祖母山(そぼさん) 大分県豊後大野市 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2008年7月20日 尾平登山口 →1:00→ 標高800m標識 →0:35→ 900m標識 →0:30→ 1000m標識 →0:50→ 1300m標識 →0:35→ 天狗の水場 →0:30→ 縦走路 →0:35→ 1600m標識 →0:20→ 1700m標識 →0:20→ 祖母山山頂 →0:10→ 九合目小屋 →0:45→ 六合目(1400m標識) →1:00→ 900m標識 →0:50→ 登山口 全歩行時間 8時間 0分 九州の山歩き2日目は午前6時に起床、大星さんは1時間前には起きていたようで、さすが旅慣れている。昨日コンビニで購入したおむすびを2個食べて登山準備、今日は日本百名山祖母山へ。登山口の尾平に向けて道の駅「きよかわ」を出発。
国道502号を西に進み、すぐに県道410号へ、まもなく県道7号に入り、道なりに進むと左手に傾山が美しい。傾山への登山口入口を過ごし、川上渓谷を眺めて尾平登山口に到着、午前8時に祖母山へ向けて出発する。
有料駐車場の中を通り、登山届出所の右側に設置された案内図を確認する。植林帯を抜けると左手にトイレ棟が立ち、正面には青空と美しい岩尾根が広がっている。一体どの山が祖母山なのかさっぱり分からないが、帰る頃には位置を覚えていることだろう。犬の散歩をしているご夫婦の後を進み、整備された遊歩道を下ると標高600m標識を過ごす。
今日は初めて標高差千メーターを超える山歩きとなる。奥岳川沿いを進むと吊り橋が見えてきた。九州百名山のガイドではこの吊り橋を渡り、宮原を経由して山頂に着き、一周回りで黒金尾根を下りるように記載してあるが、橋の手前の手製標識には、黒金コースは「ややハードです。こちらから登ると景観がよいです登りに使ってください。」と書いてある。また、宮原コースは「一般向きです。自信のない方はこちらを往復してください」と書いてある。大星さんの判断で、この分岐は黒金コースを採ることにした。
奥岳川源流の碑を過ごし奥谷渓谷を右手に見ながら進むと、古く朽ちたコンクリート製階段が現れる。「祖母傾山系の自然」の標識を左手に見て木漏れ日の下を進めば奥岳川に架かる立派な吊り橋に着く。この吊り橋はゆらゆらしてとても懐かしい吊り橋、眼下の清流は美しく、橋の上には適度な風が吹いており、汗がすーと引いてゆく。
橋を渡りきると登山道は左に向き、左下に奥岳渓谷を眺めながら緩やかな傾斜を進む。眼下には大きな一枚岩の滑滝が広がり、素晴らしい渓谷美に感激。木製の橋を渡り、奥岳川に架かるパイプ製の橋を渡れば、眼下を流れる清流に心を奪われてしまいそうだ。
渓谷の中を沢沿いに進み、再び木漏れ日の下を進めば標高700m標識、標高差100mはウオーミングアップ代わりに約35分で通過。すぐに川上渓谷と祖母山登山道の分岐を見る。登山道は木の根の張り出す急登となり、ロープの垂らされた斜面に取り付く。周囲に展望はなく、木の間越しにようやく岩峰を見ることが出来た。
すぐに800m標識に到着、標識には黒金八景bQ、川上渓谷展望所と書かれている。この間の100mは休憩を含めて30分を要した。展望所からは遠くに祖母連山が美しく、青い空に浮かぶ岩峰を眺めながら小休止を取る。
800m標識を出発、再び急な坂に取り付き、階段状の大岩を乗り越える。木の根を伝って登る感覚がとても新鮮で、ワクワクしながら高度を稼いでいる。やがて山腹につけられた登山道を進むようになると標高900m標識に到着、この間の100mは約30分で通過、少しずつ歩く感覚が戻っている。
この付近で大星さんが体調不良のためリタイア、大星さんと別れて単独で祖母山を目指すことになった。時刻はまだ午前10時、これから先は気合いを入れて急登に挑む。根の張りだす道に入ると大きなキノコを見る。すぐに標高1000m標識を通過、この間の100mは23分で通過。
この先はスズタケの茂る登山道、木漏れ日の下を進むこと13分で1100m 、尾根道をジグザグに高度を上げて行く感覚で1200mまで13分、ここには「クロガネ八景3 栂(つが)原生林」と標識に書かれている。周囲は樹林に覆われ、展望は木の間越しに向かいの山を眺める程度だ。
1200mを過ぎると周囲に松が多くなり、木の間から眺める樹林も美しい。一本調子の登りではなく、少し緩やかな場所を過ごすと再び背の高いスズタケの中を通過する。この先から急登に取りかかると木の間越しの展望が開けてくる。やがて1300m標識に到着、この間の100mは28分で通過した。
