霜降岳・観音岳 中山観音コース〜持世寺コースへ(しもふりたけ・かんのんたけ)山口県宇部市 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2012年12月1日 駐車地 →0:15→ 中山観音広福寺 →0:15→ 馬の背下池コース分岐 →0:10→ 馬の背上池コース分岐 →0:10→ 九州展望岩 →0:05→ 観音岳分岐 →0:15→ 観音岳 →0:10→ 観音岳分岐 →0:05→ 舗装路出会交差点 →0:05→ 田代峠・田代池分岐 →0:05→ 鳥越峠・鳥越池分岐 →0:10→ 鳥越池 →0:25→ 男山分岐 →0:05→ 前城 →0:10→ 本城 →0:10→ 後城(南峰) →0:02→ 後城(南峰) →0:18→ 持世寺コース出会 →0:10→ 持世寺コース入口(車道終点) 全歩行時間 3時間 5分 8年ぶりに宇部市の霜降岳(霜降山)へ登る。霜降山には中世山城の霜降城跡が残っており、山頂の案内に寄れば、厚東氏七代武光によって治承3年(1179年)に築城されたと伝えられ、標高約250m、南北700mに渡ってそびえる霜降山の四峰上に築かれた山城で、厚東川を隔てて厚東氏の居宅旧跡と対している。 前回は厚東川に掛かる末信橋を渡り、末信コースを採ったが、今回は山頂から南に位置する中山観音コースを採り、観音岳を往復し、前城跡、本城跡、後城跡を通り、山頂から北に位置する持世寺登山口へ下りるコースを採る。
JR山陽本線の厚東駅を起点とすれば、駅前の交差点を左折する。国道2号を西へ1km程度進み、下岡交差点を左折すると、正面に霜降岳の勇姿が見えてくる。今回下山を予定する持世寺コース登山口へ、周回用のバイクを配置するため、下岡交差点から南西へ500m進み、持世寺温泉の案内に従い分岐を左折する。
更に踏切を渡り、厚東川に掛かる持世寺橋を渡って左折、持世寺温泉手前で「霜降城跡登山口」の案内を確認して分岐を右折する。そのまま道なりに南へ進み、行き止まりの車止め付近にバイクを配置する。なお、登山の際にこの持世寺コースを採る場合、行き止まり地点の手前に数台の駐車地が用意されている。さて、私は中山観音コースを採るため、登山口の中山観音広福寺へ向かう。
登山の起点を宇部西高校とすれば、高校前を走る県道342号を道なりに南へ進む。県道は蛇行しながら東方面へ向き、宇部西高校から約2.5km進むと中山観音広福寺が見えてくる。バス回転場の先には参拝者専用の駐車場しか無いため、私はもう少し(約350m)東へ進む。
赤い警告灯の設置された分岐を左折、道なりにしばらく進み、左に携帯電話のアンテナが建っている付近に幅寄せをして駐車。側の電柱には「サイセキ23・NTT小羽山2 12」と書かれている。なお、この地点から鉄塔巡視路を西に入るとすぐに下池を経由して中山観音コースと合流する。もし効率的に登りたい方は、このコースを採ると良い。なお、私は一旦県道まで戻り、中山観音へ向かう約900mを準備運動がてら歩いた。
まず中山観音広福寺へ参拝する。中山観音(広福寺)縁起に寄れば、中山観音の起源は、役行者が地蔵菩薩を奉祀した事に始まったとされ、大内家の祖多々良藤根は聖観世音菩薩を奉納し、観音堂を建立して明王山広福寺と改称した。源義家、菅原道真、足利尊氏などの高学武将が参殿され、弘法大師、恵心僧都などの高僧はいずれも錫を止め、修法礼敬したと伝えられている。由緒ある広福寺に参拝し、霜降山へ向けて出発する。 登山口の中山観音広福寺へ向かう
広福寺の前から北へ続く舗装道を道なりに進むと、北東から東方向へとゆるやかに進路が変わり、少し坂を登れば前方に耕作地が広がる。右からはあぜ道が続いており、ここで進路は北へ変わる。北東方向には出発地の携帯のアンテナが見えており、大回りしたことがよく分かる。
足下左に水路を見ながら北へ向かうと、左右に樹林が茂り始め、間もなく右下に鉄塔の巡視路を過ごす。更に進み、コンクリート橋を渡った後で壊れかけた石の橋を渡る。ここで進路は左に変わり、付近に沼でもあるのだろうか、水泳禁止区域の案内が置かれている。
少しの坂を登れば風化した花崗岩質の大岩を過ごし、この先で登山道は左右に分岐する。右は「馬の背下池コース」と案内されており、駐車地のアンテナ付近から鉄塔の側を抜け、下池の側を通ってこの地に至るコースである。この方面へ少し散策をしてみると、すぐに下池の前に出る。広い池はとても穏やかな風情である。
