八ヶ岳初日・硫黄岳・横岳・赤岳(やつがだけ・あかだけ)長野県茅野市他 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トップに戻る 2016年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順 2016年9月9日 桜平登山口 →0:30→ 夏沢鉱泉 →1:00→ オーレン小屋 →0:30→ 夏沢峠 →1:15→ 硫黄岳 →0:25→ 硫黄岳山荘 →0:35→ 横岳 →1:25→ 赤岳展望荘 →0:30→ 赤岳 →0:25→ 赤岳展望荘 全歩行時間 6時間35分 大☆さんのご案内による八ヶ岳登山を開始する。まず下山口の美濃戸口へ車を置き、事前に手配しておいたタクシーに乗り込み、登山口の桜平まで移動、登山口到着は午前7時である。
車止めのゲートを越えて登山道に入り、夏沢鉱泉まで続く広い未舗装の作業道を歩く。登山開始と同時に緩やかに坂を下り、左に仮設トイレ、右に滝を眺めれば、足下はコンクリート舗装の道に変わり、緩やかな傾斜の坂道となる。この先で沢に架かる橋の付近で再び未舗装となる。
ここで横に架かっている風情のある古い橋を渡ってみた。更に進めば、泉野(茅野)からの登山道と合わさり、夏沢峠・硫黄岳の案内に従い進む。自然林の下を快適に歩を進めていると、前方に親子連れの登山者がいた。子供さんの年齢を聞くと3歳と5歳、なんとも頼もしい限りである。
作業道歩きだが、木漏れ日差す道はとても幻想的な雰囲気である。やがて夏沢鉱泉を通過、ここでは日帰り入浴もできるそうだ。ただ、登山前後にしてもここから次の起点に着く間に汗をかいてしまいそうだ。さて、夏沢鉱泉を過ぎれば今までの広い作業道から道幅が狭くなる。
この先にあるオーレン小屋までは作業車で荷物を運ぶのだろうか、道ばたには作業車が置かれていた。この先から道幅はある程度確保されているものの、いわゆる登山道となる。眼下に沢や滝を眺めながら木漏れ日差す登山道をたどる。頭上には青空が広がり、気持ち良く登山道を進むことができる。
時折岩などの露出する荒れた場所も見受けられるが、総じて安心感のある道が続いている。自然林に残る水滴が、そよぐ風に吹かれて霧状に飛散し、この霧に朝日が差し込み、きらきら輝いている。このような場所に遭遇すれば、息をのむような美しさに声も出ない。 オーレン小屋 美しい雰囲気の登山道を楽しみながら進んでいると、突然前方が開けて山小屋の前に出た。この小屋がオーレン小屋で、この小屋の前を直進すれば夏沢峠、右折すれば硫黄岳・峰の松目と案内されていた。いずれにしても硫黄岳へ向かうと言うことが頭にあったので、何も考えず分岐を右折、沢を渡って硫黄岳方面へ向かった。
ところがこれまで歩いて来た道に比べ、極端に道が狭くなり、少し不安を感じたので、キャンプ場付近にいる方に硫黄岳へ向かう近道について聞いたら、このコースを採るよりも夏沢峠経由の方が早いことを教えられた。そこで、オーレン小屋まで引き返し、夏沢峠へ向かうことにした。これは正解で、大☆さんはこのコースを採っていた。 明るく広いコースをたどると、20分程度でヒュッテ夏沢の建つ夏沢峠へ着いた。ここでようやく大☆さんへ追いついた。この峠から北へ進路を採れば根石岳・天狗岳、南へ向かえば硫黄岳となる。峠からは北から東に掛けて雲海が広がり、雲海の上に山頂部の浮かぶ山々は有名な山なのだろうが、さっぱり見当が付かない。ただ言えるのは素晴らしい感動的な展望であると言うことだけ。
