青野山 青野河原登山口から笹山登山口へ周回(あおのさん)島根県津和野町

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2002年6月23日の登山記を見る

2012年11月18日

青野河原登山口 →1時間10分→ 青野山山頂

 →0:45→ 笹山登山口 →0:25→ 青野河原登山口

全歩行時間 2時間20分

先週中国自然歩道の津和野コース、地倉沼から奥山へのコースを歩いた。その際の案内には、青野山と津和野城跡も津和野コースの中に記載されていた。そこで、10年ぶりに島根県津和野町の青野山へ向かう。

 麓に置かれた案内板によると、青野山は標高907mのトロイデ式火山で、その女性的な姿から別名妹山とも呼ばれ、四季を通じて人々から親しまれている。山麓の青野磧や風穴あるいは爆裂火口など、見所も多く、一帯は県立自然公園に指定されているそうだ。

 青野山へ向かうには、中国自動車道の六日市インターを起点とする場合、国道187号を北上、柿木村から国道を離れ、県道3号を西へ進む。福川地区で津和野方面の案内に従い県道226号を北へ進む。途中でループ橋を渡り、県道と別れて更に津和野方面へ。

福川地区で県道3号を離れ226号に入る トンネルを抜ければ青野山が見えてくる

 唐人屋トンネルを抜ければ吉賀町から津和野町に入り、間もなく前方に青野山の勇姿が現れる。T字路を津和野方面へ左折すれば、約250m先に青野山の笹山登山口が現れる。前回はこの笹山登山口から山頂を往復したが、今回は途中の展望を楽しむためもう少し先の青野河原(青野磧)登山口より登る。

T字路を左折する 青野山笹山登山口

 登山の起点を津和野駅とする場合は、駅前から県道13号を南下する。右に太鼓谷稲荷神社への参道を過ごし、津和野川に架かる橋を渡って200m進むと県道の上にJR山口線の高架が現れる。

JR津和野駅 JR山口線の高架下を左折する

 国道9号へ1.5kmの案内に従い、この高架下の分岐を左折。県道226号を道なりに進むと、大きな朱の鳥居を潜り、国道9号の交差点に出る。この道中、西側に太鼓谷稲成神社や津和野城の展望が現れるが、脇見運転は厳禁。当日は、幻想的な朝霧が流れており、とても美しい風景だった。

霧の流れる太鼓谷稲成神社 国道9号を横断する

 さて、この交差点は、柿木方面へ向けて直進、曲がりくねった道の途中では、西に美しい十種ヶ峰や野坂山の展望を眺めることもできるが、くれぐれも安全運転で。突然視界が開けると、美しい青野山が目の前にそびえている。更に道なりに進み、左に中国自然歩道への入口を過ごせば、ベンチなどの置かれた明るい笹山登山口へ着く。

十種ヶ峰 青野山

 さて、皆さんは当然の如くご存じなのだろうが、この笹山登山口ともう一方の登山口の青野河原登山口の間は、立派な舗装道で通じている。青野山登山に関するHPには、もう少し先(津和野側)にある「未舗装の中国自然歩道を乗用車で走る」との記述も残っているが、これはとても古い情報である。

笹山登山口前を北へ進む 笹山トンネルを潜る

 少々登山口への紹介が長くなりすぎたが、笹山登山口の横から北へ向かって続く舗装道へ入る。途中で立派な笹山トンネルを潜るが、この完成は2007年3月、従って私が前回登った2002年にはこのトンネルは明らかになかった。トンネルを潜ってもう少し進むと、右に青野山青野河原登山口が現れる。左下には立派な駐車場と綺麗なトイレが設置されており、これは素晴らしい登山環境である。なお、中国自然歩道津和野コースは、この地からJR青野山駅を経由し、私が先週歩いた地倉沼、奥山へと続いている。

 トイレのある駐車場 青野河原登山口

 登山準備の後、登山口を出発しかけたが、クマ除けの鈴を忘れていたので引き返す。このあたりはクマの生育域なので鈴は必需品である。登山口には青野山まで1.4kmと案内されている。入口付近に夏草の名残を見かけるが、少し進めば檜の植林帯の下に入り、とても歩きやすい。

檜の植林帯の下を進む 山頂まで1.4km地点の避難小屋を過ごす

 すぐに右側は杉の植林帯に変わり、左には杉の苗が植林されている。次回登山の際には背が伸びていることだろう。間もなく左にベンチを過ごせば、山頂まで1.4kmの案内が置かれている。登山口の案内とは少々違うようだ。右に避難小屋と作業小屋を過ごし、杉の植林帯に入る。

