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県道を道なりに進み、毘沙ノ鼻を目指していると、県道の左側に小倉ヶ辻・毘沙ノ鼻への案内が立っています。この案内に従い進んでいると、前方に富士山を思わせる端正な山容が見えてきます。この山が吉母富士と呼ばれている小倉ヶ辻です。そのまま進んでいると、吉母富士登山口の案内が道端に立っています。
この案内に従い登山口へ向かうと、手前に登山者駐車場が用意されています。駐車地を出発し、東へ続く作業道を進みます。左側には梅や桃の花が咲いており、とてもきれいです。作業道の途中から山頂付近がはっきり見えているので、これから向かう場所を確認しておきます。
作業道は緩やかな傾斜なので、大して負荷も無く歩くことができます。作業道の左右に自然林などを観察しながら進んでいると、やがて頂上まで650mの案内が置かれた登山道入口に着きます。登山口にはベンチが置かれ、その上には木彫りのイノシシ像が置かれていました。この付近でもイノシシ被害に困っているのでしょう。
さて、登山口を出発します。いきなりの急登には補助のロープが渡されています。足下には手作りの階段が整備され、急登の先に頂上まで500mの案内が置かれていました。案内には「松陰先生、高杉晋作は歩いてないかも」と書いてあり、いつもながらユニークなコメントに、急登を登っていることを忘れます。
これから山頂までは直登が続くので、焦らず高度を上げます。すぐに見返り坂に到着します。「急な坂じゃけぇ、気〜つけりぃね〜」と、山口弁丸出しのコメントが書いてあります。見返り地点に着けば、眼下に吉母の町並みが一望となり、本日の強風により押し寄せる波が豪快です。
美しい自然林の下をたどり、頂上まで300mを通過します。ここでも「がんばりぃ〜 良いことあるかも?」のコメントに、良いことを期待しながらさらに高度を上げます。再び補助のロープが現れ、一気に高度を上げ始めますが、温かいコメントの書かれた案内を眺めながら登っていると、急登のことを忘れるので不思議です。
頂上まで200m地点に来れば坂の傾斜が緩やかとなり、「もうちょっとじゃけ〜 がんばりい〜」のコメントに勇気づけられます。このまま坂の傾斜が緩やかなら、もう楽々だなと思っていると、やはり急登が始まります。
ただし、山頂までわずかな距離になっているのは間違いなく、頂上まで100m地点には「もうちょいなんちゃ! もうちょいがんばろ!」と、最後のエールを送られます。確かに、もう山頂まではわずかとなり、すぐに細長い小倉ヶ辻の山頂に到着しました。
明るい山頂で小休止の後、山頂ノートに感想を記載します。山頂の案内を眺めていると、「けもの道で整備していませんが下山できます 気〜つけて下りてね!! 登山口近くに合流できます↑」と書かれていました。下山に使用できる時間はたっぷりあるので、周回をすることにしました。
山頂を出発し、↑の案内に従いほぼ平坦な道を進みます。少し進むと右に大きな岩を見て、この左側から坂を下ります。この地点には矢印の案内もあるので、間違えることはありません。要所に置かれた案内に従い、緩やかに高度を下げます。このあたり、登山時の急登とは違って安心して下ることができます。
やがて分岐に到着します。左には「勾配きついよ!」と案内され、右には「チャレンジコース、整備なし。道標あり、駐車場から30m上の市道に出ます 気〜つけてがんばりぃー」と、案内されていました。左道は登山口の付近へ下る道で、登山時同様急な傾斜であることが予想されました。そこで下山には、整備はされていないが道標のある右道を選択しました。
自然林の下に続く道はとても明るく、途中で巨木を眺めたりと楽しいコースです。また、しっかり道標が置かれているので、道に迷う心配は無く、安心して緩やかに高度を下げてゆきます。
まもなく市道に着きますが、今回とった道の出口付近には庚申塚が祭られていました。市道を左折し、すぐに登山口に到着します。今回は一周回りの登山を楽しむことができました。今回とった下山コースを登山時にとれば、たいした疲労感無く山頂に着く気もするので、次回はこのコースに挑戦してみたいです。
車に乗り込み、今度は本州最西端の毘沙ノ鼻へ向かいます。すぐに毘沙ノ鼻の駐車場に着き、西へ進むと、本州最後の夕日が見える丘に到着します。響灘に浮かぶ蓋井島がとても近く感じます。振り返れば先ほどまで立っていた小倉ヶ辻の山頂がはっきり見えており、響灘の海岸線に打ちつける波が荒々しいです。響灘の展望を堪能した後、毘沙ノ鼻を出発しました。
山頂から眺める毘沙の鼻と蓋井島
毘沙の鼻
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