夏沢峠を出発、進路を南に採り硫黄岳を目指す。左に本沢温泉への分岐を過ごし、大岩を眺めながら樹林の中に入る。左右にシャクナゲを見ながら急登へ取り付き、背後を振り返れば、根石岳へ続く尾根がとても高く見える。次第に北西への展望が開けてくると、槍ヶ岳・穂高岳が特徴的な山容を雲の上に現す。この展望も素晴らしく、ものすごく贅沢な風景を眺めながらの登山である。 高度が上がるにつれ、穂高岳の左に乗鞍岳、その左には山頂部の茶色い御嶽山、更に左には木曽駒ヶ岳や空木岳などの中央アルプスが見えてきた。この展望が八ヶ岳登山の醍醐味なのだろう。少なくとも私は感動している。ここで再び北を眺めれば、尾根の先に根石岳らしき山頂部が顔を見せてきた。また、西に広がる雲海が少し飛ばされて、眼下に高原が顔を見せる。 こうしてみると、時間の経過と共にいろいろな配役が現れる舞台のような雰囲気だ。足下は砂利が整然と敷き詰められた遊歩道という感じで、ジグザグを描きながら高度を上げる。中央アルプスは峰の松目の上に現れ、少しずつその山容が明らかになる。
足下は次第に火山岩の様相を呈し、赤茶色の石が目立つ。やがて進路は南へ向き、遠くに平坦な頂上部が見えてきた。この付近が硫黄岳で坂の傾斜も少し緩まる。岩の目立つ登山道をたどり、いくつかのケルンを過ごせば、尾根へ着き、硫黄岳の左側を見晴らす事ができた。 硫黄岳の火口部(クリックで拡大) 硫黄岳の左側は切れ落ちており、すり鉢状の火口と言った感じで、一度落ちたら這い上がれないアリ地獄のようだ。間もなく広く平坦な硫黄岳の山頂へ到着、山頂にケルンの置かれた硫黄岳から周囲に広がる360度のパノラマを眺める。 少し雲が勢いを増し、槍ヶ岳や穂高岳は見えにくくなったが、今度は北岳などが顔を出し、更に素晴らしい展望だ。南には横岳、赤岳、阿弥陀岳などが並び、八ヶ岳の主峰を護っているように見える。 さて、硫黄岳を出発、坂を下れば溶岩帯を歩いていることが解る。このあたりは本日の登山中、一番美しく感動的な所である。やがて硫黄岳山荘へ到着、山荘側に祀られた駒草神社へ参拝、周囲を眺めれば快晴の空の下すべてが美しい。 硫黄岳山荘と駒草神社 硫黄岳山荘を出発、足場の不安定な登山道をたどる。尾根を迂回して山腹につけられた登山道を進むと、周囲に雲が増えてきた。登山道の東側にはネットが張られ、西側には電柵が張られている。このあたりは牧場になっているのかも知れない。足下を注意して見ると駒草が多く、季節を少し遡れば、この付近で駒草の群生を見ることができたようだ。
と、突然雲が尾根を覆い始めた。それまでしっかり展望を得ることができたのに、急に周囲が見えなくなった。生暖かい雲の中を歩きながら少しずつ横岳へ近づけば、突然青空の下に横岳の尖峰が顔を出した。しばらく幻想的な風景を眺めていたら、再び横岳は雲の中に隠れた。 横岳へ向かって鎖の配置された道に入ると、進路は左方向へ向き、すぐに岩場を下る。この先でハシゴを使って尾根へ飛び出し、今度は尾根の左側に配置された鎖を補助として水平方向に岩場を進み、更に上へと高度を稼ぐ。
足場はしっかりしており、滑りにくい岩質なので何の心配もいらない。この先では斜めに配置された鉄製のハシゴに取り付き、ハシゴの右側に配置された鎖を補助に進む。こちらも大して問題はなく、最後に岩場に埋め込まれた鎖を補助とし、わずかに高度を上げれば、横岳の山頂へ着く。ここで雲が晴れるのを待っていたが、なかなか雲は晴れない。
