京羅木山(きょうらぎさん)・星上山(ほしがみさん)島根県東出雲町・松江市

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2010年5月4日

東出雲おちらと村 →0:25→ 出雲金刀比羅宮 →0:50→ 京羅木山

 →0:25→ 峠の茶屋広瀬越 →1:20→ 星上山(星上寺) →0:10→ 星上スターパーク

 →0:15→ 分岐のお地蔵様 →0:20→ 星上山登山道入口 →0:50→ 東出雲おちらと村

全歩行時間 4時間35分

 いよいよ遠征の最終日。旧広瀬町の道の駅月山富田城から北西方向には、一目で京羅木山とわかる山容を見つけることができる。これから京羅木山をぐるっと回り込んで、登山口のおちらと村へ進む。道の駅から県道45号を飯梨川沿いに北へ進み、能義大橋を左折する。このまま道なりに進むと安来市から東出雲町に入り、高庭トンネルを抜ける。少し進むと京羅木山への案内が出てくるが、県道324号の分岐を左折、東出雲おちらと村の案内に従い、おちらと村駐車場に車を置く。本日はここで新緑まつりが開催予定である。

月山 京羅木山

 南西方面に美しい山容が見えているのでこれが京羅木山と思っていたが、この山は星上山だった。登山口のおちらと村を出発、東へ進み熊谷橋を渡ると分岐が現れる。直進方向は、出雲金刀比羅宮を経て京羅木山へ向かうコース、右折すれば山口谷コースで山頂まで約4km、80分と案内されている。

おちらと村 熊谷橋を渡り直進

 本日は出雲金刀比羅宮に参拝するので、直進するコースを採る。周囲を見まわすとシャガの花が咲いており、とても美しい。足下はアスファルト舗装からコンクリートの道へ変わり、やがて左手に「金刀比羅宮300m、金刀比羅宮を経て京羅木山に至る2300m」の案内が現れる。

出雲金刀比羅宮へ向かって左折 落ち葉の積もった道

 分岐を左折、整備された石の階段を進む。石の階段が終わると少し掘れた道に変わり、落ち葉の積もったフカフカな道を進む。やがて坂の傾斜が緩くなると、富士ヶ瀬公園を経て金刀比羅宮に至る200mの案内を過ごす。歴史ある参道を進むと、苔むした岩が続き、少しの坂を登ればトイレの整備された公園に着いた。

トイレの整備された公園 出雲金刀比羅宮

 公園では八重桜が満開でとても美しい。そのまま道なりに進むと出雲金刀比羅宮へ到着。由緒・沿革によると、出雲金刀比羅宮は上意東京羅木山の中腹、富士賀瀬に位置し、境内広く、社頭より中海・島根半島を一望できる佳境。

 御社殿は壮麗な鋼板四棟、千島造りの拝殿の奥に、総欅木の大社造りの本殿であり、手水舎は神仏混合時代の鐘つき堂をそのまま残したもので、希に見る大自然石で造られ、随神門に祀る随神は座像五尺六寸、日本五大随神の一つといわれている。

 永禄五年、毛利元就が中国山陰道に軍を進めたる時、戦勝を祈りて出雲大社の御分霊をこの地に鎮め祀ったのが起源。そして永禄九年、戦いに勝ってこの地を納めるため、この地方一帯の守護神として元亀二年今の地に移し、それ以来農業・商業・海の守り神として崇められた。現在の社殿は、明治十二年に新造し、昭和四十年に出雲金刀比羅宮と改め、昭和五十年七月一日島根県特別神社に加えられた。

舗装路の分岐を右折 車両通行止

 出雲金刀比羅宮の広い境内を散策、金刀比羅宮に参拝し沢山のお願いをした。さて、そのまま舗装道に戻ろうとすると放し飼いの犬が吠えながら向かってきた。舗装道を南東方面へ進むと林道と出会い、案内標識により、京羅木山の山頂に平和観音が安置されていることを知った。

 そのまま林道を進むと車両通行止めとなり、この先は徒歩でないと進めない。ここから山頂までは1800mと案内されていた。進路は西へと変わり、緩やかな坂道を進んでいると左に竹林帯が広がり、山頂まで1500m地点を通過する。ここで「金刀比羅宮裏道と合流する」との案内に・・・???。ここから北へ200mで金刀比羅宮に至るの案内に愕然。この場所へ至る分岐を見逃していた。

