吉備中山(きびのなかやま)岡山県岡山市 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2012年3月3日 吉備津彦神社 →0:25→ 元宮磐座への分岐 →0:09→ 吉備の中山龍王山山頂 →0:04→ 天柱岩 →0:11→ 元宮磐座への分岐 →0:04→ 夫婦岩への分岐 →0:05→ 夫婦岩遺跡 →0:07→ 夫婦岩への分岐 →0:08→ ダイボーの足跡への分岐 →0:05→ 鏡岩 →0:10→ 石船古墳 →0:10→ 吉備桜 →0:02→ 穴観音 →0:02→ 御陵 →0:14→ 元宮磐座への分岐 →0:09→ 吉備の中山龍王山山頂 →0:15→ 吉備津彦神社 全歩行時間 2時間20分 久しぶりに岡山県の山へ。記録を調べてみると、平成21年9月以来の岡山入りである。今回向かうのは岡山市の吉備の中山、登山口は桃太郎伝説のモデル、吉備津彦命が祀られている備前国一宮の吉備津彦神社である。この神社は、JR吉備線備前一宮駅の西へ位置し、駅前からはわずか300m程度。以前この吉備津彦神社ともう少し北に位置する備中国一宮の吉備津神社に参拝した際は、JRを利用した。
さて、広い駐車場に車を置き、りっぱな吉備津彦神社へ向かう。神社の入口手前では大きな灯籠を左右に見る。この灯籠は安政の大石灯籠と説明され、六段造り、高さ11m、笠石は八畳敷きの広さがあり、日本一と言われている。また、石に彫られた寄付金の総額は5676両で、10年以上前の試算によると、1億3千万円相当、多くの浄財が寄せられたことが分かる。
地域のボランティアの方から神社の詳しい説明を受けて広い境内に入ると、右には樹齢千年以上と伝えられるご神木の平安杉を見る。由緒ある吉備津彦神社へ参拝。沢山のお願いをして神社の左側へ進む。すぐに現れる「御陵・稲荷神社」の案内に従い右(西)に進路を採ると、稲荷神社の朱の鳥居がまぶしい。当日は神前にて結婚式があり、鳥居の前では記念撮影が行われていた。
左に吉備津彦命薨去之地の石碑を過ごせば、正面に吉備の中山登山口を見る。登山口へ入るとすぐ右に温羅神社を見つけた。桃太郎伝説における鬼の役割をしている温羅が、吉備津彦神社の傍らに祀られていることは、勝者と敗者の関係を如実に表している気がする。入口に置かれた吉備の中山の案内を確認、この山には多くの遺跡、史跡が盛りだくさんであることに気づく。
既に参拝した吉備津彦神社、藤原成親供養塔、天柱岩、元宮磐座、八大龍王、八丈岩磐座、石船古墳、鏡岩、穴観音、中山茶臼山古墳、全てを見るにはどれほどの時間が掛かることだろう。
正面に大きな忠魂碑を見て右へ続く登山道を進む。軽車両なら楽々進めるような広い道を進むと、右には奉納された砲弾を過ごし、少し先の分岐から右上へ向かうと、稲荷神社が祀られている。元の道に戻ると、左には藤原成親供養塔と藤原成親供養塔下古墳を見る。
この先しばらくは広い遊歩道をのんびり進む。気持ちの良い自然林の下、時折坂のきつい箇所もあるが、何も心配のない道が続く。やがて右に元宮磐座・八大龍王へ0.3km、天柱岩へ0.5kmの案内が現れる。元宮磐座へ向かってこの分岐を右折し坂を登る。少し先で一旦坂を下り、登り返すと右に大きな元宮磐座が現れる。
神社の社殿が無かった古い時代、人々は自然の大きな岩や崖に神様が鎮座されていると考え、これを「磐座(いわくら)」として崇め奉っていたと説明されている。磐座の手前を右折し、少しの坂を登ると吉備中山龍王山の山頂(170m)へ到着。山頂手前には経塚、その先に八大龍王が祀られている。