横岳を出発してハシゴを下り、尾根道へ着く。ここで先程すごい勢いで私を追い越していった若い女性が戻ってきた。いったいどこまで行って戻ってきたのか不明だが、歩行速度が早いことは間違いない。尾根道を下って登り返し、杣添尾根への分岐を通過、この先で登山道は尾根道から外れ、鎖やハシゴを使って左下へ下る。
石に彫られた大権現を眺めてガレた岩場を下り、今度は尾根を迂回し、鎖を補助に右下へ降りる。その後は少し水平道を辿り、最後は急登をたどって元の尾根道へ戻る。このあたりから周囲をガスが覆い、すこぶる視界が悪くなる。次に左下へ向かって急斜面の岩場を下り、中間地点からは鎖を補助に更に急な岩場を下る。
鞍部からはやはり鎖を補助に少しの坂を登り返すのだが、足下が狭いので注意を要す。やがて尾根道へ戻れば一安心だが、進行方向はガスに包まれていた。ここで小休止を取っていると突然前方が開け、雲の先に本日宿泊予定の八ヶ岳赤岳展望荘が現れた。ようやく現れた宿泊地に安堵した。
さて、鎖の渡された不安定な岩場を下り、更にハシゴを使って高度を下げる。鞍部からゴツゴツした岩場を登り返すと分岐へ到着、左下には地蔵尾根が続き、行者小屋から続く道が合流していた。この地点が地蔵ノ頭で、お地蔵様が置かれていた。地蔵ノ頭を出発、もう目の前には山荘が近い。わずかに進めば赤岳展望荘へ到着、荷物を部屋に置いて今日の内に一旦赤岳頂上へ向かう。
山小屋の左側を通り、赤岳方面へ進むが山頂へ続く尾根は雲に隠れたまま。岩の露出した道に入り、滑り易いガレ状の道を慎重にたどる。相変わらず前方は雲が覆っている。逆にこんな状況なら周囲の状況が解らず、危険箇所も解らず進むことができそうだ。
やがて前方に鎖の渡された急登が現れた。不安定な足場なので、落石が一番怖い。これは起こしても起こされても大変危険なところである。と、急に頭上が明るくなり、一瞬青空が覗いた。とても明るい風景だが、これは一瞬で消えた。さあ、これから山頂へ向かう急登に取りかかる。
鎖を補助として一気に高度を上げる。坂の傾斜が急な分、おもしろいほどに高度は上がり、急峻な岩場登りは無事終了、次は岩とハイマツの間を慎重に登る。ここでハイマツ側に体を預けると、ハイマツの枝で腕をこすって痛める場合があり、ハイマツからは一定の距離を置く。
やがて足下に『大日天子尊・大月天子尊』と彫られた石柱を過ごせば、目の前にはもう山頂が近づいている。わずかに岩場を下って登り返せば、赤岳頂上山荘前へ到着、ここは赤岳北峰で、ヘリコプターにより運搬された山荘の荷物が無雑作に置かれていた。県境尾根の北峰から更に南へ向かうとゴツゴツした岩場の赤岳山頂である。 赤岳山頂 山頂には祠が並び、手前に置かれた一等三角点は不安定に動いている。同行の大☆さんと山頂で記念撮影、その後しばらく山頂で晴れるのを期待したが、周囲は雲に覆われたままだった。山頂から展望荘までの下山は危険箇所も少なく、早足で下山した。 夕暮れ 午後4時前に山荘へ到着、山荘内で小休止の後、午後5時過ぎから夕食である。ここで偶然山口市のMさんと出合いびっくり。こんな遠くで出会うとは。話を聞けば、7日から赤岳の縦走を続けているとのことだった。夕食後は山荘にて遅くまで歓談が続いた。 天狗岳・根石岳 硫黄岳から眺める展望 横岳・赤岳 横岳 赤岳山頂 前の山 蓼科山 を見る 次の山 八ヶ岳(赤岳)二日目 を見る 登山口周辺の地図はこちら 長野県茅野市 八ヶ岳(赤岳) 登山口付近のMAP |