呉娑々宇山(ごさそうさん)・高尾山(たかおやま) 広島県府中町 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2006年11月12日 呉娑々宇山・高尾山 参考コースタイム 水分峡駐車場 →0:05→ 水分神社 →0:05→ 草摺の瀧標識 →0:10(瀧の往復を含む)→ 分岐階段 →0:05→ 展望台 →0:05→ 林道1回 →0:10→ 林道2回目 →0:10→ 林道3回目 →0:10→ 林道4回目 →0:20→ バクチ岩・バンド岩標識 →0:05→ 岩谷観音分岐 →0:05→ バクチ岩 →0:15→ 呉娑々宇山山頂 →0:20→ 岩谷観音分岐 →0:20→ 枯松 →0:10→ 最初の岩峰 →0:10→ 高尾山三角点 →0:10→ 展望岩峰 →0:15→ 岩谷観音跡 →0:25→ 水分神社 →0:05→ 水分峡駐車場 全歩行時間 3時間40分 朝から天気予報とにらめっこ、中国山地は午前中雨で午後から晴れてくると言うことだ。安全策を取り広島県府中町の呉娑々宇山に向かうことにした。7時過ぎに家を出発、高速道路を走り広島東インターから登山口の水分峡(みくまりきょう)を目指す。
温品方面から府中大川沿いに進んでいると道を間違え、広島高速に入ってしまい、もう一度温品方面から引き返すことになってしまった。道を間違えながらも水分峡の駐車場に到着、登山準備の後、管理棟にて「みくまり峡森林公園」のイラストマップを頂き、いよいよ水分峡より呉娑々宇山・高尾山の登山を開始する。
左に榎川を見ながら整備された道を進むとすぐに橋を渡り、「水分峡」・「水分神社と草摺の瀧」の説明板を眺めて知識を仕入れる。水分(みくまり)には水配りの意味があり、府中地域の水の神として祀られた神社であるそうだ。 早速に水分神社に参拝するが、神社には猫が住み着いているようで神殿の中にて悠然と休んでいる。水分神社を過ぎると早速に美しい紅葉と出会う。堰堤と紅葉が美しく、しばらく眺めていた。本日もゆっくりと散策ができそうだ。
水分神社からは階段道を登ることになるが、途中で左手に岩谷観音への道が分岐している。本日は最後に岩谷観音跡を通る予定なので帰りにはここに着くのだろう。階段を登りきると水分峡大堰堤の説明板が立っており、大正15年にこの付近が大洪水に見舞われたことにより、この大堰堤ができた事等について書かれている。
とても穏やかな池を眺めた後、紅葉を楽しみながら橋を渡ると成田波切不動明王が祀られていた。早速に不動明王にお参りをする。その先には舗装された道が続いており、橋を渡り真っ赤な紅葉を眺めながらキャンプ場を右手に見て進んだ先には草摺の瀧の標識が立っていた。
草摺とは、鎧の胴の下にたらして腰のまわりを覆うもののことで、水が幾重にも重なり合いながら落ちてゆく様子が「草摺」に似ていることから江戸時代の終わり頃に名付けられたそうだ。遊歩道を外れて右手に下りて行き、瀧に向かって進んで行くとすぐに「草摺の瀧」に到着、しばらく美しい流れを鑑賞した。そのまま上流に向かって進むこともできるようだが、紅葉も楽しみたいので遊歩道まで引き返し、沢沿いに進む。
右手に紅葉に飾られた大きな振打岩を過ごす。真っ赤な紅葉を楽しみながら進んでると左手に階段道が現れ、呉娑々宇山への標識に従い登山道へと向かう。南方面を振り返ると広島市街の展望が広がっている。階段を登りきるとすぐに登山道となり小学生が設置した標識が木に掛けてある。
木の間越しに岩峰の高尾山が見えてくると思わずワクワクしてしまう。岩峰は大好きなのだ。しばらく滑りやすい道が続き、まもなく尾根道を歩くことになる。ベンチが見えてくるとその先には木造の展望台が立っている。この展望台は南方面が開けており、広島湾から市街の展望が素晴らしい。ここまで約40分の行程なので、展望を楽しみながら小休止を取る。周囲は良く晴れており、展望が開けているのがとても嬉しい。
展望台から広島市街の展望 展望台を出発し、よく踏まれた平坦な道を進んで行くと次第に坂を下る事になり、その先には舗装された林道が通っていた。林道を横切り上り返して行く。階段道を登って行くと西方面には岩峰の高尾山の展望が開けている。この岩峰が元気の元なのだ。少し登ると平坦な登山道となり、安心していると急な岩の坂道となり、市街地が一望のポイントに着く。
