三徳山 投入堂(みとくさん なげいれどう) 鳥取県三朝町

2007年4月29日

三徳山 三仏寺投入堂

参考コースタイム

三仏寺入口 →0:05→ 三徳山入峰修行受付所 →0:25→ 文珠堂

 →0:05→ 地蔵堂 →0:05→ 投入堂  →0:05→ 地蔵堂 →0:05→ 文珠堂

 →0:20→ 三徳山入峰修行受付所 →0:05→ 三仏寺入口

全歩行時間 1時間15分

 本日4月28日(土曜日)は午前中仕事、いよいよ午後から2007年のGWが始まる。今回の楽しみは岡山県の奥津温泉と鳥取県の三朝温泉、この二つの有名な温泉に入るつもりだ。

 柳井を午後4時前に出発、玖珂インターから山陽自動車道に入り、中国自動車道を走り、岡山県の院庄インターに着いたら午後7時半だった。コンビニにて食料を沢山買い込み、そのまま国道179号を走り最初の目的地、奥津温泉に到着。ここには名物の足踏み洗濯場の温泉がある。橋を降りて行くと2名の先客が丁度温泉から出るところだった。奥津温泉の泉質はアルカリ特有のヌルヌル温泉でとても気持ちの良い温泉だ。

奥津温泉洗濯場 足踏せんたくの由来

 周囲を観察すると、入口側に洗濯場があり、その上に下湯と上湯の浴槽が配置されている。下湯はとてもぬるく、上湯が丁度良いお湯加減である。注意書きには下湯は「すすぎ」のみ使用可であり、上湯での「洗たく」「すすぎ」は禁止されていた。奥津温泉名物の洗濯場を独り占め、広い浴槽でゆっくりと温まったで次の目的地、三朝温泉に向かう。

洗濯心得を読む 奥津温泉洗濯場に入る

 三朝温泉では橋の下の河原露天風呂に向かう。この露天風呂も奥津温泉と同じように橋の横から下りて行くことになる。こちらは大盛況で10人以上の人が河原の温泉に入っていた。遠慮しながら端っこから入り温まる。川の上流側の湯には誰もいないので移動してみるとこちらは少し熱めの温泉、源泉の温度は46度もあるそうだ。しばらく熱い温泉に入りポカポカしてきたので温泉を出る。

三朝温泉 河原露天風呂

 次は三徳山三仏寺の下見に向かい、駐車場を確認したので湯梨浜(ゆりはま)町にある道の駅の「はわい」に行くことにした。三朝温泉からは少し距離があるのだが午後11時過ぎには道の駅に到着、ゆっくりとくつろぐことが出来た。

道の駅「はわい」 東郷湖

 鳥取県遠征の翌日は平成19年4月29日、道の駅「わ・は・い」にて起床、朝食後に道の駅を散策すると高台から南方面には東郷湖が美しく、西には倉吉の市街、海岸沿いには風力発電の施設が立ち並んでいる。ゆっくりと道の駅を散策後、昨年開山1300年祭を迎えた三徳山三仏寺の投入堂に向かう。

風力発電施設 日本海が美しい

 国道9号から国道179号を経由して三朝温泉方面に向かう。三朝橋の上から朝の河原露天風呂を眺めると、もう数人が入浴していた。さすが人気の露天風呂である。県道21号を西に向かうと「洗心のみち」の標識とその先には大鳥居が立っている。

大鳥居を潜る 不老長寿健康の水

 鳥居を潜り進むと右手には不老長寿健康の水を頂くことが出来るのだが、これは帰りに頂くことにして更に先を進む。三仏寺への入口を右手に過ごし、標識に従い駐車場に車を置き、いよいよ三仏寺に向かうことにした。

 本日の装備品は最低限とし、カメラとGPS・三脚を小さなリュックに入れ、赤い虹鱒橋を渡り、階段を登って県道に着く。少し県道を三朝温泉側に戻ると、中国観音霊場第31番札所三徳山三仏寺への入口に到着した。三仏寺への参拝時間は午前8時より午後5時、奥院投入堂参拝受付は午後3時までと木の杭に書いてある。

三徳山三佛寺入口 シャクナゲを観賞

 石段道を登って行くと右手にはシャクナゲの花が咲いておりピンクの花を眺めながら進むことが出来る。正面の突き当たりを左に向かい、石段を登ると参拝者受付案内所の納経所を見ることが出来る。案内書にて拝観料400円を支払うと領収書代わりに厄除祈願のお札と三徳山の案内図を頂いた。

