扇ノ山(おおぎのせん) 鳥取県鳥取市 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2006年9月22日 扇ノ山 参考コースタイム 水とのふれあい公園 →0:15→ 上山高原分岐 →0:30→ 1273mピーク →0:20→ 扇ノ山 →0:20→ 1273mピーク →0:25→ 上山高原分岐 →0:15→ 水とのふれあい公園 全歩行時間 2時間05分 車にリュックを入れ、氷ノ山登山口を12時27分に出発する。最後に氷ノ越登山口に挨拶をしてキャンプ場を出発、氷太君の側を通り国道29号に向かう。ところがタイヤはパンクしており、スペアタイヤに交換しているものの空気が少なくなっているため、時速40km以下での走行を続ける。 キャンプ場から下界に下りるまでのジグザグな坂道を慎重に下りていると、まだ登山が続いている感じがする。氷ノ越登山口から25分で麓の集落まで下り立ち、前回も確認した伊勢道の標識を確認する。 前回はそうも思わなかったのだが、氷ノ山への登山道「氷ノ越コース」は旧伊勢道であることが判り、この付近に伊勢道の標識が立っている理由が判った。標識には「右京伊勢 左やま道」と書いてあり、昔から伊勢へ参拝する人々が、この標識を見ながら通っていたことを偲びつつ、しばらく石碑の前にたたずんでいた。
反対側にも同じような石碑が立っているのだがこの石碑には何も書いていなかった。伊勢道の標識を過ごし、更に3分程度進むと右手に「若桜湯原温泉ふれあいの湯」を見るが、まだ時間が早いので休憩せず、そのまま施設を過ごして進む。 とにかく至急にタイヤの修理が必要なので、国道29号に入り最初のガソリンスタンドに飛び込んで修理を依頼する。その間におむすびをほおばり今日の昼食とした。すぐにパンクは直り、自分でタイヤを入れ替えて扇ノ山に向かう。 氷ノ山から扇ノ山はすぐ隣の山なのだが登山口は恐ろしく遠く、大きく迂回して進むことになる。今回取る登山口は「河合谷牧場からのコース」なので大きく遠回りをすることになる。 雨滝地区を通って進むコースもあり、このコースが近くて快適であることは帰りに判ったのだが、今回は一発勝負で途中の道が通れなくても道を間違えてもいけないので、鳥取市を抜けて岩美町側から登山口に向かい、その途中では今年4月に登った懐かしい鳥取市の「久松山」・岩美町の「二上山」を眺めて行くことにした。 国道29号を北上し、鳥取市内を通り、懐かしい久松山はとても美しい姿を見せてくれた。その先では国道9号に入り、道なりにしばらく走り、岩美町に入ると右手に二上山の姿を見ることができた。分岐も良く覚えており、一回登った山の周囲はいつまで経っても忘れないもののようだ。 国道9号を東に進み、新井交差点付近を右折し、蕪島(かぶらじま)方面に分岐する県道31号に入る。いよいよ扇ノ山に向かう道に入ったことになる。更に県道を道なりに5分も進んでいると、扇ノ山への案内板を通り過ぎたので、急いで引き返し、県道31号への分岐に入る。
時刻は14時40分、少し時間を掛けすぎたようだ。と、言っても道路は狭く慎重に進み、扇ノ山の標識地点から20分程度車を走らせると、林道扇ノ山線の分岐に着く。林道分岐を右折して更に登山口を目指すが、前方より沢山のウシさんが下りてきた。ウシさんも牛舎に帰る時間なのだ。
道の端に車を寄せてウシの皆さんが通り過ぎるのを辛抱強く待つ。ウシさんの集団は整然と牛舎に向かって下りて行ったので、更に登山口を目指して進むことにした。扇ノ山林道に入るとすぐ右手に中国自然歩道の「雨滝〜河合谷歩道コース」説明板を見る。周囲の状況を案内図で確認するのだがクマさんの絵も描いてあるのでこの付近にもクマさんが出没するような雰囲気である。
途中でウシさんとの遭遇もあったが扇ノ山林道に入り20分程度で「水とのふれあい公園」に着き、更に林道を進んで行くと登山口を確認、しかしながら登山口付近に駐車スペースがないため、水とのふれあい広場まで車をバックさせ登山準備をしていよいよ扇ノ山に向かうことにした。 扇ノ山登山口の水とのふれあい広場 時刻は15時24分、少し遅い登山開始だが扇ノ山は中国百名山の東の一番端に位置しているため、今回多少のムリをしても登りたいと思っていた。 水とのふれあい公園付近には水が豊富で美味しい水が流れており、氷ノ山で消費したスポーツドリンク1g、飲み干したペットボトルにも1gの水を補給、リュックには更に予備用のペットボトルも入っており、合計3.5gの水分が入っている。 きれいな花を観賞しながら登山口に向かう 登山口に向かう前に公園付近に咲いているきれいな花々を鑑賞する。もうここまで来れば遅くなっても大丈夫とゆっくりと進むことにした。舗装道を少し歩くと扇ノ山登山口に到着、河合谷登山道コースの説明板をじっくりと眺める。 説明版によると「扇ノ山は高さ1309.9m、山頂は扇を広げた形で中腹には高原や渓谷・滝があり、尾根に着くとブナの自然林である」と言うことだ。舗装道を左折していよい登山道に入る。
