風師山(かざしやま) 福岡県北九州市

2008年4月20日

風師山

JR門司港駅 →0:10→ 清滝公園風師山登山口 →0:25→ 豊川稲荷中川観音

 →0:20→ 車道終点  →0:15→ 風頭岩峰 →0:05→ 風師山

 →0:05→ 風師山南峰 →0:20→ 最初の小森江電停分岐

  →0:10→ 一望平 →0:10→ 矢筈山 →0:20→ 車止め

 →0:15→ 小森江口交差点  →0:10→ 小森江駅前交差点

全歩行時間 2時間45分

前日に下関の夜景を観賞

 いよいよ九州の山に向かう。今回は北九州市門司区の風師山から矢筈山への縦走を計画、山口県下関市の壇ノ浦PAから関門海峡を挟んだ門司方面を眺めると、前方にはこれから向かう風師山が聳えている。何回も眺めている展望だが、今回初めて風師山を意識して眺めている。更にその右に小さく見えているのは今回の最終目的地である足立山だろうか。まだ九州の山についての知識が少なく、これから沢山の山の名前を覚えて行く事だろう。

関門橋を渡れば九州へ 正面に風師山・右は足立山

 壇ノ浦PAを出発し、久し振りにワクワクしながら関門橋を渡る。関門橋を渡ると同時に門司港インターで高速道路を下り、JR門司港駅に向かう。今回の山旅の始まりはこの門司港駅、コンビニで昼食用のおむすびを購入して桟橋通り交差点を右折、国道3号を西に向かう。すぐに風師山・清滝公園の標識が現れ、目印の門司税務署交差点を左折する。

門司側から眺める下関の海峡夢タワー 門司側から眺める下関火の山
山旅の始まりはJR門司港駅 風師山への標識に従い門司税務署交差点を左折

 右手に下清滝公園、左手に門司倶楽部を過ごすと間もなく清滝公園に到着、この場所が風師山への登山口であり、企救(きく)自然歩道の入口である。ここから風師山の山頂までは3.2km,戸ノ上山の山頂まで9.4km,最終目的地の足立山の山頂までは14.8kmと表示されている。

風師山登山口の清滝公園 企救自然歩道の標識

 本日は最近調達した登山靴HANWAG(ハンワグ)の履き下ろしを兼ねての山歩き、新しい靴が足に馴染む事を期待しながら歩く事にする。風師山の登山口標識を出発し清滝公園の中につけられた階段を登って行く。周囲にはもうすぐ盛りとなるツツジが咲き始めており、八重桜も満開状態を保っている。

HANWAG(ハンワグ)の登山靴 清滝公園内の階段を進む

 公園を抜けるとトイレ・消防用貯水槽のある車道に到着、トイレの周囲には車を駐車するスペースがあるので、犬の散歩をしている方に、「ここに車を駐車して良いのか」をお尋ねすると、「全く問題ない」とのお答えが帰ってきた。遠くから車で来る場合は、ここに車を置き、出発するのが良いと思われる。

トイレ・消防用貯水槽のある車道に到着 背後には関門海峡と関門橋の展望

 車道を少し進んで背後を振り返ると関門海峡の展望が広がっていた。本日初めての展望は素晴らしく、これから沢山の素晴らしい展望に出会える予感にワクワクしてきた。しばらく車道歩きが続くのでゆっくり歩いていると石鎚神社・不動明王院を過ごし、再び関門海峡の展望を眺めると、展望地の先で上清滝公園の広場を右に過ごす。

石鎚神社 不動明王院

 公園の先で俳人高浜虚子が昭和11年、門司に立ち寄った際に詠んだ句碑に出会う。句碑には「風師山 梅ありといふ 登らばや」と刻まれている。今日はよく晴れており、日射しも強く当然暑いのだが、自然林の木漏れ日の下を歩く事になるので大丈夫。

高浜虚子の句碑 荒城の月の標柱

 舗装路途中には「人を恋うる歌(三高寮歌)妻を めとらば 才たけて♪〜」や「荒城の月」などの歌の書かれた標柱が置かれており、眺めているだけで和やかな気持ちになってくる。周囲に春の花を見つけてはしっかり観賞、当然歩みはのろくなっている。左手に豊川稲荷中川観音の大鳥居を過ごすと周囲には紅葉(もみじ)の青葉が美しい。西には風師山と風師南峰の反射板が広がり、これから向かう目標を頭に入れながら進んでいる。

木漏れ日が美しい 豊川稲荷中川観音の大鳥居
風師山と風師南峰 シャガ

 舗装路はこの先で大きく右にカーブし、更に左にカーブする。美しい紅葉の青葉のトンネルを抜けると道は左右に分岐、左の展望台への道を進む。まもなく眼下には関門海峡の展望が広がり、久し振りの展望を眺めた後、更に舗装路を進んで行くと大きなアンテナが現れた。

