打吹山(うつぶきやま) 鳥取県倉吉市

2007年4月29日

打吹山

参考コースタイム

倉吉市役所 →0:10→ 鎮霊神社 →0:10→ 最初の展望台

 →0:05→ 正面展望台 →0:10→ 備前丸 →0:10→ 打吹山山頂

 →0:15→ 鎮霊神社 →0:10→ 倉吉市役所

全歩行時間 1時間10分

 鳥取市鹿野町の鷲峰山を出発、途中で三朝町の三徳山三仏寺投入堂を遙拝所から眺めた後、県道21号を西に向かう。三朝トンネルを抜け国道179号に入り、倉吉方面に向かって北上し、打吹山の登山口である倉吉市役所に向かう。倉吉市役所の駐車場に車を置き、打吹公園に向かっていると、公園は丁度春祭りの最中であり、提灯が沢山飾られていた。

打吹公園入口 羽衣池

 公園手前には羽衣池があり、池の手前の説明板によると、この池は明治37年の打吹公園造園と同時に築かれたもので、池の名前は市政30周年の年に名称を公募、打吹山の天女伝説にゆかりの「羽衣池」が選定されたとのことである。

 打吹山の天女伝説とは・・・

 農夫に羽衣をうばわれた天女が人間と契って、二人の子をもうけた後に羽衣をさがしだし、山麓の神坂の井戸のほとりから、ふたたび昇天した、二人の子供は悲しみ、天女が音楽を好んでいたところから山上で鐘を打ち、笛を吹いて奏楽をしたことから、この山を「打吹山」と呼ぶようになった。なお、天女が羽衣を干した羽衣石は市内東町の大岳院にあり、羽衣池の跡もそのあたりにあったといわれています。(以上倉吉市の説明板より)

博物館 「椿の平」と書かれた石碑を過ごす

 美しい羽衣池を眺めた後公園に向かう。階段道を登ると左手に博物館、右手には大きな木を見ることが出来る。「椿の平」と書かれた石碑を過ごして階段を上がり、分岐を右に取り、長谷寺方面の遊歩道を進む。足下にいくつかの花を眺めながら進んでいると左右には早咲きのツツジの花が美しい。

分岐を右に取る ツツジを鑑賞

 間もなく右手に鎮霊神社が見えてきたので沢山のお願いをする。神社に参拝した後、分岐を左に取り、更に長谷寺方面に向かって進む。整備された遊歩道の周囲にはイカリソウが咲き、目の前にはスダシイの林が広がっている。遊歩道沿いの花を眺めながら進んでいると最初の展望所に到着、展望所から北方面の展望を眺める。

鎮霊神社 遊歩道を左に進む
最初の展望所 展望所から眺める景色

 展望所から下りて美しいツツジを鑑賞し、更に遊歩道を進んで行くと長谷寺分岐の先に越中丸と呼ばれる場所に着く。説明板によると越中丸は安土桃山時代に打吹城の出丸として築かれ、当時の打吹城は羽衣石(東郷郡羽衣石)を本拠とする南条氏の支配下にあり、南条備前守、山田越中守、小鴨元清の三人が城番として派遣されていたそうだ。この三人は打吹城の改修を行い、それぞれ中心となって築いた場所は、備前丸・小鴨丸・越中丸と呼ばれており、越中丸からは西の展望が美しい。

八重桜が美しい 越中丸から西の展望

 少し山頂方面に戻ると二階建ての正面展望台が見えてきたので登ってみる。時刻は午後5時半を過ぎており、西方面には西日が眩しく、しかも霞んでいるので遠くまで見晴らすことは出来ない。これに対して北方面には倉吉の市街を見晴らすことが出来るので、しばらく展望を楽しむことが出来た。

正面展望台から倉吉市街の展望

 少しずつ夕暮れが近づいており、山頂に向かって進むことにする。展望台を下りて東方面に少し進むと頂上への標識が立ち、標識に従って整備された遊歩道を進んで行く。足下にイカリソウを眺めながら進むと左手の木の中にお地蔵様が鎮座されていた。丁度夕陽がお地蔵様に差しており、とてもすてきな光景である。

春の花を観賞 木の中に鎮座するお地蔵様

 少し進むと山頂と博物館の分岐標識が立ち、同じ場所に平成19年1月に設置された「打吹山の樹木と語る」という説明板が掲示されていた。「三月、タムシバの純白な花で春を知らせる打吹山は、標高二○八米、面積二五・四ヘクタールの秀麗な独立峯で、俗に伯耆の小富士とも言います。」で始まる文章は見ていてとても勉強になる。