いきなり横木の階段が現れ、まずは東方向に登って行くことになるが、すぐに階段道は終わり「河合谷登山口0.1km」の標識を左手に見ると、平坦な登山道が南方向に続き、この先は平坦な道を樹林を眺めながら進むことになる。
明るい登山道に少し安心して進み始める。登山口から10分程度で右手にきれいな池を見るが、すぐに登山路は樹林の中に入ることになり、上山高原との登山路と合流する。なお、標識には上山高原へ2kmと書いてある。
この先素晴らしい樹林帯を歩くことになり、周囲の樹林の美しさに感激しながら進んで行く。上山高原との分岐を過ごして8分で1159mピークを過ごすがほとんどピークを感じることなく、樹林の中を過ぎた感覚である。 快適なブナ林を進んで行く 大石への分岐(山頂まで1.7km標識)を過ごすとその先には真っ直ぐな登山路が続いており、ますます素晴らしいブナ林の中を歩くことに感激が広がる。真っ直ぐな登山路の先には菅野分岐(山頂まで1.5km標識)が立っており、広く快適な道に迷うことはない。 真っ直ぐな登山路の続く素晴らしいブナ林 この付近から少しずつ傾斜を感じながら進むことになり、まずは400m歩く間に50m程度の高度差を上げて行くことになる。横木の階段道を少しずつ高度を上げて行き、一旦ピークに着くと木の間越しに次の1273mピークを確認することができる。
更に300m歩く間に60m程度の高度をゆっくり上げて行くと、大石への分岐から17分で1273mピーク付近(山頂まで0.9km標識)に到着した。ピークといってもやはり展望はなく、ほんの数メートルの平坦地という感覚である。
すぐに鞍部に向かう坂道が続いており、ピークを楽しむこともなく下って行くことになる。坂道を下っていると右方向に上地への分岐(山頂まで0.7km標識)が現れ、山頂までの距離が近づいたことを感じる。
階段道を慎重に下りて行き一旦鞍部に到着、いよいよ扇ノ山に向かって最後の登りを楽しむことになる。周囲のブナ林はますます美しく、確実に山頂が近いことを実感する。足下には樹林の根っこが広がり始め、傾斜も少しずつきつくなるのでゆっくり歩きとなる。
周囲を見ていると少しずつ紅葉に向かって季節が動いていることが判ってきた。紅葉の始まりを感じながら歩を進めていると、畑ヶ平への分岐(山頂まで200m)標識を左に過ごし、まもなく前方右手に整備された展望台が現れた。
展望台の説明図によると、正面には日本海が広がり、鳥取砂丘まで展望できるようだ。実際の展望はと言うと、山の稜線はしっかりと判るのだが、市街地は流れる雲の中に浮かんでおり、はっきりくっきりの展望ではない。しかしながら雲の中に、市街地はなんとか確認することができたので満足できた。 鳥取市街地方面の展望 しばらく雲の晴れることを期待して展望台にて待っていたが、一向に雲の晴れる気配がないため、山頂に向かって出発することにした。更に横木の階段道を慎重に登って行くと展望台からは3分で前方に避難小屋を確認、避難小屋手前には登山路に渡された門のような木があり、その下を潜って山頂に向かうことになっている。
印象的な木の門を潜るとそこは扇ノ山山頂であり、立派な二階建ての避難小屋が立っていた。山頂自体は広く平坦な場所であり、周囲には樹林やネマガリタケの背丈が高く、展望を得ることはできないようだし、更に周囲には雲が垂れ込めており、展望を期待することもできないようだ。 扇ノ山山頂標識と避難小屋 山頂には中国自然歩道の標識も立っており、畑ヶ平まで2.9km、雨滝まで10.4km、姫路公園コース登山口まで1.8km、ふるさとの森コース登山口まで2.0kmと各コースの距離が書いてあり、色々なコースを取って扇ノ山に登ることができるようだ。
山頂を散策しながら周囲を観察、避難小屋を見てみると二階は展望台になっているようだ。但し、二階は土足厳禁なので靴を脱ぎ、階段を登って行くと、二階は広い板の間のゆっくりとくつろげる場所であり、ここに泊まることもできそうだ。
