十種ヶ峰ヤマシャクコースとしだれ桜2014年(とくさがみね)山口県山口市阿東町 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トップに戻る 2014年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順 2002年 6月23日(日曜日)の登山記を見る 2014年4月12日 神角神社 →0:30→ 作業道終点 →0:25→ ヤマシャクヤク自生地 →0:20→ 尾根出合 →0:20→ 山頂 →1:00→ 登山口 全歩行時間 2時間35分 今から5年前の2009年5月6日にヤマシャクヤクの自生地を鑑賞するコースを歩いた。当時このヤマシャクヤクのコースは公開されていなかったため、そのまま原稿は未公開としていた。最近になってこのコースのことが公になってきたので、当時の記録を掲載したところ、昨年(2013年)7月28日に発生した「山口島根豪雨」の影響により、登山道の一部の状況が変わっていることに気づいた。 そこで急遽十種ヶ峰へ向かうことにした。周南市の中心部から鹿野を経由し阿東町徳佐へ着く。国道9号を横切り、前方に見える十種ヶ峰は少し霞んでいる。左に船方農場を過ごし、徳佐を起点として国道315号を約4km進むと坂田バス停前に着く。ここには十種ヶ峰のヤマシャクヤクとしだれ桜の案内が掲示されている。
案内に従い分岐を右折、更に2km進むとヤマシャクヤクとしだれ桜の駐車場の案内が立っている。この案内に従い分岐を右折すると正面には神角神社が祀られており、神社横とその下に広い駐車場が整備されていた。神社横には綺麗なトイレも整備され、至れり尽くせりの登山環境である。
神社入口と神社の左側ではこの時期しだれ桜が美しく、まさに春の訪れを感じさせる風景が広がっている。さて、神角神社を出発、北東へ向かうと4月初旬には美しいしだれ桜を2本見ることが出来る。この桜は個人の所有物と書いてあり、手入れは大変と思われる。しだれ桜の下を潜り、ゆるやかな傾斜の舗装道を進む。 登山途中に鑑賞する2本のしだれ桜 間もなく右に椿の木がそびえており、その下には生木地蔵が祀られている。昔、この椿の根元は二本に別れていた。その間に仏像(40cmくらいの石像)が置かれていたが、木が大きくなるに連れて仏像を包み込んだ。よってこの木を生木地蔵と呼んでいるそうだ。家内安全、交通安全、無病息災を願い、多くの人が信仰していると案内されている。なお、この地蔵様は平成24年9月に改装されている。 生木地蔵とイノシシゲート 地蔵様を過ごすとイノシシ除けのゲートがあり、ゲートの中に入り、しっかりと鍵を閉めておく。なお、ゲートにはヤマシャクヤク登山道は登りの一方通行をするよう注意されている。未舗装の作業道をのんびり進むと、間もなく植林帯の下に着く。この植林帯の下は、昨年(2013年)7月28日に起きた山口島根豪雨の影響により岩が散在している。 山口島根豪雨による土石流跡 間もなく懐かしい黄色の橋を渡り、明るい登山道を進むと、左に堰堤を過ごす。足下には昨年の豪雨の影響による土石流が残っているものの、歩行に支障ない。この付近は登山道整備をする皆さんが歩きやすいように作業されたのかも知れない。
左に水源かん養保安林の黄色の案内を過ごし、更に進むと足下は未舗装道からコンクリート舗装の道に変わる。この先からは植林帯の下につけられた登山道を進み、左に堰堤を過ごす。やがて足下は未舗装道に変わり再びコンクリート舗装に戻る。そして作業道終点へ到着、左に沢を見ながら山腹につけられた道を辿る。
左に堰堤を過ごし、砂利状の道を進む。間もなく進路は左下方向に変わり、沢沿いを遡上する。但し、水量は少ないので岩上の歩きやすい場所を選びながら高度を上げる。このあたりは5年前に草木に覆われていたが、現在は昨年の豪雨により発生した土石流の影響で、茂っていた樹林などがすべて押し流され、考えようによってはとても歩きやすく変貌している。 岩壁と岩の道 涼しげな沢音を聞きながら進むと、目の前に岩壁が現れる。ここにはしっかり補助のローブが渡されているので簡単に上の段へ移動することができた。この岩壁は登山途中のアクセントとして、印象に残る場所である。
少し高度を上げて左斜面の山腹を進み、再び谷に降りる。倒木の横をすりぬけ、ワイルドな岩道を楽しんでいると前方に古い堰堤が現れる。堰堤手前から左上方向へ続く登山道を進むと堰堤の左側へ着く。
