三角山(みすみやま) 鳥取県鳥取市

2006年4月29日(土曜日)

ガイド本 中国百名山

登山開始 →15:31→ 山頂到着 →16:29→ 山頂出発

 →16:44→ 下山終了 17:24

参考コースタイム

登山開始 →0:58→ 山頂到着 →0:15→ 山頂出発 →0:40→ 下山終了

登山時間 1:53

 鳥取県東部の山、二上山から下りて時間を見るとまだ2時を過ぎたばかり、もう一山登る時間がある。次は鳥取市用瀬(もちがせ)地区(旧用瀬町)の三角山(みすみやま)を目指す。

 旧用瀬町には「雛送り」の伝統行事があり、旧暦の3月3日の雛祭りの日、男女一対の紙雛を桟俵にのせ、菱餅や桃の小枝を添えて、災厄を託して千代川(せんだいがわ)に流すそうだ。1年間無病息災で幸せに生活できるように願う情緒豊かな行事が今も残っている。毎年予約不要で参加する事ができるので、興味のある方はどうぞ。なお、来年(平成19年)の旧暦3月3日は4月19日木曜日となる。

 岩美町の二上山から県道37号・国道9号・53号と乗り継いで用瀬地区に向かってひたすら南下する。空を見ると雲行きが怪しい。今日は午後より雨が降るという天気予報だったがいよいよ雨が降るのか?、鳥取市内を走っている途中に大きな雨粒が落ちてきた。しまった!、これでは登れないかな・・、まあ近くまで行ってみよう、と言うことで用瀬に向かい智頭街道をひた走る。

 南の方面は明るくなっているのでこれが唯一の希望である。南下するに従いだんだん空が明るくなり、用瀬に着く頃には晴れて来た。用瀬地区に着きすぐに国道53号を左折、踏切を渡り三角山の登山口への坂道を登って行くと、前方に三角形の山頂を持つ三角山が見えてきた。地元では通称頭巾山(とっきんざん)と呼ばれているように鋭い尖峰の山である

尖峰の三角山 大きな鳥居を潜る

 まずは大きな鳥居を潜り、その先左手に弁天社を見る。この付近に智頭町から山菜取り来られた三人の方が居られたので三角山への道を聞くと、この先女人堂までは車が入るというのでそのまま車に乗って進み、三角山の登山口である女人堂に到着した。

大岩の前にある弁天社 三角山女人堂

 戦前までこの三角山は女人禁制の山だったようで、女性はこのお堂までしか来ることができなかった。有名な放浪歌人「種田山頭火」もこの地を訪れており、その代表作「分け入っても分け入っても 青い山」はその際に歌われたものとされ、鳥取市立用瀬図書館前庭にはその句碑が置かれている。

正面に三角山神社 鳥居の右手には稲荷社

 種田山頭火も見ていただろう女人堂を前にして、感傷に耽りながら登山の用意をしていると、智頭町から山菜取り来られた三人も三角山に登ると言うことだった。この方達はお話を聞くと色々な山に登っているそうで、本日は運動靴と木の杖で三角山に登って行くという事だ。登山準備をして正面の三角山神社と右手の稲荷社に参拝し、いよいよ登山を開始する。

三角山神社の大鳥居 綺麗なツツジが満開

  大鳥居を潜り、先行していた三人組を追い越し、ダブルストックの4本足でいきなりの急な斜面を登って行く。滑りやすく崩れやすい道を慎重に登って行くのがとても嬉しく、急な坂の周辺には綺麗なツツジが満開で素晴らしい。

滑りやすい急な斜面が続く 綺麗なツツジが咲き乱れている

 今日の三角山はツツジのお花見で、そこかしこに綺麗なツツジが咲き乱れている。急な斜面を登りながらのツツジの鑑賞は疲れが取れて丁度良い。登山開始から15分で最初の鎖場を見る。これから先、急な箇所には鎖やロープが渡されており、至れり尽くせりの登山道であることが分かる。但し、斜面は急なので慎重に歩を進めないと足下をすくわれそうだ。

景石城址・三角山の分岐 頼りない鳥居を潜る

 少し進むとこの地を治めていた用瀬氏の居城であった「景石城址」と三角山山頂方面への分岐に到着、分岐を右に取り三角山に向かう。頼りない鳥居を潜り、岩の点在する登山道を慎重に登って行く。鎖場が要所要所に配置してあり、滑りそうなところでは本当に助かる。周囲には木の間越しの展望しかないが、ゴツゴツした山道を歩いていることがとても嬉しい。

鎖場を楽しむ 岩の転がる登山路

 下の方ではヤッホー・ヤッホーと先程のグループが大きな声で連絡を取り合っている。一人遅れているようだ。景石城址との分岐を過ぎて約15分でベンチの置かれた休憩所に到着する。少し急ぎすぎたのでベンチに腰を掛けて休憩を取る。この周囲にもツツジが沢山咲いており、目の保養が続く。