小休止の後、展望地を出発、平坦路を過ぎると再び林道を横切る。またまた坂道を登って行くと右手に大きな丸い岩を過ごす。すぐに平坦路となるが左手下には林道が続いていることが判った。少し坂を感じる頃にまた林道を横切り、再び坂道を登り返す。
なるほど何回も林道を横切るものだと感心しながら坂を登っていると中電の鉄塔下に着いた。鉄塔先に登山道は続いており、落ち葉の登山道を進んでいると最後の林道を横切ることになった。この付近には寺屋敷への標識もあるので舗装道を進むと寺屋敷に着くのだろう。
林道を横切り、進む道の先にはロープが渡してあり、この先は急な斜面を登って行くことになった。ロープの助けを借りながらゆっくりと高度を上げて行くとまもなく明るく広い道となり、この先は安心して進むことができそうだ。周囲に大きな岩が目立ち、足下にも大きな岩が点在している。大きな岩を踏みしめながら更に進んでいると、バクチ岩・バンド岩の標識を見る。
バンド岩を探すのだがはっきりこの岩と言うことは判らなかった。バンド岩の分岐から仏岩分岐を過ごし、大岩を眺めながら進んで行く、まもなく岩谷観音への分岐を左手に見るが、まずは呉娑々宇山を目指してまっすぐに進む。この付近から少し雲行きが怪しくなってきたが、周囲には美しい紅葉も広がり、とても嬉しくなる。
目の前に岩が増えてくる頃にぽつりぽつりと雨が降り始めてきた。天気予報では晴れだったのにいったいどうなって居るんだ、とぼやきたくなる。雨の中をバクチ岩に到着、大きく広がった岩に感激するのだが、市街地の展望は雨のためいま少し。しばらく展望を楽しんだ後、山頂に向かって出発する。
先日の徳島遠征の後、荷物を整理していたので、本日はウインドブレーカーの代わりにコンビニで買ったレインコートのみ、傘はリュックに入っておらず大雨の際には非常に困った状況となるのだが、天候の回復を期待しながら山頂を目指すことにした。平坦路を快調に進み、JRの反射板が左手と前方に見えてくるともう山頂は近い。 山頂手前のアンテナとJRの反射板 アンテナに向かって少し岩道を登ればもう山頂のアンテナに到着、アンテナの下では数人が昼食を取っていた。そのままアンテナ施設を過ごし、少し東に進むとベンチの置かれた広い呉娑々宇山の山頂に到着した。
雨は相変わらず降っており、風がとても冷たい。手が悴んで自由にならない、急に体が冷えてきたので服を着替える。山頂からの展望は木の間越しとなるのだが、広島湾方面は残念ながら霞んできている。山頂周辺を散策しながら体を温めようとするのだが、なかなか体は暖まらない。
アンテナ施設の下から西方面を眺めていると少しずつ天候が回復している事がわかった。山頂付近の紅葉を楽しんだ後、呉娑々宇山を出発することにした。紅葉と黄葉を楽しみながらゆっくりと下りて行く。この時期の山歩きの楽しみの一つだ。先ほど雨の中で見たバクチ岩に到着した。今度はしっかりと晴れているのでバクチ岩も市街の展望も美しくなっている。 呉娑々宇山の山頂のアンテナ施設から北方面の展望
パクチ岩からの展望 しばらく展望を楽しんだ後、バクチ岩を出発する事にした。バクチ岩から岩谷観音への分岐点はあっと言う間で、分岐の標識に従い坂道を下りて行く。5分も下りていると左手に林道が見えてきた。車でここまで来ることができるのかなあ等と考えていると車が走ってきた。林道終点まで車にて乗り入れできることが判ったので、次回からは足腰に不安のある人を誘うこともできそうだ。
登山道の横には寺屋敷の標識があるので、登山時に何回も横切った林道が続いているものと思われる。その先で中電の鉄塔の下を潜り、立ち枯れた木の目立つ場所を過ぎると分岐が現れる。この分岐を左に取って下りて行くと最低鞍部に到着、この鞍部から水分峡に戻ることもできるようだ。本日はそのまま鞍部から登り返して高尾山を目指すことにする。
中電の11番鉄塔に続く、シダの茂る急な坂道をゆっくりと高度を稼いで進んで行くと、松の木の下に着く。そのまま明るい尾根道を下りて行くと、格好の良い枯松の立つ場所に着いた。このような立ち枯れた松は大好きだ。しばらく枯松の側に立ち、大好きな風景をしっかりと脳裏に記憶する。
枯松の先には中電11番鉄塔が立ち、この場所からの展望も素晴らしい。特に目の前に広がる岩峰、あーなんと素晴らしい岩峰なんだろう。あの上に立ってみるのだ。思い立つともう止まらない。一気に岩峰に向かって突き進む。岩の横に立つとその大きさにびっくり、すぐに岩峰の上に立ち周囲を眺める。どうも岩を見れば岩の上によじ登る癖が身に付いてしまった。
