西山(にしやま)福岡県古賀市・宮若市 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トップに戻る 2014年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順 2014年12月23日 犬鳴御殿分岐 →0:10→ 左折分岐 →0:30→ 鉄塔下 →0:25→ こもの峠 →0:20→ 山頂 →0:15→ こもの峠 →0:25→ 鉄塔下 →0:25→ 犬鳴御殿分岐 全歩行時間 2時間30分 福岡県の山も残すところ4山、今回は最初に古賀市と宮若市の境界にそびえる西山へ向かう。宮若市の中心部から県道21号を南西方向へ進んで犬鳴ダムを目指し、犬鳴ダムに架かる犬鳴大橋を渡って「みやわか 観光案内 情報センター」の案内を確認して分岐を右折する。
右に犬鳴ダム(司書の湖{ししょのうみ})を眺めていると、湖の横に立つ案内には、この司書という名前の由来が次のように紹介されていた。 「司書の湖」は犬鳴谷にゆかり深い筑前福岡藩家老職「加藤司書」にちなんで命名された。加藤司書は、江戸時代末期の人物で、当時日本は外国の圧力により揺さぶられ、福岡藩も軍備の拡張と近代化が迫られ、大砲などの武器製造に取りかかった。そのために鉄が必要になり、司書は中国地方の製鉄技術を学び、安政元年(1854年)犬鳴字金山に鉄山を築き、石見国の職人を導入し、犬鳴谷の豊富な木炭を利用して鉄を造らせた。 さらに、福岡城は海に接していることから、有事に藩主をかくまうために元治元年(1864年)犬鳴谷に御別館(山城)の建設を始め、翌年に完成した。その当時は福岡藩でも勤王派と佐幕派に大きく別れ抗争を繰り返しており、勤王派の中心的役割を持っていた司書は、佐幕派のざん言により慶応元年(1865年)10月に切腹させられた。 この犬鳴谷に建設された犬鳴ダム湖の名称は、一般公募の結果、36歳の若さでこの世を去った加藤司書の功績をたたえ、末永く司書の名を残すため「司書の湖」と命名されたそうだ。
しっかり案内を眺めて道なりに奥(北)へ進む。しばらく進むと犬鳴川に司書橋が架かっており、この橋を渡って左折する。もう少し坂を登れば右に車止めがあり、この先200mの所に犬鳴別館があると案内されていた。 登山の前にこの別館の見学をしておくことにする。坂を登ればすぐに左へ向かう道が分岐し、犬鳴別館の案内も置かれていた。間もなく平坦な広場の先に立派な石垣があり、これが福岡藩犬鳴御別館の跡である。正面に大手門、左に搦手門や石垣、城内に庭園跡、司書の記念碑などが残っていた。
文書によれば、城内に藩主館、城外に長屋や宝蔵火薬蔵などがあり、東側の西山連山の峠などの五ヶ所に番所を築くとある。別館は福岡藩で最後に造られた城として貴重とのことである。
さて、犬鳴別館の見学を終えたので西山へ向かって登山を開始する。車止めまで引き返し、北へ進路を採る。舗装道を進み犬鳴川の案内を過ごせば、左に「一級河川犬鳴川 起点左側」の石柱を過ごす。左に「東福岡新幹線←98 95→」の標柱を過ごすと、この上にはダム建設により移動された墓石が置かれていた。 ここで進路は左へ向き、手前の木には西山司書コース@の案内板が掛けられていた。いよいよここから山道に入る。右に東福岡新幹線←95の標柱と右上に庚申尊天の石碑を確認して広い道を進む。
右に植林を眺めながら進み、左に堰堤を過ごすとこの先には植林帯が待っていた。ここで、直進方向は荒れているとの表示があり、迂回路として左方向の「仮設中央コース」へ向かうよう案内されていた。そこで、案内に従い植林帯に入ったところで左折、わずかに下って沢を渡り登り返す。
この方面には補助のロープが渡されており、急な斜面を登るのにとても助かる。急な斜面を登れば間もなく坂の傾斜は少し緩まり、西山司書コースAが現れる。更に植林帯の下に続く坂を登り、「山」と彫られた石柱が見えてくると少し緩やかな傾斜の尾根へ着く。
少しずつ高度を上げると、周囲の木々の植生は植林帯から自然林へ変わり、間もなく西山司書コースBの案内を通過する。更に坂を登り、足下に「山」の石柱を2つ過ごすと、送電鉄塔の下に到着。青空の下、雪の白さの目立つ場所を通過、ここでの展望と言えば向かいに建つ送電鉄塔くらいである。
西山司書コースCの案内を過ごすと、この先で樹林の伐採された雪の目立つ場所を過ごす。更に滑りやすい雪道を登れば、峠の丁字路へ着いた。ここで進路を右に採り、西山へ向かう。なお、左は犬鳴山方面である。 西山司書コースDの案内を確認して坂を下る。植林帯の中につけられたヤセ尾根を下り、わずかに登り返せば、「古賀高等学校鍛錬遠足コース」の案内を過ごす。西山と鳴滝の標識の建つ場所を過ごし、急な坂を下った場所は、西山司書コースEの案内が置かれたこもの峠である。
清水道と彫られた石柱を過ごし、西山へ向かって坂を登る。坂の傾斜は次第にきつくなり、補助のロープに助けられながら少しずつ高度を上げる。足下には雪が残り、とても滑りやすいが、ロープのおかげで安心して登ることができる。
やがて坂の傾斜が緩み、大木を過ごすと目の前に舗装道が現れた。これにはびっくりしたが、更に驚いたのは、この道に自転車の轍が残っていたことで、誰かが早朝に西山へ来ていたようだ。さて、舗装道を進み奥へ向かうと一段高い場所があり、この上には一等三角点が置かれていた。これが西山の山頂である。
山頂からは西へ向かって展望が開け、市街地や玄界灘を眺めることができた。本日は快晴とは言いがたい天候だが、それでも充分満足できる展望を満喫し、元来た道を引き返した。 山頂から眺める風景(クリックで拡大) こもの峠へ下る途中で、1組のご夫婦と出会った以外は誰とも出会うことはなかった。こもの峠から坂を登って尾根へ着く。ビークに立ち、下りに入ってからは足下が滑りやすく、合計3回も大きく滑ってしまった。雪の日にはアイゼンが欠かせないことを痛感した山歩きだった。 雪の残る登山道 西山山頂 展望 前の山 龍王山 を見る 次の山 犬鳴山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 福岡県古賀市 西山 登山口付近のMAP |