への入口 河内大明神の祠に参拝

 県道は弥栄大橋とは反対側の百合谷橋を渡り、美和方面に少し戻るともう一つ橋を渡った右手に「白滝山入口、大師山八十八ヶ所」の看板を見つけることができる。看板の側には「栗の里岸根地区案内板」が設置してあるので登山口の岸根地区集会場はすぐに分かる。岸根地区集会場には登山ノートもあるので記帳をする。集会場の横には河内大明神の祠があり、祠に参拝して本日の登山の無事を祈願し、登山を開始する。

山口の岸根地区集会場 岸根集会所から眺める大師山

 集会場入口には史跡白瀧城址の説明版が立っており、白滝山の名前の由来などが書かれている。白滝山への登山口の道標は東に向かっているが、今回は先に大師山を目指すため舗装道を真っ直ぐ北に向かう。北東方向には白滝山、北方面にはこれから目指す大師山が広がっている。

集会所入口に掲示されている案内板

 白滝山への登山口を過ぎると今度は白滝山・大師山登山ルート図が設置されており、これから歩くルートを頭に入れる。ルート案内図や登山口の道標などが前回来た時よりも格段に整備されていることが分かった。広い舗装道を準備運動のつもりでゆっくり歩き出す。すぐに右側には白滝山へのBルートが分岐し山頂まで1.9kmの表示となっている。

白滝山へのAルート登山口 Bルート登山口

 先程の岸根集会場から直接白滝山を目指すAルートでは100m程度進んだ分岐の所に山頂まで1410mの標識があるが、AルートでもBルートでも案内版によると往復すれば1時間半であり、白滝山から大師山への縦走を入れると2時間半と記載されている。

 しばらく舗装道を進むと左側に台風による水害の跡と思われる場所がある。大量の土砂と水が流れて被害が甚大であることが分かる。その先には有名な岸根栗林が広がっているがもう収穫の季節は終わっていた。その代わりに柿がたわわに実っているのが印象的だ。

水害の跡 柿と岸根栗

 集会場から20分程度歩くと左に御大師様の像が立っており、その先には鉄製の階段が設置してある。鉄製の階段を慎重に登り、山道に取り付く。最初はシダが茂る場所もあるが登山道は明確であり迷うことはない。階段を登って5分も歩くと東屋に到着、その先には「昭御影八十八箇所 弘法大師 第四番岸根韮石霊場」の大師堂が立っている。

御大師様の像 鉄製の階段を登る
東屋 大師堂

 大師堂の先には広い駐車場が整備されており、大師堂まで車で来て、八十八ヶ所霊場巡りをすることもできるようだ。そのまま右手の巡拝路を通ることもできるようだが、くぐり岩を抜けるため、来た道を東屋の先まで戻ると左に分岐する巡拝路に向かう。道端には観音石仏が鎮座されており、石仏に頭を下げながら高度を上げて行く。

観音石仏が並ぶ くぐり岩を見上げる

 巡拝路に入ると10分もかからずに目の前には大きな岩が立ち塞がる。これが有名なくぐり岩である。いったいこの岩をどのように通れば反対側に行けるのかじっくりと観察する。しばらく思案した結果、上から岩の中に入り、岩の横から反対側に出ると言うことが分かった。

くぐり岩の出口

 実際に岩の上から岩の中に入ろうとするが、岩の間が狭く、リュックを背負ったままでは通れないのでリュックを手に持ってくぐり抜けると反対側に無事通り抜けることができた。このくぐり岩が楽しくて何回も行ったり来たりして楽しむ。くぐり岩から見る岸根集落から先の展望も素晴らしく岩の上でうろうろしている内に時間がすぐに過ぎる。

上から入る 下から出てくる

 たっぷりとくぐり岩を楽しんだ後、先に進むことにした。大師山方面には急な岩場が広がっており、展望を楽しむ。巡拝路はだんだん岩の道となり、坂も急なので岩を掴みながら高度を上げて行くことになる。滑りそうな登山道を慎重に進んで行くとくぐり岩からは10分で巡拝路の分岐に到着、これから山頂に向かい更に坂が急になる。

岩の道を進む 石仏が並ぶ

 シダの茂る道を滑らないように進むとロープに渡してある急な岩場が近づいてくる。ここまで来るとロープの助けを借り、三点確保の要領でゆっくり慎重に進む。程なく平らな場所に到着するといつの間にか後ろには羅漢山・法華山の大展望が広がっている。素晴らしい展望に疲れが吹き飛ぶようだ。眼下には山名も分からないが、山の中腹に大きな岩峰の広がる場所があり、低い山頂付近は平らになっているのでどこかに道があるのかも知れない。