植林帯の下に真っ直ぐ続く登山道 のどかな案内板

 植林帯に入ると真っ直ぐ続く登山道にびっくり、とても壮観な眺めである。最初から飛ばしてはいけないので抑え気味に歩く。津和野小学校の生徒の手作りによる、「がんばれあと1300M」と書かれた距離表示が、とてもなごやかである。青野山登山ではこの案内に励まされる。案内を過ごした先で右方面へ進路を変え、更に折り返して東方面へ進む。

紅葉が進んでいる 残り1km地点のベンチ

 植林帯の中には、ぽつりぽつりと紅葉が目立ち、鮮やかに感じる。足下には整備された横木の階段が適度に配置され、とても歩きやすい。残り1000M地点には休憩用のベンチが置かれ、設置者の配慮を感じる。津和野小学校の案内は8年前に設置されており、設置した当時の小学6年生は、既に二十歳近くなっていることだろう。この案内は、とても良い記念になると思う。

頭上の樹林が切れる 日原へ続く国道9号の沿線

 赤松林の中を抜け、ほとんど真っ直ぐ東方向へ向かっていたが、山腹につけられた道はやがて南方面へ進路を変える。坂の傾斜は緩やかで、大した負荷は感じない。頭上を覆っていた木々が無くなり、北東には日原へと続く国道が見えている。北には益田の大道山をアンテナで確認、その先に広がるのは日本海、大道山の左手前にそびえるのは胡麻ヶ岳だろうか。更に左奥には須佐の高山と行者様が並び、この方面は空気が澄んでいれば、どこまでも見晴らすことができる。

中央左に須佐高山・行者様・右にはアンテナの建つ大道山(写真をクリックすると拡大)

正面に日本海・右側に比礼振山「権現山」(写真をクリックすると拡大)

展望地から眺める風景(動画)

 眼下に津和野の赤い橋を眺めながら坂を折り返す。このあたりで急に高度を稼ぐと、展望も一気に広がる。北東へ続く国道9号の延長線上には、丸っこい山が見えている。これは益田の名峰比礼振山(権現山)と思われる。位置関係から考えれば、手前に韮草山、右奥に日晩山が見えるはずである。なお、比礼振山と日晩山の山頂からは、青野山を眺めている。

ベンチを過ごせば急登が待っている

 周囲に樹林の広がる手前付近が一番の展望地なので、ゆっくり周囲に広がる風景を満喫する。この景色こそが青野河原コース登山の醍醐味である。間もなくベンチの置かれた場所を過ごせば大展望と別れ、山頂へ向かっての急登が始まる。

落葉の樹林の先に山頂が見える 眼下にJR青野山駅周辺の展望

 横木の階段を踏ん張り、一気に高度を上げる。山頂まで残り600Mから500M付近では周囲に広がる紅葉に心癒される。これは紅葉シーズンに登る楽しみである。残り400Mになってもまだまだ急登は続くが、落葉の木々の間から見えているのは、先週登った地倉沼の登山口付近、先週眺めていた場所を今週は見下ろしている。

地倉山(写真をクリツクすると地倉沼の風景) 津和野の町並みは木の間越し

津和野市街展望地から眺める風景

 落葉により、視界が開けた展望の先には、益田沖の日本海が見えてきた。もう少し登って残り300M地点へ到着、ここは津和野市街展望地と案内されており、眼下に市街が一望、日原方面へ続く展望も広がり、地倉山もしっかり見えている。更にズームアップすれば、地倉沼付近もしっかり見る事ができる。これは私的には大発見である。

 ここで下の方から人声が近づいてきた。最初はどこかのアナウンスかと思っていたが、どうやら後続の登山者に追いつかれたようだ。とても歩行速度が速いのか、私が遅いのか、どうやら後者のようだ。

山頂まで残り100m 青野山王権現

青野山王権現と益田方面の展望

 展望地を出発すれば、山頂まで緩やかな傾斜が続く。広い山頂尾根には落葉の自然林が続き、フカフカの落ち葉を踏みしめる。残り200M、100Mと順調に案内を過ごせば、青野山王権現の鎮座する山頂の北西端へ到着した。青野山王権現は、津和野七社の一社として天文期(1532年)以前の勧請と伝えられ、津和野のお城の方角へ向かって安置されているそうだ。

益田方面の展望 山頂は細長い広場

 山王権現の先から北へ向かって狭い角度ながら展望が広がり、立ち位置を変えながら大道山を確認、日本海と比礼振山を眺める。折しも天気が急回復し、晴れてきたのでとても美しい風景を眺めることできた。これも山王権現のおかげかも知れない。