金刀比羅宮の右手から再出発

 この場所から一旦金刀比羅宮へ下る。周囲には杉の植林帯が続き、最後はジグザグな道となるが一気に金刀比羅宮に到着。金刀比羅宮の右端の階段途中に、「京羅木山登山道に合流する200m」の案内が立っていた。こんな解りやすい案内をよくぞ見逃したものだと感心。林道へ向けて植林帯の下を進む。

杉の植林帯の下を進む 再び林道へ到着

 再びジグザグな道を登り、林道に戻った。大きなロスタイムだが、ガイドなどほとんど読まないのでこれはしょうがない。山頂まで1500m地点を出発、右手に鎮座される道案内のお地蔵様へご挨拶をする。

道案内のお地蔵様 馬乗馬場

 左右に広がる美しい竹林を眺めながら進むと、平坦で真っ直ぐな道に出た。案内によれば、この場所は「馬乗馬場」、解説には、「その昔この百米は乗馬練習場だったか」と書かれていた。それほど平坦で長い直線である。林道横には道案内の石仏や、山頂までの距離表示が置かれており、とても励みになる。

宍道湖方面の展望 一町地蔵

 山頂まで1000mを通過すると、周囲にはピンクの三つ葉ツツジが美しい。背後を振り返れば、木の間越しながら北に宍道湖方面の展望が開けてきた。道案内のお地蔵様を眺めながら山頂まで800m・700m標識を通過。間もなく道ばたに古い一町地蔵を見つけた。これは、能義郡から山越えの道に、金刀比羅宮までの道しるべとして、一町ごとに置かれた石地蔵である。

山伏塚入口 左に荒田越

 この先ほとんど負荷の掛からない道を進むと山伏塚の案内が立っていた。京羅木山、星上山一帯の山地は、平安時代末期には真言密教の聖地であった。山嶽信仰に発する修験道の行者を山伏と呼ぶが、このあたりでは「峯入」の季節ともなれば、廻国修行の山伏たちの錫杖、白装束姿が見られた事であろう。

 彼らの宿った僧坊跡も数多く残っている。この山伏塚は、即身成仏を願うかれらの斎場であったといわれ、行場にふさわしい巨岩があり、護摩壇らしい遺跡もある。戦国の世には、ほら貝や鼓隊の陣立ての場所ともなった所であろう。(詳細「東出雲町誌」)

 「山伏塚に至る300m」の案内を過ごし、更に登山道を進む。左に荒田越、至広瀬町の案内と一町塚を過ごすと山頂までは残り500m。左右に美しい自然林を眺めながら進むと、登山道は少し蛇行を始める。

石のベンチ 宍道湖方面の展望

 石のベンチの場所からは、北に宍道湖の展望が広がり始めた。本日は春霞の展望だが、空気の澄んだ日には遠く日本海まで見晴らすことができそうだ。進行方向にはもう山頂が近く、再び広瀬方面(荒田越)へ45分の案内を過ごすと、頭上には山桜を眺めることができた。間もなくベンチの置かれた展望地に到着、南には「飯梨小学校と能義平野を臨む」の案内の通り、眼下に展望が広がっている。

ベンチの置かれた展望地 眼下に広がる展望

 さあ、いよいよ京羅木山の山頂は目前、手摺りの施された階段へ向かう。あと100mの胸突坂を一気に登れば、足下には可愛いスミレの花が咲いており、背後には展望が広がっている。すぐに京羅木山の山頂へ到着、南東には月山富田城を見下ろし、尼子対大内・毛利の山陰の覇権争いに思いをはせる。

手摺りの施された階段 平和観音像の置かれた山頂

京羅木山の山頂風景

山頂から広がる展望

 高野槇の先には平和観音像が建ち、この山野に眠る戦国の強者ども、先の大戦に散った幾多勇士の慰霊と万邦恒久の平安を祈念しているそうだ。少し立つ位置を変えて東を眺めると、星上山の三角点峰が美しい山容を見せており、北には東出雲町の市街地とその先には宍道湖中海が霞みながらも存在感を示している。南東方面に広がる広瀬町方面、北に広がる東出雲町の展望を眺めた後、山頂を出発することにした。本日の予定の山はこの京羅木山と比婆山のみ。時間が少し余りそうなので、このまま星上山まで縦走する。