ロープの渡された岩道 奥に法華山と羅漢山が広がる

 展望地を後にして山頂に向かう。緩やかではあるが滑りやすい道を慎重に進んで行くと巡拝路分岐からは15分で大師山山頂に到着した。

大師山山頂 大師山から眼下の展望

 大師山山頂には三角点も山頂標識も無く、山頂の細い道を歩いて反対側の白滝山が見える方向に行くとびっくり、北方向に広がる三倉岳、その左側奥には特徴ある山容の冠山と寂地山が控え、その手前に鬼ヶ城山が大きい。また、三倉岳の東方面にはやはり標高千メーターを超える大峯山が美しい姿を覗かせている。

大師山から眺める三倉岳

大師山から北の展望

 近くを見ると紅葉のパッチワークが眼下の山肌を着飾っており、鮮やかな色彩に時の経つのを忘れる。足下には断崖絶壁の岩場が落ち込んでおり、足を滑らせると大変な事になる。白滝山方面の展望も素晴らしく、目の前には特徴のある兎岩が大きい。南の方向は少しガスがかかりながらも遠く岩国方面の山々が美しい。

兎岩と白滝山の展望

 少し手前には以前登った美和町妙見山のアンテナも確認できた。そういえば妙見山から白滝山方面がはっきりと見えていたことを思い出す。大師山からは角度を変えれば360゜の大展望を得られることを実感すると同時にそれぞれの方向の景色が素晴らしく、全く違った個性ある展望が広がっていることも分かった。

 大師山の岩の上に立ち、眼下の素晴らしい展望をへっぴり腰で見る。腰が抜けそうな高さからの展望はものすごい思い出になりそうだ。松の木に掴まりながら眼下の展望を楽しんだ後、ようやく大師山を出発する。下山は東方面から岩を降りて行く事になり、少し降りると先程山頂から見ていた兎岩に到着した。

大師山から岩の道を下る 兎岩

 兎岩、大きな岩が北に向かって突き出ている。勇気を出して兎岩の上に立ち眼下の展望、大師山の山頂方向を眺める。やはり素晴らしい展望だがへっぴり腰は直らない。兎岩から見る大師山方面の展望がまた素晴らしい。見る角度が変わるとまた新しい展望が現れ、その展望が素晴らしいものだから何回も「すごい! すごーい!」とか「うぁー! すっごいなぁー!」と感嘆の声が出るばかりでいつまで経っても先に進めない状態が続く。

兎岩からの展望 兎岩から見る大師山山頂

 兎岩での休憩の後、白滝山に向けて再び高度を下げて行く。途中で1組の夫婦と出会い、白滝山山頂には光方面から大人数の登山者が居ると言うことを聞いた。天狗岩からは15分でBコースとの合流点に到着する。真新しい道標にびっくりしながら少し進むと見晴し岩に到着、展望を楽しむ。更に3分で日本庭園に着くが松が沢山あるので日本庭園なのだろうか。この付近から大師山を見ると松と岩の風景が美しい。

Bコースとの合流点に到着 日本庭園

 日本庭園を過ぎると偽木で整備された階段が現れる。素晴らしく歩きやすい道になっているのでびっくり。横には鎖が設置してあり、これなら滑る心配も転倒する恐れもないようだ。すぐに鞍部に到着するが登り返しの所には再び整備された偽木の階段と鎖が用意されている。急な坂なのでロープも渡されており、至れり尽くせりの万全な整備がされている。

日本庭園から大師山を振り返る 整備された偽木の階段にはロープも渡してある

 ロープを辿って階段を登りきると坂は緩やかになり、すぐに分岐と出会う。その分岐は白滝水神社への道なので参拝することにした。分岐に入るとすぐに結界が張られており、右手に鏡池、左手には白滝水神社が立っている。早速に神社に参拝して登山の無事をお願いする。この付近は白滝城跡の表示もあり、平らになっていることが分かった。

鏡池 白滝水神社に参拝

 分岐まで引き返し、更に進むと今度は左右の分岐が現れた。当然右側が白滝山、左側が岩峰方面だ。今日は時間があるので岩峰に向かい展望が良ければ昼食を取ることにする。分岐を左に折れると再び分岐が現れ、右と左に踏み跡が別れている。ここは右の踏み跡の方がはっきりしているので右の分岐を取ることにした。先に進むとだんだん高度を下げて行くことになり、少し不安になるが目の前に岩峰が見えてきたので安心する。