打吹山の樹木と語る

広い備前丸に到着

 分岐を出発、山頂を目指して進んでいると3分で広い備前丸に到着する。肥前丸を過ぎ明るい道を進んで行くと青葉がとても美しい場所を過ごす。その先の分岐は右に取り、更に進むこと5分で広く平坦な打吹山の山頂に到着した。

備前丸の説明板 青葉が美しい

打吹山山頂風景

 山頂には平成19年1月に倉吉市により設置された「打吹山を楽しむ」の説明板が立っており、昭和61年に「森林浴の森百選」に選ばれたことなどが書いてある。広い山頂の北側には打吹城址の石碑が置かれ、打吹城についての由緒などが石碑に彫られている。山頂にてゆっくりと静かな時を過ごしたのでそろそろ下山を開始する。

打吹城址の石碑 山頂に立つ説明板(写真をクリックすると拡大)

 博物館への標識に従い東方面の階段を下りるとすぐに分岐の標識を見る。陸上競技場への標識が東に向かっており、陸上競技場に行くと遠回りのような気がしたので真っ直ぐ下に下りる道を取る。ところがこれは間違いである。

 正しくは陸上競技場方面に向かう方向で、この先には武者溜まり・展望所があり、快適な遊歩道を歩いて博物館に下りることが出来るのだが、私は本来ガイドブックを最小限しか見ないことが多いので、このような間違いを頻繁に起こしている。

打吹山山頂を出発 道が細くなり、急な斜面となる

 今回も山頂から真っ直ぐ下山する道を通ったものだから、次第に道は細く急な斜面となり、途中で倒木に出会い、障害物競走と同じような状況となってしまった。最後にはツツジの茂る藪道を強行突破、まだ草木の茂る前なので何とか通り抜けることが出来た。

障害物競走 鎮霊神社の少し上付近
周囲にはシャカが満開 ツツジの茂る藪道を突破

 藪を通り抜けて出た先は最初に通った鎮霊神社の手前であり、そのまま博物館に向かって引き返す。博物館を左下に見て右上にはすもう場・武者溜に向かう階段が見えている。本来この道を下ってくるはずだったのに・・・、と階段上を見上げる。

この道から下りてくるのが正解

 時刻は既に午後6時を大きく回っているので再び登ることは諦め、羽衣池の散策をすることにした。薄暮の中、春祭りの提灯に灯が灯る中、風情のある景色が広がっている。早咲きのツツジの咲く庭園をぐるっと一周し、登山口の駐車場に戻り打吹山の散策を終了した。

 なお、打吹公園は、大正天皇が皇太子の時、山陰に来られたことを記念して明治37年に造園されたものであり、園内には大正天皇ゆかりの飛龍閣・動物園等がある。打吹山に行かれた際に時間が許せば、周囲の施設を観光されることをお勧めする。

公園の大木 ツツジの咲く庭園

 これから先はツツジが満開となり、公園の春祭りは更ににぎやかとなりそうだ。最後に薄暮の打吹山を振り返り、駐車場を出発、本日も三朝温泉の河原露天風呂に向かい、橋の横から河原に下りて昨日同様露天風呂に入る。この露天風呂は大盛況で、10人程度の入浴客と一緒にしっかりと温まり、最後に上の46度の温泉に浸かって露天風呂を出た。三朝温泉は本当に体がぽかぽかする温泉である。

春祭りの提灯に点灯 夕暮れの打吹山

 三朝温泉を出発、本日の宿泊予定場所である道の駅の「蒜山高原」を目指す。三朝温泉から何度も往復した県道22号・国道179号を走り倉吉市内を抜ける。本日最後に登った打吹山を左に見て国道313号を南下、途中には道の駅犬挟もあるのだが、この道の駅は通過し、国道482号に入り、途中から少し蒜山寄りに北上、蒜山道路内にある道の駅蒜山高原に到着した。

鎮霊神社の大木

スダシイ

最初の展望所

途中で見た花

越中丸から西の展望

正面展望台から倉吉市街

打吹山山頂

羽衣池

 前の山 鷲峰山 を見る

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 鳥取県倉吉市 打吹山 登山口付近のMAP

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