穂高岳・涸沢岳 初日(ほだかだけ・かれさわだけ)上高地から涸沢まで | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トップに戻る 2013年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順 2013年9月28日 上高地バスターミナル →0:50→ 明神 →0:50→ 徳沢 →0:50→ 横尾 →1:00→ 本谷橋 →2:00→ 涸沢小屋 全歩行時間 5時間30分 毎年恒例になった大星さんとの日本百名山への遠征、今年は諸事情により9月末の出発となる。 前日遅く岐阜県高山市の道の駅「ななもり清見」へ着き車中泊。本日は午前5時過ぎ起床、5時半過ぎに道の駅を出発。6時半までに平湯温泉アカンダナ駐車場へ到着し、登山準備の後、7時過ぎにはシャトルバス乗り場へ立っていた。
上高地バスターミナルまでの片道切符を1130円で購入(往復切符を購入の場合は往復2,000円)、7時20分発のシャトルバスに乗り込む。上高地までの所要時間は30分程度、あっという間のバスの旅だが、途中から眺める焼岳は青空に映えてとても美しい。7時47分に上高地バスターミナルへ到着、すぐに上高地食堂に移動し朝食の和定食を注文、大星さんは洋食を注文、どちらも800円なのでとても安い。なんと言ってもゴミの出ないのが一番である。 上高地食堂の朝食と朝食風景 なお、私のリュックの重さは約15kg、肩に食い込むほどではないが、とても重く感じる。上高地食堂は2階にあるため目の前には穂高岳がそびえ、最初から登山意欲をかき立たせてくれる。朝食後、靴の紐をしっかり締めて河童橋へ向かう。樹林の下を300m程度進むと河童食堂の前を通過、有名な河童橋へ着く。
河童橋からは梓川の先に穂高岳がそびえ、背後を振り返れば焼岳が朝日を浴びて美しい。自分の立っている付近に日差しは無いが、穂高岳も焼岳も明るさが目立ち、早朝の気持ちの良い高原風景が広がっている。河童食堂の方向にライブカメラを見つけたので、カメラに向かってポーズを取ったり手を振ったりした。 河童橋から眺める穂高連峰と焼岳 周囲に広がる展望を満喫したので河童橋を出発、次は明神を目指す。自然林の下は木漏れ日が美しくてきらきら輝き、明るい遊歩道を歩いているだけで気分が高揚する。河童橋から400m進むと明神までは残り2.7km、その次の徳沢までは6.2km、今日の行程は平坦だがとても長い。
小梨平食堂への分岐を過ごすと、左に特徴的な形をしている松の木を過ごす。突然左側の樹林が切れると、清流梓川の先に明神岳の尖峰が現れた。青空をバックにした美しい明神岳を眺めていると、元気が湧いてくる。更に5分も進めば明神へ到着、明神館の手前には穂高奥宮のモニュメントが置かれている。ここで少し寄り道し、梓川に架かる明神橋へ向かってみる。
明神橋と明神岳の風景 明神橋の先にそびえる明神岳の山頂は尖っているようだ。明神橋を渡って対岸へ行き、少し下流に向かうと嘉門次小屋へ向かう分岐へ着き、穂高神社の大鳥居をくぐれば、左に嘉門次小屋が見えてくる。嘉門次小屋は上條嘉門次が1880年(明治13年)に建てた山小屋で、嘉門次はウォルター・ウエストン氏の山案内をしたことにより、山岳ガイドとして名を馳せた。
ウエストン氏が日本の山を世界に紹介した著書「極東の遊歩道」・「日本アルプスの登山と探検」には嘉門次のことが書かれているそうだ。嘉門次小屋から更に奥へ向かうと穂高神社奥宮へ到着。穂高神社の御祭神は、神武天皇の御叔父神の穂高見神で、海神綿津見神の御子神。海神の宗族として遠く北九州に栄え、信濃の開発に功を樹てた安曇族の祖神として奉斎され、日本アルプスの総鎮守として明神池畔に鎮座されている。 穂高神社奥宮と社務所 明神一之池と二之池 穂高神社へ参拝の後、明神池へ向かう。社務所で拝観料300円を支払い、美しい明神池の一之池と二之池を散策、池の先には明神岳がりりしい容姿を見せている。木道を渡り美しい明神池の水面を観賞した。なお、案内によれば、明神池では結婚式を挙げることもできるとのこと。神聖な場所での結婚式が、厳かなものであることは言うまでもない。
明神橋を渡り、朝焼けの宿の神河内明神館前を出発。次は徳沢へ向かう。すぐに徳本(とくごう)峠への分岐を右に過ごし、樹林の下を進む。明神から20分程度進むと、木の間越しに明神岳の先端が見えてくる。この先で左に池を過ごすと、美しい木漏れ日の下に続く道に入る。贅沢な遊歩道歩きは全く疲れを感じることはなく、左に梓川の前へ続く道が見えてきたので寄り道してみる。
梓川を隔てて向かいには、明神岳が青空をバックにそびえている。梓川の上流側には三角錐の山容が遠くに見えており、こちらも良い雰囲気である。河原にて小休止の後、遊歩道へ戻る。自然林の下に続く道を辿れば間もなく徳沢へ到着、キャンプ場の先に建つ氷壁の宿徳澤園を眺め、隣の「MICHIKUSA SYOKUDO」に入る。
