トップに戻る 2019年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順
→0:40→ 山頂 →0:25→ 十勝岳の肩取付 →0:25→ 尾根出合
→0:50→ 十勝岳避難小屋 →0:50→ 望岳台
美瑛岳の方はすっきりと視界良好だが、十勝岳の方向は霞んでいる。その中でかすかに十勝岳のシルエットを見つけることができた。前十勝岳の噴煙によりこの方向は見えにくくなっている。
足下に花を観賞しながら少しずつ進む。まだ坂の傾斜はわずかなので遊歩道を歩いているようだ。右に白銀荘への分岐を過ごし、この先から進路は左に変わる。背後には美瑛や富良野の街並みが続いているようだが、朝靄に包まれている。
次に現れたのは美瑛岳への分岐の雲ノ平。そのまま道なりに進むと美瑛岳、十勝岳へは進路を右にとる。前方には十勝岳避難小屋が見えており、この辺りの坂の傾斜も大したものではない。そのまま岩の目立つ道を辿れば登山口からは1時間10分で避難小屋へ着いた。
避難小屋を出発すればすぐに前十勝コースを見るが、このコースは立入禁止になっていた。進路は左に続き、コースに設置されたロープに従い進むと向かいの岩場へ着く。登山コースはこの岩場を直登するように続いている。案内には標高1380m、望岳台から2.5km、避難小屋から200m、十勝岳へ2.7kmと書かれている。
足下には多くの花が咲いており、足場は悪いが慎重に登れば大して問題は無い。間もなく登山道に朝日が差し始め、明るい道を快調に進む。進路上の石には黄色のマーカーが要所に塗られており、進路を確認しながら高度を上げる。
対岸に白っぽい層が見えているのは硫黄が冷えてできたものだろう。周囲には硫黄の臭いが充満しており、火山活動が活発な山である。ここで突然という感じで十勝岳の勇姿が現れた。はやる気持ちを抑えて高度を上げれば、やがて平坦な尾根上に着いた。
十勝岳はまだ朝靄の中にそびえる感じだが、この雰囲気もなかなか良い。ほとんど平坦な砂礫の道は、足下が滑り易いので注意が必要だ。前方には十勝岳がそびえ、十勝岳へ続く登山道が一目瞭然、右からは硫黄の噴煙が流れ込んでいる。一番美しい景色を眺めながら十勝岳へ向かっている。
左側に雪渓が見えてくれば、十勝岳へ向かう登山者が岩場に取り付いていた。雪渓越しの美しい十勝岳を左に眺め、いよいよ山頂へ続く十勝岳の肩へ向かう。岩場の急登に取り付き、白いマーカーと踏み跡を辿る。岩が不安定なので落石に気をつけながら高度を上げ、間もなく山頂へ続く十勝岳の肩へ着いた。この場所は前十勝岳への分岐点でもある。
眼下には雪渓、向かいには美瑛岳が美しい。背後には前十勝岳の噴煙が間近で、硫黄臭の原因でもある。さて、十勝岳へ向かって砂礫の道に入る。踏み跡が確かなので景色を眺めながら高度を上げれば大丈夫、時の経過と共に変わる景色を堪能していれば、最後の岩場を一登りで十勝岳の山頂へ着いた。
山頂には「光顔巍々」と彫られた石碑が建っていた。この出典は「浄土真宗、根本経典一大無量寿経(大経)」、讃仏偈と呼ばれる偈文の冒頭の句で、御仏の立派なお顔をほめたたえた句である。他の二面には「維時昭和十二年三月一日西本願寺法主大谷光照師當山頂上ヲスキーニ據リ踏破シタル記念トシテ表記ノ如ク揮毫セラレ之ヲシテ後昆ニ傳フ矣」、「紀元二千六百年七月建之」と彫られている。
山頂からは目の前に美瑛岳がそびえ、その奥には昨日登った旭岳が顔を出している。雲は立ち位置よりも下に広がり、雲上の世界が素晴らしい。前十勝岳の噴煙、その先に美瑛、富良野の街並みなどを心ゆくまで眺める。これぞ山頂に立ったものだけが見ることのできるご褒美である。
山頂に置かれた案内には望岳台へ5.2km、美瑛岳へ4.6km、トムラウシ山へ18.6km、上ホロカメットク避難小屋へ2.9kmと書かれている。しばらく山頂で休憩していると、周囲に雲がかかり始めた。今日は午後から雨の予報なので、早めに下山をしなければ雨に遭う。そこで、周囲に広がる展望を再度眺めた後、下山を開始した。
山の天気は一瞬にして変わり、周囲は霧に包まれた。岩場を下りて十勝岳の肩を通過、更に滑り易い岩場を下って雪渓の前へ。この先からは緩やかな傾斜の道を進むが、辺りが一瞬で霧に包まれるのはなかなか見応えがある。
やがて登山時に苦労して登った急登を楽々下って避難小屋へ着いた。この付近で左側に広がる雨雲がこちらに近づいていることが解った。この雲が頭上に来る前に帰り着きたかったが、もう遅い。間もなくスコールのような雨が降り始めた。急いでザックカバーをリュックに装着、カッパは面倒なので傘を差して下山を続けた。
すぐに雨は降り止み、晴れてきたので今度は傘とザックカバーを乾かしながら下山、間もなく登山口へ下り立った。最後に雨に降られてしまったが、十勝岳はとても美しい山だった。
登山の後は周辺観光。登山口の望岳台を出発し、美瑛町の青い池へ立ち寄る。駐車場は多くの車が並び、人気ある観光地である。多くの観光客と一緒に青い池を散策、不思議な色の池をながめる。
その後は美瑛町の花畑観光で、新栄の丘展望公園、四季彩の丘、三愛展望公園、北西の丘展望公園、ケンとメリーの木(ポプラ)、セブンスターの木(カシワ)等を巡った。
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