豊ヶ岳(とよがだけ) 山口県下関市

2007年3月4日

豊ヶ岳

ガイド本 金光康資著 防長山野へのいざない 第1集改訂版

参考コースタイム

雌滝入口登山口 →0:20→ 第一ピーク→ 0:10→ 地積図根三角点ピーク

 →0:15→ Bコース分岐 →0:10→ 豊ヶ岳山頂 →0:05→ Bコース分岐

 →0:10→ これより急坂下り →0:15→ 雄滝入口 →0:10→ 登山終了

全歩行時間 1時間35分

 金光康資さんが防長山野へのいざない第1集改訂版を発行されました。山口の某書店にて早速2冊購入、その日から毎晩山口県の山の登山計画を立てる楽しい時間が続いています。改めてこの本は山口県の山のバイブルと言うことを実感しました。

 本日は久しぶりに山口県の山を重点的に登る計画である。高速道路を走り小月インターで降りて国道491号を北上する。途中、道の駅きくがわで小休止を取ると、目の前には雲を戴いた美しい山容の山が見える。この山は華山だ。

雲に隠れた華山 道の駅きくがわにて小休止

 華山の山頂が雲で霞んでいるのでいささかがっかり、今日は山頂からの展望が望めるだろうか。不安な気持ちのまま道の駅を出発、県道34号を木屋川に沿って更に北上する。西中山地区に入る中山渓の標識に従い、木屋川に架かる中山橋を渡る。

中山橋を渡る T字路には標識や石碑が並ぶ

 その先のT字路には中山渓1300mの標識や石碑などが立ち並んでおり、この分岐を左に取る。次の分岐は右に取り、少し進むと正面に「中山恵の水」を見たので早速頂く。冷たくて美味しい水でのどを潤し、左手を眺めると、そこには中山渓ふれあい広場があり、憩いの場所になっているようだ。

中山渓ふれあい広場 中山恵の水

 水場から更に奥へ進むと、右手には中山渓遊歩道入口があり、この付近から遊歩道も続いているようだが、そのまま舗装道を上に向かって進む。間もなく左手に駐車場の整備された場所に到着、右手には雌滝さまの標識を眺めながら登山準備を始める。この標識に従って駐車地から階段道を下りると、雌滝さまに向かうことが出来るようだが、滝の見学は下山後にゆっくり行うことにする。

中山渓遊歩道入口 遊歩道入口横の池

 登山口はいくつかあるのだが、本日はガイドに従い、大浴コースに向かうことにする。駐車地から北方向を見ると足下の岩に白いペンキで「豊ヶ岳」と書かれており、その先右手に「大浴私林道」と書かれた石碑があるので目印となる。

豊ヶ岳大浴コース入口 登山口の右手に「大浴私林道」と書かれた石碑

 杉の植林帯に入ると倒木が目立つので、倒木を迂回しながら進み、目印のテープに従って右方面に向かい、踏み跡を確認しながら進んだ先で左方向に向かうことになる。少しの坂を進むと周囲は明るくなるが展望はない。

目印のテープに従い進む 坂を進むと周囲は明るくなる

 この先で正面に植林帯が見えるようになると道は右に向き、山頂方向に向かって坂を登ることになる。少しずつ斜面は急になるのだが、とても歩きやすい道なので快適に進むことが出来る。

左は植林帯 右は自然林

 左手に植林帯、右手には広葉樹林帯と登山道を挟んで植生が違うことが新鮮な驚きである。木の間越しであるが。背後に華山も見えてきたのでだんだん嬉しくなる。高度が上がるたびに斜面がきつくなってくるので、周囲の木々の助けを借りながら登って行く。少し油断をしてしまい、足下が滑ってしまったのだが、しっかりと三点確保、両手で木を掴んでいたので宙ぶらりんの形になったが大事には至らなかった。

斜面がきつくなる 登ってきた道を振り返る

 急な斜面を少し我慢して進むと最初のピークに到着した。しかしながら華山は木の間越しに見える程度だ。目指す豊ヶ岳方面もやはり木の間越しであり、小休止の後、すぐに斜め左方向に続く尾根道に進むことにする。

最初のピークに到着 華山が木の間越しに見える

 足下に地積調査の杭を確認し、明るい平坦道が続いたので少し安心していたら、すぐに急な斜面に取り付くことになる。急な斜面を登りながら、背後を振り向くと急な坂であることを再認識してとても嬉しくなってしまう。やはり自分の足でしか高度を上げることはできないのだ。

 正面に青い空が見えてくると俄然勇気が湧いてくる。まだまだ山歩きは始まったばかり、快調に坂道を進んで行くと、地積図根三角点の立つピークに到着した。このピークからは北西方面に華山が美しく、丁度冬枯れの木が華山との間に立つ展望は、この時期でしか見られないものである。

地積図根三角点の立つピーク 木の間から見る華山

 また、西方面に広がる鬼ヶ城・竜王山、東の正面に立つ豊ヶ岳の山頂は、遮るもの無く美しい姿を確認することができる。周囲の山々の展望地であるこのピークは、小休止を取るためにとても良い場所である。