更に岩の道を楽しみながら進んで行くと広島湾の展望できる広い場所に着いた。丁度昼食時間になったので呉娑々宇山を振り返りながら遅めの昼食を取る。昼食後、すぐに道の真ん中に立つ高尾山の三角点に到着、この三角点の奥の岩には高尾山と書かれていた。三角点付近からは西方面から北にかけての展望が広がっている。
岩峰の上から眼下の岩を見下ろす
さらなる展望を求めて進んで行くと再び大きな岩峰に着く。眼下には高尾山の展望地が広がりその南には広島湾の素晴らしい展望が待っていた。ところが展望の岩に向かうには岩の間を慎重に下りて行かなければならない。岩の道は西方面から下りることになり、岩に掴まりながらゆっくりと下りて行けば難なく展望地に続く鞍部に下り立つことができる。
鞍部から展望地に向かって進んで行くのだが、滑りやすい土質なので慎重に足下を踏みしめて登って行く。展望地に到着するとさすがに素晴らしい景色が広がっており、正面に南無阿弥陀仏と書かれた岩を見る。南側に回って見ると「おかあさんそれは かんのんさまです 合掌」と書かれた観音像が岩に彫られていた。思わず合掌。先ほどこの展望地を眺めた岩峰を振り返り、その露岩の大きさに感激、広島湾の美しい展望に時間を忘れて岩の上に立ちつくす。
高尾山の展望地からの風景 しばらく展望を楽しんだ後、下山を開始することにした。と、ここで高尾山山頂の彩色岩を見過ごしていたことに気が付く、しまったもう一度高尾山三角点に戻るのも面倒だ・・・・どうしようかと引き返すことを決断しかねて南無阿弥陀仏岩から下を眺めていると、南方面から直接岩を伝ってこの展望地まで登ることのできる道を見つけた。 高尾山の展望地からの風景 南無阿弥陀仏岩から少し南側に下りて後ろを振り返ると・・・観音様の右手に彩色岩を発見、なんだ高尾山山頂三角点ではなくて展望地に彩色岩が立っていたのだ。まるで弓の的のような彩色岩に感心し、これで思い残すことなく展望地から下りることができる。また、眼下にも岩に彫られた仏像のようなものを発見、色々な彫り物がこの周囲にあるようだ。
展望地から少し下りると左手にそそり立つ大岩を見る。素晴らしい岩だ。階段が続いているようなので向かってみると岩の上に立つことができる。岩の上には鉄の棒が立っており、岩の向こうを覗いてみるとそこは絶壁だ。
おーー、腰が引けてきた。ゾクゾクするような景色が眼下に広がっている。恐る恐る岩の上に首を出し眼下を見下ろす。へっぴり腰になり、両手で岩にしがみつきながら眺める展望はやはり素晴らしいものだ。岩から下りてこの岩の全景を見て再びびっくり、あんな場所に立っていたのかと思うと再びゾクゾクする。
大岩を過ごすともう5分も掛からず岩谷観音跡に到着、火事で焼けてしまったのでもう建物は無く、お地蔵様が並んでいるだけである。岩谷観音跡からは市街地を見下ろしながら古びた石段を下りて行く。この雰囲気がたまらなく素晴らしい。滑りやすい道を慎重に下りて行き、途中の岩峰にて展望を楽しむ。本日はもう広島にて買い物をして帰るだけ、時間を気にせずのゆっくり歩きは久しぶりである。
まもなく中国自然歩道の標識に出会い、この先の上岡田古墳との分岐を水分峡に向けて下りて行く。少し登りの道となるが途中で東屋を過ごすともう下る一方だ。水分神社先の階段道に到着すると、朝通った道を戻るだけ。水分神社に登山の無事を報告し、水分峡の管理棟まで戻った。
リュックを車に入れ、広島市街にて買い物を済ませ一般道を通って柳井まで帰ることにした。広島西バイパスを走り宮島を超えたところで焼きカキの匂いに圧倒された。しばらく走っていると焼きカキの店を発見、誘惑に負けて焼きカキを所望する。なんと旨いこと、これは来週も所望せねば。そのまま国道2号を下り柳井まで帰ると6時を過ぎていた。 草摺の瀧 呉娑々宇山山頂 バクチ岩 バクチ岩からの展望 枯松 展望地 かんのんさま 展望地から 彩色岩 そそり立つ岩 岩屋観音の石仏 岩を見上げる 水分峡の紅葉 前の山 三嶺 を見る 次の山 関ヶ浜妙見山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 広島県府中町 呉娑々宇山 登山口付近のMAP |