燕岳(つばくろだけ)・安蔵寺山(あぞうじさん)奥谷登山口より往復登山 島根県津和野町・吉賀町

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2002年 6月16日の安蔵寺トンネルコースを見る

2003年 6月29日の安蔵寺トンネルコースを見る

2010年9月26日

奥谷駐車場 →0:28→ 打原峠 →0:23→ 燕岳 →0:17→ 打原峠

 →0:19→ 高鉢分かれ →0:23→ ナラ太郎 →0:22→ 芦谷合流点

 →0:28→ 安蔵寺中峰 →0:10→ 安蔵寺山山頂 →0:04→ 展望地

 →0:05→ 安蔵寺山山頂 →0:49→ ナラ太郎

 →0:35 →打原峠 →0:12→奥谷駐車場

全歩行時間 4時間35分

 島根県の山(山と渓谷社)に掲載されている山の中で、唯一残っているのが安蔵寺山の横に聳える津和野町の燕岳。いつか登ろうと思いながら、登山口までの未舗装道が心配なので、なかなか行く機会がなかった。ようやく先週向かう決心がつき、登山口へ。

 ところが登山開始と同時に雨が降り始めたので撤退。そして本日、二週連続でこの燕岳へ向かうことにした。山口県の岩国方面より国道187号を北上、県境を越えて島根県吉賀町に入れば正面に大岡山の端正な姿が見えてくる。そのまま吉賀町のメインストリートを通過、七日市を越え旧柿木村に入ると、分岐の目印である木部谷温泉松乃湯の看板が見えてくる。この分岐を右折し、道なりに東へ進む(大きな車の場合は、津和野町「旧日原町」の左鎧地区に立つ安蔵寺山登山口の案内に従い進めば少し道幅が広いかも知れない)。

木部谷松乃湯の看板を見て右折 分岐は直進方向へ

 一時的に未舗装道を通過するが大した距離ではなく、すぐに舗装路に戻る。この先の分岐を直進方向へ進むが、右折すれば安蔵寺山への最短距離、安蔵寺トンネルの登山口へ向かうことができる。なお、この分岐の左にはお地蔵様が鎮座されている。

分岐に立つ案内 分岐横に端座されているお地蔵様

 さて、今回目指すのは津和野町の奥谷口であり、分岐は直進方向に進む。分岐の中央には安蔵寺山登山口・杣の里よこみちの案内が立っているので間違える事はない。そのまま道なりに進むが、対向車が来た時に、どこで離合すればよいかを考えながら走ると良い。一般的には、カーブの場所が少し広くなっている。

高嶺橋を渡り右折 杣の里よこみちを過ごす

 進行方向に民家が見えてくると、合流点は近い。横道川に架かる高嶺橋を渡り右折すれば、自然体験・宿泊交流施設の杣の里よこみちが見えてくる。奥谷口へは横道川沿いにつけられた県道189号匹見左鐙線を更に進む。すぐに民家は無くなり、橋を渡れば登山口まで5kmの案内を過ごす。

錆びついたバスを過ごす 登山口まで3kmは未舗装道を進む

 やがて左に錆びついた大型バスを過ごすが、このバスをここまで運ぶのは大変だったのだろうと思う。この先で橋を渡れば登山口まで3km、この先から未舗装道となる。砂利道なので慎重にゆっくり進む。やがて舗装された駐車場に到着、ここには水洗トイレも整備されている。トイレの横には東屋が建ち、その左には安蔵寺観音が鎮座されている。

舗装された駐車場 安蔵寺観音に参拝

 駐車場には広島ナンバーと筑豊ナンバーの車が駐車しており、先行の登山者が居ると言うことは、熊の生息域に入るのにとても心強い。安蔵寺観音にお参りして登山を開始。トイレの横につけられた階段を登る。この階段は、雨に濡れている場合、とても滑り易いので注意が必要である。

駐車場横の階段を登る 林道終点の登山口

 階段を登れば未舗装林道が続いており、そのまま広い砂利道を進むと直進方向は車が通行できないよう封鎖してある。なお、このまま封鎖してある直進方向へ向かえば、安蔵寺トンネルの手前に行くことができる。燕岳・安蔵寺山へは道なりに左方向へ進む。すぐに広い林道終点に着き、いよいよ登山道に入る。森の中に入れば右に堰堤があり、木製の橋を渡る。明るい林道終点から鬱蒼とした森の中に入り、全く別世界に入ったような印象を受ける。自然林はとても美しく、足下には名産のわさびが栽培されている。

木製の橋 自然林の下を進む

 気持ちの良い森の中につけられた坂道を進めば、間もなく沢を離れる。高度を一気に上げて行き、すぐにベンチの置かれた打原峠へ到着。峠の交差点は直進方向が七村口、右は安蔵寺山への縦走路、左が燕岳への登山道である。燕岳側にはかわいいお地蔵様が鎮座されており、本日の登山の無事を祈願する。峠から燕岳へは800m、休む間もなく出発する。

