大鹿山(おおじかやま)島根県吉賀町

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2010年6月17日

墓地横 →:10→ 貯水タンク →0:40→ 特徴的な大岩

 →0:15→ 山頂 →0:45→ 墓地横

全歩行時間 1時間50分

 山口県の山(山と渓谷社)の著者、中島先生のご案内による、島根県の山歩き。今回は吉賀町柿木の「大井谷の棚田」の上にそびえる大鹿山である。吉賀町には「ヤクロウ鹿」の伝説があり、この大鹿山には片方の角が四股ずつになったヤクロウ鹿がいたそうだ。

 また、八畔鹿(やつぐろじか)の伝説では、この地方を角が八股に分かれた八畔鹿が荒らし回ったので、都から武士を招いて退治して貰ったが、この悪鹿(あしか)のたたりを恐れて土地の人が奇鹿神社を建立し、悪鹿を祀った。現在の吉賀町の地名は、悪鹿を良鹿(よしか)として吉賀の地名を充てたと言う説もある。

 岩国から国道187号を北上、岩国市錦町から県境を越えて吉賀町に入る。道の駅はまだ開いていないので、六日市インター側のコンビニで昼食を購入。国道を更に北に向かい、道の駅「かきのきむら」の先で日本の棚田百選「大井谷棚田」の案内に従い国道を左折する。

「大井谷棚田」の案内に従い国道を左折 綺麗に積まれた石組み

 そのまま道なりに進むと目の前には綺麗に積まれた石組みと、田植えの終わった美しい棚田が現れた。ループ橋を渡れば棚田を見下ろす展望台へ行くこともできるが、今回は大鹿山が目的である。ループ橋の手前を右折し、劔玉神社へ参拝する。この神社から北北東方面に大鹿山の三角点峰が聳えているはずである。もう少し坂を登り、聖観音の祀られた場所から再度美しい棚田と大鹿山を眺める。この風景は何時までも残したい日本の原風景である。

劔玉神社の大鳥居 聖観音と棚田

 更に舗装路を進むと、助(たすけ)はんどうの案内があるので分岐を左折、畑の横で農作業をされている方がいたので、許可を得て車を墓地の横に置き、登山を開始する。すぐ先のT字路は、助はんどうの案内に従い分岐を右折、最後の民家を正面に見て、左のコンクリート舗装の道に入る。

最後の民家を正面に見て、左の道に入る 助はんどう

 少し進むと左に分岐が現れるので進むと、「助はんどう」が現れる。この案内によれば、「1.2mの石の中心は深さ30cmに掘られており、干ばつの年にここだけに溜まるわずかな水を飲んで住民が生き延びた」事などが説明してある。なお、「はんどう」とはこの地方の方言で、水がめのことである。本日は梅雨の中休み、湿気が多く最初から大汗をかいているのでこの水がとても美味しい。この側にはカラフルなぐいめがたわわに実っている。

カラフルなぐいめ サル除けの犬

 さあ、大鹿山へ向かおう。背の低いイノシシ除けのゲートを抜けると、岩の上に犬が置かれている。以前登山口を探しに来た時、土地の人にこの犬のことを聞くと、このあたりにはサルが多く、サル除けのために犬を置いていると話されていた。サル除けの犬の横を通り、少し進んで眼下を見下ろせば、美しい棚田が広がっている。これだけの棚田を維持するのは本当に大変な事であろう。

美しい棚田の風景

 コンクリート舗装の道を道なりに進むと、今度は本当のイノシシゲートを通過、いよいよ山道に入る。入口をしっかり閉めると左右の分岐となるが、三角点へ向かうために、この分岐は右の道を採る。少し草は被り加減だが、踏み跡はしっかりしている。

イノシシゲートを通過し右の道を採る

 美しい自然林の下を進むと、登山道横にパイプの埋設された跡を見つける。左手に大岩、右に美しいわさび田跡を眺めながら少しずつ高度を上げる。間もなく貯水タンクが現れ、手前の木の側にはひしゃくが置かれていた。これは登山者への配慮によるものかも知れない

自然林の下を進む 貯水タンク

周囲に岩が多い

 周囲に広がる大岩は青葉とのコントラストにより、更に大きく見える。石の転がる道を滑らないように高度を上げる。石の勢いが少し治まれば、周囲は急斜面の植林帯に変わる。あまりに坂が急なので登る速度は極端に遅くなり、足下は滑り易いので細心の注意を持って歩を進める。ただし、周囲には道案内のテープがびっしりと貼られているので道を外す心配はない。

急斜面の植林帯を登る 炭焼きの跡

 途中で炭焼きの跡を過ごし、美しい木漏れ日を眺めながら進む。大きな岩を過ごした先から植林帯は終了、次は低い笹の茂る自然林を進む。右に大きな岩を過ごせば坂の傾斜は少し緩やかになり、テープの案内は右方向へ導く。

自然林の中に入る 右に大きな岩を過ごす
坂の傾斜は緩やか 植林帯の下を進む

 再び炭焼きの跡を過ごし、右に進入禁止のテープを見つける。この分岐から進路は左方向へ向かい、しばらく植林帯の下を進む。やがて岩の間を抜けると、まるで整備されたような広い道に出る。この道をもう少し進むと右に大きな岩が聳えている。まるでアートのような特徴的な岩に魅せられてしばらく小休止、それほど美しい岩である。この付近には大きな松の木もあるので、登山口付近から眺めていた松がこの木かも知れない。

岩の間を抜ける 広い道を進む

特徴的な大岩

 大岩を出発、緩やかな傾斜の道を少し進み、少し下った後で再び登り返す。整然と続く植林帯を案内のテープに従って進む。植林帯の横につけられた真っ直ぐな笹道を一気に進めば、進路は急に右(東)へと変わる。

広い植林帯 植林の下に真っ直ぐ続く道

 緩やかな傾斜の植林帯を進めば山頂まではもう残りわずか。木の間越しに南東方面を眺めると美しい山容が広がっている。この山は安蔵寺山と思われる。やがて三等三角点の置かれた大鹿山へ到着、山頂付近のみ木が刈られており、頭上からの日射しを受けて山頂はとても明るい。ただし、周囲に植林帯が広がり、展望を望むことはできない。

             山頂へ続く笹原                          木の間越しに安蔵寺山

明るい山頂

 

山頂風景(動画)

 なお、山頂からもう少し先へ向かうと急な下り坂が待っていた。時刻は11時を少し過ぎたところだが、早めの昼食を摂り、恒例の記念撮影。この大鹿山は私にとって丁度450回目の記念登山、登って、下りてを繰り返した結果の数字である。

450回目の記念登山 ヤマアジサイ

 下山時には地図に書き込んだ登路が正しいかを確認しながら下りる。大岩の場所が確認できたので、歩いた軌跡のほとんどが正しいことを確認できた。下山は速く、あっという間に貯水タンクの場所へ到着、更に下ってイノシシゲートを通過、サル除けの犬の側を抜けて助はんどうの水を飲む。これが冷たくて気持ちよい。お土産にこの水をポリタンクに汲んで持ち帰ることにした。大鹿山の登山道は、要所にアクセントのある山だった。

棚田

サル除けの犬

助はんどう

大岩

わさび田跡

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 島根県吉賀町 大鹿山 登山口付近のMAP

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