参拝者受付案内所の納経所 中国49薬師霊場第43番札所の智成院

 案内所を出発すると右手には中国49薬師霊場第43番札所の智成院、左手には正善院、その先の右手には輪光院と由緒ある建物をゆっくり眺めながら進んで行く。輪光院には百八煩悩転生大念珠があり、念珠を引くと「カチカチ」と音がするのでいろいろなお願いをする。

正善院 輪光院
百八煩悩転生大念珠 水琴窟

 更に上には手水鉢を兼ねた「水琴窟」がありお地蔵様に水をかけると美しい音色が聞こえた。反対側の宝物殿は帰りに寄ることにして階段を登ると右手に三仏寺、左手には本堂を見る。朝日の眩しい本堂に参拝、本日の登山の無事を祈願する。本堂の右上には地蔵堂が見えるのだが、この時点ではまだ気がついていない。

三佛寺 本堂に参拝

 右手の地蔵尊七福神を過ごして本堂の右を回り込むと三徳山入峰修行(国宝投入堂参拝登山)受付所に到着、入山料の200円を支払い、住所・氏名・電話番号を入山届けに記入、同時に靴の底を見せて入山の許可を頂き、六根清浄と書かれた和袈裟を肩に掛けていよいよ国宝投入堂に向けて出発する。

三徳山入峰修行(国宝投入堂参拝登山)受付所 朱の扉に向かう

 六根とは人間の感覚器官である眼・耳・鼻・舌・身(身体)・意(心)を指し、六根清浄とは霊山に登ることにより、俗世間の汚れを落とし、心身共に清浄になると言う意味らしい。入山受付所を出て少し下ると朱の扉の門を潜る。いよいよ修験者の道に入るのだと思うとワクワクしてくる。

宿入橋を渡る 自然が美しい

 門を潜るとすぐに朱の欄干の宿入橋を渡る事になるのだが、宿入橋の先には手つかずの自然が美しい。左手に大きな石碑を過ごし坂を登ろうとすると前方よりもう降りてくるご婦人がいた。この方は途中で登るのを諦めて降りてきたようだ。

左に石碑を過ごす 木の根っこの道

 すぐに木の根っこの道となり、手始めにひと登りすると正面に十一面観音堂(野際稲荷)を見る。十一面観音堂の左手より参拝道は続いており上を見ると木の根っこの道を登って行くようだ。これが有名なかずら坂なのだろう。昨日までテレビで見ていた場所を今歩いていることを実感し、とても嬉しくなる。

十一面観音堂(野際稲荷) かずら坂

 木の根っこに捕まりながら三点確保の要領にて慎重に登るのが嬉しくてたまらない。かずら坂の急な斜面を登るのが楽しくて、いつまでもこの坂道が続いて欲しいと思うが、間もなく滑りやすい岩道に代わった。また少し岩の道を進むと再びかずら坂となる。

かずら坂が続く

 下からかずらを眺めるのがとても良く、慎重に根っこに掴まって登って行くとかずら坂に到着、手当たり次第にかずらを掴みながら高度を稼いで行く。この付近には迂回する道もあるのだが、当然かずらに立ち向かって行くことにした。

かずら坂から下を見る 大きな杉の木

 かずらに手を掛けながら慎重に坂を上ると大きな杉の立つ場所を過ごすことになる。大きな杉の木に感心し、しばらく杉の木を見上げていたが、後続の参拝者が迫ってきたため、滑りやすい坂道を慎重に登って行く事にした。滑りやすい石の道なので落石を引き起こさないよう気をつけて登って行くと再びかずらの道を通ることになり、その先では石段のような道を登ることになった。

ふたたびかずら坂 石段の道

 四丁の石碑を過ごすと周囲に青葉が美しく、青葉の向こうには文珠堂が見えてきた。この付近は岩の道となり、間もなく岩の下に床柱の沢山立つ文珠堂の真下に着いた。文珠堂を下から見上げると何とも言えない素晴らしい景色だ。よくこんな建物を作り上げたものだと感心しながら床柱の下から文珠堂を見上げる。

青葉の向こうに文珠堂 岩の道を見下ろす

 文珠堂の左手下からは真っ直ぐ文珠堂に登るための鎖が渡してあるので、鎖の助けを借りながら岩場を登って行く。すぐに文珠堂に到着、文珠堂には帰りに寄ることにして先に進む。

