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→0:50→ 高嶽山頂 →0:50→ 要害岳山頂 →0:30→ 48・49番石仏
→0;10→ 薬師堂→0:10→駐車場
昌福寺から始まるお遍路登山 今回の登山口は、麓にある昌福寺(しょうふくじ)の墓地駐車場です。昌福寺は幕末奇兵隊及び膺懲隊がこの地に一時駐屯した時、屯所として使われていた場所の一つです。駐車場の左端に掲示された「お大師様八十八ヶ所巡礼」の案内板が目印で、ここが参道の入り口となっています。私は2番の石仏から巡礼をスタートしました。もし昌福寺に参拝してから登山を開始する場合は、本堂左側から石鳥居をくぐり、コンクリート舗装の坂を上ります。その先に建つ祠の右手から参拝道に入ると、7番の石仏から巡礼が始まります。
参拝道には補助用のロープが設置されており、札番の木札も新しくなっているようでした。6番の手前で右手に祠を過ぎ、7番で祠側からの道と合流します。歩きやすい参道を辿り、順番にお大師様の石仏に手を合わせながら、ゆっくりと高度を上げていきました。
絶景と心地よい木漏れ日 美しい木漏れ日が降り注ぐ道を歩いていると、42番石仏の先で展望地に出ました。眼下には佐波川が流れ、西から南西方向には真田ヶ岳や右田ヶ岳などの山々が広がっています。以前見えていた狗留孫山や白石山は、残念ながら木々の成長で全く見えなくなっていました。展望地には休憩用の丸太の椅子も設置されています。
猛暑日でも快適な樹林帯の道 この日は梅雨の晴れ間で、最高気温が35度近くまで迫る猛暑日でした。しかし、登山行程のほとんどが木々に覆われた樹林帯の下だったため、風が吹くととても涼しく感じられました。
わずかに集落が見える場所を過ぎ、よく踏み固められた登山道上では「村」と彫られた石杭を見かけました。少しずつ高度を上げていくと、途中に転がる岩が現れます。時折倒木も見られましたが、歩きやすいように片付けられていました。
要害岳山頂と懐かしい山々の展望 やがて大きな岩の横を通り過ぎると、広く平坦な要害岳の山頂に到着です。明るい山頂には三等三角点が設置され、立派な山頂標識が木に掛けられていました。
山頂からは素晴らしい展望が広がります。東には三角錐の串文殊岳、その先には千石岳、さらにその先には山頂に反射板が建つ金峰山が見えます。文殊岳の左には土田ヶ岳、その手前が次に目指す高嶽です。南東には慈母観音像が建つ法師ヶ岳と四熊岳、北東にはアンテナ施設が多く建つ石ヶ岳が大きくそびえています。しばらく展望を眺めて小休止を取り、引き続き縦走路を辿り高嶽を目指しました。
石杭を過ぎて坂を下り、鞍部(あんぶ)から再び登り返します。山腹に続く細い道を辿り、苔が美しい場所を通過するなど、なかなか見どころの多い縦走路です。しばらく涼しい風が吹いていて快適でしたが、地形の関係か、途中から風がなくなり体温が上がるので、こまめな水分補給が欠かせませんでした。
自然林が続く登山道を淡々と進み、岩が目立つ場所を通過すると、この先に祠が祀られた場所に着きました。しかし、この祠の中は空っぽでした。祠の横を通過し、わずかに坂を下って登り返すと、標高445mの高嶽山頂です。高嶽山頂にも祠が祀られていましたが、こちらも中は空でした。
高嶽の山頂周囲には岩が多く、どこか神聖な雰囲気が漂っています。ただ、山頂周囲は樹木が高く、残念ながら展望は望めませんでした。山頂を出発し、手前の祠まで引き返して明るい祠の前で小休止をとり、下山を開始しました。
無事に巡礼と登山を終えて 要害岳まで引き返し、地図で山名を確認したり、双眼鏡で山頂に建つアンテナなどを眺めたりしてから、要害岳を出発しました。48番・49番札所まで戻り、50番からお大師様巡りを再開です。この先からは急な下り坂が続き、補助のロープを伝いながら慎重に下っていくと、下り立った場所は薬師堂でした。
今回の登山は、約20年ぶりの再訪でしたが、真夏の猛暑日でも樹林帯の道が涼しく、木漏れ日が美しい快適な山歩きとなりました。昌福寺から始まるお遍路道は、ただの登山だけでなく、歴史と文化を感じられる特別な体験です。
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