絶壁の岩峰に向かう 雨乞岩方面

 正面に岩峰を見てワクワク、すごい岩の峰だ。反対側に回りとりあえず岩峰の最奥に向かうが、岩峰は手前の場所のみとなっているため引き返し、へっぴり腰で断崖絶壁の岩峰の上に乗ってみる。どきどきしながら前に進む。すごい景色が広がっている。眼下には弥栄ダム、右手上には雨乞岩が大きい。座っている場所の安定も良いのでここで昼食を取ることにした。

右手の岩に向かう 絶壁の岩峰での珈琲タイム

 すごい展望でフラフラしたら断崖の下に真っ逆様のスリルを感じながらの昼食は絶品とは言い難いコンビニのおむすびである。昼食後には美味しい珈琲タイム、美味しい珈琲の香りが断崖の上に広がる。今日の珈琲の味は忘れられないくらいに本当に美味しかった。

岩峰からの展望 眼下の展望

 断崖絶壁の上の移動は相変わらずのへっぴり腰、誰にも見られていないのが唯一の救いだが、この岩の広場は先に向かってなだらかな坂になっており、行きは良い良い帰りは怖いの状況であることが最後になって分かった。絶壁の岩峰でもたっぷり楽しんだので、いよいよ最後の白滝山に向かう。

 分岐まで坂を登り返すのが少し辛くなったが、ゆっくりと歩いて行けば山頂まではあとわずか、まずは雨乞岩に到着、ここには1組の夫婦が到着したばかりのようで、昼食の用意をしている。

雨乞岩の上に立つ 白滝山手前の岩峰

 雨乞岩の上に立ち周囲を見回す。雨乞岩から白滝山山頂方面を見るといるわいるわ・・・・沢山の登山者が山頂狭しと犇めき合っているようだ。雨乞岩から見る三倉岳方面も素晴らしくまたまたここで時間を費やした後、雨乞岩から降りて最後の山頂に向かう。

 一旦下って登り返すパターンだがもう山頂はわずかのところで、山頂に近づくに連れワイワイガヤガヤの声が大きくなり、山頂に到着すると沢山の登山者にびっくり。良く聞けば光の島田公民館グループの方々23名、全員60歳以上で毎月1回登山をされており、来月の忘年会の打ち合わせをされていたようだ。

賑やかな白滝山山頂 白滝山から眺める三倉岳

 白滝山山頂の景色は登山初年度に登った際に堪能していたが、今回も素晴らしい展望に感激、白滝山は何回登っても素晴らしい山である。島田公民館グループの皆さんが最後の記念写真を撮って下山するところを特にお願いして、山頂写真を撮っていただき、一緒に山を降りることにした。

 下山を開始するとすぐに旗差しの穴を見ることができた。滑る岩をゆっくりと降りて行きながら南方面の展望を楽しむ。途中ではアザラシ岩、五頭岩、少し降りて布敷滝を楽しむ。山頂方向を振り返ると大岩が素晴らしい形をしており、眼下には入道岩がだんだん近づいてくる。

旗差しの穴 五頭岩

下山途中 南方面の展望

 入道岩は形の良い大岩で道のど真ん中に立ち塞がっているようだ。入道岩の左を通り抜けて森の中に入る。少し森の中に入ると右への下山分岐が見えてくる。「山頂へ680m」の道標を見て右折し、落ち葉の敷き詰められた登山道をゆっくり降りて行く。

眼下に入道岩 Aコースの下山分岐

 いつの間にか檜林帯の中を歩くようになるともう岸根地区は近い。すぐに有名な岸根栗の林を通り過ぎ岸根地区まで降りてきた。岸根地区集会所に着いてようやく本日の登山を終了した。

Aコースの登山口分岐 登山口に到着

 終始感激の登山で、大師山・岩峰・白滝山の縦走は間違いなくもう一度登りたい山の一つになった。大師山とその先の岩峰の独り占めが次の登山でもできるとは限らないが、病みつきになりそうな素晴らしい展望地だった。最後に岸根地区集会場で本日の登山の感想を登山ノートに記入して本日の登山を無事終了した。

登山口から眺める大師山

御大師像

大師堂

観音石仏

大師山山頂

大師山から眺める三倉岳

兎岩

大師山の岩

白滝水神社

岩峰からの展望

岩峰

入道岩

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 白滝山 登山口付近のMAP

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