羽衣石山(うえしやま) 鳥取県湯梨浜町

2007年8月6日

羽衣石城登山口駐車場 →0:10→ 天然の塁壁 →0:20→ 羽衣石山(羽衣石城)

 →0:05→ 羽衣石 →0:10→ 羽衣の池 →0;10→ 羽衣石の八幡さん →0:05→ 駐車場

全歩行時間 1時間 0分

 道の駅犬挟にて午前6時前に起床、足の調子は昨日からほとんど改善されておらず、もう登ることができる山は羽衣石山しか残っていない。前回春の遠征時に登り残した因縁の山に、こんな形で向かうことは全く想像していなかった。湯梨浜町に入り、東郷湖付近の長和田地区から東郷湖に向かって流れる羽衣石川沿いに進んで羽衣石地区に入り、標識に従って橋を渡る。

道の駅 犬挟 蒜山は霞んでいる
羽衣石地区の標識 遠くに羽衣石城が見える

 遠くに羽衣石城が見えてきたのでようやく安心、今回は道を間違えていない。間もなく羽衣石城登山入口の標識を過ごし、急な坂道を進んで行くと整備された駐車場に到着した。駐車場にはモニュメントのような石碑が建っており、説明板には戦国時代の南条伯耆守の居城羽衣石城は、「ふるさと創生の1億円事業」で平成元年度に改築されたこと等が書かれていた。

羽衣石城登山入口の標識 ふるさと創生事業の説明碑

 ふるさと創世1億円事業とは懐かしい事業であり、このように石に彫られた文字は長く残るものである。さて、羽衣石山への登山を開始する。本日はとても暑く、午前10時を過ぎると国道9号の温度標識は30度を越えていた。リュックを担ぐと早速汗がしたたり落ち始める。

整備された駐車場、奥はトイレ 登山口の階段

 さあ登山道に入ろう、羽衣石城0.6kmの標識に従い階段道を通って山道に入る。木漏れ日の中を進んで行くと、とても涼しい風が吹いており、快適な山歩きとなる。普段使わないストックを使い、足を保護しながらゆっくりと進んで行くと、すぐに苔むした石の道が現れる。この道は歴史を感じさせる道であり、とても良い感じだ。但し、滑りやすいので慎重に進む。

木漏れ日の中 標識を見ながら進む

階段道を進むと苔むした石の道となる

 足下には100mごとに標識が置かれているので、自分がどの位置にいるのかを確認することができるし、本日の足の状態ではとても励みになる。間もなく右手には羽衣石城の天然の塁壁が現れる。

 説明板には、「羽衣石城は南条氏が要害の地を選んで築いた山城で、近世の城に見られるような石垣はあまり見られません。この岩も人が垣いた石垣ではなく自然のものですが、城の出入の重要な位置にあるので、敵の進攻をくい止める塁壁として、また出入する人を検問する場所としてこの岩が利用されたと考えられます」と書かれている。

天然の塁壁

 この付近は丁度山頂までの中間地点となり、この先からは急な階段道を登ることになる。約100m程度続く階段を登り切ると、周囲に竹林帯が広がり、やはり急な坂道を登って行くと道は右に向き、更に左に折り返すようになると、もう山頂までは残り100mとなる。すぐに桜の木や紅葉の美しい場所を過ごすと、もう高台は目の前となり、最後の階段道を踏ん張ると、広場の向こうに羽衣石城が見えてきた。

急な階段を登る 竹林帯を振り返る
もう羽衣石城は目の前 羽衣石城の石碑

羽衣石城の歴史

 羽衣石城の歴史に書かれた内容をゆっくりと眺め、この城に対する知識を仕入れた後、お城に向かう。羽衣石城は立派な天守閣を持ち、屋根の上には金のしゃちほこの立つ美しい城である。お城の周囲にて記念写真を撮った後、下の展望台に向かう。

羽衣石城

羽衣石城手前の広場

 展望台には無料の双眼鏡が設置されており、眼下に広がる湯梨浜町の展望を楽しむことができる。少し霞んでいるのが残念ではあるが、東郷湖も霞の中で墨絵のように美しい。西方面には前回間違えて登ったアンテナ山も確認、前回あのアンテナ山からこの城を眺め、地団駄を踏んだことも懐かしい思い出である。

羽衣石城下の展望台

展望台 展望台から見上げる羽衣石城

 今日はゆっくりの山歩き、ちょうど昼になったのでおむすびを頬張り、その後には美味しいコーヒーを煎れてゆっくりと休憩を取り、久しぶりの1日1山を満喫する。眼下に広がる東郷湖を眺めながらのコーヒータイムは格別である。東郷湖の北方面には前回泊まった道の駅も確認、このように位置関係を確認できるのもゆっくり登山の楽しみである。

東郷湖方面の展望

 十分に休憩を取ったのでいよいよ下山を開始する。痛む足には下山がとても辛いので、ゆっくりと下りて行くことにする。階段道は最初から急坂なので、ストックにより負担を少なくしながら下りて行く。かわいい花を見つけるたびに写真を撮りながら下りて行くと、間もなく急な斜面の先に大きな岩を確認、これが有名な羽衣石のようだ。

