白馬岳−1(しろうまだけ)猿倉から白馬鑓温泉小屋へ 長野県白馬村他 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トップに戻る 2014年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順 2014年9月 1日目 村営猿倉荘 →0:15→ 鑓温泉分岐 →1:00→ 中山沢 →1:00→ 小日向 →0:20→ 鞍部の池 →0:25→ サンジロ →0:30→ 杓子沢 →0:30→ 鑓温泉下 →0:25→ 白馬鑓温泉小屋 全歩行時間 4時間25分
まずJR白馬駅を観光していると、丁度普通電車が到着したところだった。次にコンビニでサンドイッチを購入して朝食とした。次に八方第5駐車場に車を置いていると、タクシーの運転手が「猿倉行きのバスは土日しか無い」と教えてくれた。そこでこのタクシーに乗り込み、白馬村営の山小屋猿倉荘まで移動した。タクシー料金は3100円だった。
猿倉荘で昼食用のお弁当を1000円で購入。なお、村営猿倉荘前にはトイレ、水場が完備され、わずかながら駐車スペースもあるようだ。山荘左に掲示された白馬岳登山口の案内には、白馬大雪渓まで約1時間、白馬鑓温泉分岐まで約15分と書いてある。
午前9時20分に猿倉荘を出発、白馬岳へ向かって登山を開始する。一日目はこの猿倉荘から標高2050m付近に湧出する天空の露天風呂の白馬鑓温泉を目指す。猿倉荘の左側につけられた登山道に入ると「登山は自然相手のスポーツです」と書かれていた。まさにその通りで、絶対に無理をしてはいけないスポーツである。左右に自然林を眺めながら、石や岩の目立つ道をゆっくり進む。
眼下には先ほどまで立っていた猿倉荘が見えている。山あじさいの花などを眺めて緩やかな傾斜の坂を進むと、9分で作業道に出た。この作業道を更に6分辿ると鑓温泉登山道の分岐に着く。この先も左右に自然林を眺めながら緩やかな傾斜の坂へ向かう。少しずつ周囲の花の種類が増えてくるので単調な登山道だが、華やかな雰囲気を感じながら高度を上げる。
登山道を取り巻くの木々の背が高く、進行方向や周囲に展望はない。やがて足下に鮮やかな紫色のトリカブトの花を見つけた。久しぶりに見つけたトリカブトを時間を掛けて眺める。この先登山道にはトリカブトの群生地があり、たくさんのトリカブトを鑑賞しながら進むことができた。
間もなく岩の目立つ「2.中山沢」のポイントへ到着。このポイントは文字通り沢になっているが、表面上には沢を見つけることはできなかった。この地点まで猿倉荘からは1時間15分、ほとんど休憩無しで歩いている。ここで背後をふりかえれば、歩いてきた行程が見えているものの、尾根方面は霧に遮られている。
谷付近には雪渓が見えているので有名な白馬大雪渓かも知れない。ただし、雪渓は見える範囲で溶けているように見える。もう少し進むとトリカブトの群生地に着いた。この付近には水場もあり、鑓温泉へ向かう場合には、途中で水分補給が可能のようだ。本日用意した水分はスポーツドリンク2リッター、水500mlなので、1リッターは余分である。
トリカブトの花 途中の水場と登山道の風景 シモツケソウやイチゲなどの花、つぼみのリンドウなどを観賞し小石混じりの坂を登る。やがて坂の傾斜が緩み、草原が土石流により流されて裸地になったようなピークへ着く。更にこの奥へ進むと左右は自然林に覆われ、わずかに下ると水芭蕉の多い「3.小日向」のポイントへ着いた。猿倉荘からは2時間15分の行程である。
小日向山のコル付近の池の風景 この先からは平坦な湿地帯につけられた木道を進み、トリカブト、シモツケソウ、オオバギボウシ、オカトラノオ、シシウドなど周囲に咲く美しい花を鑑賞しながら坂を下る。間もなく眼下に小さな池が見えてきた。この池の横まで下りると、この付近が丁度鞍部であることがわかった。時刻も12時近くなったため、猿倉荘で注文した昼食を採ることにした。猿倉荘からの所要時間は2時間35分である。 昼食を摂った鞍部の池 約40分の昼食タイムを終えて12時30分に鞍部の池の横を出発。砂利道の登山道を進むと岩の道に変わり、ふと足下を眺めると熊のものと思われる大量の糞を見つけた。この山域が熊注意と言われるゆえんである。登山道は少しずつ高度を上げ、間もなく「4.サンジロ」と言われる場所を通過する。鞍部の池からの所要時刻は約25分である。
サンジロ付近の登山道の風景 尾根方面には青空が少し戻り、背後には歩いてきた行程、進行方向にはこれから向かう緩やかな坂が見えている。岩の多い道を辿り、山腹につけられた道を進めば、一気に高度が上がる。周囲に咲く花を眺めていると、突然前方に杓子沢から鑓温泉へ続く展望が開けるものの、すぐに視界は霧に覆われてしまった。