文珠堂を見上げる 文珠堂への鎖の道
文珠堂 投入堂方面

 正面には投入堂の周辺が見えているのだが、投入堂自体は樹林に遮られて見ることが出来ない。文珠堂の岩場を降りて再び岩の坂道を登り返すとそこが地蔵堂である。地蔵堂も素晴らしい建物であり、帰りに寄ることにする。

地蔵堂 地蔵堂の柱

 更に坂道を進んで行くと地蔵堂の先には鐘楼堂が立ち、鐘を一回突いていろいろなお願いをする。鐘楼堂を過ぎると細い岩の道となり、いわゆる馬の背・牛の背と呼ばれる場所を過ぎる。こんな場所を通っていると、今修験者の道を通っていることを実感する。

鐘楼堂 馬の背・牛の背

 足下の踏み跡はとても白く、神聖な場所なのだろうと勝手に思いながら進むと、目の前には鎌倉時代の春日造り、投入堂と同じく慶雲3年(706年)創建と伝えられている納経堂が見えてきた。

足下の踏み跡はとても白い 納経堂

 納経堂の先には正保5年(1648年)鳥取藩主池田光仲により再建された観音堂が自然の岩の下に建っている。観音堂の右手後ろを通って進んで行くと、その先には元結掛堂が立ち、少し進んで振り返ると観音堂が岩の中に入っている。これはとても素晴らしい光景である。

岩窟の中観音堂 観音堂の先の元結掛堂

 このあたりであまりの素晴らしい景色に感動、ワクワクしながら進んでいると左足を踏み外して左側の谷に落ちそうになってしまった。危ない危ない、こんな所でみっともない事態になっては大変だ。この先慎重に角を右に向くと、それは突然やってきた。

国宝 投入堂

 国宝投入堂、素晴らしい展望だ。あまりに突然の出会いにびっくり、その厳粛な姿に声も出ず時間が止まったように立ちつくす。右手に投入堂、左に愛染堂、左右非対称のこの建物は慶雲3年(706年)役行者が法力で岩屋に投げ入れたと言われ投入堂と人々は呼ぶようになったと伝えられている。

不動堂 清水が流れている

 法力でなければこのような場所にこのような建物が建つ説明がつかないようだ。投入堂の右手には不動堂が立ち、我々を見守っているかのようだ。投入堂の上を見ていると陽差しの中に清水が細く流れ落ちていることがわかり、その光景がまた素晴らしく、神聖な場所の御神水を我々が浴びているようで、この場所に立つととても幸せになれるような気がする。

三徳山三仏寺投入堂 岩屋からのご神水

投入堂を出発する

 しばらく時を忘れて投入堂の前に座り込み、飽くことなく投入堂を眺めた後、いよいよ国宝を後にすることにした。岩窟の下に立つ元結掛堂・観音堂・納経堂を過ごし、牛の背・馬の背付近から上を眺めると名残の桜が美しい。

名残の桜を鑑賞 地蔵堂を見上げる

 鐘楼堂・地蔵堂を過ごした先からあすなろの木を見て地蔵堂を見上げる。そうだ、地蔵堂の縁側を通るのを忘れていた。急いで地蔵堂まで戻り、靴を脱いで地蔵堂の周囲を歩くことにする。狭い縁側を歩いて行くと周囲には素晴らしい展望が広がっているのだが、なにせ立つ場所が狭く、背後の壁にすがりながら慎重に地蔵堂を一周回る。ドキドキしながら眺める展望は格別である。

地蔵堂からの展望を楽しむため縁側に向かう

地蔵堂の縁側からの展望

 靴を履き、地蔵堂から下り、もう一度岩道を登り返した先に文殊堂が待っているのだが、この岩道は片側交互通行となっており、交通整理をする方の指示に従う。岩道を少し登ると目の前には文珠堂、今度は文珠堂の縁側に行き周囲の展望を楽しむ。やはり素晴らしい展望だ。ところが反対側から来る人もおり、縁側途中で鉢合わせをしてしまった。

文珠堂の縁側からの展望

 仕方がないのですれ違うのだが、何せ縁側から落ちれば大惨事となる。ここは四つん這いになってすれ違うことになった。これは素晴らしい体験で、ついでに縁側での記念写真を撮って頂いた。

