竜山(りゅうざん)島根県出雲市 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2012年6月23日 夢の森うさぎ管理事務所 →0:40→ 展望地 →0:10→ 山頂 →0:40→ 管理事務所 全歩行時間 1時間30分 島根県出雲市大社町鷺浦にそびえる竜山。この山の登山口は、鷺浦の「うさぎ森林公園 夢の森うさぎ」にある。なお、この「鵜鷺(うさぎ)」という名前は、この付近の地名ではなく、鵜峠(うど)地区と鷺浦(さぎうら)地区の頭文字を併せた造語らしい。
出雲大社を登山口への起点とすれば、出雲大社の正面前の大鳥居前を通過し、稲佐の浜方面へ向かう。最初に現れる信号のある交差点を右折、県道23号に入り、右に出雲大社の駐車場を過ごす。この先右に出雲大社を過ごし、道なりに高度を上げて行くと、信号のある交差点からは2.8kmで猪目峠へ着く。
猪目峠に置かれた「夢のもりうさぎ 4.5km」の案内に従い鷺浦へ向かう。猪目峠の先で左にさぎ峠茶屋跡の案内を見つけたので立ち寄る。案内の先には広く平坦な茶屋跡を眺める。先ほどの猪目峠茶屋跡と大して距離が離れていないのは、この往来が昔はにぎわったという証拠だろうか。
更に北へ向かえば峠に石柱が立ち、右鵜峠浦銅?、左さぎ湊と書かれていた。この先で左に林道が続いているが、入口にはチェーンが張られている。なお、この林道は坪背山へ向かう途中、眼下に見下ろした舗装道である。
この先くねくね道を下っていると、鷺銅山の案内が立っている。案内によれば、鷺銅山跡は石見銀山の先駆けを成した古い銅山で、室町時代からあったという。「大森銀山記」によると大永6年(1525年)鷺鉱山の鉱夫が大森銀山を開発したとある。明治36年の記録に鉱山労働者217名の記録があるが、その後衰退したそうだ。周辺には石垣の立派な場所があり、この先に向かうと鉱山跡が残っていた。
鉱山跡を出発、右にはこの鉱山関係の住居跡などが続いていた。この峠道には歴史ある名所が多い。やがて鷺浦へ続くT字路へ着くので分岐を右折、少し進むと右に伊奈西波岐神社を過ごす。美しい海岸線を眺めながら道なりに進むと「夢の森うさぎ」の案内が現れるので分岐を右折、そのまま坂を登ればうさぎ森林公園、夢の森うさぎの管理事務所に着く。事務所で許可を得てこの上の駐車場へ車を置き、登山を開始する。
なお、管理事務所に掲示されている案内には、竜山について次のように書かれている。竜山は標高312mの山。山の麓に鉱山跡がある。この山の中腹には、かつて日本鉱業が銅を採掘した坑道が今も残っている。水平坑道は貫通し、三段につながっている。夏は冷気が坑口から吹き出して涼しい。危険防止のため坑口は閉ざされている。
竜山の登山口は、管理事務所前の舗装道を少し北へ下った「オートキャンプ場」手前にある。入口には「竜山登山道」の案内が立ち、この先の鹿除けゲートを抜けて中に入る。植林帯の下を下って広い作業道に入り、道なりに沢沿いを進む。
右に堰堤を過ごし、作業道を進む。少し先で橋を渡り、ジグザグを描きながら高度を上げる。周囲には樹林の背が高く、木漏れ日を浴びながら歩くのはとても気持ち良い。間もなく右に「小路屋」と書かれた石柱を過ごすが、この意味は分からない。白い板に黒字で矢印の書かれた案内が要所に掛けてあるので、案内を確認しながら進む。
足下には歴史ある石段などが残っており、生活の跡などを確認しながら進む。周囲の木々は鹿の食害により、皮が剥ぎ取られており、被害の大きさに心が痛む。広い作業道は、時折倒木などにより迂回する場所もあるが、総じて歩きやすくなっている。途中で折り返すように左方向へ進路を変え、再び右方向へ向かう場所を通過、もう少し進むと右に広く平坦な生活の跡らしき場所を眺める。
井戸跡と思われるような場所もあり、ここで多くの人が生活していたのではないかと思われる。やがて進路は右(南西)へ変わり、緩やかな傾斜の沢を進む。この付近では目印のテープや案内板を探しながら歩くことになるが、基本的には沢沿いを歩けば大丈夫。但し、この付近の沢は、人工的に掘られたようにも見える。
やがて滑りやすい山腹の道を進むことになり、この左の岩に注意していると、鉱滓を眺めることができる。この先からは案内に従い、急な斜面に取り付く。岩や木を掴みながら高度を上げれば、背後には美しい日本海の展望が広がる。少し登ったところの展望地にて小休止、鷺浦の湾内に浮かぶ柏島、十六島の半島に建つ風力発電施設などを眺める。
展望地から眺める風景 ふと足下を眺めれば、この付近にも鉱滓が多い。標高270m付近でも銅の精錬が行われていたことが分かった。また、足下には急な斜面が続いており、この現在居る展望地は鉱石を掘り出した場所かも知れない。山腹には洞穴を土嚢袋でふさいだ場所もある。この土嚢袋の奥には坑道が残っているのかも知れない。
休憩を終えていよいよ竜山への最後の急登へ取りかかる。この先からは急な斜面の連続なので慎重に進む。展望地から元の登山道に戻り、山腹につけられた道を進む。目印に従って最初は平坦な道を進むが、正面にロープが現れれば、この付近から一気に急斜面に立ち向かう。
急傾斜にはロープの張られた場所もあり、足下も不安定なので、三点確保により慎重に進む。特に落石には最大限の注意を払わなければならない場所だ。この坂はほんの10分程度で通過、間もなく尾根道へ着き、進路を左に採れば、狭く平坦な竜山の山頂へ到着する。
竜山の山頂からは北東方面の展望が広がり、美しい日本海や十六島の半島付近を眺めることができる。最後の坂が急だったので、息を整えるのに時間はかかったが、麓から眺めた尖峰の上に立っていることを再認識、山頂からの展望にも満足の山である。
竜山の山頂風景 同行の中島先生と、山頂での記念撮影の後、下山開始。山頂直下の急斜面は慎重に下り一安心。下山途中に鉱滓などを眺めながら登山口のうさぎ森林公園まで戻った。 竜山 鷺浦 十六島 山頂 柏島 前の山 坪背山 を見る 次の山 奉納山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 島根県出雲市大社町鷺浦 竜山 登山口付近のMAP |