ここで枯沢を横切ると、前方に最後の堰堤が見えてくる。左側に歴史ある苔むした石組みを過ごし、右に最後の堰堤を過ごせば、谷奥にヤマシャクヤク観賞用のロープ柵が見えてくる。豪雨の影響による土石流の場所から一歩草原ヘ足を踏み入れると、もう周辺はヤマシャクヤクの自生地である。 ヤマシャクヤクのつぼみ 当日は4月初旬で、しだれ桜満開の花模様なれど、ヤマシャクヤクについてはまだまだ堅いつぼみの状態である。ただし、昨年の豪雨にもかかわらず、多くのつぼみがついており、見頃のシーズンが楽しみである。自生地付近から終点の尾根までは登山道の左右に観賞用のロープが渡されており、ヤマシャクヤク鑑賞はこのローブ内でするよう注意されている。 ヤマシャクヤク鑑賞コース ただし、ロープ内にもヤマシャクヤクは自生しているので、足下に充分注意しながら鑑賞していただきたい。また、花の最盛期には、大勢の登山者が予想されるため、登山の際にはこのコースを登りに使用するよう注意されている。さて、自生地の始まりから終点の尾根までは登るだけで20分程度の時間を要する。
更に登山道は急斜面であり、足下は砂利や岩が多いため、スリップしないよう注意も必要である。尾根へ出れば進路を左方向に採り、眼下に神角方面の田園風景を眺めながら高度を上げる。足下の笹がきれいに刈られているが、これは昨年(平成25年)9月23日に北浦自然観察会の皆さんにより笹刈が実施されたおかげである。
足下にスミレの花やイカリソウの葉を眺めて更に進むと、間もなく一等三角点の置かれた十種ヶ峰の山頂へ到着した。周囲に広がる展望は霞気味で、津和野の青野山、法師山、山口県の名峰高岳山、大蔵ヶ岳などは確認できたが、写真ではただの霞状態としか見えないようだ。 十種ヶ峰山頂風景 山頂から少し北方面へ移動し、周囲に広がる展望を眺めていたら、 東斜面へ向かって下っている9名の登山者を見つけた。この下には作業道があるので、こちらへ下るのだろうか。それにしても急な斜面を一気に下るものと感心しながら見学した。 斜面を下りる人たち
山頂にて周囲に広がる展望を眺めるが、霞気味でもあるし、雨が気になるので下山を開始する。下山の際には前回同様大山祇神の祀られた熊野権現社へ参拝、神社の由来は木板に記載されているのだが、文字が薄れて全文を読み取ることはできなかった。神社周辺には清水が湧き出しており、この涌水池は涸れたことは無いのだろう。
熊野権現社へ参拝し、整備された擬木の階段を下る。遊歩道の左右には珍しいちまき笹の群生地が広がっている。やがて山頂から続くもう一方の遊歩道と合わさり、平坦な笹原につけられた道を西へ進む。白い馬酔木の花を観賞しながら坂を下ると、平成20年3月に建立された大鳥居の前に着く。
ここで進路を右方向へ採れば、アンテナなどの立つ駐車地へ出るが、私は登山口の神角地区への周回周りの登山をしているので、「神角」への案内に従い分岐を左折する。下山途中には笹原の先にそびえる十種ヶ峰、南西にそびえる大蔵ヶ岳など美しい風景を眺めることができる。やがて草原を後にして植林帯の中に入り、林道を横切った後。再び植林帯の中に入る。
下山道途中には案内なども設置されているため、道に迷う心配は無い。植林帯を抜ければ、よく踏まれた登山道へ着き、ジグザグを描きながら自然林の下で高度を下げる。やがて昨年の豪雨による土石流の跡を通過、その爪痕のすごさに改めて自然の力の偉大さを感じる。
堰堤を過ごして作業道へ着けば、イノシシよけのゲートを通過する。すぐに神角集落へ着き、登山口の案内を過ごせば神角バス停へ着く。5年前の前回は、この付近に駐車したことを思い出した。更に舗装道を進み、登山口の神角神社へ到着し一周回りの登山は無事終了した。
神角集落へ入る直前より降り始めた雨は、たいした雨量ではないものの、早めの登山終了ができたことに感謝。登山口付近のしだれ桜を再度観賞し、次は前回夕暮れであきらめた、佐々木小次郎の墓所へ向かうことにした。福賀地区まで移動し、「剣豪 佐々木小次郎の墓」の案内に従い進むと、あと170mのところまで車で入ることができた。 剣豪 佐々木小次郎の墓 更に案内に従い進み、小次郎の墓へ参拝。小次郎慕古の会の案内によれば、小次郎は慶長17年(1614)4月13日巌流島の決闘に破れた。その当時妻のユキは懐妊中であったが、切支丹の信者で折柄の厳しいキリスト教の禁令のため、夫の遺髪を抱き、多くの信者とともに安全な居所を求めて山陰の地に逃れた。
ユキはここ寺ヶ浴の真言宗正法寺に身を寄せ、仏門に入って尼となり、墓を建てて夫の冥福を祈った。我が子に対する因果応報を断ち切るために、小次郎の名を古志らう(墓石右側面に刻す)と替えて記したという。と説明してある。なお、この墓所の上にはキリシタン六面観音が祀られていた。 神角神社のしだれ桜 登山途中のしだれ桜 岩壁 ワイルドな登山道 ヤマシャクヤクのつぼみ 山頂 熊野権現社 しだれ桜 名残の桜 前の山 立石山 を見る 次の山 犬ヶ岳 を見る 登山口周辺の地図はこちら 山口県山口市阿東町 十種ヶ峰 登山口付近のMAP |