文珠堂の縁側 文珠堂から鎖を伝って下りる

 文殊堂の縁側からゆっくりと周囲の展望を満喫した後、文珠堂を出発する。文珠堂からは鎖の道を下りて行き床柱を眺めながら周囲を散策、西の端には白い花が咲いておりとても綺麗だ。文珠堂の床柱には昔の木も残っており、その建築技術の素晴らしさに感激しながらいつまでも文珠堂を眺める。

文珠堂の柱 白い花

 岩の上に立つ文珠堂を振り返った後、いよいよ文珠堂を出発、途中にはイカリソウを眺めながら急なかずら坂を下りて行く。時刻は午前10時を過ぎており、かずら坂にてすれ違う人々が少しずつ増えてきている。かずら坂を下りる方は適当に道を迂回しながら下りるのでほとんど停まることなく下りるのだが、登る方はしっかりした足場やかずらを掴んで登るためそろそろ渋滞が始まっているようだ。

ツツジ イカリソウ
かずら坂は渋滞中 宿入橋に戻る

 間もなく十一面観音堂に到着、この付近からかずら坂を眺めると、少しも前に進んでいないような感じを受けた。少し下りるともう宿入橋、修験者の道も間もなく終了だ。宿入橋の上から周囲の自然を眺めた後、朱の扉を通って入山受付所に戻る。

 受付所にて10時14分の下山時刻を記入、六根清浄の和袈裟をお返しし、三仏寺の本堂に登山の無事を報告する。本堂手前から本堂の裏を見上げると先程まで居た地蔵堂を見ることが出来た。あの場所をから下りてきたのかとまた感激する。

本堂の右上に地蔵堂を見ることが出来る

 三徳山へ登る際、飲み物を忘れていたため、本堂で御接待のお茶を頂く、とても美味しくて、立て続けに三杯ごちそうになった。左右に立派な狛犬の立つ本堂を眺めた後、階段を下りて右手の宝物殿に向かう。宝物殿の見学料は拝観料に入っているので、改めて料金を支払う必要はない。

立派な狛犬 宝物殿

 宝物殿にて「美徳山三佛寺境内絵図」等を眺める。宝物殿の中での圧巻は金剛蔵王大権現、平安時代に作られたものらしく、役(えん)の行者により国宝投入堂(蔵王殿)の本尊として安置されていたそうだ。館内は撮影禁止なのでここに写真を紹介することは出来ないが、説明には「降魔をあらわす忿怒(ふんぬ)形相にて足を上下に踏んまえ、天地遍現の相を示している」と記されていた。

十二支のお地蔵様 池の花

 宝物殿を出発、輪光院に立ち寄り、左手に並ぶ十二支のお地蔵様にお参りし、シャクナゲの咲く奥の池を散策する。ここには三徳山大南天もあり、食事をしながら池や南天を眺めることが出来るようだ。池の周囲の花を観察した後、輪光院を出発、正善院・皆成院を経由しながら降りて行く。

 降りる途中で三徳山全図を眺める。登った行程を頭に描きながら地名・名所を頭に書き込む。目を閉じれば歩いた光景がもう懐かしい。しかもまだ三徳山の麓にいるのだ。このように山に登った光景を、下山中に思い出すことも私は大好きだ。

 最後に参拝受付所を過ぎ、階段を下りて県道に着く。舗装道をゆっくりと戻り、虹鱒橋を渡り駐車場に到着、三徳山三仏寺の投入堂への山旅が終わった。車に乗り込み、次の目的地「国宝投入堂遙拝所」に向かう。

 県道に戻り、三叉路を左折し少し進むと遙拝所に到着、下から投入堂の方面を眺めていると遠くに投入堂が見える。遙拝所には望遠鏡が設置されており、周囲の人々は望遠鏡を眺めながらえー!、あんな所・・・、行けんよねぇー!と話している。でも、あんな所に行ったんだ!。

遙拝所と遙拝所から眺める投入堂

 登ったところを下から眺めることが出来るなんて感激だ。しかもそれが国宝投入堂、昨年開山1300年を迎え、いったい今まで何人の人がこの山に登り、投入堂を見たことだろう。そして今日私もその一人の仲間入りをしたことになる。そう考えているとだんだん嬉しくなってきた。この山に登って本当に良かったと心から思える場所がこの遙拝所である。

かずら坂

文珠堂

地蔵堂

投入堂

 

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 鳥取県三朝町 三徳山 投入堂 登山口付近のMAP

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