平坦な山頂からは東と南に展望が開け、眼下には白い岡山ドームが印象的である。上空には飛行船がのんびり浮かんでおり、とてものどかな風景が広がっている。このままのんびり寝っ転がっていたいと思う、気持ちの良い山頂である。 吉備の中山の山頂から眼下に広がる展望 さて、龍王山から元宮磐座まで引き返し、天柱岩へ0.2kmの案内に従い急な坂を下る。斜面には補助のロープが渡され、とても助かる。何も手かがりが無ければ滑り落ちそうな斜面を、補助のロープの助けを借りながらゆっくり下る。やがて大きな岩を背後から見るが、少し下って正面に回ればその大きさに圧倒される。
更に驚いたのは、岩の上部に天柱と彫られていることで、いったい何時の時代にこの文字が彫られたのだろうか、とても気になる。眼下には岡山市北区賀茂地区の街並みと田園風景が広がり、心落ち着く風景に癒される。しばらく展望を眺めた後、磐座を経由し、遊歩道の分岐まで引き返す。なお、この分岐は吉備津彦神社から0.9km、中山茶臼山古墳(御陵)までは1kmの位置にある。 天柱岩の風景(動画) さて、遊歩道を南へ向かって進む。周囲には自然林が気持ちよく、何より前回まで登っていた自然あふれる山とは全く違い、非常に整備された道なので、何の緊張感も無く歩くことができる。途中に現れる大岩には、わらじのような大くて薄い岩があり、これもなかなか興味深い。
緩やかに下る坂の鞍部付近で、左に「夫婦岩へ0.2km」の案内を確認、案内に従い坂を下る。少し下ると二つの大岩の並ぶ夫婦岩遺跡へ到着、その大きさに圧倒されてしばらく立ちつくす。このような大岩は、見ているだけでパワーをもらえる気がする。また、元の遊歩道まで引き返す途中で、左に登山道が続いていた。この道を進めば、石船古墳まで最短距離で行けるようだが、今回は正規のルートを採るため遊歩道まで引き返し、南西へ向けて縦走を続ける。 夫婦岩遺跡 緩やかな傾斜の坂を登ると、明るい場所に着く。右に大きな岩が見えるので向かってみると、これはお休み岩。吉備の中山に鎮座される神様が、麓に下りられる途中に腰掛けて休息され、あれこれと思いを巡られながら吉備の国を見守っていた場所ではないかと案内されている。ここは、明るく開けた場所なので、吉備の国を見守るのに丁度良い場所かも知れない。
自然林の下につけられた道を更に道なりに進むと、再び明るい場所に着く。ここは環状石雛(かんじょうせきり)で、自然の石が環状に配置され、縄文時代の祭礼や埋葬の儀式に関連して作られたと説明されている。
もう少し遊歩道を進むと直進方向と右への分岐があり、直進すれば御陵へ300m、登山口の吉備津神社へは1.1kmの位置である。また右へはダイボーの足跡へ100m、福田梅(藤原成親遺跡)へ500mとある。この分岐は右折し、ダイボーの足跡へ向かう。真っ直ぐ続く道を少し進むとすぐにダイボーの足跡が現れた。ダイボーとはいったい何のことだろうと思いながら説明を見ると、単純に大きなお坊さん(大坊)、なーんだと納得しながら窪地を後にする。
そのまま窪地沿いに左側へ進むと、目の前には大小の岩が多い。この中央にある一番大きな岩が八丈岩である。この八丈岩を眺めて南西方向へ続く緩やかな坂を登る。すぐにアンテナの置かれた広いピークに着くと、この一角に三等三角点が置かれている。三角点での記念撮影は後ほどとし、鏡岩へ100mの案内に従い坂を下る。
周囲には表面が平らな岩が目立ち、その中でも一番南側に位置する大きな岩か鏡岩である。確かに鏡のように真っ平らな岩をしばらく観賞する。その後三角点まで戻り記念撮影、次は石船古墳へ0.5kmの案内に従い東へ向かって坂を下る。