京羅木山から眺める展望(動画)

 京羅木山二等三角点を踏み、東へ進むと簡易トイレを過ごし、星上山への縦走路へ入る。美しい自然林を進み、その先では竹林帯を通過する。島根県の山には珍しく目印のテープが整備されているのでとても安心して進むことができる。明るい木漏れ日の中、大して高度差のない縦走路を快適に進む。

星上山への縦走路へ入る 明るい縦走路
目印のテープが続く縦走路 タケノコの目立つ竹林帯

 周囲の展望に飽きかけた時には足下に花が現れ、丁度良いアクセントとなっている。タケノコの目立つ竹林帯の鞍部の交差点に着くと、この場所が「峠の茶屋広瀬越」。北へ2300mで上意東研修センター、左は飯場、直進方向は星上山である。なお、京羅木山からは既に900m歩いていることが解った。

峠の茶屋広瀬越

 このすぐ先にコンクリートで固められた場所を見つけるが、何のためにこの施設があるのかは不明である。相変わらず周囲に展望はなく、木の間越しに向かいの樹林が見える程度の縦走路だが、木漏れ日が美しいので快適な縦走を楽しむことができる。自然林の中につけられた真っ直ぐな道に感心していると、足下のタケノコが掘られていた。これはイノシシの仕業のように見える。

コンクリートで固められた場所 自然林の下、縦走路は続く

 やがて久し振りに京羅木山の案内が現れ、広い道に合流、この分岐は右(北方向)へ採る。すぐに竹林帯の中に入り、イノシシのヌタ場を過ごすと道案内のお地蔵様を見つけた。間もなく分岐が現れ、京羅木山まで2900m、東の大江の池へ100m、桑原700mと案内されている。下山にこの桑原への道を採ればそのまま登山口のおちらと村へ帰り着くこともできるようだ。

京羅木山への案内が現れた イノシシのヌタ場
道案内のお地蔵様 星上山の案内

 さて、星上山へ向かって直進する。竹林帯を抜け、道案内のお地蔵様を眺めながら自然林の下を進む。やがて前方には星上山の三角点峰(453.6m)がそびえてきた。この先でお地蔵様が二体祀られた場所に着く。この分岐を北に採れば萓野を経て古屋敷へ至る下山路となるので、帰りにはこの道を採ることにした。

星上山の三角点峰 お地蔵様が二体祀られた場所

 星上山山頂の星上寺へ向けて西へ進路を採る。もう星上寺には残り300m、今まで歩いてきた距離に比べればもうわずかの距離だ。お地蔵様の立つ峠を出発、眼下を見下ろすと中海に流れる意宇川がよくわかる。

星上寺へ向かう 登山口のおちらと村が見える
東屋の建つ展望地 星上寺まではもうわずか

 北西方面を眺めると、沢山の人が集まっている場所が見えている。目を凝らすとこれが登山口のおちらと村だった。展望に気を取られながら坂を登ると間もなく東屋の建つ展望地に到着。眼下には霞みながらも東出雲町の展望が広がり、意宇川の流れ込む中海もなんとか眺めることができた。北には枕木山も聳えているはずだが、あいにくの春霞、墨絵のような風景もなかなか風情がある。

東屋の展望地から眺める風景

東屋の展望地から眺める風景(動画)

 東屋の展望地を出発、東屋の後から西へ進む。すぐに右方向へ階段が現れたので登ると星上山の山頂、星上寺に到着。由緒あるお寺に参拝し沢山のお願いをする。広い境内を散策の後、更に西へ向かう、少し坂を下ると星の池へ100mの案内があるが、これは帰りに寄ることにする。

星上山の山頂、星上寺に到着

境内を散策

 左にトイレ、右に星上寺を過ごして駐車場まで下りると、もう数台の車が駐車していた。ここは星上山スターパークとして整備された場所で、管理棟横から上へ向かうと、バンガローなどが整備されていた。周囲に広がる展望はやはり春霞。晴れた日の眼下には、宍道湖の素晴らしい展望が広がっているはずである。

