戸ノ上山〜足立山縦走(とのうえやま〜あだちやま) 福岡県北九州市 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2008年 4月20日 JR小森江駅前交差点 →0:15→ 大里戸ノ上交差点 →0:10→ 戸上神社大鳥居 →0:07→ 寺内五丁目交差点 →0:15→ 企救自然歩道標識 →0:30→ 戸ノ上山0.6km標識 →0:25 →戸ノ上山 →0:13→ 大台ヶ原→0:17→ 畑貯水池分岐 →0:20→ 吉志(ゴルフ場)分岐 →0:20→ 足立山2.9km標識 →0:13→ 沼林道分岐 →0:33→ 足立山0.9km標識 →0:30→ 足立山山頂 →0;07→ 妙見神社上宮分岐 →0:05→ 妙見神社上宮 →0:10→ 砲台山分岐 →0:30→ 足立山妙見宮 →0:20→ 妙見下バス停 全歩行時間 5時間20分 九州の山歩きを続けている。JR門司港駅を出発して風師山・矢筈山を縦走し、JR小森江駅前交差点に着き、南に聳える戸ノ上山を眺める。企救(きく)自然歩道を縦走するため、このまま寺内付近に向かうことに決め、大里東交差点を通過しそのまま西に向かう。JR小森江駅前から約15分歩いた先の大里戸ノ上交差点を左折、南に向かうと正面には戸ノ上山が大きい。
すぐに戸ノ上一丁目のバス停を過ごし、戸ノ上山を眺めながら進んでいると高速道路下に戸上神社の大鳥居が見えてきた。鳥居の手前を道なりに左へ向かい、高速道路の高架下を抜け、都市高速の大里入口を左に過ごす。そのまま寺内三丁目、大里インター交差点を通過し、県道71号を進むと寺内バス停に到着、その先の寺内五丁目交差点の先に企救自然歩道の標識を発見、戸ノ上山へは1.8kmの行程と記載されている。
登山口がわかったのでもう安心、周囲の位置を確認しながら舗装された坂道に向かう。民家の間を抜けて行くとすぐに道は細くなり、周囲には白いシャガの花が咲いている。坂を少し登ったために背後には展望が開けて、関門海峡が美しく広がっている。左には再び住宅地が広がり、舗装路も現れるがすぐに未舗装の自然歩道に入る。
階段を登ると右手には沢が流れており、夏場には涼しい場所となるようだ。階段を登り切ると坂は少し緩やかとなり、足下にはリンドウの花が咲いていた。右に堰堤を過ごし、足下に咲くかわいい花を眺めながら進んでいると、登山道は赤い土質の道である事が分かった。遠くには木の間越しに戸ノ上山の山頂方面が広がり始め、これから向かう目標を確認する事ができる。
自然歩道入口の寺内五丁目交差点からは15分で企救自然歩道戸ノ上山・足立山コースの説明板のある登山口に到着、この場所からは北に矢筈山と風師山が一望で、いままで歩いてきた稜線を眺める事ができる素晴らしい展望地である。時刻は12時を過ぎたのでここで昼食を摂る事にした。説明板によるとこの場所から戸ノ上山山頂まで1.5km・1時間30分、更に戸ノ上山から足立山山頂まで5.7km・3時間、現在の時刻から計算すると足立山の山頂に着く頃には午後5時頃となりそうだ。
おむすびを1個食べた後説明板の前を出発、南には戸ノ上山の山頂方面が美しく聳えており、左右に広がる笹が美しい。草原につけられた一本の道を歩いているような感覚で緩やかな坂道を進んでいる。自然林の下を快適に進み、時折背後に広がる展望を楽しむ、これがとても贅沢な展望だ。
この付近の足下にはマムシ草が沢山茂り、ピンクのスミレも美しい。岩の多い場所を通過し、突然広がる展望に感動、関門海峡の先に見えているのは下関の海峡夢タワーである。木漏れ日の下、横木の階段道を踏ん張り、岩を削ったような道を登って行くと久し振りに自然歩道の標識に出会う。標識には大里から1.3km、戸ノ上山山頂までは600m、説明板の場所からは900mを35分で歩いてきた。
この先からは急な斜面となり、階段道を踏ん張ると掘れた道に代わり、滑りやすい赤土のような場所なので慎重に高度を上げて行く。周囲の自然林の美しさに感激しながら歩いていると久し振りのミヤマシキミ、昨年沢山眺めたこの花を今年も観賞する事ができた。ミヤマシキミの群生地で白い可憐な花を観賞した後、再び出発する。
まるで真夏のような日射しを受けているのだが、自然林の下では美しい木漏れ日となり、暑さはあまり感じない。椿の赤い花びらが足下に広がり赤い絨毯を歩いているようだ。左右に笹が目立ち自然歩道が狭くなったような感じを受けながら進むと日射しを浴びた椿が美しく咲いているので観賞する。