もう樹林越しに尾根方面は近くに見えており、残りの標高差が少なくなっていることを感じる。向かいには美しい山が聳えており、さあ、もう一踏ん張りと足に力が入る。木の根の張る滑りやすい登山道を黙々と進めば1400m標識、この間は19分で通過、周囲には背の高いスズタケが密集している。
スズタケの道を折り返しながら高度を稼ぐと10分で天狗の水場に到着、これはありがたい。空になったペットボトルに1リットルの水を補給、冷たい天狗様の水を頂くと身も心も生き返る。水場を過ごすとすぐに大きな天狗の岩屋に着く。この岩屋では宿泊することも出来るそうだ。天狗の岩屋を過ごすと5分で1500m標識、この間の100mは20分で通過。 天狗の水場で水分を補給 天狗の岩屋を通過 この先は岩海、沢山の苔むした岩が無造作に配置され、岩に躓かないよう慎重に乗り越えて行く。岩海が終わるかと思ったら再び岩海が現れ、最後の岩を越えるとスズタケの道が現れる。頭上には展望が開け、背後の大岩にも感激、登山口から眺めていた大岩の真下にいることが分かった。周囲に名残の山法師、美しいノリウツギを観賞しながら緩やかな坂を進むと突然広い縦走路に飛び出た。
標識には右に行けば祖母山、左には古祖母山と書かれている。祖母山に向かって右に進むと展望台の標識を見つけたので向かってみる。スズタケに視界を遮られながら進めば素晴らしい展望地に到着。北には明るい日射しを浴びた祖母山、西を眺めれば眼下に尾平の登山口と歩いてきた稜線が浮かんでいる。 祖母山 遠くには傾山が美しく、南西には美しい山容の古祖母山が聳え、なんと言っても目の前には烏帽子岩が大きい。西には遠く阿蘇の山並みが続いており周囲360度の贅沢な展望を満喫する。時刻は12時を過ぎたところなので展望岩にて昼食を摂る。周回の時間を考えるとゆっくりする時間は無く、おむすび2個をお茶で飲み込みすぐに展望地を出発する。 傾山と尾平登山口方面 12時30分に展望地を出発、祖母山へと向かう。スズタケの茂る道を下り、岩の間を通り抜け、一旦鞍部に向かって下る。再びスズタケの道を進めば周囲に山法師が満開となり、右手には「ウラ谷岩鼻の展望台」への分岐が続いているが。そのまま山頂を目指す。間もなく洗濯板のようなガレた岩場が現れるので、この岩場に沿って少し登るが、すぐに左手へと続くスズタケの道に入り、展望のない登山道を進む。
ウラ谷岩鼻 洗濯板のような岩場 いくつか展望所の標識を見るが、ひたすら山頂を目指して進むとスズタケの中、久し振りに標高1600m標識に出会う。もう山頂までの高度差は150m程度だ。標識から10分で展望地の標識を見たのでここで寄り道、展望地からは南に歩いてきた稜線、西には阿蘇山、そして目の前には祖母山が大きい。もう目指す山頂までわずかの距離となっている。あの岩場を登ることになるのか・・・、と思いながら展望地を出発する。 展望台から古祖母山と歩いてきた稜線 右端に阿蘇山 いくつかの花を足下に見ながら岩場を通過、すると1700m標識が立っており、この先は一旦掘れた道を下る。下った先にはアルミ梯子が掛けてあり、左に垂らされたロープを掴みながら慎重に二段の梯子を登る。登った先ではロープの助けを借りて岩場を過ごし、その先で錆びた鉄製の梯子を登る。
更にロープを伝って岩場を進めば背後には美しい展望が広がっている。もう山頂までの距離はわずかとなり、大岩の中間付近にロープが垂らされている。この最後の岩場は左側から迂回しながら登ると難なく通過、眼下にはガレ場が広がり登ってきた道のすごさを感じた。 背後に広がる展望
さあ、平坦で広い祖母山の山頂に到着。山頂には多くの人が休憩しており、さすが百名山、人気の山であることを実感した。山頂には山頂標識はもちろんのこと、祠が三基置かれており、いずれも由緒正しいものと思われる。山頂一等三角点にて記念撮影の後、周囲の展望を眺める。西には阿蘇連山、北には九重連山が広がっているが少し霞んでいる。東には傾山がくっきりと聳え、南には美しい古祖母山、南東方面の遠くには昨日奮戦した大崩山らしき山容が浮かんでいる。 祖母山山頂 山頂から眺める展望 久住連山 明るい山頂にて周囲を眺めた後、下山を開始する。山頂から北谷登山口の標識に向かい、この先でロープの渡された滑りやすい道を下る。すぐに国観峠経由と尾平への分岐が現れるので「宮原を経て尾平方面」に向かう。山頂からは10分で九合目小屋に到着、後学のため立派な山小屋を見学する。