さて、元の分岐へ戻り登山を続ける。左下には池が見えており、この周辺には多くの池があるようだ。左右をシダに囲まれ、足下は彫られたような道となる。緩やかに高度を上げて行けば、周辺に松が増えてくる。特徴的な岩を観賞、背後を振り返れば宇部市の街並みが広がっている。
展望に満足し、少し進むと突然明るい広場に出る。ここはいったいどこだろうと周囲を見回すと、右方向に美しい紅葉が広がっている。これはドウダンツツジで、人工的に植えられたのだろうか、東へ向かって紅葉が続いている。こちらの方面への案内は無いけれど、馬の背上池へ続く分岐と思われる。 馬の背上池コースの紅葉 しばらく美しい紅葉を観賞した後、観音岳・霜降岳の案内に従い、広場を出発する。広く快適な登山道の側には、まるでアクセントをつけるように大岩が転がっている。この配置が絶妙であり、快適な登山に花を添えているようだ。間もなく右に「柳平600m」の案内を過ごせばこの先で登山道は左に大きくカーブを描き、その先で右へカーブする。
左方面へ展望が開けてくると、九州展望岩へ到着。二つの大岩の上に立てば、まず目に入るのが山陽小野田市の名峰竜王山、その右方向には住宅地と工場群が広がり、海の先には関門海峡が霞みながらも見えている。左には北九州市の古城山、右に下関市の火の山を確認、確かに九州まで展望することのできる岩である。 九州展望岩と展望 展望岩を出発し、快適な歩道を進めば、左側の樹林の間越しに観音岳が見え始める。ピークは二つ見えており、この時点ではどちらが山頂か分からず眺めている。岩の目立つ場所を抜ければ観音岳の分岐へ到着。分岐を左折し、そのまま直進すれば末信へ1.5kmと案内されている。
観音岳へ向かうには末信方面へわずかに進み、展望台・観音岳の案内に従いすぐに右折する。この先の登山道上には奇岩大岩が目立ち、とてもワイルドだ。展望岩の手前で登山道は左右に分岐し、左側は岩を登るコース、右は迂回路である。ここはワイルドに岩登りコースを採り、岩の上に立てば、宇部市の市街や工場群が広がり、美しい展望を満喫することができる。
展望岩から眺める風景 岩の上をもう少し進むと山陽小野田竜王山まで見晴らす展望地へ着く。ここでも周囲に広がる展望を満喫、いつまで眺めていても見飽きない風景が広がっている。しばらく展望を眺めた後、観音岳へ向かう。
途中で馬の背遊歩道への分岐を右に過ごし、大岩のピークを通過して坂を下る。鞍部で左右の分岐を確認、観音岳へは右へ進路を採る。なお、左方向は宇部坂上コースである。左右にシダの茂る手作りの階段を登れば、大岩の目立つ観音岳へ到着する。岩の上からは目の前に田代峠、更に北には霜降岳、南東方面には市街地まで眺めることができる。 観音岳の展望岩から眺める風景 岩の観音岳を通過し、もう少し下ると左に宇部坂下池方面への分岐があり、少し右へ移動すれば、厚東川展望地と案内されている。眼下には穏やかな厚東川、その先には竜王山がそびえ、とても美しい風景が広がっている。しばらく心癒される展望を眺めた後、霜降山へ向かって元の登山道まで引き返す。
左に保健保安林の標柱を過ごし、快適な登山道を進む。左に大岩を過ごせば、突然舗装道を横切る。左には大きな配水タンクが見えており、これは先ほど観音岳から木の間越しに眺めていたものである。この分岐は管理道・霜降岳の案内に従い直進する。
緩やかな傾斜の坂を進み、左側が崩落しそうな道を進むと、左へ田代平・田代池へ向かう道が分岐する。私はこの分岐に入り、田代峠へ向かうことにした。この分岐に入れば、いままでの広い遊歩道からいわゆる登山道となる。この先からは踏み跡は確かだが、一気に尾根へ向かうため、ジグザグに高度をかせぐ。
やがて尾根へ着けば、進路は左(北東)方向へ変わり、平坦な尾根道を進む。周囲は自然林に覆われ、快適な尾根道歩きが続く。途中の細長い岩の上に立てば、急に展望が開け、眼下には山陽小野田の市街地が広がり、遠くには関門橋が海の上に浮かんでいるように見える。このような予期せぬ展望は、大歓迎である。
やがて岩の多いピークを越えれば一気に北東方面へ下り、右に田代池が一望の展望地へ着く。真夏であれば、一服の清涼感を得られる場所である。田代池展望地を過ごし、少し進むと交差点へ着き、直進方向は鳥越峠・鳥越池、右方面は管理道、左方面は末信とそれぞれ案内されている。ここでは直進し、鳥越峠・鳥越池へ向かう。
美しい木漏れ日を眺め、少しの坂を登れば、岩の目立つ鳥越峠を越える。峠から下る途中、木の間越しにこれから向かう前城方面が覗いている。シダの刈られた明確な踏み跡を下ると、すぐに水量の少ない鳥越池に着く。
