仙ノ山(せんのやま)・山吹城跡(やまぶきじょうあと)縦走 島根県大田市

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2010年3月14日

石見銀山公園 →0:15→ 清水寺前駐車場 →0:25→ 龍源寺間歩入口

 →0:15→ 佐毘売山神社 →0:35→ 米カミ岩 →0:25→ 千畳敷

 →0:15→ 仙ノ山山頂 →0:15→ 千畳敷 →0:20→ 米カミ岩

 →0:20→ 佐毘売山神社 →0:10→ 山吹城跡登山口 →0:15→ 東屋

 →0:15→ 山吹城跡山頂 →0:12→ 吉迫口

 →0:13→ 山吹城跡登山口 →0:25→ 石見銀山公園

全歩行時間 4時間35分

 山口県・広島県・岡山県・鳥取県各百名山の著者、中島先生のご案内により、今回向かうのは島根県大田市の仙ノ山。世界遺産に指定された石見銀山の間歩の残る山である。私にとっては約1ヶ月ぶりの山歩き、久し振りに柳井のTさんも一緒に登る。

石見銀山公園を出発 羅漢寺の五百羅漢

 今回向かう仙ノ山の登山口は羅漢寺先の石見銀山公園。羅漢寺を過ぎて左折し、整備された駐車場へ車を置く。登山準備の後、羅漢寺の五百羅漢の写真を撮る。時代を感じさせる石の橋がとても印象的である。羅漢寺を出発、銀山川に架かる羅漢町橋を渡り、町並み地区を少し散策。代官所跡までは900mなので、登山口を代官所跡にすれば、この町並みを楽しみながら登山も楽しむことができる。

町並み地区を散策

 町並み地区を散策後、舗装道を西へ向かう。ごま豆腐の店を左に過ごし、もう少し進むと右の畑の先に祠のようなものが見えた。近寄ると岩がくり抜かれており、中には石像が置かれていた。案内によればこの辺りが番屋跡である。

番屋跡 国指定史跡の渡邊家の上には山吹城跡
木造の大森小学校 下河原吹屋跡

 舗装道に戻り道なりに進んでいると、立派な松の木の立つ渡邊家(国指定史跡 石見銀山代官所地役人遺宅)の先に山吹城跡がはっきり見えてきた。大森小学校・下河原吹屋跡・山吹城門・豊栄神社・極楽寺を過ごし、最後の駐車場である清水寺前駐車場に到着、これから先は車両進入禁止になっている。

山吹城門 極楽寺入口

 すぐ先の右手に山吹城跡(要害山)1.1kmの登山口が現れる。この山へは帰りに寄るつもりであるが、登山道の途中までは石見銀山街道(鞆ヶ浦道)を歩くことになるそうだ。

清水寺前駐車場 山吹城跡(要害山)登山口

 福神山間歩の先で茶店を過ごすと、左の橋に龍源寺間歩の出口の標識が掛けてある。仙ノ山への登山口である佐毘売(さひめ)山神社は、この橋を渡れば200m程度先だが、龍源寺間歩は一方通行であり、間歩の出口の先に佐毘売山神社が立っている。従って、順路としては先に間歩観光をした方が効率的である。

仙ノ山へは左折・龍源寺間歩へは直進 県指定史跡の高橋家

 県指定史跡の高橋家(石見銀山御料銀山町年寄山組頭遺宅)を過ごし、この先右手に甘南備坑、その先に山吹城跡への登山道が続いている。この登山道を登り、下山は先程過ごした登山口へ下りれば効率よく縦走できることがわかった。

右に甘南備坑・左は山吹城跡登山口 右に龍源寺間歩受付

 山吹城跡への登山口からもう少し進むと、龍源寺間歩の受付があるので、入館料300円也で間歩観光をする。入口に頭上注意と書いてある通り、しっかり注意しないと頭を打ってしまいそうな場所もある。坑道内は広く、途中には左右に坑道が分岐しており、狭い作業場所で銀の採掘をしていた苦労がよく解る。

龍源寺間歩入口 間歩の中

 10分程度で間歩の観光を終え、出た場所は仙ノ山の登山口、佐毘売山神社の少し上の位置である。コンクリート舗装の道を少し下りると、鉱山の神である金山彦命を祀る佐毘売山神社下に到着、もう少し下った場所には出土山(だしつちだに)・仙ノ山の案内も立っている。