平坦な山頂 松の木の美しい山頂

 山王権現を出発、すぐに二等三角点の置かれた山頂へ到着、山頂から南東方面を眺める。逆光気味なのではっきりとは確認できないが、鈴の大谷山の稜線の東に鳶の子山、その先に大岡山から築山へ向かう稜線が見えているようだ。

山頂から眺める風景(写真をクリックすると拡大)

 この展望については家に帰り、もう一度地理と写真を確認、その先に一際高い山脈が見えているのは羅漢山だろうか。双眼鏡で確認すれば、白いレーダードームが見えたのかも知れない。更に左に見えているのは小五郎山?。もう少しゆっくり観察すれば良かったのかも知れない。青野山は独立峰なので遠くまでよく見晴らすことができるが、周囲を覆う樹林に、ほとんどの方面をさえぎられているのが少々残念である。

青野山の山頂風景(動画)

 間もなく北九州市から来られた男性2名、女性3名のグループが山頂へ到着、この方達は津和野にある美術館の観賞を兼ねて、登山をされたそうだ。私が松茸弁当を食べ、下山の用意をしていると、おまんじゅうのお接待を頂き、更に抹茶までごちそうのになった。私のようなせかせか登山と違って、この方達はのんびり山歩きを楽しんで居られる。わたしも見習わなければと思う。

笹山登山口へ向けて出発

 抹茶のお接待を頂いた後に山頂を出発、笹山登山口へ向かって下山を開始する。笹山への下りは急傾斜で、フカフカの落ち葉がいっぱい敷かれている。普通に歩くだけでも滑りやすい道なので、しっかり気をつけて下る。折しも明るい日差しが戻って来たので、気持ちが良い。

青空に映える紅葉 笹の美しい登山道

 頭上には美しい紅葉が広がり、ついつい足が止まりがちとなる。すぐに頂上まで100mの案内を通過、広い登山道の左右には低い笹が風にそよいでいる。ふと山頂方面を振り返れば、この時期は落葉の広葉樹の間から覗く青空が美しい。下山方向には紅葉、山頂方向には青空と素晴らしい景色が広がっており、歩き始めるのがもったいないような気がする。

登りも下りも急斜面 紅葉が美しい

 山頂から200m、300m、と紅葉を眺めながら下る。400mを過ぎれば南の木の間越しに法師山が顔を見せる。この山は中島先生、金光さんのご案内で登った想い出の山である。この下の折り返し点にはベンチが置かれており、西に名峰十種ヶ峰が美しい山容を見せている。このベンチは展望を眺めながら休憩するのに丁度良い場所に置かれている。

十種ヶ峰の展望地 紅葉真っ盛りの登山道

 野坂山などの展望も眺めて更に下山を続ける。すぐに500mの案内を通過し、紅葉を楽しむが、この付近から足下に続く横木の階段が気になる。600mの案内を過ごせば、法師山の展望とはお別れ、この先から左側に植林帯が現れる。

木の間越しに法師山 真っ直ぐ続く登山道

 700mを過ごすとほとんど真っ直ぐ西方面へ向けて下る。周囲に展望はないものの、時折現れる紅葉はとても美しい。やがて休憩用のベンチを通過し、石の目立つ場所で1000mの案内を過ごす。1100mを通過すると紅葉の美しい場所となり、やがてベンチの置かれた休憩所を過ごす。

休憩用のベンチがありがたい 山頂まで1300m地点の石組み

 石垣の組まれた場所を通過、この先には1300mの案内が置かれている。もう木の間越しに舗装道が見えており、間もなく鳥居を潜って笹山登山口へ下り立つ。登山口にはベンチが置かれており、ここから青野山山頂へ1.3kmと案内されている。ただし、ここに書いてある「青野河原駐車場へ6.4km」はどの経路を採るものなのか解らなかった。

登山口手前の鳥居 笹山登山口へ到着

 さて、これから周回の最終行程、青野河原駐車場へ向かう。笹山登山口から北へ続く舗装路歩きだが、こちらは何も心配の無い道を散歩気分で快適に進む。少しずつ高度が上がり、途中で背後を振り返れば、法師山がとても大きい。間もなく笹山トンネルを通過すると青野山を下から見上げることができる。あの頂きにいたことがとても嬉しく思える瞬間である。

背後に眺める法師山 青野河原登山口と青野山

 笹山登山口からは25分で青野河原登山口へ到着、青野山周回登山は無事終了した。登山口を出発、笹山登山口を経由して津和野方面へ向かう。青野山の標識の立つ付近から眺める青野山はやはり美しい山容をしている

山頂と松

青野山王権現

益田方面

紅葉

十種ヶ峰

紅葉

青野山

 前の山 地倉沼・奥山 を見る

 次の山 紅葉の津和野城跡 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 島根県津和野町 青野山 登山口付近のMAP

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