鳥越池から少し右方向へ向かうと分岐標識が立ち、直進方向は鳥越広場・キャンプ場方面だが、ここは前城・霜降岳の案内に従い左折する。この先よりしばらく登りが続き、足下は花崗岩の風化した滑りやすい土質となる。風化した花崗岩を眺めながら高度を上げると、背後には宇部市街の展望が広がる。このあたり、とても明るい登山道なので、少しの傾斜も気にならない。
やがて眼下に山陽自動車道、遠くに関門海峡を見晴らす展望地へ到着、美しい展望を眺めながら小休止を取る。どういうわけか、この展望地にはお立ち台のようなブロックが置かれていた。この先で真っ直ぐ続く登山道を進めば、右に男山への分岐を過ごし、前城へ向かって再び真っ直ぐな道を進めば、平坦な前城へ到着する。
平坦な前城には、大きな霜降城跡(前城)の説明板が立ち、周囲を見回すと、立ち位置を変えながらも宇部の市街地と九州方面の展望を眺めることができる。展望広がる前城は、昼食を摂るのに丁度良い場所である。少し奥には自然岩の配置された場所もあり、この岩は腰掛けるのに丁度良い位置にある。 前城(説明は写真をクリック) 前城の風景
しばらく明るい前城でのんびり休憩を取った後、いよいよ山頂の本城へ向かって出発する。すぐに頭上は自然林に覆われるが、周囲は意外と明るい。この先少しの坂を下れば、鞍部で右に持世寺への分岐を過ごす。更に直進すれば、交差点へ着き、左は末信方面、右は後城と案内されている。ここでは本城へ向かって直進する。
少し坂を登り、左に大岩を過ごせば、本城の説明板が置かれている。200メートル級の四連峰に構築された城の大きさは、山口県内でも最大級であり、南北朝時代の山城の遺構を明らかに残している数少ないものとして、学術的にも貴重な史跡と案内されている。さて、山頂の本城にはこの案内板の先を右折し、一段上の広場へ向かう。
本城の風景 すぐに平坦な本城へ到着、一等三角点の置かれた霜降岳山頂周囲は、樹林に覆われて展望を得ることはできない。ただし、木漏れ日の差す山頂は、なかなか風情ある風景である。しばらく平坦な山頂にて休憩を取り、後城へ向かって三角点の奥へ続く道に入る。
少しの坂を下れば左右の分岐へ到着、右は本城・前城・末延・方面への分岐へ向かっており、ここでは分岐を左折し後城へ向かう。頭上を覆っている樹林の切れ間からは、進行方向にちらちら後城の峰をかいま見る。坂を下って少し登り返せば後城の案内の立つ平坦なピークへ到着した。
後城南峰の風景 これで後は持世寺コースへ向かって下るだけとなり、ここで昼食を摂る。本日はとても寒いので、新製法により作られた、麺のおいしい即席ラーメンを作り温まる。昼食後は持世寺へ向かって北東方面へ進路を採る。ところが2分も歩かないうちに再び後城の案内の立つ平坦地に着いた。結局後城は北峰、南峰の二峰に築かれていたようだ。
後城北峰の風景 北峰を出発すればこの先からは急な下り斜面となる。いままではのんびりのハイキングコースだったが、これから先は慎重な歩行が要求される。急斜面はロープを掴んで慎重に下る。どこまでも急な斜面に、一気に高度が下がる。それにしても周囲には、しっかり補助のロープが渡されており、慎重に下れば何の問題もない。 急な斜面に渡されたロープを使って下る やがて坂の傾斜は緩やかとなり、明確なる道に着けば、小さな沢を渡る。この沢を渡った先の歩道を左折すれば持世寺へ続き、右へ向かえばキャンプ場となる。この分岐は持世寺へ向かって左折、さわやかな沢の音を聞きながら北へ進路を採る。
やがて頭上には雨の気配、天気予報の通り、遅い時間には雨模様となってきた。そのまま何の心配のない登山道を下れば、やがて左に鋼製スリットダムを過ごす。この先で東屋が見えたので左下に下り、東屋を右に過ごせば、バイクを配置した車止めに到着。バイクの上に置いていた防寒具は、そぼ降る雨に濡れていた。
バイクを組み立て、防寒具を着込んで登山口を出発。持世寺跡を通過し、そのまま厚東川を右に見ながらバイクは快調に進む。やがて中山観音前を通過し、駐車地の携帯電話のアンテナ前に到着した。バイクによる周回時間は丁度30分、これは歩くわけには行かない距離である。今回の登山は、モトコンポの周回を試す意味もあったが、これは非常に効果のある乗り物であることを再認識した。
霜降岳全景(写真をクリックすると拡大) 紅葉 観音岳 観音岳から霜降岳を望む 鳥越池 展望 前城 本城 霜降岳 前の山 紅葉の津和野城跡 を見る 次の山 内立山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 宇部市 霜降岳 登山口付近のMAP |