すぐに先ほど分かれた道と合流するので右折する。少し進むと左に「石船遺跡へ0.3km」の案内が現れる。この案内に従い坂を下ると「石船古墳群へ0.1km」の案内があり、更に進むと石船古墳群へ到着した。 石船古墳群 周囲には4基の横穴式石室があり、素人でも石室であることを確認することができる。下の方を眺めてみると何か広い場所が気になる。ここまで来たのだからと下ってみると、これが石舟古墳。この古墳は6世紀頃に造られた横穴式石室で、石室内部には石棺が納められている。 石舟古墳 広い古墳広場を出発し、元来た道を引き返す。やがて吉備桜へ0.2kmの案内を確認、案内に従い南東方面へ向かって坂を登る。間もなく吉備桜の下に到着、とても大きな吉備桜だが、まだ3月始めなので当然花は咲いていない。すごく大きな桜の木なので、花見の時期には感動的な景色となることだろう。なお、この桜は、平成15年に発見されたそうだ。大きな吉備桜を眺めて登山道へ戻る。
この先、登山道を左(南)に進路を採り、少しの坂を下るとお地蔵様の鎮座する八徳寺の広場へ着くが、ここでは遊歩道を少し引き返し、西へ向かう坂へ向かう。ほんの少し進むと、扉の向こうに赤い布の巻かれた石が見えてくる。扉を開けて中に入ると、これが穴観音である。 穴観音と穴 穴観音と思われる石の左側には穴が開いており、耳をあてると観音様のお声が聞こえるというので耳を澄ませてみるが、耳が遠いのか聞こえなかった。正面から石を眺めると何か彫られていることに気づくが、何なのかは分かりかねる。側に立つ案内を眺めて穴観音を出発、この先から鉄条網を右に見ながら南へ向かう。 御陵 間もなく右側が開けてくるのでそのまま右(西)方向へ向かうと、右に立派な御陵が見えてくる。御陵を背にして南へ向かうと、たくさんの桜の木が植えられた茶臼山古墳の広場に出る。眼下には木の間越しながら、岡山市北区惣爪地区の風景が広がっている。広い茶臼山古墳を散策し、再び御陵へ着き吉備中山の散策は無事終了。なお、吉備津神社へは御陵の先から右折し、階段を下れば約20分で着く。
ただし本日は、吉備津彦神社へ車を置いているため、元来た道を引き返す。御陵から登山道を引き返し、元宮磐座の分岐を左折。磐座から吉備中山龍王山へ立ち、眼下に広がる岡山市の展望を眺める。なお、当日は上空にアリコの飛行船が優雅に飛んでいた。これから先は吉備津彦神社へ向かって急な坂を下る。
途中で一旦平坦道となるが、その先からは再び急な坂を下る。着いたところは子安神社の横の矢喰神社、入口には「元宮・磐座道」の案内が置かれている。子安観音へ参拝し、孫や家族の健康などを祈願し、更に吉備津彦神社へ参拝。登山の無事を報告し、駐車場まで戻る。 子安神社の横の矢喰神社へ出る 吉備の中山には多くの見所があり、、ゆっくり眺めていると一日楽しめるハイキングコースである。また、吉備津彦神社から吉備津神社への縦走が可能なので、多くの人に親しまれていることが理解できた。 麓から眺める吉備中山と天柱岩 なお、私のように吉備津彦神社へ引き返す場合、帰路に元宮磐座、天柱岩、吉備の中山龍王山山頂へ立ち寄れば、効率的なハイキングコースとなるので参考までに。 元宮磐座 八大龍王 天柱岩 環状石雛 八丈岩 ダイボーの足跡 御陵 御陵の先に広がる展望 前の山 高畑山 を見る 次の山 福山城趾 を見る 登山口周辺の地図はこちら 岡山県岡山市 吉備中山 登山口付近のMAP |