三嶺(みうね) 徳島県三好市

2006年10月22日

三嶺

参考コースタイム

名頃登山口駐車場 →0:40→ 平尾谷登山口 →0:50→ ダケモミの丘

 →0:50→ 水場の標識  →0:15→ 三嶺東の池 →0:15→ 三嶺山頂

 →0;15→ ヒュッテ →0:15→水場の標識  →0:30→ ダケモミの丘

 →0:40→ 平尾谷登山口 →0:30→ 名頃登山口駐車場

全歩行時間 5時間  0分

 昨日と同様、剣山の麓の登山口見越で起床、なんと周囲にはほとんど車がいない。昨日の喧噪は何だったのだ!!。今日は三嶺一山なのでゆっくりと起き出し朝食を取った後、コーヒーをゆっくりと飲み周辺散策の後、見越を出発し三嶺登山口の名頃を目指す。

剣山登山口の店の後ろに広がる紅葉 見越から眺める三嶺

 見越から名頃までは10kmも離れていないのだが、道がくねくねしており、細い道が続くのでなかなか時間が掛かる。途中には祖谷村の二重かずら橋もあり、寄り道をしたいところだがこれは帰りに楽しむとして先を急ぐ。

名頃の三嶺登山口の駐車場、トイレも整備されている

 まもなく前方に三嶺登山口の標識を見て左折すると、なんと整備された駐車場にトイレが完備された施設ができていた。これならそのままここで泊まった方が時間の短縮ができたものを・・・下見ができていれば、と昨日のカメラ事件を引きずりそうだがここで気分を入れ替えて三嶺の登山を開始する。

三嶺の登山開始、林道を歩く 足下の花を眺める

 ガイド本では林道を車でゆっくり進めば、奥の登山口まですぐに着くのだが、初めての道の未舗装林道に車で入る勇気が無く、駐車場から歩いて登山を開始する。林道は工事中のようでこの先整備されれば奥まで行くことができるかもしれない。何の心配もない林道をゆっくりと進んで行くのは登山前のトレーニングのようなものだ。

林道を進む、右手には川が流れている

 林道をゆっくりと歩いていると前方に三嶺の美しい山頂を見ることができた。美しい山頂に向かって進んでいることを実感するとワクワクしてきた。はやくきれいな山頂に着きたいと思わず早足になってしまう。三嶺山頂の手前側には崩壊地があり、岩が崩れていることが判った。

三嶺を見上げる 右の山は崩壊が進んでいる

 まもなく大きく左にカーブする地点付近にテープの貼ってある道を見つける。たぶん近道なのだろうと思うがこのところの不運さに少し弱気になっているため、林道を進んで行くことにした。(この道は下山時に近道であることを確認した)。

 林道は工事中の箇所が多く車高の高い車でないと底をすりそうだ。と・・・、一台のワゴンがゆっくりと登ってきたので道を譲る。周囲の紅葉を楽しみながら進むので一向に疲労感はない。まもなく林道を離れていよいよ登山道に入ることになる。右手に見ていた川は平尾谷川であり、この登山口はそのまま平尾谷登山口というそうだ。

林道をワゴンが進んでいる 平尾谷登山口

 いよいよ林道から離れて登山道に入る。ここまで登山開始から40分経過、そろそろ林道歩きに飽きてきた頃なので丁度良い時間である。さあ三嶺山頂までは3.2kmの指導標を見て登山道に入る。と、いきなりのジグザグ道に戸惑い、リュックからストックを出す。

ジグザグの道を進む 紅葉の中に入る

 この先はゆっくりと紅葉を楽しみながら登ることに専念する。5分も歩くと崩壊地を過ぎる。この先何カ所かの崩壊地を過ごすのだが規模の大きさにびっくりする。ほとんど登りが続くのでゆっくり歩いて行かないと息が切れるようだ。途中にいくつかの標識を見るのだが、山頂までの時間とか距離の表示は書いてないようだ。

倒木ヶ所を過ごす 紅葉が美しい

 林道から登山道に入り30分程度進んだ場所で赤い実と美しい紅葉とを同時に見る。周囲に黄色く色付いた黄葉は多いものの、目に鮮やかな紅葉は数少ないよう気がする。この付近から上を見上げるとガレ場が続いており、その先を迂回しながらジグザグに登り、一気に高度を上げて行くことになる。少し正念場という感じがする場所ながらも、相変わらずのゆっくり歩きと周囲の紅葉鑑賞とでほとんど疲れることなく登ることができる。

赤い実 目に鮮やかな紅葉

 登ってきた方向を見下ろすとやはり急な坂を登ってきたことを実感する。と、反対側の山が木の間越しから見えてきたが、山頂に霧が掛かり始めている。三嶺山頂も霧なのか?。少し心配になる。