紅葉の青葉のトンネル アンテナ下に到着

 アンテナ右手には展望台が設置されており、展望台の上からは関門海峡に架かる関門橋と火の山方面が広がっている。車でもここまで簡単に進入出来るので体力のない人でも美しい展望を眺める事ができそうだ。この先から未舗装道となり、昨日来の雨のため水たまりができていた。次のアンテナを過ごすと舗装道に合流、この先で車道終点となり整備された駐車場に到着した。

関門海峡を見下ろす展望台 眼下には関門橋と下関の展望
舗装路終点の駐車場 駐車場上の展望所

 駐車場から風師山山頂まで0.9km、この先は自分の足で歩かないと山頂まで行く事ができない。「企救自然歩道 風師山コース」の標識を眺めた後駐車場を出発、矢筈山までは2.3kmの行程となる。最初の車止めを過ごし次の錆びた車止めを過ごすといよいよ風師山登山道に入る。すぐに階段を下り、左右にあじさいの群生地を過ごすと坂を登り返す事になる。

車止めを抜ける あじさいの群生地

山桜などを観賞

 名残の山桜や珍しい花を眺めながら進むと背後に展望が広がり関門橋方面が美しい。前方には風師山山頂の反射板を確認、もう少しで山頂に到着しそうだ。周囲の展望をワクワクしながら観賞、さあ山頂を目指そう。左手にアンテナを過ごすと道は分岐し正面に100mで展望広場の風頭(かざがしら)岩峰、左に300mで風師山の山頂である。まずは展望の風頭岩峰を目指す。

風頭岩峰への分岐手前に立つアンテナ 風頭岩峰への道

 目の前に立ちはだかる岩を乗り越えて行くとすぐに展望広場に到着、これは素晴らしい。展望は南西から東方面に向かって広がっており、眼下にはこれから向かう矢筈山、その奥には美しい山容の戸ノ上山、戸ノ上山から西に向かう企救自然歩道の先には足立山が聳え、更に西には夜景で有名な皿倉山のアンテナを確認、小文字山の手前には門司の市街が箱庭のように広がっている。

眼下にはこれから向かう矢筈山、その奥には美しい山容の戸ノ上山

 そしてこの場所からしか見る事のできない関門海峡の展望。関門海峡には沢山の船が行き来しており、関門海峡が蛇行している事を初めて認識した。関門海峡の中央付近には宮本武蔵と佐々木小次郎の戦った巌流島が浮かんでいる。

関門海峡

中央の小島が巌流島(舟島)

 さらに右の本土側には下関の海峡夢タワーが建ち、そのまま関門橋へと続く展望は本当に素晴らしい。火の山・霊鷲山の背後に広がる勝山・四王司山・竜王山・鬼ヶ城、山口県側の山名については少しは分かるが、九州の山については地図を引っ張り出してひとつ一つを確認、この作業もなかなか楽しい。

関門海峡を挟んだ下関の展望

 風頭岩峰山頂には吉井勇の歌碑「風師山のぼりて空を仰ぐとき雲と遊ばむこころ起りぬ」、マナスル初登頂に成功した槇有恒の「この頂に立つ 幸福の輝きは これをとらふる 街を知りし 山人たちの 力によるものなり」の石碑、風師山早朝登山千回達成記念の「山よ 友よ」の石碑、方位盤、ベンチなどがそれぞれ置かれている。

風頭岩峰の山頂

山頂から眺める展望

槇有恒の石碑 吉井勇の歌碑
風師山早朝登山千回達成記念の石碑 方位盤

 周囲の展望に満足したので風頭岩峰を出発、分岐に戻る途中で20名の団体とすれ違う。分岐から足立山までは11.6km少し距離が短くなったようだ。分岐を出発すると一旦鞍部に下り、ここで小森江への分岐を右手に過ごす。再び登り返すとすぐに風師山山頂三角点に到着、平坦な広い山頂には反射板が立ち、風師山山頂標識が設置されている。

風師山山頂の反射板と山頂標識

風師山の山頂風景

風師山から眺める関門海峡と風頭岩峰

 海側にある岩の上に立ち、眼下に広がる関門海峡や北九州方面を眺めていると、素晴らしい展望に感激、空気が澄んできたせいか、皿倉山のアンテナがくっきり見えてきた。風頭岩峰方面を眺めると沢山の登山者が一斉に山頂を出発している。

正面には皿倉山が見えている 風頭岩峰と手前のアンテナ

 風師山山頂周辺の写真を撮っていると団体が迫ってきたので山頂を出発、南側の海に浮かぶ北九州空港を眺めた後、南峰に向かって出発する。一旦下って登り返すとすぐに風師山南峰に到着、南峰にはアンテナがあるだけで周囲の展望はなかった。フェンスに囲まれたアンテナ施設を左に過ごし檜林を抜けると左右に笹の茂る道を下りる。

北九州空港を眺める 風師山南峰に立つアンテナを見上げる

 縦走路の左手には大きな美しい木が笹に展望を阻まれながらも立っている。間もなく前方に大きく展望が開け、東には海に浮かぶ北九州空港、眼下には矢筈山、その先には戸ノ上山が大きく聳えており足立山はまだまだ遠すぎる。再び左右に笹の繁る急な坂道を下りて行くと奥田峠との分岐に着き、この分岐から奥田峠に1.4km、矢筈山・小森江方面には1.7km、風師山からは600mと表示されている。この分岐は右の矢筈山方面に向かう。