丁度11時になったので、野沢菜チャーハンを注文、早めの昼食を摂る。この店に「氷壁の宿」のオリジナルマグカップがあったのでお土産に購入した。昼食後の11時20分に徳沢を出発、10分程度歩けば涸沢へ向かうパノラマコースの分岐点の新村橋へ着く。 店内とマグカップ パノラマコースの分岐点の新村橋 新村橋の上に立てば、目の前には穂高連峰がとても近く、気高くそびえている。眼下を流れる梓川は恐ろしいほどに澄み、薄いコバルト色をしている。新村橋を出発し、足下を眺めているとキノコをたっぷり見つけたが、食用にできるのかは分からない。
頭上を覆っていた樹林が切れると梓川越しに前穂高岳が顔を出す。梓川沿いの白く広い河原と穂高岳の風景は、まさにアルプスの雰囲気がする。穂高連峰の勇姿を眺め、広く快適な遊歩道を更に進むと、徳沢から50分で北アルプスの登山基地の横尾へ到着した。 横尾と横尾大橋 横尾山荘前の広場はとても明るく、前回の槍ヶ岳登山の際にはここで昼食を摂ったことを覚えている。あのときも本日のように快晴で、気持ちが良かった。横尾大橋前で小休止の後、梓川に架かる横尾大橋を渡る。橋の入口には、涸沢方面の登山者へ対して午後2時以降の入山は控えるよう注意書きが掲示してある。
さて、梓川に架かる横尾大橋を渡り、涸沢へ向かう。明るい樹林の下を進むと、木の間越しに屏風岩のシルエットが少しずつ明確になる。しばらくは平坦な道が続くので、足にも大した負荷はかかっていない。やがて石や岩の多い河原に出ると、樹林越しに屏風岩の背がとても高く見える。
岩小屋跡を過ごせばすぐに河原から離れて岩の目立つ道に入る。今までの平坦な遊歩道歩きが終了し、いよいよ登山道に入る。但し、坂の傾斜は緩やかなので、足に負荷はかかる気がしない。進行方向の左側には屏風岩がそびえており、歩くたびにその見える角度が変わって行くのがよく分かる。
突然前方の視界が広がると、尖峰が現れた。目をこらしてみると、その山頂付近には山小屋が建っている。これは北穂高小屋である。北穂高岳がこんなにはっきり見えるとは思っていなかったので、この風景にはとても感動した。北穂高岳の展望地から8分で本谷橋へ到着。吊り橋を渡って対岸へ向かう。この吊り橋はとてもぐらぐらして歩くのがおもしろい。 本谷橋の風景 この本谷橋は横尾から2.8km、涸沢へ2.4km地点である。頭上をながめれば、北穂高岳がすぐ目の前で、やはり山小屋も見えている。従って、北穂高小屋から本谷橋は確実に見えるはずである。美しい渓谷を眺めながら小休止を取り、本谷橋を出発する。この本谷橋を過ごすと、足下に岩や石が目立ち、少しずつ高度が上がり始める。
足下には相変わらず不規則な岩が多く転がり、歩きにくくなってきた。目線を上げれば、前方上に尖峰が顔を出している。この山は多分南岳なのだろう。岩の多い歩き難い道をたんたんと進み、少しずつ高度を上げる。それまで西へ向かった登山道が、急に南へ進路を変えると、進行方向には奥穂高岳へ続く山脈が見えてくる。
樹林の下を進むと周囲を見晴らす展望地へ到着、背後を振り返れば横尾尾根の先には青空が浮かび、いままで反対側から眺めていた屏風岩の内側を眺める事ができる。更に右方向へ視線を向けると、自分が谷底にいることが良く分かり、これから向かう涸沢は、樹林に覆われている。快晴の日に登山のできることに感謝しながら小休止を取り、足を休める。
さあ、涸沢まではもうわずか、左右の山腹に紅葉の始まりを眺めて高度を上げる。と、前方の稜線には穂高岳の勇姿が現れ。視線を下げて行くと小屋の上に吹き流しを発見、これは涸沢ヒュッテに置かれているものである。山の日暮れは早く、午後3時を過ぎたばかりだというのに、登山道に日差しはなく、背後の山を照らしている日差しは少しずつ高度を上げている。
間もなく涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐へ到着、我々は涸沢小屋を予約しているので分岐を右折する。岩の多い道を少し進むと涸沢キャンプ場へ到着、キャンプ場にはカラフルなテントがたくさん設営されており、キャンプ場の右手上に建つ建物が本日宿泊予定の涸沢小屋である。
キャンプ場の横を抜け、涸沢小屋へ向かうが、この最後の坂はなかなかきつく、ゆっくり歩きで高度を稼ぐ。涸沢小屋の先に穂高岳山荘の建つ鞍部を眺めながら進む。当然明日は、あそこまで行くことになる。間もなく涸沢小屋へ到着、到着時間は午後3時半だった。宿泊の手続きの後、テラスへ移動し生ビールを飲む。これは気が遠くなるほど美味しいビールだった。
涸沢小屋は日陰になっているが、横尾尾根の稜線には依然として夕陽が美しい。夕暮れの奥穂高岳、前穂高岳を眺めながらのんびりしていると間もなく大星さんも到着。二人でテラスに出てビールで乾杯した。涸沢の紅葉はこれからみたいで、我々は紅葉の始まりを見ているようだ。
涸沢小屋では18時半に夕食が始まった。標高2350mの夕食は、肉に野菜などにデザート付き、とても豪華なものである。食事の後は用もないのですぐに就寝する人が多い。私はテラスに出て満天の星を眺めたりテントの灯りを眺めていたが、すぐに眠くなったので早めに就寝した。
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