大山(だいせん) 鳥取県大山町 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2009年2月7日 南光河原駐車場 →1:00→ 元谷分岐 →0:30→ 六合目小屋 →1:00→ 弥山山頂 →0:30→ 六合目小屋 →0:07→ 元谷分岐 →0:10→ 埋もれた標識 →0:30→ 大山神神社 →0:13→ 大山寺 →0:10→ 南光河原駐車場 全歩行時間 4時間10分 2009年2月6日 大☆さんより冬山へのお誘い。今回は雪の大山へ。午後9時40分、大☆さんと一緒に柳井を出発。コンビニで明日の朝食・昼食などを買い込み高速を走る。途中のSAにはほとんど止まらず、最後に蒜山高原SAで小休止の後、溝口インターを下りる。月明かりの中に浮かぶ大山を眺めながら南光河原駐車場へ到着。駐車場に着くと午前1時を少し過ぎていた。駐車場にて大☆さんのネット仲間であるヒロパンさん、白髪頭さんにご挨拶、ビールを飲んですぐに就寝。 2009年2月7日
朝6時過ぎに南光河原駐車場にて起床、昨日コンビニで購入したおむすびが朝食だ。7時半過ぎには登山準備が完了、ヒロパンさん、白髪頭さんと一緒に大山へと向かう。大山寺橋から南東方面を眺めると三鈷峰が美しい。北西には昨年三度目の挑戦の結果、ようやく登ることの出来た孝霊山が霞んでいる。
軽アイゼンを装着して駐車場を出発。大山夏山登山道僧兵コース横手道の標識に従い、雪を踏みしめて進む。すぐに大山夏山登山道に到着、大山寺僧坊について書かれた説明板を眺める。かつては100以上の僧坊があったそうだが廃仏毀釈により急速に衰退、今では8院を残すのみとなっているそうだ。
雪の残る登山道を進めば体が温かくなってきた。頂上まで2.5km地点の右手に重要文化財の阿弥陀堂が見えたので立ち寄る。三宝荒神跡を過ごせば風格ある阿弥陀堂が雪の中に佇んでおり、とても良い感じの景色が広がっている。後に臨済宗を開いた「栄西」も師事した高僧基好上人の墓を眺めた後、登山道に戻る。
登山を再開、少し進めば一合目を通過。もう少し進めば標高900m標識を過ごす。周囲には西日本最大のブナ林が広がっているが、この時期は落葉のため見通しがよい。ブナ林の間につけられた踏み跡に従って高度を上げている。足下にはシャーベット状の雪が続いており、滑ることもなく快適に進むことが出来る。
一合目からは13分で二合目を通過、すぐに標高1000m標識を過ごす。とにかく真っ直ぐに坂を登るので高度がどんどん上がる気がする。根の露出した木を横に過ごし、木の間越しに見える三鈷峰がとても美しい。
ますます斜度が上がり、雪の上に日射しが当たり始めたのでとても暑くなってきた。服を脱ぎ半袖になれば少し快適になる。アイゼンは雪に食い込み、滑ることなく登ることが出来る。間もなく四合目を通過、やはり高度は着実に上がっている。
四合目を出発し、少し進むと木の間から三鈷峰が姿を現した。下から眺める三鈷峰は素晴らしい。暫く雪を頂いた三鈷峰、その左に聳える甲ヶ山を眺め、更に急な雪の斜面を登る。間もなく五合目に到着、足下に雪の中では見落としてしまいそうな「山の神さん」と呼ばれる祠を過ごす。
ここには以前遙拝所があり、登山者が東の尾根から昇る日の出を拝んで、登山の無事を祈願していた場所とのこと。現在の祠は平成3年11月に再建された新しいものである。この付近は西風が強い場所らしく、木の西側は一面氷に覆われている。
樹林の背が少しずつ低くなっていることを感じながら五合目を出発する。すぐに元谷経由の下山分岐を過ごすが、帰りはこのルートを採ることに決まった。もう少し進むと青空が広がり、素晴らしいコバルトブルーの空が見えてきた。雪を踏みしめながら歩くのが楽しくなるような景色だ。