ベンチの置かれた休憩所、後ろにもツツジ 上二丁の丁塚

 休憩所を出発して更に急な斜面に取りつくので、この先は慎重に登って行かなければならない。もう残りはあとわずか、周囲は少しずつ暗くなってきておりカメラもフラッシュが必要になり始めてきた。急な坂を少しずつ高度を稼ぎ、登り着いた所は左手に上二丁の丁塚の立つ尾根道である。

山頂に続く石段 右手に手水鉢を過ごす

 この標識を過ぎるといよいよ最後の登りとなり、ジグザグの道をゆっくりと高度を稼いでゆく。いかにも滑りそうな箇所を慎重にやり過ごすと目の前に石の階段が現れた。ようやく山頂だ。右手の手水鉢を過ごすと正面には大岩の上に立つ三角山神社の本殿が現れた。

大岩の向こうに三角山神社本殿が待っている 三角山神社本殿

 よくぞこんな所にこんな立派な神社を建立したものだ。地元の部落の方々がこの社の面倒を見ているのだろうと感心しながら本殿に登山の報告をした。また、西方面にも小さな祠が立っているのでこちらの社にも参拝をする。

西の祠に参拝 氷ノ山方面の展望

 三角山神社は猿田彦大神(峰錫大権現)を祭神として祀っているそうだ。また、神社の周囲には影石、重石、富士石、天狗石、万灯石などと名付けられた巨石を見ることができる。説明板によると、現在の本殿は弘化2年(1845年)4月再建のもので、東向きであったものを西向きにかえて建て、更に明治40年(1908年)に修理したそうだ。

眼下には用瀬地区の展望が広がっている

 周囲の山々の名前はよく分からないが東方向に雪を戴く氷ノ山だけはすぐに分かった。とても綺麗な山だ。眼下には用瀬地区の展望が箱庭のように広がり、いつまで見ていても飽きない展望を楽しむ。山頂にて休憩をしていると、急に大粒の雨が降り始めたので、記念撮影を早めに切り上げて下山を始める。

三角山から南の展望 山頂では馬酔木が満開

 登りが急斜面だった反面、帰りは自然と早くなる。滑りやすい道が水を含んでますます滑りやすくなっている。慎重にダブルのストックを使い、三点確保の状態で下りて行く。8分でベンチのある休憩所を通過、更に5分で景石城址分岐を通過、登山口には更に10分で帰り着き、早速三角山神社に参拝登山の無事を報告した。

山頂より急な坂を下る ツツジを楽しみながら下る

 ここで地元の方三人と山の話をし、昨日氷ノ山に登れなかった事、那岐山に登りたかったが雪が深そうなので取りやめたことを伝えると、那岐山では今日、鳥取県側の智頭町・岡山県側の奈義町との共同登山が開催されているので、雪の心配はないはずだとの事だった。これを聞いて大喜び、明日は那岐山に登ることにした。

 一日たっぷり汗をかいたので周辺に温泉がないかを調べて見ると「船岡美人温泉」と言う温泉があった。少し離れているがこの温泉に入ることにし、国道482号を通り、船岡地区向かった。この温泉の入浴料金は500円、とてもお手軽な温泉みたいだ。早速入ってみるとヌルヌルの温泉なので大喜び、今日一日の疲れが流れ落ちた気がする。

 船岡温泉から那岐山の登山口、岡山県奈義町の高円地区に向かう。国道53号と合流する踏切の先で事故があり、大渋滞が始まっていたがすぐに車が動き出し、その先のコンビニで食料と飲み物を仕入れ、万全の状態で那岐山登山口に向かう。

ヌルヌルの泉質の船岡美人温泉 那岐山の登山口手前の「やまのえき」

 鳥取県智頭町黒尾峠を越え、ループ橋を通って岡山県奈義町に入り、那岐山の登山口手前の「やまのえき」に到着した。やまのえきはトイレも完備しており水車の回るのどかな場所であった。その先の那岐山登山口に行くが、周囲が真っ暗なので山の駅まで引き返し、睡眠不足解消のため早めに就寝。

 翌朝、4時頃雨の音で目がさめた。大雨だった。6時過ぎに起きだすと雨はすっかり止んでおり、意気揚々と那岐山への登山口に向かって進むのだがどうしたことだろう、全然アクセルに力が入らずエンジンが止まりそうになって・・・停まってしまった!!!。

 昨日の船岡美人温泉で「付き」まで洗い流してしまったのか、温泉から引き返す途中より少しエンジンの調子が悪くなり、友人に状況を伝えることで、ゆっくり走れば大丈夫というアドバイスをもらっていたのだが、これほど悪くなるとは想定外。

 これは早めに帰らないと何が起きるか分からない。7時前に那岐山の麓を出発、高速道路に乗れる状態ではなく、国道53号にて岡山まで行き、国道2号を経由して山口県まで帰る。最初は快調に進んでいたが、少しの坂でも登ることが苦しい。3箇所程度停まりそうな箇所があったが停車するまでには至らなかった。7時間をかけて奈義町から山口まで帰り連休の貴重な一日を棒に振ってしまった。これも日頃の整備不足と反省すること頻りである。

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 鳥取市用瀬 三角山 登山口付近のMAP

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