金時山(きんときざん)神奈川県箱根町・南足柄市・静岡県小山町

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2014年5月10日

仙石バス停 →0:20→ 公時神社 →0:55→ 矢倉沢峠コース出合

 →0:20→ 金時山 →0:30→ 長尾山 →0:15→ 乙女

全歩行時間 2時間20分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 足柄山の金太郎で有名な金時山登山、電車に乗っての遠征登山は春の神戸摩耶山以来、神奈川県での登山は昨年の大山以来である。

バス乗り場から箱根登山バスへ乗り込む

 JR小田原駅前のバス乗り場へ行き、4番乗り場で「桃源台」行きの箱根登山バスに乗り込む。始発の6時5分のバスに乗り、仙石バス停へ着いたら6時50分になっていた。道なりに国道1号を西へ300m進むと、右に金時山登山口の案内を見つける。

仙石バス停で下車 麓から眺める金時山
金時山登山口 金時神社入口バス停

 歴史ある石碑には、山頂まで20丁と刻まれており、「金時山ハ坂田金時ガ幼児・・・」と案内も刻まれている。このコースは、金時神社を経由するより、少し坂の傾斜が緩いそうだが、坂田金時公の祀られた金時神社への参拝をしたいので、そのまま国道を西へ向かう。

駐車場から金時山を眺める 金時沢橋の先を右折

 仙石バス停から1.2km進むと、金時神社バス停へ到着、案内に従い右方向へ進路を採れば、金時山まで75分の案内が立っていた。北を見上げれば、新緑の先に金時山の美しい山容が姿を現し、これから向かう山の形を頭の中に入れておく。さて、金時沢橋を渡り、分岐を右折して舗装道に入ると、すぐに金時(公時)神社の大鳥居が見えてくる。

金時神社へ向かう 金時神社大鳥居

 金時神社入口の案内によれば、御祭神は坂田公時(さかたのきんとき)。平安時代後期の武将源頼光の四天王の一人といわれた。幼名を金太郎といい、怪力の持ち主で熊と相撲をとったと童謡にある。強健で、武勇に優れた人物として五月人形にもなり、子どもの神、健康の神として広く崇められている。毎年五月五日、この地で「公時祭り」が行われている。金太郎伝説に関る事物として、宿石、菜畑、蹴落石、手鞠石、鯉が淵、姥子などがあるそうだ。

左に土俵を過ごす 金時神社へ参拝

金時神社の風景

 最初の五段の石段を登り、大鳥居を潜る。左には金太郎が熊と相撲を取ったといわれる土俵を過ごす。更に奥へ向かい、金時神社へ参拝、家族の健康と本日の登山の無事を祈願する。神社参拝の後、いよいよ金時山への登山を開始する。

神社右側より登山道に入る 整備された登山道

 金時神社の右側より登山道に入り、すぐに木の橋を渡る。目の前には整然と岩が並べられ、整備された登山道といった印象を受ける。植林帯の下に続く道を進むと左に坂田公時の碑が建っており、「往昔源頼光が勅を奉し・・」と四天王の一人の坂田公時について記されている。

坂田公時の碑 舗装林道を横切る

 足下に集塊岩を眺めながら緩やかな傾斜の道を進むと、間もなく舗装林道を横切る。案内には仙石原へ25分、金時神社へ10分、金時山へは55分と書かれている。木の根の露出した道に入り、荒れた横木の階段を進む。金時神社奥の院入口の案内を過ごし、5分も進めば、中央部の割れた大岩が現れる。

金時神社奥の院入口の案内 金時宿り石(クリックで拡大)

金時宿り石の風景

 これが金時宿り石といわれる大岩で、金太郎と母親の山姥が夜露をしのいでいたと伝えられている。宿り石の左側から坂を登り岩上に出る。山側に笹の目立つ、山腹につけられた道を進む。また、足下には大小の岩や石が点在しているので、歩きやすい場所を選びながら高度を上げると、やがて木の根の露出した道に変化する。

笹の目立つ登山道 木の根の張り出す道

 次第に坂の傾斜がきつくなるので、登る速度は極端に遅くなる。植林帯の下、展望は望めないものの、ワイルドな岩道や木の根の目立つ道を楽しみながら進む。やがて木の間越しに芦ノ湖や長尾山、丸岳などが見え始めると、高度が上がっていることを実感する。