九合目小屋と小屋の中 山小屋を見学後すぐに出発、水場8mの標識に従って水場に向かうがこの水場は枯れていた。これからしばらくは快適な下山が続き、山小屋から8分で「メンノツラを経て神原」分岐を通過、障子岩の展望地を過ごすと標高1600m、山小屋からは10分の行程だ。
平坦な下山道からは傾山・古祖母山・祖母山の展望が美しく、時間が許せばゆっくり観賞したいところだが、時刻は午後2時半を回っているので下山を急ぐ。祖母山と山小屋を眺めた後展望地を出発、馬の背と呼ばれる痩せ尾根に着く。痩せ尾根から最後の展望を眺め、絶壁に咲く花を観賞した後、更に下山を続ける。この先で1500m標識を通過、この100mは周囲を鑑賞する時間も含めて20分を要した。 馬の背から祖母山 古祖母山 馬の背 快適な下山道は続き、左右にスズタケの茂る道を下る。季節はずれのサツキを眺めると道の広くなった場所に着く。ここが六合目の1400m、この場所は「尾平」と「大障子を経て上畑」との分岐になっている。この100mは15分で通過。尾平に向かって右に進路を採る。
この先一気に急降下、12分で1300m標識を通過。1300mを過ぎても急な下り坂は続き、木の間越しからは烏帽子岩を眺めることが出来た。滑りやすい土の斜面にはロープが垂らされ、このロープを伝って斜面を下りる。すぐに1200m標識、この100mは11分、更に下りると水場を見つけるが水量が少なく、コップに水を溜めるのに時間が掛かりそうなので飲むのは断念。
間もなく1100m標識が現れる。この100mは11分で通過、木の根に躓かないよう慎重に足下を選びながら下りると3合目の1000m標識、この100mは10分で通過。間もなく2合目標識に到着、ここで尾平への下山道が林道経由と自然林コースに分岐する。この分岐は自然林コースを採る。
自然林の下、山腹につけられた道を下りると900m標識、この間の100mは11分で通過。時刻は午後4時を過ぎており周囲は薄暗くなっている。樹林帯を下りること11分で800m標識、木漏れ日の射す樹林を下りると足下に大きな岩を過ごす。
この先で700m標識を通過、この間の100mも11分で通過、このところ100m11分のペースが続いている。700m標識を過ごせば大きな岩をロープの助けを借りて下り、増水時と通常時の沢渡りルートの分岐を過ごす。本日は当然通常ルートに向かう。
間もなく沢に着いたので冷たい水で顔を洗う。これがとても気持ち良い。左に岩屋を過ごすともう終点は近く、今回通った自然林コースと林道経由のコースの合流点に到着した。このまま奥岳川に向かうと登山時に過ごした吊り橋に到着、吊り橋を渡れば川上渓谷が美しい。
しばらく沢の流れを眺めた後、橋を渡り朝通った登山道に合流、これで一周回りとなった。このまま奥岳川沿いに戻ると遊歩道に着き、背後を振り返れば烏帽子岩は霞んでいた。間もなく大星さんと無事再会、大星さんに大事無く、すっかり元気になっていた。
そのまま青少年旅行村「ほしこがinn尾平」に行き汗を流す。一日たっぷり汗をかいたのでぬるめのお風呂に入ると疲れが取れる。ゆっくり湯船でくつろいだ後、旅行村を出発、時刻は午後5時40分、まだ観光する時間はたっぷりある。次の目的地「原尻の滝」に向かって県道7号を北上する。 青少年旅行村「ほしこがinn尾平」で汗を流す 尾平からは約50分で原尻の滝に到着、横幅120m、高さ20mの雄大な滝を眺める。正面に渡された吊り橋から眺める滝はとても素晴らしく、場所を変えながら美しい滝を観賞する。最後に滝の横から豪快に流れ落ちる滝を眺めて観光を終了、今晩の宿泊予定先の長者原駐車場に向かって出発する。
国道502号を西に向かい竹田市のスーパーに入り、本日の夕食、明日の朝食・昼食用の白飯とおかずやビールを購入した。竹田市からは国道442号を北東へ向かい、やまなみハイウエイを通って長者原駐車場に到着。ところが沢山の車にびっくり、これでは静かに眠ることが出来ないので、久住山の登山口である牧ノ戸登山口まで戻り車を駐車。 この駐車場は霧が濃いものの、駐車している車の台数が少ないので安心だ。冷たいビールで乾杯し、遅い夕食を摂る。九州の山歩きはもう明日を残すのみ、楽しい時間はあっという間に過ぎるものである。 天狗の岩屋 祖母山 展望所から周囲を眺める 阿蘇山 標高1600m先の展望地 山頂 祖母山山頂からの展望 傾山 古祖母山 九重連山 馬の背からの展望 前の山 大崩山 を見る 次の 三俣山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 大分県豊後大野市 祖母山 登山口付近のMAP |