佐毘売山神社の大鳥居 登山口の佐毘売山神社

 神社へ向かって苔むした石段を登っていると、石段途中には祠も置かれている。左右に年代を感じさせる狛犬を眺め、立派な神社に参拝、北を眺めれば山吹城跡がすぐ目の前に聳えている。登山口の佐毘売山神社へ至る過程がいささか長すぎたが、いよいよ仙ノ山へ向かって出発する。

仙ノ山へは左に進路を採る 竹林帯を進む

 神社の左手より登山道は続いており、すぐに石銀集落跡(いしがねしゅうらくあと)1.2kmの案内に従って左に進路を採る。竹林の中を進めば墓地をいくつか過ごす。足下には木の階段が整備されているので滑る心配はない。

残り830m標識を通過 木の間越しに矢滝城山

 周囲を竹林に遮られて展望はないものの、明るい登山道をゆっくり進む。間もなく残り830m標識を通過、明るい自然林の中を進んでいると、木の間越しながら山吹城跡や矢滝城山を眺めることができる。間歩番号114番を過ごし、少し先には石組みの跡を見つけた。この付近には炭焼き跡も残っているので銀の精錬のための炭を作っていたのかも知れない。

石組みの跡 炭焼き跡

 やがて残り600m標識の立つ米カミ岩の場所に到着、ここは岩の目立つ場所でとても好きな風景である。米カミ岩を過ごした付近から滑り易い急な坂が続き、足下には雪も残っているので滑らないよう慎重に進む。反対側には木の間越しながら、はっきりと山吹城跡が見えている。

米カミ岩 木の間越しに山吹城跡

 雪の残る植林帯の下を通過、右へ進路を変える場所で残り340m標識を過ごす。この先山腹につけられた道を進むのだが、滑り易い雪が残っているのでとても歩きにくい。左側が斜面なので滑り落ちないよう更に気をつけながらこの難所を通過、雪さえなければ快適な登山道と思われる。

雪の残る道を進む 竹林帯の先を左折する

 竹林帯の先で進路は左へ向き、残り200m標識を通過。少し坂を下りると雪が消え、突然広い草原へ出た。周囲には大小の間歩が沢山残っており、この付近で銀の採掘が行われていたようだ。

突然平原に出る 平原には間歩の跡が沢山

 案内に従い石銀集落跡へ向かうと平坦な場所に着き、この先には新しい林道がつけられている。案内の場所まで引き返し、石銀千畳敷へ向かう。広い千畳敷で沢山の間歩を眺めながら進むと、少し坂を下りた場所が平坦になっており、ここに千畳敷の説明が置かれていた。

平坦な石銀集落跡 集落跡へ林道が延びている
石銀千畳敷へ向かう 石銀千畳敷の説明板の立つ場所

石銀集落跡と千畳敷(動画)

 仙ノ山の三角点へはこの標識の先から右上へ続く道に入る。雪の残る竹林の中に入り、踏み跡に従って少しずつ高度を上げる。竹林の中にしっかりと登山道がつけられているので迷う心配はない。間もなく左方向へ折り返すように進み、一旦高度を下げるが、もう少し進むと再び高度を上げ始める。

千畳敷の標識先から右上へ続く道に入る 雪の残る竹林帯を進む

 最後は明るい方向へ向かって進み、大きな木が見えてくればもう山頂は間近。樹林の先には広く平坦な山頂が待っていた。三等三角点の立つ山頂からは周囲に展望はないものの、木の間越しに矢滝城山、山吹城跡、馬路高山などを確認することができる。

仙ノ山山頂 周囲には木の間越しの展望

仙ノ山山頂風景(動画)

 何と言っても特徴的なのは山頂に立つ大木である。この大きな木は仙ノ山を思い出す時に忘れることはないだろう。昼を少し過ぎているので昼食タイム。いつものカップヌードルとおむすびを頬張る。昼食後に恒例の記念撮影をし、山頂を出発した。

山頂にて 周辺散策

 途中雪の残る場所を特に慎重に下れば、もう快適な下山路。いくつかのチェックポイントを通過し登山口の佐毘売山神社へ到着した。

石銀集落跡に残る倒れた石塔 間歩が多い

 コンクリート舗装の道を北に下り、再び銀山川に出るので左折。右に高橋家を見て少し進めば、先程も確認した山吹城跡への登山口に着く。城跡まで940mの案内を確認し、横木の渡された階段へ向かう。丁度歩く歩幅と同じように横木が置かれているのでとても歩きやすい。