ワイルドな岩道 長尾山と丸岳

 間もなく南に神山と大涌谷の噴煙が見えてきた。右には芦ノ湖、手前にはゴルフ場と一気に展望が広がる。美しい景色を眺めていると、矢倉沢峠からの登山道と合流する。ここまで来れば、山頂までは20分で残りはわずかだが、坂の傾斜はきつくなる。

神山の展望(クリックで拡大) 矢倉沢峠からの登山道と合流

 補助のロープの渡された道を慎重に登ると、一旦坂の傾斜が緩む。これで安心していたら、大岩の目立つ急傾斜が現れる。ワイルドな道に心躍り、わくわくするような岩場の入り口でピンクの花を観賞。岩場で一歩前へ進めば、背後に広がる展望は一気に広がる。新緑に包まれた箱根の町並みと、芦ノ湖を眺めながらの登山は、とても贅沢なものである。

岩の目立つ急傾斜 ピンクの花
山頂方面 長尾山から丸岳へ続く道

 前方にはめざす金時山がすぐ目の前にそびえ、その稜線の先には長尾山や丸岳が続いている。山頂へ向かう岩場に取り付き、確実に高度を上げると、山小屋の金太郎茶屋の手前に着いた。ここで少しの階段を登れば、目の前に突然といった状態で富士山が現れる。

金太郎茶屋手前 一気に展望が開ける(クリックで拡大)

山頂から眺める富士山(クリックで拡大)

金時山から眺める風景

 これは感動的な風景で、この仙石原方面から来る登山者は例外なく、金太郎茶屋の前で感嘆の声を上げている。それほどに美しい富士山の風景である。天下の秀峰金時山の案内の横にそびえる富士山は、今まで眺めてきた中で、一番の美しい姿をしている。しばらく富士山の雄姿を眺めて小休止を採る。

神山方面 長尾山・丸岳方面

神山と芦ノ湖と箱根の風景(クリックで拡大)

 山頂に建つ案内によれば、童謡金太郎で知られる金時山は、その名の通り金太郎が遊んだ山として有名である。長じて源氏の大将源頼光に仕え、名を坂田金時と改めた。金太郎は幼い頃「菱の腹掛」ひとつで熊やイノシシの待つこの山へ毎日のように勇んで登ってきた。ある日金太郎は大石を落としてしまった。この音にあわておどろき、岩にあたって死んでしまった大猪の鼻を金太郎はねんごろに弔ったので、金時山を別名猪鼻山ともいう。

金時娘の茶屋 金太郎茶屋(クリックで三角点)

金時山の山頂から広がる風景

 さて、金時山の山頂からは富士山のみならず南には芦ノ湖に神山の風景が広がり、大涌谷には噴煙が立ち上り、眼下にゴルフ場の緑がまぶしい。山頂では金太郎茶屋と金時娘で有名な金時娘の茶屋が営業しており、三角点は金太郎茶屋の入口に置かれていた。私は8時40分過ぎに山頂に着いたのだが、すでに大勢の登山者が登っているのでびっくり。この山が人気ある山であることを実感した。

まさかり持って 乙女峠へ向かう

 金時山の山頂を出発し、下山は乙女峠へ向かう。木の根の張り出す道を下り、樹林の下をのんびり歩く。途中には公園の遊歩道のような道もあり、とても歩きやすい道が続いている。木の間越しの富士山も美しく、展望も素晴らしい。

整備された道 金時山を振り返る

 やがて広く平坦な長尾山の山頂へ到着、周囲に展望はないものの、とても明るい山頂である。ここまで来れば乙女峠までは10分と案内されている。南西にアンテナの建つ丸岳を眺めながら坂を下ると。間もなく神山の見える休憩地へ到着、わずかに下れば、乙女峠へ到着した。

木の間越しの富士山 長尾山山頂風景(クリックで拡大)

長尾山の風景

アンテナの建つ丸岳 乙女峠へ到着

 乙女峠からは金時山へ50分、長尾峠へ60分、丸岳へ35分、仙石原バス停へ30分と案内されている。乙女峠への到着時刻は午前10時20分、まだまだ早い時間なので次に箱根丸岳へ向かうことにした。

金時神社手前から眺める金時山

公時神社

金時宿り石

山頂

箱根外輪山

神山と芦ノ湖

富士山

 前の山 カラ迫岳 を見る

 次の山 箱根 丸岳 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 神奈川県箱根町 金時山 登山口付近のMAP

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