三鈷峰の右手にはユートピア小屋がぽつんと建っており、遠くからこの小屋を眺めるのも又楽しい。眼下の急斜面を団体でアタックしている登山者、スノーボードを抱えて登る登山者、それぞれ思い思いの楽しみ方をしている。
六合目小屋からの展望 前方に六合目の避難小屋が見えてくると周囲には木が少なくなってきた。眼下を振り返れば、孝霊山には少し霞みがかかり、弓ヶ浜をはっきり眺めることが出来ない。暖かい六合目にて小休止の後出発、六合目から眺める山頂方面の展望は素晴らしい。
急な雪の斜面に向かって行く。少し進んで背後を振り返ればその角度に思わず足が竦む。周囲の木々は雪により完全に覆われており、風の猛威を感じた。七合目標識を過ごした付近にてカメラのレンズが作動せずこれから先は予備用カメラでの撮影となる。原因はペットボトルも凍り付くような寒さが原因のようだ。
強風吹き荒れる中を登れば、風の強さに体が飛ばされそうになる。また、吹き付ける風により頬がとても痛く、だんだん頬の感覚が無くなってきた。ここでフードを取り出し完全武装で雪山に立ち向かうことになった。
腰を落とし、少しずつ高度を上げて行けば山頂方面の展望も少しずつ開けてくる。間もなく周囲は緩やかな坂道に変わり、吹き荒れていた風も収まってきた。美しい銀世界を楽しみながらゆっくりと山頂を目指す。
周囲に広がるのは正しく雪の大平原、緩やかな平原の中で九合目を過ごせば山頂まではもうわずか。間もなく半分埋まった山頂小屋が現れた。山頂小屋には雪が貼り付いており、吹き荒れる風の芸術を見ているようだ。
弥山方向を見ていると剣ヶ峰へ向かって進む登山者が見えた。雪の時期は簡単に行けるのかも知れない。山頂にて暫く周囲の展望を眺めていたら、突然視界が遮られた。強い風が吹いてきたので山頂小屋に入り昼食を摂る。
大山山頂の展望 小屋の中は雪に覆われて暗いのでライトを出しての食事となる。お湯を沸かしてカップヌードルを作り、残ったスープを温め、おにぎりを入れて雑炊を作る。これが熱くてとても美味しい。最後はコーヒーを飲んで昼食タイムは終了、小屋の外に出た。
周囲には更に強い風が吹いており、視界も悪くなってきたので下山を開始することにした。ところが左のアイゼンが緩くなっており外れてしまった。急いでみんなの所に合流、急な斜面を下りて行く。緩くなったアイゼンは外れやすくなっており、再び外れてしまった。ここで白髪頭さんにアイゼンの調整をして頂いたので、この先快適に歩くことが出来た。
急な斜面を最初はおっかなびっくりで下りていたが、途中からは慣れてきたので快適下山。途中の急な斜面には、スノーボードで下りようとしている一団が準備をしていた。すぐに六合目小屋 まで着いたので小休止、周囲に広がる墨絵のような雪景色を眺めた後、更に下山を続ける。
周囲に落葉の樹林が目立ってくれば元谷への分岐に到着、元谷に向かって下りて行く。明確なる踏み跡が続いているので、踏み跡をたどって下りて行けば、標高1200m標識を過ごす。東には三鈷峰が美しく、樹林の間越しに眺めながら下りる。
雪に埋もれた標識手前から左に下り、そのまま尾根道を下り始めた。ここでは尾根道を通っているため、何の疑問も持たず、踏み跡も続いているものだからどんどん下りて行く。間もなく尾根を右へと採り、一気に下っていると元谷はもう後になっていることが分かった。
また、北には大神山神社の屋根も見えており、位置関係ははっきりしているが道を間違えていたことが分かった。下からは川の音が聞こえているので、強引に川を渡る愚は避けようと言うことになり、元来た道を引き返すことにした。
少し登山道を引き返していると、この付近に詳しい方が下りてこられたので、この方に先導をお願いし、再び谷に向かって下りることにした。急な斜面を慎重に下りて行けば丁度堰堤に出たので、足下を確認しながら堰堤を渡る。
そのまま樹林の中を大神山神社へ向かえば以前通った下宝珠越の標識を通過、間もなく大神山神社に到着した。神社にお参りし周辺散策、反対側に建つ下山神社、弁財天社にも参拝し、神社横に流れる銘水を頂いて大神山神社を出発。