打原峠 峠のお地蔵様

 燕岳へ向かって一本調子の坂が続いているようだが、ゆっくり歩けば大丈夫。8月の富士山登山で学んだのは、歩いていれば必ず山頂に着くという当たり前の事である。右が自然林、左は笹原という気持ちの良い登山道が続いている。最初のピークの横には丸っこい石が置かれていた。

打原峠を出発 最初のピークに立つ石

 ピークから下りて再び登り返す。やがて周囲は檜の植林帯となり急な坂を踏ん張る。足下は滑り易い土質に変わり、滑らないよう注意の必要な場所を通過。この先で少し坂の傾斜がゆるみ一安心。進行方向は大きく右カーブを描き、この先で北方向へ進む。西に植林の間越しながら青野山や十種ヶ峰などが見えてくれば少し坂の傾斜も緩やかとなる。

左に植林帯、右には笹原が続く 山頂手前では西に展望が広がる

 やがて右側が開けてくると、燕岳の山頂に到着。これで島根県の山(山と渓谷社)の全ての山頂に到着することが出来た。燕岳の山頂の三角点にて記念撮影、これで山頂での儀式は終了である。山頂からは南に冠山や寂地山などを眺めることはできるが、木の間越しの展望である。

島根県の山(山と渓谷社)最後の山頂 燕岳

 

山頂から広がる展望(動画)

 山頂にて小休止の後、燕岳を出発。打原峠へ向かって下山を開始、途中の滑り易い急斜面では慎重に足を運び、無事打原峠へ到着した。時刻は午前11時、時間の余裕があるので安蔵寺山の山頂を目指す。なお、安蔵寺山の山頂まではこの打原峠から4.7kmである。

燕岳を出発 打原峠を通過

 峠を出発、尾根に向かって右側の山腹につけられた道を進む。すぐに登山道は左側に折り返し、尾根沿いを進む。頭上は自然林の青葉に覆われ、まさに緑のシャワーを浴びながら歩いている。広く歩きやすい道は何処までも続き、間もなく高鉢山分かれを通過する。

まさに緑のシャワー 高鉢山分かれの案内

 ここで案内に刻まれている数字に注目、奥谷口は@、打原峠はA、この高鉢山別れはBと刻まれている。なお、燕岳はJだったのでここだけは連続性が無い。おさらいをすると@奥谷口からAの打原峠まで500m、Aの打原峠からBの高鉢別れまでは900m、奥谷口からIの安蔵寺山の山頂までは5200m。なお、Aの打原峠からJの燕岳までは800mである。

ベンチの置かれた休憩所を通過 「七村峠」と「打原峠」は同じ場所?

 高鉢山分かれの先でベンチの置かれた休憩所を通過、薄日の射す笹原と自然林の風景は見ているだけで嬉しくなる。やがて新しい標識が現れ、七村峠から1300m、安蔵寺山頂まで3400mと書かれている。従ってこの標識に書かれている「七村峠」と「打原峠」は同じ場所のようだ。左右に笹の美しい場所を通過、やがて右に大岩が見えてくる。ここまで緩やかな登りが続いていたが、この大岩を越えれば坂を下り始める。

大岩を超えれば下り坂に入る 安蔵寺トンネルへの分岐

 植林帯を眺めながら緩やかな坂を下っていると、少しの登りが始まる。ピークを越え、少し下っていると山頂まで2800mの案内を通過、すぐに安蔵寺トンネルへの分岐に着いた。このトンネルを登山口とすると、最短ルートで安蔵寺山へ向かうことができる。私も過去2度の登山はこのルートを採っている。

ビニールシートに覆われたナラ太郎

 以前登ったルートと合流し、少し安心、更に坂を下ると、懐かしいミズナラのナラ太郎と対面する。久し振りのナラ太郎との対面を楽しみに進んでいると、ナラ太郎の様子がおかしい。近寄ってみると、なんとナラ太郎の根っこの部分にビニールシートが巻いてある。説明文によると、カシノナガキクイムシによる被害を防除しており、シートの被覆期間は6月から10月までで、シートに触れないようにと注意されている。がんばれナラ太郎、カシノナガキクイムシに負けるな。

気持ちの良い登山道が続く

 ナラ太郎を過ごして坂を登ると、もう一つの木にもカシノナガキクイムシ防除用のビニールシートが巻かれていた。この木を過ごすと山頂まで2700m、なかなか山頂までの距離が縮まらない。このあたりで日射しが戻り、まさに緑のシャワーを浴びながら森の中を進む。快適な道の先には山頂まで1800mの案内を通過、景色次第で足の運びも違うようだ。