霧の杓子沢から眺める風景 眼下には雪渓が広がり、晴れていればこの上に滝もあり、絶景と思われる。この雪渓の上部は「杓子沢」といわれる地点で、杓子沢へ向かっていると突然霧が切れ、南西方面の尾根に茶色の山が見えてきた。このあたりが天狗尾根と言われる地点と思われる。その下には建物が斜面にへばりつくように建っており、これが本日目指す鑓温泉小屋である。それにしても霧が晴れると、素晴らしい展望が広がるものである。 杓子沢から眺める風景 白馬鑓ヶ岳の山頂方面には相変わらずの霧が掛かっており、残念ながら尾根方面の展望は無いに等しい。間もなく杓子沢へ到着、ここで杓子沢に架かる木製の橋を渡った所で珈琲タイムとなる。鞍部の池からの所要時刻は約55分である。青空の下、美しい風景を眺めながらの小休止の後、鑓温泉へ向かう最後の行程に取りかかる。 杓子沢から眺める風景 豪快な杓子沢の風景 ところが、山の天気は変わりやすく、それまで晴れていたのが嘘のように周囲は霧に包まれた。足下の案内には「崩沢・落石沢、石がポロポロ落ちてきます」と書かれている。眼下に見えている雪渓は、入口付近に大きな穴が空いており、まるで口を開けているように見える。しばらく山腹につけられた道を進むが、岩が崩れやすく、谷に落ちないよう注意しながら進む。
白っぽい小石混じりの登山道 相変わらず登山道脇に咲く花を眺めながら進んでいると、砂利状の石の色が白っぽく変わり、晴れた際にはとても美しい道に見えることだろう。眼下に雪渓、北には歩いた稜線を眺めることができる。間もなく沢に架かる木橋の手前に着き、登山道脇の雪渓まで行くと、雪渓の薄い部分があったのでストックで突いてみると簡単に崩落した。
登山道脇の雪渓の風景 沢の下流には、雪渓のトンネルが見えたので、このトンネルの中を潜ってみた。なかなかスリルある雪渓のトンネルだが、真夏でもなかなか溶けないのだろう。雪渓前で記念撮影の後、登山道へ引き返す。
雪渓のトンネルくぐり 再び沢に架かる木橋を渡れば、鑓温泉へ向かって急登の始まりである。すぐに鑓温泉下の案内を通過、左下に雪渓を眺めながら進んでいると、今度は鮮やかな色のクルマユリの花が咲いていた。岩の露出した地点を通過、ロープの渡された場所を少しずつ高度を上げる。
ロープの補助の次に木製のハシゴが見えてくれば鑓温泉小屋は近い。ごうごうと流れる源泉掛け流しの湯に掛かる橋を渡ると、間もなく右に足湯の施設を過ごす。この左にテントの設営場所があり、更に坂を登ると名物の天空の露天風呂に着くが、この温泉は後ほどのお楽しみとする。
に二人の配置で、さすがに平日は空いているようだ。なお、宿泊等に掛かる費用は、翌日の弁当を入れて10600円だった。さて、ここは標高2050mの高地にある有名な温泉で、源泉が大量に流れ込んでいる。硫黄臭の漂う温泉は、きれいなエメラルドグリーンをしており、とても開放的な露天風呂である。眼下には雲海が広がり、大展望を満喫した。
白馬鑓温泉へ 苦労して長い距離を歩いてきた分、この温泉に入っていると、幸せな気分に浸ることができるようだ。なお、夜7時半から8時半の1時間の間この露天風呂は女性専用となり、その間は女性風呂が男性用に切り替わると案内されている。のんびり温泉に浸かった後、食堂で湯上がりのビールを飲んでいたら午後5時を過ぎ、夕食が始まった。
天空の露天風呂 白馬鑓温泉 メインの料理はサワラの味噌漬け、これに豚の煮込んだものがあり、キャベツにブロッコリー、トマト、野菜の煮物に漬物に味噌汁、とても豪華な料理である。宿泊者は12名で、今まで山小屋に泊まった中では最低数である。部屋も150名宿泊の小屋だが、15名の部屋に2人泊の 贅沢な配置となった。やはり山小屋は平日に利用するのが一番である。夕食後には再度温泉に入り、のんびりした。温泉も貸切状態で贅沢な登山である。
白馬鑓温泉のおいしい夕食 丁度石垣の工事をしている人たちが夕食を摂っており、その中のMさんより、日曜日の昼に小谷村で「ささら祭り」があると言うことをお聞きした。場所は仙国諏訪神社で、奇祭と言われているそうだ。時間があれば立ち寄ることにする。8時半を過ぎて消灯となったが、この夜はとても寒くぶるぶる震えた。小屋泊でこんなに寒かったのは初めて、宿泊人数が少なかったせいだろうか。 登山口の村営猿倉荘 トリカブト 白馬鑓温泉小屋方面 杓子沢 雪渓 白馬鑓温泉 前の山 金鶏山 を見る 次の山 白馬岳2 鑓温泉小屋から白馬岳まで を見る 登山口周辺の地図はこちら 長野県白馬村他 白馬岳 登山口付近のMAP |