日本一長い自然石の石畳を歩いているのだが、本日は雪の上を歩いている。次は大山寺に参拝、雪の残る美しい大山寺にお参りした後、雪の残る石段を下りて行く。大山寺の山門を潜れば雪道はおしまい。ここでアイゼンを外して石畳を歩く。
間もなく大山寺橋を渡れば駐車場に到着、無事雪の大山登山が終了した。そのまま汗を流すため淀江町の淀江ゆめ温泉に向かう。この温泉は弱アルカリ温泉、休憩室も完備されておりとても気持ちの良い温泉だった。温泉にて汗を流した後、ビールを飲みながら食事を摂り、その後休憩室に移動して雑談を続ける。この施設は9時に閉まるので、9時を過ぎれば車に移動、本日は早めの就寝となった。平地に下りているので、昨日に比べればとても暖かかった。 淀江ゆめ温泉 ユートピア小屋 甲ヶ山 三鈷峰 六合目小屋手前 眼下には急な斜面を登る一団゜ 山頂を目指す 山頂小屋 剣ヶ峰方面 雪に埋もれた山頂小屋 下山 前の山 白滝山(下関市) を見る 次の山 馬着山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 鳥取県大山町 大山 登山口付近のMAP
大山 60回目 71座目 ガイド本 無し 登山口 夏山登山口 登山開始 6:34 山頂到着 8:51 下山開始 9:07 下山終了 10:52 登山時間 2:17 山頂滞在時間 0:16 下山時間 1:45 所要時間数 4:18
前日午後6時半に大山に向けて出発し、一般道を通り10時頃三次に着き、庄原を抜けて大山寺橋横の駐車場に着いたら午前1時を過ぎていた。走行距離は260km程度であった。
朝6時前に起きて登山の用意をし、6時半過ぎに駐車場を出発し、登山を開始した。一旦舗装道に出て左方向に向かい、大山夏山登山道に入る。苔むした石段を登って行くと「大山の登山道・遊歩道案内図」があり、これから向かう道順を頭に入れる。10分も進むと一合目の標識に出会う。
整備された横木の階段道をゆっくりと登って行く。更に10分で二合目の標識を過ぎる辺りでは、木の間越しに米子の街並みを垣間見ることができた。
次の三合目までは10分程度で歩けたが三合目から四合目にかけては少し疲れてきたせいか15分程度の時間を要した。四合目からは眼下に雲海が開けてきて素晴らしい展望の予兆を感じた。更に10分歩くと大山頂上に1.2km、元谷経由大山寺まで2.3km、登山口まで1.6kmの分岐点の道標に着いた。 四合目を過ぎると眼下に雲海が広がってきた
振り返ると日本海がとても綺麗で、雲が相変わらず低いことがよく分かる。崩れた坂道を補強してある登山道を進んで行く。六合目を過ぎると左手に崩落の進んだ山容が見えてきた。
六合目を過ぎて5分程度で避難小屋に到着し少し休憩をする。避難小屋までは登山開始から1時間20分程度の時間を要した。
眼下には雲海の広がる日本海がますます美しい。避難小屋を出発し、左手に斜面の崩落の広がる場所を見ながら10分で七合目に到着した。
七合目からはようやく弥山山頂方向を窺うことができた。眼下にはますます雲海が大きく広がり、幻想的な景色が美しい。
登山道も落石防止の処置が取られているが、崩れかけた登山道のように滑りやすくなっているので気をつけて進んで行く。当分の間滑りやすい道が続き、用心しながら高度を上げて行く。七合目から八合目まではゆっくりと進むため20分程度の時間を要した。
眼下に広がる雲海 八合目を過ぎると有名なダイセンキャラボクが広がり、待望の木道を歩き始める。山岳雑誌でよく目にする風景だが自分の足で歩くのは初めてなので感激しながら進んで行く。横を見ると山頂斜面の崩落の激しいことがよく分かる。再び登山道の説明版が立っているのでじっくりと頭の中に覚え込む。長い木道をゆっくりと歩くのが楽しくてしょうがない。