数人のパーティーとすれ違った後、左右に笹を見ながら進むと大鳥居の立つ戸上神社の上宮に到着した。早速上宮に参拝、上宮手前には戸ノ上山の山小屋が設置されていた。戸上神社の周囲には椿の花が咲いており、紅葉の青葉も美しい。
神社を出発するとすぐに広く平坦な戸ノ上山の山頂518.1mに到着、周囲を笹に囲まれた山頂にはベンチや方位盤が置かれており、憩いの場所となっているようだ。ここまでJR小森江駅前交差点から休憩時間も含めると約2時間、寺内五丁目交差点からは1時間20分の行程である。
戸ノ上山の山頂から眼下の展望 山頂からは眼下に関門海峡の展望が広がっており、目の前に繁る木々の成長により大展望とは言い難いが、遠く玄界灘と日本海の展望は素晴らしい。北には木の間越しながら矢筈山と風師山が広がっており、歩いてきた行程を振り返っていると、ここまで歩いてきた事をとても嬉しく感じる。
山頂を出発し木漏れ日の下を歩いていると右上の広場で「下関要塞第一地帯標」を眺め、南を眺めると急に眼下に視界が広がり、南の正面には最終目的地の足立山を眺める事ができた。眼下には門司の市街が箱庭のように美しく広がり、関門海峡は相変わらず美しい展望だ。
関門海峡の展望 戸ノ上山の山頂先から眺める風景 大台ヶ原の展望 急な斜面を慎重に下りて行くと眼下には美しい草原、大台ヶ原の展望が広がり、北九州の市街地の側にこんな美しい場所が残っている事に新鮮な驚きを感じた。草原の中に下りて行き、戸ノ上山方面を振り返る、この展望も素晴らしい。 大台ヶ原から戸ノ上山方面 草原に設置された標識を眺めると戸ノ上山からは1.1km、足立山へは4.9km、と言う事は戸ノ上山から足立山までは6kmの行程である事が分かった。大台ヶ原にはベンチと方位盤が置かれており、家族でくつろぐには丁度良い場所である。ぐるっと周囲360度を見回した後大台ヶ原を出発、少し進むと水場の標識があったので左右に樹林の茂る道に向かうとすぐに沢に到着、ここで美味しい水を水筒に補給した。 水場の標識に従い美味しい水を補給 分岐に戻り足立山へ向かって出発、縦走路は赤土のようだがとても快適な遊歩道である。椿の花を観賞しながら進むと大台ヶ原を出発して15分で足立山へ4km標識を過ごす。この場所は原貯水池まで2,6kmの分岐となっている。この先も周囲に展望は無く、美しい自然林の中を進んでいる。緩やかなアップダウンを繰り返しながら広い遊歩道歩きが続いている。
先ほどの分岐から13分で足立山へ3.4km標識を過ごし、更に7分で左に足立山まで2.8km、吉志(ゴルフ場)へ2.3kmの分岐標識を過ごす。もう間もなく戸ノ上山と足立山の中間点を過ぎそうだ。周囲の木にキノコが群生する場所を過ごすと足下にはスミレやミヤマシキミの美しい場所を通過する。この付近から展望の開ける場所があり、眼下に広がる関門海峡と門司の市街の展望を眺める。
ここで背後から登山者が来たので挨拶を交わし、足立山までの行程を訪ねるのだが、この人も初めて登る山なので分からないとの事だった。この先から急な坂道を登る事になり、岩の多い場所を抜けると三角点の立つ平坦な場所に到着、ここで小休止を取る。三角点の場所を抜けると足立山まで2.9kmの標識を確認、もう戸ノ上山からの中間点を通過したようだ。
すぐに藤松(大里高校)への分岐を過ごし、横木の階段を下って行く。再び「下関要塞第一地帯標」の石柱と足立山まで2.2km標識を過ごすと急に前方の展望が開け、いよいよ最終目的地の足立山が近くなってきた。この先から防火帯が続いており、これから向かう行程を示しているようだ。 足立山の展望 もう小倉の町並みが近くなり、周囲は少し霞んでいるが素晴らしい展望に変わりはない。すぐに沼林道への分岐を左に過ごし防火帯に沿って進んで行く。足立山へ1.7km標識を過ごし、防火帯から遊歩道に戻り足立山への行程を進んで行く。高蔵山森林公園へ3000mの標識を過ごして樹林の中の遊歩道に入り進んで行く。暗い樹林帯に飽きたら右手の防火帯に出て周囲の展望を満喫、この繰り返しもなかなか楽しいもので、足立山に近づくと同時に変わりゆく周囲の展望も美しい。 少し進むだけで展望が変わる 前方に急な斜面が見えてきたので少し怯むが、いずれ登らなければならない行程、覚悟を決めて斜面に向かう。もう足立山へは1.1km、高蔵山森林公園へ2500m標識を過ごし、いよいよ急な斜面に取りかかる。ロープの渡された急な階段を慎重にゆっくりと登って行く。
