焼岳 新中の湯温泉コース (やけだけ)長野県松本市

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2011年9月19日

登山口 →1:30→ ベンチのある休憩所 →1:10→ 山頂

 →0:50→ 休憩所 →1:00→ 登山口

全歩行時間 4時間30分

 岐阜県高山市の道の駅「奥飛騨温泉郷上宝」にて午前5時に起床、朝食後6時過ぎに道の駅を出発、途中の平湯温泉付近で名峰笠ヶ岳を眺めることができた。なかなか美しい山である。平湯温泉から旧国道158号を東へ進み長野県松本市の中の湯温泉方面へ向かう。道が狭いのでゆっくり進むと、やがて岐阜県と長野県の県境である安房峠に着く。

安房峠に鎮座されるお地蔵様 十石山

 ここには峠の地蔵様が鎮座されており、頭を下げて通過する。南にはトロイデの美しい十石山がそびえており、北東には一部雲に隠れた穂高連峰を眺める。北には本日目指す焼岳がそびえているはずなのだが、この方面は厚い雲に覆われている。

駐車場のある登山口 穂高連峰

 さて、峠を下り焼岳の登山口を目指す。坂を下っているとカーブに番号が振ってあり、そのまま道なりに進むと11番カーブの先にV字に折り返すカーブがある。このカーブの起点から約500m進んだところが、駐車場の整備された焼岳の登山口である。

明るい登山道 大岩群

 登山開始時刻は午前7時15分、登山口の駐車場から左手につけられた登山道に入る。入口には焼岳登山道入口の案内もあるのでとてもわかりやすい。なお、このコースは新中の湯温泉コースと呼ばれており、焼岳を目指す最短コースである。北東方面に穂高連峰の美しい稜線を眺めて登山開始、入口に立つ長野営林局水源かん養保安林の標識を過ごして平坦な道に入る。

美しい笹原 火山岩の道

 9月中旬とはいえ、まだ夏の日差しを受け、左右に夏草が茂っている。すぐ左に大岩群を過ごし、自然林の下を進む。足下には小石が点在し、滑らないよう慎重に歩を進める。大きく右にカーブする付近から周囲に笹が広がり日の光を浴びた笹がとても美しく見える。

1911mピーク ワイルドな岩道

 少し進むと坂の傾斜がきつくなり、火山灰に埋もれたような岩の道が続く。木の根の露出した道は、なかなかワイルドで、おもしろいほど一気に高度が上がる。ふと南西方面を振り返れば、1911mピークがとても高く見える。足下には木の根と岩が点在し、とても変化のある道が明るい日差しを浴びて美しい。

笹原を進む ぬかるむ道

 相変わらず急な坂をゆっくり進めば、時折笹の美しい場所を通過、平坦な道には足下のぬかるむ場所もあるので気が抜けない。樹間からかいま見える青空に、元気をもらいながら美しい自然林を堪能する。やがてワイルドな岩道が現れるが、この難所にはロープが渡されているので慎重に登ればとても楽しい道である。

岩道が続く 丸太の上を歩く

 間もなくベンチの置かれた休憩所を通過、すぐに1972mピークへ到着、背後を振り返れば、登って来た道は、笹原の中につけられた道であることがわかる。ここまで登山口から約1時間を経過している。

ベンチを過ごす 1972mピーク

 ピークから少し下り、足下のぬかるむ道に配置された丸太を辛抱しながら渡る。坂の傾斜は高度が上がるに連れ、少しずつ緩んでくる。1972mピークから7分で、道の左に途中からスパっと折られたような木を過ごし、緩やかな坂に安心しながら進むと、突然木の間越しに大きな焼岳が見えてきた。

三角点峰が顔を出す 休憩所を出発

 もう少し進むと、樹林の上に山頂部が顔を出した。これが目指す焼岳だと勘違い、感激しながら歩を進める(後で確認すれば、見えていたのは三角点のある南峰だった)。緩やかな傾斜の道を進むと、前方の樹林が開け、南峰の右下に噴煙を上げる焼岳北峰が見えてきた。この段階では、これから登る場所は左の南峰か北峰の右に聳えるピークだと信じて疑わず、美しい青空をバックに映える稜線を感激しながら眺める。