急な斜面をジグザグに登る 木の間越しの反対の間には霧が掛かっている

 この急斜面を登り切るとほんの少し平坦な道となり、右手に紅葉と朽ちた木のコントラストの素晴らしい場所を過ごす。ふたたび斜面に取り付き、辛抱しながら進む、木の根っこに足を取られないように進んでいるとようやく平坦な道となる。空を見上げるとまだ青いので一安心。まもなくもう一つの登山道との合流点であるダケモミの丘に到着、ここまで林道に入って1.4kmを50分の行程だった。

ダケモミの丘に到着 少し平坦地となる

 この50分が本登山中で一番の踏ん張りどころという気がしたが、周囲の景色を楽しみながら登ってきたため気分的にはあっと言う間の時間だ。さあ、三嶺山頂までは残り1.8km、いよいよダケモミの丘を出発、平坦な道を快適に進んで行く。

紅葉を右に見る 笹の背丈が高くなる

 周囲の紅葉はますます美しさを増し、立ち止まる回数が増えていることが判る。そのうち笹の背丈と植生が増し、笹とモミの木と紅葉の中を進んで行くことになる。時折かいま見える周囲の山々には霧が立ちこめ始めているようだ。ダケモミの丘から25分で海抜1500m標識を通過、周囲に笹が深くなってきた。

紅葉が美しくなってきた

 更に5分程度は緩やかな勾配が続いたが、いよいよモミの木の群生地へも別れを告げ、より一層高度を上げて行く事になる。少し進むと赤い実が鈴なりになっている木の根本に「たぬきのかんざし」という標識を見る。たぶんこの赤い実がたぬきのかんざし(まゆみの木)なのだろうと思い、しばらく眺める。

たぬきのかんざし 赤い実が鈴なり

 木の間越しに見える空はまだ青いので安心、少しずつ目の前に空が広がり始め、同時に視界も開けてきた。ぱっと大きく視界が開けると三嶺の山腹に出てきたようだ。周囲の紅葉が美しく、眼下に広がる展望に感動する。晴れてもおらず、霧も掛かっているのだがそれでも素晴らしい展望が広がっている。

眼下に広がる紅葉

 笹の道は岩の間に続いており、慎重に登ることになる。まもなく正面に水場の標識を見て、山頂方向を見上げるとすさまじいガレ場が続いている。こんな道を登るのかと覚悟を決めたが、ちゃんと右に迂回路があり安心、が・・・この道は細く滑りやすい道で、一旦滑ると左は崖に近い状態である。

山頂方向にはガレ場が続く 足下は滑りやすい

 風が谷の方向から流れてくるので少しは安心して進めるが、逆の方向の風だと、地面にはいつくばって登ることになりそうだ。でもこんな道が大好きなのだ。もうワクワク・ドキドキしながら登って行くのが嬉しくてしょうがない。

滑りやすく細い道を進んできた

眼下には笹原が続く

 山頂方向を眺めると笹の中に赤い場所がある。コメツツジの紅葉だ。下から見ると山頂は大きな岩の固まりみたいに見える。眼下に広がる急斜面にはきれいな笹原が大きく広がっており、その下には紅葉が素晴らしい。美しい景色を楽しみながら進むと右手の大岩を巻きながら登って行き、まもなく山頂の東側、眼下に池の広がる場所に到着した。

コメツツジの紅葉 山頂東側の池

 右手にはヒュッテ、左手には300mで三嶺山頂である。まずは山頂に向かうことにした。風が強く帽子を飛ばされないように進んで行く。この先は丁度山の形のピークを越えて行く事になる。少し進んでヒュッテ方向を振り返ると池と笹原が美しい。その先遭難碑を過ぎるとようやく三嶺山頂を見ることができた。

山頂に向かって進む ヒュッテと池を振り返る

 遠くから見ていた山頂がいま目の前にある。この瞬間は毎度の事ながら感激の瞬間である。山頂は笹原に覆われているのだが、廻りをコメツツジの紅葉が覆っている。こんな紅葉は初めて見たがやはり素晴らしい風景だ。

登ってきた道を見下ろす コメツツジの紅葉は山頂に続いている

 眼下を見るといままで登ってきた道が見える。とてつもない急な斜面をよじ登ってきたことが判った。コメツツジの紅葉の広がる道を進んで行くといよいよ三嶺山頂である。山頂には中央に二等三角点、奥には三嶺の山頂標識が立っている。

三嶺山頂と三角点

 ここから天狗塚へは4.7km、昨日登った剣山へは17kmである。山頂にて記念写真を撮り周囲の景色を眺める。終始霧が流れており、遠くまでの展望を臨むことはできないが近くの山々はなんとか見ることができた。