整備された星上山スターパーク

 星上山の紹介には、「星上山は453mの山で、緩やかに裾をひくおだやかな山の姿を見せてくれます。星上山からのながめは、かつて山陰八景の一つになったほどで、すばらしい景色が見られます。足もとに広がる平野から、宍道湖や中海とそこに浮かぶ大根島、島根半島弓ヶ浜、日本海が眺められ、晴れた日には遠く隠岐の島が夢のように浮かんで見えます。東には、安来市、米子市の方から大山の雄大な眺めは絶景です。」とある。

星上山スターパークから眺める展望

 いずれ空気の澄んだ日にこの山に登ってみたいと思う。スターパークの管理事務所前を出発、元来た道を引き返す。途中で星の池方面へ向かってみる。案内には100mと書かれているので気楽に向かうが、200m程度歩いてもそれらしい池は見あたらず、現れたのは小さな水場だった。丁度のどが乾いたのでこの清水でのどを潤し、引き返すことにした。

途中には平坦な場所もある 水場

 元の道まで戻り、再度星上寺にて記念撮影。その後星上寺を出発し東の展望地へ着いた。ここには松江から来られた先行の登山者がおられたので、島根県の山の情報をお聞きした、この方より八雲山、中国山地では指谷山を勧められたので、いずれ登ってみる事にする。

お地蔵様の左の道に入る 眼下の展望

 展望を肴に昼食を摂り下山を開始する。お地蔵様の二体立つ峠を左(北)へ向かう。途中の展望は木の間越しながら、西方面の展望を得ることができた。下り斜面を一気に下れば、面白いように高度が下がる。途中で白いイカリソウを見つけたので沢山写真を撮るがなかなかうまく撮れない。

スミレを観賞 電柱の下を下りる

 この先ではスミレの花を観賞、やがて電柱が見えてくれば車道は近い。山腹につけられた道を下れば舗装路に到着、ここには星上山登山道入口、星上寺まで1000m40分と案内されていた。舗装路から眼下に広がる宍道湖、意宇川、中海の展望を眺めた後、星上山の登山口を出発する。

車道へ到着 星上山登山道入口の案内

星上山の登山口から眺める展望

 右にアンテナ施設を過ごし、萓野の集落に入ると東の山頂に大きな木の立つ場所が見えている。これは間違いなく京羅木山である。一度山頂に立つとその特徴がよく解り、麓からすぐに確認できるようになるが、今回はその典型である。確認のために農作業をしている人に聞いてみると、やはり間違いなかった。

歩いた稜線、左端のピークが京羅木山

 この先からシャガの花を観賞しながら坂を下っていると、道路の真ん中に穴が開いていた。道の側に大石地蔵の案内板が立ち、少し興味があったが縦走にかなり時間を割いたのでそのまま坂を下る。

シャガの花 出雲国十三仏霊場第十番の乗光寺

 周囲の田園風景を眺めながらの縦走も最終段階、出雲国十三仏霊場第十番の乗光寺を過ごせば、終着点は間近。やがて出発地の東出雲おちらと村へ到着した。周辺では新緑祭の真っ最中、冷たいソフトクリームの看板が見えたのでカキ入りソフトクリームを注文、これは冷たくて美味しかった。

東出雲おちらと村の新緑祭 山菜の天ぷら

 山菜の天ぷらなどこの地方ならではの露天販売がとてもローカルで楽しい。しばらく日陰で涼んだ後、おちらと村を出発。今回遠征の最終目的地の比婆山へ向かう。

カキ入りソフトクリーム 岩藤の岫水(しゅうすい)

 おちらと村を出発、ちょっと畑地区へ寄り道をしようとしたが、本日はかきオーナーへの説明会があるそうで、とても混雑していた。少し迂回すると岩藤の岫水(しゅうすい)があるので立ち寄る。この銘水は大谷農道を整備した際に見つかり、水飲み場として整備されたそうだ。コップに注いで飲んでみるととても美味しい。この銘水は今回のお土産として持ち帰ることにした。

京羅木山

出雲金刀比羅宮

平和観音

月山

地蔵峠

星上寺

星上山スターパーク

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 島根県東出雲町 京羅木山 登山口付近のMAP

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