眼下に矢筈山、その先には戸ノ上山 奥田峠との分岐を右折する

 周囲に小さな花を観賞しながら下りていると途中で山菜採りをしている方に出会う。時折関門海峡や矢筈山方面の展望が広がり、散策気分で下りて行く事ができる。但し、足下には小石混じりの滑りやすい場所もあるので安心はできない。分岐から12分程度下りると再び分岐が現れ、小森江電停まで1.2km、矢筈山まで600m、風師山からは800mと表示されている。この先はいかにも自然歩道で、広い散策路を進んでいると下関要塞第一地帯標の石碑が立ち、再び小森江電停への分岐を右に過ごすと正面には階段が現れた。

縦走路で見た花 矢筈山は近い
時折展望が開ける 小森江電停への分岐を過ごすと階段が現れる

 途中には名残の椿が咲いているので赤い花を観賞しながら進んでいる。電信柱の下を少しずつ高度を上げているといきなり頭上の樹林が無くなり、空が広くなってきたなと思ったら、未舗装の車道に到着した。この場所が一望平といわれる場所で、北方面にはいままで居た風師山が広がり、なかなか感動的な風景だ。

椿を観賞 自然林を抜けた
一望平のベンチ 矢筈山のキャンプ場に到着

 足下にかわいい花を眺めながら木漏れ日の下、車道を進んで行く。間もなく矢筈堡塁跡の石碑の立つ矢筈山キャンプ場に到着、ここは昔の軍事要塞だったようだ。奥へ進むとスナイダー広場に着き、広場の先からは北九州空港を見晴らす事ができた。

スナイダー広場 海の上には北九州空港
要塞のような場所が多い 矢筈山の標識

 周辺を散策していると昔の軍事施設のような場所をいくつか過ごし、一段高い広場に到着、ここには矢筈山の標識が掛けてあったが、大展望とは言い難いようだ。キャンプ場の受付まで引き返し、西方面を見晴らす展望地に向かうと大瀬戸方面の展望が素晴らしい。

矢筈山の展望地から関門海峡の展望

 風師山からは遠くに見えていた皿倉山はますます近くなり、眼下に広がる関門海峡も高度が下がった分近くなっている。なんと言っても矢筈山では桜(八重桜)が満開で、周囲の展望も美しいのだが、お花見が楽しめる事で嬉しくなる。今年最後かもしれない桜のお花見を矢筈山で楽しむ事ができた。

皿倉山 山桜
八重桜 椿

 ゆっくりと周囲のお花見を楽しんだ後矢筈山キャンプ場を出発、未舗装道を下りていると風師山から縦走してきた20人のにぎやかな団体とすれ違う。未舗装道を道なりに下りて行き、一望平を通過、自然林の下を快適に下りて行くとキャンプ場を出発して15分で風師山へ1kmの標識の立つ分岐に着く。この分岐を矢筈山への登山時に利用すると矢筈山への近道となる。

木漏れ日の下を下りる 矢筈山への近道分岐

 更に5分下りると再び風師山への分岐に到着、この場所が企救自然歩道の風師山登山口となっており、風師山コースの概念図が設置されていた。もう少し下りると車止めがあり、ここで車は通行禁止となっていた。この場所から小森江バス停までは1.1kmと表示されており、その先には矢筈山林間学園の石碑が立っている。足下に広がる花を観賞し、眼下には美しい関門海峡の展望を眺める、この道は本当に贅沢な遊歩道だ。

企救自然歩道の風師山登山口の標識 矢筈山林間学園の石碑

 この先からは舗装道となり、緩やかな坂道を下っていると右手に「小森江子供のもり公園」が広がり、たくさんの家族連れが広い公園で寛いでいた。さらに下りて行くと道は左右に分岐するのでJR小森江駅に向かって右の道を進む。右手に小森江西小学校を過ごし、道なりに進んで行くと国道3号の小森江口の交差点に到着、交差点には「風師山 文学登山路 小森江口」の石柱が立ち、「矢筈山林間学園(キャンプ場)・小森江子供のもり公園」の標識も立っている。この小森江口の交差点はJR小森江駅から風師山に向かう起点となっているようだ。

眼下の展望 公園にはタヌキの置物もある
眼下に小森江子供のもり公園 風師山を振り返る

 交差点を西に向けて出発、JR小森江駅に向かって進んで行く。小森江口交差点から8分で小森江駅前の交差点に到着、この場所で風師山・矢筈山の縦走登山を終了する。

Y字路を右に取りJR小森江駅へ向かう 小森江口交差点に到着

JR門司港駅

矢筈山と戸ノ上山

関門橋

巌流島と下関

 

海峡夢タワー

矢筈山からの展望

皿倉山

 前の山 宗箇山 を見る

 次の 戸ノ上山・足立山縦走 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 福岡県北九州市 風師山 登山口付近のMAP

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