山頂から眼下の展望

山頂から西方面の展望

 しばらく周囲の展望を楽しんだ後、早めの昼食を取ることにした。風が強くとても寒いのでお湯を沸かして暖かいみそ汁を頂き、その後はコーヒータイムとなる。熱いコーヒーを飲みながら美しい稜線を眺める。一番嬉しいひとときが過ぎて行く。

眼下には紅葉が美しい 霧が濃くなり始めた

 山頂は相変わらず風が強く、とても寒いのでヒュッテに向かって下りて行くことにする。周囲の霧は突然晴れる事もあるのだが、この先は霧が濃くなってくる雰囲気なので山頂を出発、コメツツジの広がる道を下りて行く。道の途中から左手に下りて行き、広い笹原の中を進むことにした。笹の原につけられた一本の道を進んで行く。なかなか嬉しい。

コメツツジの紅葉 ヒュッテに向かう

笹原とヒュッテ

 笹原の先には池やヒュッテが見えており、笹原の真ん中から周囲を見回していると霧が流れ込んでいることが判る。ヒュッテの中を覗いてみると沢山の登山者が昼食を取っていた。

霧が流れ込んでいる ヒュッテ

 さあ、いよいよ三嶺を下りて行くことにした。霧の流れる山頂を後にしてそれまで見下ろしていた急な斜面を下りて行くことになる。石の多い滑りやすい道を慎重に下りて行くのだが、幸いにして?霧のため眼下がよく見えない。眼下は崖のような場所なのではっきり見えていたら腰が引けてしまいそうな道を快適に下りて行く。

急な斜面を下りて行く 細い道

滑りやすい道を慎重に下りる

 岩の道が終わるとモミの木の群生地に到着、まもなく1600m標識を過ぎる。もうこの先は急ぐこともないのでゆっくりと紅葉を鑑賞しながら下る。じっくり眺めていると登山時に見落としていた1500m標識も確認、この先は急な坂を慎重に下りて行くことになる。
 少しずつ雨もパラパラ降ってきた。丁度良いタイミングで下山をしたようだ。登山時に目に付いた美しい紅葉は、下山時にも見ても当然美しい。

紅葉が美しい

 しばしば足を停めながら歩いていると、やがて道の途中で休んでいるご夫婦と出会い色々とお話をした。このご夫婦は沢山の山々に登って居られる方のようで明日登る予定の石鎚山の事などをお聞きした。

 更に下りつつ後ろからGPSを持っている登山者に道を譲る。その際この方にGPSの事をお聞きすると、この周辺の山々を専門に登られており、HPも開設されていることをお聞きする。

 今後の参考にさせていただくためサイト名の「山歩き by あとみっく」をお聞きして林道登山口までご一緒した。

紅葉を見ながら小休止

 林道にてこの方と別れ、一人で林道を下りて行く。登山時に見ていた近道らしき場所はやはりちゃんと通れることを先ほどの方に聞いていたので、下山はこの道を下りて行くことにした。カーブミラーの場所から左に下りて行くとちゃんとよく踏まれた道が続いている。特に下りなので楽々歩きで下りて行くことができる。

カーブミラーの所から左に下りる よく踏まれた道が続いている

 危険な場所にはテープが渡してあり、注意するよう表示されているようだ。紅葉を楽しみながら下りているとカーブミラーの場所から10分で林道に出ることができた。更に快適な林道を歩くこと15分で登山口に到着、三嶺登山を終了した。

最後の紅葉を楽しむ 左にカーブする場所に出る
快適な林道を戻る 登山口の名頃の駐車場に到着

 素晴らしい紅葉の三嶺、特にコメツツジの紅葉を忘れることはないだろう。

 三嶺登山口の名頃を出発、雨も降り始めてきたので次の登山を中止、東祖谷山村名物の二重かずら橋に向かうことにした。名頃からはすぐにかずら橋に到着、頼りないかずら橋を渡るのだがこれが怖い、ゆらゆらする橋の途中で紅葉を楽しみ、折り返しは小かずら橋を渡るのだがこの橋も怖い。怖いもの見たさ・・・・?で、もう一度橋を一周した。

かずら橋 足下は頼りない
滝と紅葉 小かずら橋

見越から三嶺を眺める

登山途中の紅葉

眼下の紅葉

登山道

眼下の稜線

山頂に続く紅葉

コメツツジと山頂の岩

笹の道

急な登山道

池とヒュッテ

山頂に続く道

三嶺山頂の人々

コメツツジ

下山時の紅葉

かずら橋

 前の山 剣山・次郎笈・一の森 を見る

 次の山 呉娑々宇山・高尾山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 徳島県 三好市 三嶺 登山口付近のMAP

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