石童山 秋(いしどうやま)山口県岩国市美川町

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2010年11月27日

美川中学校横駐車場 →0:05→ 南桑駅 →0:30→ 高左手集落竈跡

 →0:10→ 残土捨場 →0:35→ 石童山 →0:25→ 残土捨場

 →0:30→ 南桑駅 →0:05→ 美川中学校横駐車場

全歩行時間 2時間20分

 新・分県登山ガイド34「山口県の山」(山と渓谷社 中島篤巳著)に掲載されている岩国市の石童山。前回は真夏の単独行だったが、今回は二鹿の熊ヶ山・雲霞山登山に引き続き、著者の中島先生にご案内して頂いた。

 熊ヶ山・雲霞山登山の起点、二鹿野外活動センターを出発、錦川清流線の北河内駅前を通過、天尾橋を渡り国道187号に入る。次に向かう山は旧美川町の石童山、山口県の山(山と渓谷社)に掲載されている山口県を代表する山の一つである。国道を錦川沿いに北上し、南桑地区に着く。前回もこの山に登る際に駐車した、美川中学校横の空き地に駐車し、登山を開始する。

特徴的な南桑橋を渡る 錦川清流線の紅葉

 錦川沿いを上流へ進み、対岸の錦川清流線南桑駅を眺めると、名残の紅葉が美しい。特徴的な南桑橋の袂で地元の人と会い、これから向かう石童山途中にあった「高左手(たかさて)集落」のことについてお聞きした。当時は、高左手集落から小学生が長い道のりを歩き、今の南桑小学校まで通っていたこと、今のような橋は無く、船で川を渡っていたこと、高左手集落内に店があり、高左手集落の先にも別の集落があったことなど、とても不自由な生活を強いられていたそうだ。なお、この高左手集落は昭和35年、この南桑橋の完成を待たずして無住となっている。

山頂まで2.3km 登山道に入る

 南桑橋を渡り、錦川清流線の南桑駅方面へ向かう。線路下を抜けると「石童山山頂2.3km」の案内が置かれていた。案内に従い、西へ向かう登山道に入る。線路沿いには、対岸から見えていた名残の紅葉が見事である。植林帯の下、山腹につけられた斜面を進む。左に人丸神社への分岐を見送り、しばらく坂を登るが周囲に展望はない。

紅葉を振り返る 植林帯の下

 南桑駅から12分で、案内標識の立つ支尾根に着き、左方向へ進路を変える。案内には「石童山コースこれより2.1km」と書かれており、ここまで南桑駅から少々急な坂道だが、200mを12分は少々時間がかかり過ぎかもしれない。

山頂まで2.1km 放置されたバイク

 もう少し坂を登れば坂の傾斜が緩やかとなり、西側の山腹を歩き始める。ようやく周囲に日差しが戻り、明るい登山道にほっとする。左手にはバイクが乗り捨てられており、当時はこのバイクが通れるくらいの広い生活道だったのだろう。左上に大岩を過ごし、紅葉を鑑賞しながら快適な水平道を進む。

大岩 紅葉
平坦な道 放置された瓶

 倒木の多い場所を通過、自然林の下、このあたりが本登山中一番のお気に入りである。やがて眼下に高左手集落の住居跡を確認、無造作に放置された瓶が、当時の生活の名残を伝えている。道の左には大規模な竈の跡がそのまま残っており、道ばたには石碑らしきものが横たわっている。しばらく高左手集落跡を眺めながら、当時の生活に思いをはせる。

竈跡 住居跡

 さて、そのまま登山道を進むと、堰堤手前から左上に道は続いており、左手に立派な石垣を眺めながら緩やかな坂を進む。このあたりは林道造成によるものか、足下に石が多く少々歩きづらい。やがて峠のお地蔵様に到着、なんとお地蔵様の首が取れ、地面に落ちていた。左右に墓石を従えた、歴史を感じさせるお地蔵様(宝暦5年{1755年}4月)にお参りし、更に進むと平坦な残土捨場に着く。

堰堤を左に過ごす 峠の地蔵尊

 この先で林道と合流、左方向へ林道を少し進むと、左手に石童山へ向かう登山道が続いている。なお、入口には「石童山へ800m」の案内が置かれているので迷うことはない。また、ここまで車で侵入することもできるので、時間の制約のある場合、残土捨場付近に駐車すれば、登山時間の短縮ができる。また、残土捨場から峠のお地蔵様を経由し、高左手集落跡までは約5分で向かうこうとができる。

残土捨場 林道横の入口

 さて林道から再び登山道へ入る。背後の北東方面を振り返れば、標高160m付近に左手集落を眺めることができる。標高の高い場所の集落だが、この集落は前回同様とても明るく見える。倒木の目立つ場所を右方向へ迂回、自然林の下の山腹につけられた明るい登山道を進む。

川向かいの左手集落 倒木

 頭上に名残の紅葉を眺め、真っ直ぐ続く坂道を進む。時折坂を折り返す場所を過ごし、やがて山腹につけられた、真っ直ぐな道に入る。以前はこの付近から西に馬糞ヶ岳方面を眺めたような気もするが、現在では檜の背が高くなり、展望を得るのが難しくなっている。もう少し進み、木の間越しに北の展望が開けると、遠くに小五郎山や大將陣を眺めることができた。もうこのあたりからの展望は狭くなるばかりだ。

山腹につけられた道 大将陣

 指導標の立つ鞍部で北東方向へ折り返し、山腹につけられた細い道を進む。すぐに指導標の立つ尾根に着くので右折、そのまま尾根道を南へ向かって進む。この先はもう一本道で迷うことはない。そのまま道なりに進むと、二等三角点の置かれた石童山の山頂に到着する。

要所に立つ指導標 尾根出会
山頂手前 石童山山頂

 山頂からは周囲の樹林の背が高く、東にアンテナの置かれた美和の妙見山が見えているだけで、これ以外の方面の展望は無い。山頂から南へ向かって道が続いているようだが、すでに午後3時40分を過ぎており、探検は中止。山頂にて記念撮影の後、下山を開始する。

美和妙見山と山頂に建つアンテナ

石童山山頂からの展望(動画)

 下山は早く、登山時の傾斜がいかにきつかったかを感じながら下る。林道を通過、高左手集落の横を抜け、一気に坂を下って人丸神社の分岐まで戻る。ここで右の分岐に入り、人丸神社へ参拝。この神社は意外としっかりとしているようだ。神社に参拝後、元来た道を引き返す。

人丸神社 錦川清流線せせらぎ号

 この人丸神社のご加護か、錦川清流線の南桑駅まで着くと丁度、電車が駅に入り、出発するところだった。錦川清流線のカラフルな電車を目の当たりにすることができて、とても幸せな気分で南桑橋を渡る。これで無事石童山の登山を終了した。

錦川清流線せせらぎ号発車(動画)

紅葉

竈跡

地蔵尊

山頂

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 山口県岩国市美川町 石童山 登山口付近のMAP

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