足下にはダイセンキャラボクの群生があり、雑誌でしか知らなかった世界に自分が居ることの幸せを噛みしめながら進むと八合目からは10分で九合目に着いた。 木道を歩く
木道を通り大山の頂上に広がる草原の説明板を過ぎると避難小屋を右手に見る。避難小屋の中ではコーヒーやビール等を売っているようだ。そして九合目から15分でようやく待望の大山の弥山山頂1,710.6mに到着した。
自己最高の標高点に到達し、ここからしか見ることのできない剣が峰方面の展望を見ると改めて高いところに居ることの実感が湧いてきた。眼下には木道から広がる日本海の展望が素晴らしい。ただ、反対方向の斜面の崩落はびっくりするほど進んでいることが分かった。
しばらく山頂で横になり天を仰ぎながら至福の時を過ごした。記念写真を撮り、側にいた登山者と話をすると毎日大山に登っていると人もいるとの事だった。名残は尽きないが、足はまだまだ大丈夫なので次の山を目指す事にして下山を開始した。
木道をゆっくりと降りてゆくと目の前を老人がすごい早さで降りていった。後を着いて行こうとどんどん急いで行くが追い着くことができなかった。下山の際には大山の鋭い尾根を感激しながら降りて行くことになった。 大山の鋭い斜面
途中からは行者谷コースを抜けて行くと急な下り坂の連続でびっくりした。綺麗なブナ林を過ぎると元谷に到着した。元谷から見上げる大山がまた素晴らしい。
元谷から見える大山の景色を堪能して大神山神社に向かい参拝を済ませた後、最後に大山寺に参拝し、登山の無事に感謝して登山口の大山寺橋まで戻った。烏ヶ山に向かう途中から見る大山は雲の帽子を被っていた。
大山山頂には大山登山道の案内として「大山夏山登山道」と「行者谷コース」の紹介の掲示板が設置してあったのでここに全文を掲載する。
大山夏山登山道の紹介 大山夏山登山道は、下山キャンプ場そばの登山口から弥山頂上までの登山道です。杉、ブナ、ミズナラ、ケヤキなどの林の中に続く石段を進んで行きます。途中、国の重要文化財に指定されている阿弥陀堂をはじめ、歴史的文化財を見ることができます。阿弥陀堂は、志賀直哉が書いた「暗夜行路」に出てくることでも知られています。 四季折々の装いを見せるこの樹林の中を進み続けると、6合目付近から視界が開けてきます。6合目避難小屋では、正面にはそびえ立つ大山北壁、後方には壮大な日本海を望むことが出来ます。大山に見られる植生は、西日本最大級を誇るブナ林から、灌木帯、そして最後に国の天然記念物であるダイセンキャラボク群落へと変化していきます。8合目から山頂までは木道が続き、このダイセンキャラボク群落の中を通り抜けていきます。
行者谷コースの紹介 行者谷コースは、大神山神社奥宮裏手の登山口から途中元谷を通り、夏山登山道の5合目付近に合流するまでの登山道です。山道で、樹林の中を川のせせらぎを聞きながら進んでいきます。 樹林を抜けると、そこには大小様々な砕屑岩が広がる場所へとたどり着きます。“元谷”と呼ばれ、北壁の崩壊による石が堆積している場所で、大きな堰堤も造られています。そこからは大山北壁の壮大なパノラマを見ることができ、自然のスケールの大きさを感じさせてくれます。 元谷を通り抜け、自然の香りが立ちこめる樹林の中へ進むと、木製の階段が夏山登山道との合流点まで続きます。この樹林の木陰は、夏でも涼しい風が吹き抜け、登山者の疲れをいやしてくれます。また、小鳥たちのさえずりを聞くことができます。 雲海 ダイセンキャラボク 木道 山頂からの展望 剣が峰 鋭い尾根 元谷からの展望 雲の掛かる大山 前の山 観音岳 を見る 次の山 中蒜山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 大山 登山口付近のMAP |
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