鬼ヶ城方面の展望 豊ヶ岳山頂方面

 周囲の展望を楽しんだ後、地積図根の立つピークを出発する事にした。この先気持ちの良い樹林の中を進んで行くと、地積図根のピークからは5分でAコースと合流することになる。Aコースと合流すると共に道は左に向かい、更に急な坂道を登ることになる。

Aコースとの合流点 急な坂道を登る

 ゆっくりと厳しい斜面を楽しむこと5分でBコースと合流、合流点付近には村有林の石碑を見る。少し奥には腰掛け岩を見るので、厳しい斜面に疲れた際に丁度良い休憩所になりそうだ。

Bコースと合流する 「大正八年八月建 豊田下村」の石碑

 この先登山道は少し左に向き、緩やかな尾根道を快適に進むことが出来る。5分も進むと「大正八年八月建 豊田下村」と書かれた石碑を過ごす。石碑の先で一旦下り、登り返すと待望の豊ヶ岳山頂に到着した。

豊ヶ岳山頂

 広く明るい山頂に感激、目の前には素晴らしい華山が待っていた。華山は登って良し、眺めて良しの素晴らしい山であることを再認識する。西方面には鬼ヶ城を見ることが出来るが、丁度木に重なっており、木の間越しになんとか判別することが出来たが、竜王山は確認することができなかった。やはり豊ヶ岳は華山を独り占めする指定席のようだ。

華山の展望

 西方面に反射板の立つ山を見ることが出来たが、山名はわからないままだ。眼下には東・西中山地区の集落が箱庭のように広がり、先程通った中山橋もしっかりと眺めることが出来た。

鬼ヶ城方面の展望 東・西中山地区の集落と中山橋

 美しい展望を独り占めしたのでそろそろ豊ヶ岳を出発することにする。手前のピークを過ぎ、Bコースの分岐に到着、下山路はBコースを取り、分岐を左に取ることにした。すぐに倒木帯を過ごし、斜面を下りることになるがたいした斜面ではない。

Bコースの坂を下りる 途中から華山が見える

 檜の植林帯を降りていると途中から華山を眺めることが出来るので嬉しくなる。やはり華山はどこから眺めても美しい山だ。明るい道を降りていると特徴ある枯れた木を過ごし、その先で道は右方向に向かって下りることになる。

 下りることになるのは急斜面、すごい斜面だ。少し降りて上を眺めるとやはり急な斜面、周囲の木々を掴み、安全確保をしながら降りて行くのは嬉しい作業である。本当に急な斜面、ワクワクしながら降りて行く。この斜面は犬鳴山の斜面に近い角度で、更に距離がある。

斜面の途中から下りてきた方向を振り返る 斜面の植林帯を下りる

 少し斜面が緩んだかと思ったら引き続きすごい斜面を降りて行くことになる。とにかくすごい斜面の連続を慎重に降りて行くと、斜面の取り付きからは15分もかからずに平坦地に下り立った。

下りてきた道を振り返る 豊ヶ岳登山口(私有林尾根)標識

 平坦地を少し下りると登山口の標識があり、豊ヶ岳登山口(私有林尾根)と書かれている。この登山口から登る場合、登山時間は短いかも知れないが、斜面が厳しいのでそれなりの心構えが必要な気がする。

 登山口を過ぎると雄滝さまの標識が立っており、標識に従い階段道を下りて行くと、美しい雄滝さまを正面に見ることが出来た。注連縄の張られた雄滝さまを眺め、横の祠に向かってたくさんお願いをする。

雄滝さまへの入口 雄滝さま

雄滝さま(動画)

 雄滝を眺めた後、中山渓の散策をしながらゆっくりと沢に沿って下りて行くことにした。美しい渓谷美を堪能しながら進んでいると、間もなく右手に赤い橋を過ごし、雌滝さまへ向かって下りて行く道を取る。

中山渓を散策

 雌滝さまも美しい滝でしばらく滝の流れを飽くことなく眺める。しばらくゆっくりと雌滝さまを鑑賞した後、階段道を戻ると、豊ヶ岳大浴コースの登山口に到着、車を駐車した場所に戻ることができた。

雌滝さま

 今回はガイドに従い、大浴コースから豊ヶ岳山頂に向かい、下山路はBコースを取った。この行程は、アクセントのある登山をすることができる素晴らしいコース取りである。

 豊ヶ岳は素晴らしい展望と明るい登山道、最後に中山渓散策の出来る素晴らしい山である。

 

中山橋から眺める豊ヶ岳

中山恵の水

豊ヶ岳山頂

豊ヶ岳山頂から眺める華山

雄滝さま

中山渓

雌滝さま

 前の山 可部冠山 を見る

 次の 猿王岳 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 山口県下関市 豊ヶ岳 登山口付近のMAP

登山リスト(あいうえお順)に戻る

登った山のリストに戻る

トップに戻る