山頂は隠れている 穂高連峰

 やがてベンチの置かれた平坦な場所まで来ると、山頂の溶岩ドームが右の山裾に隠れてしまった。ベンチの休憩所を出発、左右に笹の茂る道を北へ進む。足下には大小の岩が点在しているのでとても滑りやすく、注意しながら進む。

木製階段と笹原 岩道を進む

 右に中の湯温泉から続く登山道が合流するが、この方面には立入禁止の案内が掛けられていた。突然樹林帯が終わり、前方が開けたと思ったら、南峰がどっしりした山容を現した。ただし、この角度からは北峰の山頂を確認することはできない。北東方面に穂高連峰の稜線を眺め、道なりに北西方面へ進路を変える。

背後に広がる展望 山頂は目前

 すぐに木製階段が現れ、眼下には美しい笹原が広がっている。ほとんど真っ直ぐ続く道を一気に進んで高度を稼ぐ。間もなく足下には大小の岩が点在し、ころころ転がるので滑らないよう慎重に高度を上げる。背後に見えているのは霞沢岳の稜線だろうが、山頂部は霧に包まれている。また、登山道には整備された階段が続いており、とても助かる。少し進むとようやく登山対象の北峰が見えてきた。噴煙なのか霧なのかわからないが、北峰の山頂部は煙に包まれているように見える。

鞍部へ到着 南峰は登山禁止

 急な斜面を少しずつ高度を上げれば、足下は大岩の点在する岩海となり、ペンキに書かれた案内に従い右へ左へと進路を変える。山頂は青空をバックにとても美しい姿を見せているが、背後に雲が増えているのが唯一の気がかりである。と、突然山頂方面に大きな霧が現れ、山頂をすっぽりと覆ってしまった。

噴気上がる溶岩ドーム 眼下に正賀池

焼岳の鞍部から眺める正賀池と周囲に広がる展望

 ようやく北峰と南峰の鞍部へ到着、眼下を見下ろせば火口湖の正賀池が神秘的な色をしている。鞍部から周囲の展望を眺めた後、右(東)方向へ進路を採り北峰の山頂を目指す。左に噴気を上げる溶岩ドームを眺め、岩の道を進む。すぐに折り返すように左(西)方向へ進路を採ると、眼下に上高地の展望が広がっている。3日前の槍ヶ岳登山の起点がこの上高地だった。

岩道を進む 上高地の展望

 岩が多いので滑落しないよう三点確保で高度を上げる。ペンキに付けられた目印に従い進むと、すぐに焼岳北峰の山頂に到着、岩の点在する山頂には焼岳北峰山頂の案内が立ち、多くの登山者でいっぱいである。同行の大星さんと一緒に記念撮影、霧に覆われた山頂だが、時折雲が切れると西には火口湖の正賀池、反時計回りに焼岳南峰と美しい風景が広がっている。

山頂への岩場 大星さんと

南峰

 本日は、北から北東方面に掛けて、霧のため視界が悪くなっており、上高地や穂高連峰を眺めることはできなかった。簡単な昼食後、山頂から眼下に広がる噴気口や溶岩ドームを観賞、焼岳は展望が素晴らしいのは当然、至近距離で噴気口を眺めることができるのは珍しいものと思われる。

山頂から眺める風景

焼岳の山頂から眺める周囲に広がる展望

 午後からは天候不順が予想されるので、12時前に山頂を出発、噴気上がる火口を眺めながら北峰と南峰の鞍部へ到着。美しい正賀池を眺めて坂を下る。のんびり下ればいつの間にか空は曇り、ぽつりぽつりと雨が降り始めた。

霧が流れる 硫黄

 下山はいつも早く、山頂からベンチの置かれた休憩所まで約1時間、更に登山口までは約1時間10分の行程だった。登山口に着く頃には雨が降り始めたものの、大して濡れることはなかった。登山口を出発後、アルプス街道平湯の温泉へ入り汗を流した。この温泉は鉄分が多いような気がした。

鞍部へ向かう 再び正賀池

 天気予報を見ると、台風が二つも日本に近づいているため、午後6時に高山市を出発、一気に山口まで帰ることにした。ところが本日は連休最終日、高速道道路はごった返しており、渋滞が発生。渋滞はいずれ解消されるのだが、交通事故はいかんともしがたい。山陽自動車道の福山西インターで高速を下り、本郷まで一般道を走った。結局山口には午前4時過ぎに到着、楽しい旅行はあっという間に終了するものである。

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 長野県松本市 焼岳 登山口付近のMAP

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