一体どこまで続いているのだろうかと思うほど、長く感じる階段道を登る事15分で、足立山まで0.9km標識に到着、緩やかな道に着いて小休止を取る。更に15分で労災病院への分岐を左に過ごすともう足立山までは0.4kmとなる。防火帯に出ると北には風師山と関門橋が遠くに見えており、あの風師山を経由してここまで歩いてきた事がとても嬉しくなってきた。
更に12分進んだ先の防火帯には山桜が満開であり、ここで最後の桜を観賞した。もう足立山まではあとわずか、岩の道をもう少し踏ん張るとすぐに足立山587.8mに到着、本日の最終目的地の山に到着した。時刻は午後4時10分、予定より早く着いたので安心した。
足立山の山頂風景 足立山山頂にはベンチが設置されており、さすがに一等三角点、大きな三角点が置かれていた。山頂から眼下を見下ろすと小倉の市街が広がっているが、もうこの時間では霞が掛かっており、皿倉山は霞んでいた。北には戸ノ上山と風師山、本日歩いた稜線を眺める事ができた。南には貫山の山頂も確認、いずれ貫山の山頂からこの足立山を眺める日が来るものと思われる。 足立山から眼下の展望 足立山から風師山と戸ノ上山を眺める
足立山の山頂から周囲の展望を眺めた後山頂を出発、山頂から少し下りた場所の防火帯から周囲の展望を眺める。妙見山や小文字山の展望を眺めるには山頂よりも少し下りた場所からの方が眺めが良いようだ。 足立山の山頂下から妙見山と小文字山 この先からは急な斜面が続くので慎重に下り、山頂から10分で妙見神社上宮への分岐に到着、この分岐は右折して上宮に向かう。すぐに上宮に到着し、登山の無事を報告、沢山のお願いをして上宮を出発した。大鳥居をくぐり荒れた石段を下るとすぐに分岐に到着、登山口の妙見町へ向かって下りて行く。
急な坂道を下り妙見神社への標識に従い右折、途中で南へ展望の広がる場所に着き、眼下に広がる町並みと遠くに聳える貫山を眺める。更に下ると砲台山への分岐に到着、この分岐を右折し妙見神社に向かう。
左手に大岩を眺めながら下り、間もなく十四丁の石柱を左に過ごす。大岩の続く場所を慎重に通過し、ロープの渡された岩場を下りると少し歩き易くなる。それでも急な坂道は続くので慎重に高度を下げて行き、ロープの渡された掘れた道を通過、間もなく猪にまたがった和気清麻呂公像の建つ妙見神社の境内に下り立つ事ができた。
説明板によれば、767年に和気清麻呂公は、皇位を奪おうとした僧弓剃道鏡の邪道を打ち砕いたが、道鏡に足の筋を切られ現在の鹿児島に流される途中、豊前国宇佐の海岸に着いたとき道鏡の追手から逃れるが如く、多くの猪が清麻呂公を庇い、その一頭が公を背中に乗せて宇佐神宮に送ったそうだ。
また、現在の足立山麓の湯川に霊泉があり、公が霊泉に浴すと足の傷は数日で治り、この山を足立山と言うようになったそうだ。猪の上に乗った和気清麻呂公像の謂われを知り、午後5時半に美しいしだれ桜や満開の八重桜を眺めながら御祖(みおや)神社、足立山妙見宮に到着、登山の無事を報告した。 なお、和気清麻呂公とは、2013年の年末に、岡山県和気町の和気神社で再開した。この記録は、岡山県和気町の神ノ上山から和気富士へ縦走した登山記に載せてあり、興味のある方は参照されたい。
狛犬の代わりに猪が左右に立っているのがいつもの神社参りと違うところだ。神社に参拝後、小倉駅に向かう。神社を出発して北西方向へ道なりに進むと足立三丁目公園を右に過ごし、そのまま足原二丁目交差点まで進み、横断歩道を渡って妙見下バス停に到着、ここで西鉄バスを待つ。
6時17分のバスに乗りJR小倉駅には6時半に到着、急いでホームに行き6時34分発の門司港行き電車に駆け込む。ぎりぎり間に合ったと思ったら、電車待ちでもう少し待ち時間があったようだ。車窓から本日歩いた稜線を眺めていると電車は門司駅・小森江駅と進み、終着点の門司港駅には6時50分頃に到着した。
JR門司港駅を出発し、風師山・矢筈山・戸ノ上山・足立山を経由し、妙見下バス停までの総登山時間10時間20分をわずか20分で戻ったことになる。たっぷり時間を掛けた楽しい大縦走はとうとう終わってしまった。
矢筈山と風師山 戸上神社 戸ノ上山山頂 大台ヶ原 遠くに足立山 大台ヶ原から戸ノ上山 足立山へ向かう 足立山に向かって防火帯が続く 小ピークに向かう 山桜 足立山から小倉市街 足立山から戸ノ上山と風師山 貫山 和気清麻呂公像 足立山妙見宮のしだれ桜 登山終了はJR門司港駅 前の山 風師山 を見る 次の山 西鳳翩山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 福岡県北九州市 足立山 登山口付近のMAP |