窓は東西南北の四方についており、とても明るい室内である。周囲を見回しても雲が山頂周囲を流れているようでさっぱり展望が無く、南方面の氷ノ山が見える方向を眺めていると・・・。 それこそ突然に展望が開けた。
氷ノ山は・・・・雲に隠れている。 展望は・・・・すぐに無くなり、二度と展望が開けることはなかった が・・・この展望を見て帰ることと見ないで帰るのとでは天と地くらいの差がある。しばらく霧の晴れるのを辛抱強く待つのだが、もう二度と展望が開けることはなかった。 扇ノ山から素晴らしい展望のプレゼントを頂いたような気持ちになり、幸せな気持ちに浸りながら下山を開始することにした。下山開始は17時06分、少しずつ周囲は暗くなり始めている。
鳥取市街の見渡せる展望台にはやはり霧が立ちこめており、展望を得ることはできなかった。登山時に見えた少しの展望でも本日の天候を考えれば良しとしなければならないようだ。 展望台に到着するが展望は霧に隠れている 展望台を下りて横木の階段を下り始めるが、やはり大した下りではない。ブナ林に立ちこめる霧が周囲に幻想的な雰囲気を醸し出している。素晴らしい景色にしばしば立ち止まることが多くなってきた。 霧の掛かる登山道を下りて行く 本日は登山時にくっきりとしたブナ林を眺め、下山時には霧の煙る幻想的なブナ林を楽しむ。同じ景色を二倍にも三倍にも楽しむことができるようだ。途中途中に設置してある標識を確認しながら戻るため道に迷う心配もなく、周囲の展望を楽しみながら下りることができるのが最高の楽しみであり、幸せなひとときである。 霧はますます濃くなってきた 下山の途中には何ヶ所か滑りやすい場所があるので慎重に下りる場所もあるが、総じて快適な登山路を下りて行くことができる。霧の中で見るブナの大木は色々な形に見えて面白い。 と・・・上山高原の分岐を過ごした先の左手に樹林から外に出ることのできる道を見つける。いったいどこにつながっているのか・・・と歩いてみると、なんと舗装された林道があった。この道はいったいどこにつながっているのだろうか。 林道に出た、ここはいったい何処だろう 登山路に戻るとすぐ左手に小さな池を見る。風もない静かな水面には空が映り、夕焼けを控えた空がそろそろオレンジのお化粧をする時刻のようだ。いつの間にか足下には横木の階段が渡されている。
もう登山口手前の階段まで着いたようだ。慎重に階段を下って行くともうそこは扇ノ山登山口、素晴らしいブナ林の散策登山が終わってしまった。そう、終わってしまったという感覚なのだ、それもいつの間にか・・・。 水とのふれあい広場に戻る 舗装路をゆっくりと歩きながら水とのふれあい公園に戻って行く。水とのふれあい広場に書かれている説明には次のように書かれていた。 ここは河合谷高原の中ほどで、標高1100mで、ふもとには雨滝、牧場ちかくには天神池、これより先は河合谷ダイコン畑、ブナ林などがあります。 滝から流れる水は扇ノ山の伏流水で、四季を通じ水温と水量はかわりません。 標高1310mの扇ノ山は、昭和44年に氷ノ山後山那岐山国定公園に指定され、皆さんに親しまれています。
豊富に流れる冷たい清水をたっぷりと飲み、明日のためにペットボトルに水を汲んでおく。やはり美味しい水が一番のお土産である。標高1100mに湧き出す清水を家に持って帰ることにし、1gの新しいペットボトルを取り出し水を汲み車に積み込んだ。さあいよいよ扇ノ山を後にする時間がやってきた。 水とのふれあい広場を出発、林道を下りて行く。途中では後ろから河合谷牧場の従業員の車が迫ってきたので道を譲り、ゆっくり下りて行く。帰りはいわゆる雨滝街道と呼ばれている県道31号を経由して国道29号に入り、本日の汗を流すため前回も入った船岡美人温泉に向かう。 明日の登山は那岐山三山縦走なので岡山県の奈義町に向かう。いつもの(前回4月にもお世話になった)コンビニに行き、明日の食料やビールなどを仕入れ、ループ橋を渡り、県境を超え、那岐山登山口の「山の駅」に向かった。 水とのふれあい広場 河合谷登山コース登山口 美しいブナ林 木の根が広がる 明るいブナ林 鳥取市街の見える展望台 山頂避難小屋 避難小屋からの展望 霧の中のブナ林 静かな水面 前の山 氷ノ山を見る 次の山 那岐山 を見る登山口周辺の地図はこちら 鳥取県鳥取市 扇ノ山 登山口付近のMAP |