佐毘売山神社先から山吹城跡を見上げる 登山口を出発

 少し高度を上げると南には仙ノ山が聳えており、先程まで居た場所を目で追うことができる。しばらく横木の階段を踏ん張っていると、城跡まで550m標識の立つ尾根に到着。少し傾斜が緩くなり、休憩舎も置かれているので小休止に丁度良い場所である。

整備された階段を登る 向かいには仙ノ山
長い階段 東屋を過ごす

 但し、ホッとするような緩やかな傾斜はわずかで終了、すぐに横木の階段が復活する。まもなく展望の開ける場所に着くので小休止。南には山頂に雪の残る大江高山、南西には矢滝城山、西には木の間越しながらアンテナの目立つ馬路高山を眺めることができた。暫く展望が無かったので久し振りの展望がとても新鮮である。

展望地より 大江高山矢滝城山

展望地より 右端に馬路高山

展望地(動画)

 もう少し進むと残り230m標識に到着、西には障害物無しに馬路高山と日本海の展望が開け美しい。間もなくベンチの置かれた平坦な展望地に着き、南方面に大江高山矢滝城山、降路坂、矢筈城跡を眺める。平坦な広場から階段を登れば仙ノ山から大江高山矢滝城山を見晴らす展望地。美しい展望に何度も足が止まる。

馬路高山 大江高山矢滝城山

 空堀を眺めて更に高度を上げれば、山吹城跡(要害山)へ到着、とても広く平坦な山頂である。東には大きな三瓶山が見えるはずなのだが、本日は黄砂のため輪郭程度しか見えない。南には先程まで居た仙ノ山、少し立つ位置を変えて西を眺めれば馬路高山と日本海。山吹城跡は石見銀山を守るために遠くまで見晴らすことのできる場所であることがわかった。

空堀 山吹城跡山頂 後は馬路高山

山吹城跡山頂風景(動画)

 「山吹城は周防国(現在の山口県)の戦国大名であった大内氏によって築かれたといわれ、その後激しい争奪戦が続き、永禄5年(1562)には毛利氏が支配。江戸時代になると初代銀山奉行大久保長安は、休役所を奉行所として使い、山吹城を普請(城の改修)したことや、吹屋(銀精錬所)を置いたことが記録からわかる。その後、奉行所は大森へ移転し、代官所となった」と案内されている。

仙ノ山 馬路高山

 暫く山頂にて周囲に広がる展望を楽しんだ後、一周回りで下山を開始することにした。山頂から少し下りると石垣を確認、こんな場所で大きな岩を積み上げるには、相当な技術が必要と思われる。眼下に大森の集落を眺めた後、更に下山を続ける。

山頂から少し下りる 石垣

 これから先は石段を下ることになり、足下の石段が少々不安定なので慎重に下りる。手摺りの基礎部分が腐食しているので心配になるが、意外としっかりしている場所もある。従って、大人数でなければ、慎重に下ると大丈夫のようだ。急な617段の階段を慎重に下りれば、石仏の鎮座する石見銀山街道(銀の道)吉迫口へ到着。城跡からは500m、登山口まで600mの位置である。街道はここから日本海側へ続いている。

急な石段 石仏の鎮座する吉迫口へ到着
吉迫口を振り返る 東屋を過ごす

 吉迫口を出発、整備された横木の階段道を下りて行く。途中で東屋を左に過ごし、自然林の下を進めば登山口まで360m標識を通過。この先で湿地帯を抜け休役所跡、大満寺跡を抜け山吹城跡登山口に下り立った。

気持ちの良い自然林 休役所跡
山吹城跡登山口 銀山大盛祈願道場碑

 帰りは旧道を通り、石見銀山初代奉行大久保石見守の墓所等を眺めて登山口の銀山公園まで戻った。登山終了は午後5時半、そのまま汗を流すため温泉津温泉の泉薬湯に向かった。温泉に入ると、ここは昔ながらの湯治場であり、一日の疲れも取れる気がした。

初代銀山奉行 大久保石見守墓所 仙ノ山林道下山場所(林道仙ノ山線起点)

五百羅漢

町並み地区

佐毘売山神社

米カミ岩

石銀集落跡

仙ノ山山頂

龍源寺間歩

大江高山矢滝城山

仙ノ山

山吹城跡

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 島根県大田市 仙ノ山 登山口付近のMAP

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