花を見ながら下りる

羽衣石

 あまり近すぎると全景が見えないため、梯子で下に下りて羽衣石を眺めるように配慮してある。改めて羽衣石を眺めるとその大きさにびっくり、いったいどこに羽衣を掛けていたのだろうか。羽衣石の下にはお宮が祀られてあり、このお宮も天女に纏わるもののようである。羽衣石の説明板には次のように書かれていた。

 昔、この山に天女が舞い降り、大石に羽衣を掛けて麓の池で入浴をしていました。そこへ、山里の農夫が通りかかり、羽衣を持ち去ってしまいました。天女はそれに気付き、羽衣を返してくれるよう願いましたが聞き入れてくれませんでした。天女は羽衣がないので天上に帰ることができず、やむなく農夫の妻となりました。後、二人の子供が産まれました。その子供に羽衣の隠し場所を聞き出し、羽衣をまとって天に昇っていったと言うことです。子供は泣き悲しんで、太鼓と笛で音楽を奏で、天女を呼び戻そうとしましたが、ついに帰りませんでした。その天女の降りた山を「羽衣石山」、太鼓や笛を鳴らした山を「打吹山」(倉吉市)と呼ぶようになったと言われています。羽衣石の下に天女の祠を祀り、毎年5月5日を祭日としています。

天女のあしあと 長く続く階段を下りる

 羽衣石を眺めた後、左手に「天女のあしあと」を過ごし、ジグザグな道を下りて行く。長く続く階段道を下りて行くと左手に急傾斜を過ごし、その先では「羽衣の池」への標識を見つける。羽衣の池に向かって行くと、この先は階段道を登ることになるので少し苦労する。辛抱しながら階段を登って行くと、すぐに「お茶の水の井戸」に到着、説明板を見た後、しばらく池を眺める。

休憩舎を過ごす 羽衣の池への標識
羽衣の池への階段 羽衣の池

「お茶の水の井戸」の説明

 羽衣石城の貴重な飲料水として警備されていたもので、羽衣石南条記に「清水、北洞より湧き出、大干魃といえども乾くことなし」と記されています。「この井戸を汲み干すと大雨が降る」との言い伝えから、干魃の年には下流の農民がやって来て、目的を果たして帰ると言われています。昔、天女がこの井戸で水浴している間に羽衣を農夫に奪われてしまった伝説は有名です。

 お茶の水の井戸を出発、元の道に戻り更に下山を続ける。周囲の緑を満喫しながらゆっくりと下りて行くと、「羽衣石の八幡さん」の標識に導かれて八幡さんに向かう。緩やかな坂道を進んで行くと、すぐに八幡さんの祠に到着、登山の無事とこんな膝の状況で無事ここまで到着できた事に感謝する。

八幡さんへの分岐を左折する 八幡さんの祠へ参拝

 八幡さまの祠から元の道に引き返すと、もう駐車場はすぐ近くだ。少し降りると登山口の駐車場に到着、無事に一週周りの羽衣石城の散策を終了した。駐車場は暑いので急いで着替え、リュックを車に入れて登山口を出発、少し下の登山入口の場所から羽衣石城を見上げる。やはり一旦山頂に立てばどこに居たのかと言うことがよくわかる。山頂が確認できたので、いよいよ次の目的地の湯原温泉に向かう。

駐車場に到着 最後に打吹山を眺める

 一般道に出て倉吉を出発、途中では正面に打吹山を眺め、再び国道313号を通り、道の駅犬鋏を通り過ぎる。この道は何回も通っているようだ。そのまま一路湯原温泉に向かって進み、午後2時半頃温泉地に到着、最奥の河原にも駐車場があったのだが、本日を休みと勘違いしており、最初の河原に車を置いて進んで行く。これでは少しも足のためになっていないようだ。しばらく歩くと左手に空いている駐車場を過ごし、その先で車両は通行止めとなり、砂湯に向かう道となる。

駐車場の足湯 砂湯に向かう

 遠くにはダムが広がり、よく写真で眺める景色が広がっておりとても嬉しくなる。いよいよこれで奥津・三朝・湯原と無料の三湯を制覇することになるのだ。名泉砂湯の石碑を正面に見て、石畳を下りて行くとすぐに露天風呂に到着、右手の脱衣所にて服を脱ぎ露天風呂に入る。泉質はヌルヌルのアルカリ泉、とても大好きな温泉なので大満足、明るい日差しを浴びながらの温泉は最高である。

ダムに向かう 砂湯への入口

 露天風呂は3ヶ所あり、子宝の湯・長寿の湯・美人の湯と分かれている。いずれもちょうど良い温度でしばらく湯船に浸かっているとポカポカしてくるので、膝の痛みも吹き飛ぶような感じがする。しばらく温泉にて温まった後、砂湯を後にする。最後に有名な砂湯に入れたことで今回の遠征は大満足の成果となった。

湯原温泉 砂湯

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 鳥取県湯梨浜町 羽衣石山 登山口付近のMAP

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