安蔵寺山方面 坂を下る

 この先から少し坂を下り始め、前方には木の間越しながら安蔵寺山方面が見えている。急な坂を下った先の鞍部に到着、ここはDの芦谷合流点、山頂までは1600mである。時刻はお昼の12時を過ぎており、そろそろ昼食を摂る時間だが、山頂でゆっくり過ごすための時間節約。上り坂ながらカロリーメイトをかじりながら歩く。でもこれは失敗。カロリーメイトは、ぱさぱさしてのどごし悪く、お茶で飲み込みながらの昼食となる。

鞍部の芦谷合流点 左右に笹が目立つ

 平坦路に着き快適に進んでいると、北九州から来られた登山者と会い、ご挨拶をする。この方より、頭上にクマ棚があるとの説明を受けた。頭上を眺めると、ブナの枝が折られ、木の上に枝が沢山積まれたような場所を見つけることができた。足下にブナの実が散乱しており、何かあるとは思っていたが、クマ棚は初めて見た。このブナの上には何ヶ所もクマ棚があった。

下に落とされたブナの実 頭上にはクマ棚

 横にあるブナの幹を眺めてみると、クマの爪跡がくっきり残っていた。この木の上でクマがブナの実を食べていたことは間違いない。下に落ちているブナの実をかじってみると、ピーナッツのような味がした。ブナの実はクマの大好物なのかも知れない。

クマの爪痕 ピーナッツのような味のブナの実

 クマ棚の場所から少し進んでベンチを過ごせば、山頂まで900m標識を通過。左右を笹に囲まれた道を一旦下って登り返せばFの安蔵寺中峰、もう山頂までは500m。少し下った先からは、もう安蔵寺山が見えており、坂を下ればGの寺屋敷跡。山頂へは200mの位置である。

安蔵寺中峰から山頂までは500m 寺屋敷跡

 笹の広がる寺屋敷を眺めた後、坂を登る。頭上を樹木に囲まれながらの登山もいよいよ終盤、Hの二叉分かれを過ごせばIの安蔵寺山の山頂へ到着。山頂にはご夫婦1組と女性2名のグループが休まれていた。まずは安蔵寺観音に参拝、以前はまだ新しいと感じていた木彫りの観音様は、なかなか貫禄が出たように感じた。

安蔵寺山の山頂風景

山頂からの展望

山頂から眺める風景(動画)

安蔵寺観音 展望所へ向かう笹道

 山頂に引き返し周囲の展望を確認。本日は曇りがちながら、中国山地の山々がはっきりと見えている。南には小五郎山その先に羅漢山、左に容谷山と鬼ヶ城山、南西方面には大将陣、更に吉賀町の大岡山と築山が続いている。山頂での展望をゆっくり眺めた後、少し下の展望所へ向かう。

展望所より吉和冠山・寂地山・右谷山・鬼ヶ城山

羅漢山・小五郎山・大将陣山

 展望所5分の案内に従い、坂を下ればすぐに素晴らしい展望の場所に到着。曇りなのが少々残念だが、空気が澄んでいるので遠くまで見晴らすことができる。吉和冠山・寂地山・右谷山・鬼ヶ城山・容谷山・羅漢山・小五郎山・大将陣・大岡山・築山・盛田ヶ岳・鈴の大谷山・十種ヶ峰・青野山と懐かしい山々が一望である。

十種ヶ峰・青野山

 

展望地より眺める風景(動画)

 また、瀬戸内海と日本海まで見える展望に感激、晴れていてもここまで遠くまで見えることは珍しいと思う。ここでようやく落ち着き、カップヌードルの昼食を摂りながら、周南市より来られたご夫婦とお話をさせて頂いた。その後、荷物を整えて展望所を出発。再び山頂まで戻り、無人の山頂にて小休止の後、下山を開始。

 山頂出発は午後1時45分、この先周囲の景色を観賞しながらゆっくり歩きに徹する。途中でクマ棚を再度確認、遠くでクマを眺めるのは良いけれど、近くにいてはとても困る。クマ除けスプレーを握りしめながらゆっくり歩きを続ける。奥谷口へは午後3時22分に到着、山頂からの下山時間は1時間40分程度。登山口の駐車場に着くと、駐車場には廿日市から来られた女性が居られたので、少しお話をさせて頂いた。運良くというか、この頃より小雨がパラパラ。秋の天気は変わりやすいことを実感する登山だった。

打原峠

燕岳

快適な縦走路

ナラ太郎

クマの爪痕

クマ棚

安蔵寺山

小五郎山と羅漢山

安蔵寺観音

展望地

2002年 6月16日の安蔵寺トンネルコースを見る

2003年 6月29日の安蔵寺トンネルコースを見る

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 島根県吉賀町 安蔵寺山 登山口付近のMAP

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