トップに戻る 2021年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順
→0:15→ 大平山 →0:15→ 分岐 →0:10→ 沖家室島展望地 →0:10→ 主康鉱山跡
→0:20→ 長尾登山口 →0:05→ 小佐連分岐 →0:07→ 県道出合い →0:05→ 佐連港
佐連地区手前で「瀬戸内海国立公園海域公園地区」の案内を眺め、更に進むと佐蓮地区に着いた。適当な駐車場がいくつかあったが、今回は佐蓮港内の駐車スペースが空いていたのでここに置いた。今回は周回予定なので、佐蓮港手前の海側に広い駐車場所があるので、こちらに置いても良い。
佐蓮港には佐蓮山登山ルート案内図が掲示されており、今回はこの地図を参考に歩くことにする。港を出発すれば目の前に「佐蓮山 佐蓮登山口」の案内が掲示されており、県道60号橘東和線を右折する。
少し南へ進み、右に防長バス佐蓮バス停を通過、この先で左に自動販売機を見て左折、ここにもしっかり佐連山登山ルート案内が置いてある。左に墓地を過ごせば、今度は右側の分岐に入る。この道は周防大島八十八ヶ所80番札所地蔵堂へ向かう道で、2009年1月から半年掛けて全行程を徒歩で参拝したことが懐かしい。
地蔵堂に参拝し、南へ続く道に入る。みかん園の中につけられた道を辿るが、坂には補助のロープが渡され、足下はしっかり整備されているのでとても歩きやすい。南に沖家室大橋や沖家室島、掛津島、平郡島を眺める展望地があり、しばらく眺める。
平坦な道を少し進み、わずかに坂を下ると五条分かれに着いた。案内には戦争遺構まで800m、佐蓮山山頂まで1300m、佐蓮石風呂まで400m、佐蓮登山口まで600mと書かれていた。背後に沖家室島を眺めて五条分かれを出発、坂へ向かうと平坦な耕作地を作るための石組みが続いていた。
坂の傾斜が緩んで平坦な植林帯が続き、この植林帯が切れると周囲の植生は自然林に変わった。頭上が開けて明るくなると、伊崎山方面が開けた。明るい道を進んでいると、岩が目立ち始め、やがて坂の傾斜が増しはじめる。すると補助のロープがしっかり渡され、苦労することなく坂を登ることができた。佐蓮山登山道はとても歩きやすいように整備されている。
急な坂も難のその、ぐいぐい高度を上げることができる。再び岩の多い場所を通過、ロープの補助により高度を上げていると、右側に広い場所が見えてきた。不審に思って進んでみると、瀬戸内海の先に四国を見晴らす展望地だった。手前に小さな島(由利島)が見えており、その先に四国の展望が素晴らしい。
展望地を出発するが、この付近にも耕作地用の石組みが残っていた。これにはビックリした。登山道横に陶器製の瓶が置いてあった。その横にはコンクリートの施設もあり、この辺りで周囲の状況に違和感を感じ始めた。
足下にはコンクリート舗装の跡が見られ、この付近まで作業道が続いていたのかも知れないと思いながら進むと、コンクリート製の台座のようなものが見えてきた。そこでようやくこの付近に旧軍の遺構が残っていることに気づいた。
最初に便所遺構の案内があり、コンクリート造りの施設の周囲に草が茂っていた。更に奥へ向かうとレンガ造りの発電所遺構が建っていた。屋根はなくなっていたが、周囲はほぼ完全なままで残っており、この遺構に出会えたことに感動した。
施設の中には発電機を置いたと思われるコンクリートや鉄製の台が残っていた。周囲を一周してみたが、やはり感動ものの遺構である。遺構見学の後、元の道まで引き替えし、ロープを補助に高度を上げるとコンクリート造りの探照灯基礎が残っていた。この付近は戦時中は瀬戸内海防衛のための前線基地だったのだろう。
探照灯基礎から少し高度を上げると周囲に岩が目立ち、この先で波印の海軍標石を見学した。石柱には波が二重に彫られていた。海軍標石の先でケルンを見て、この反対側にはコンクリート造りの四角桝が置かれていた。やはり旧日本軍の施設なのだろう。
自然林の下を更に進むと前方に段のようなものが見えてきた。右側には水がたまっており、イノシシのヌタ場になっていた。粘土質の土なので水がたまりやすいのだろう。ヌタ場の先から頭上を見上げると南国でよく見かけるシュロの木がそびえていた。周防大島はハワイとの交流が盛んなので、このような木が植えられたのかも知れない。
少しずつ前方が明るくなり、坂の傾斜も緩んでくると間もなく佐蓮山の山頂に着いた。四等三角点の置かれた山頂はしっかり樹木が伐採されており、南側が開けて素晴らしい展望地になっていた。
少し下ると分岐の案内があり佐蓮山200m、松尾登山口800m、大平山頂700mと書かれていた。当初はそのまま松尾登山口へ下る予定だったが、大平山頂の案内に気を引かれ700m西へ移動してみることにした。切り開かれた尾根道は快適で、目印も多くつけられているため道に迷う心配は無い。
そのまま尾根道歩きを続けていると、頭上の開けた明るい場所を通過するが、展望はない。北には樹幹越しに山が見えているが、石観音のある付近かも知れない。足下に椿などを眺め、平坦な尾根道を進む。平坦だから大平山で平坦な道の先で一団高くなった付近が山頂であろう。
木にテープが三重に結んである付近が最高点で、更に進んでも高度が下がるだけ。そのまま坂を下ると、丸山へ続く道と合流するので引き返した。分岐に戻りながら、やはり平坦な山なので大平山なのだろうと言うことに気づいた。山頂は特定されていないようだ。
さて、往復30分程度のロスタイムで、松尾登山口へ向かって南へ進路をとる。分岐からわずかに下ると急傾斜が始まる。この登山道では当然のように補助のロープが続いている。従ってロープをつかんで下りれば楽々下山である。
周囲が明るくなれば、眼下に沖家室島を見晴らす展望地へ着いた。ただし、3月初旬の落葉の時期なのでしっかり見えるが、青葉が目立ち始めると樹幹越しになるかも知れない。周囲にアベマキの木を眺めながら再び急な傾斜を下る。この坂もロープがしっかり続いている。
ヘッドライトをつけて中に入るが、とても暗い。奥へ向かって行くと右にも分岐が有り、更に奥へ向かって横穴が続いていた。クマはいないだろうが、単独行なので途中で引き返した。これは主康鉱山跡で、周防大島に鉱山があったのには驚いた。元の道まで引き返し更に坂を下る。
前方に竹林が見えてくれば登山口は近い。間もなく竹林を抜け、前方に沖家室島が見えてくれば松尾登山口に着いた。白い手摺りの施された坂を下り、松ヶ鼻展望地へ向かう。
ガードレールの切れたところから南へ進み、左に中電電柱カムロ99を過ごす。この先で段のあるところを越えて、更に下がると岩の展望地が2ヶ所あった。瀬戸内海、沖家室島、伊崎山などを見晴らして元の松尾登山口まで引き返した。
この先からは舗装された承兼農道を進み、途中でモノレールや梅の花を観賞、少し坂を登るようになったが小佐連地区で分岐を右折、左右にみかん園を眺めながら坂を下れば県道に下り立った。
進路を南東にとればすぐに佐連港に到着、一周回りの登山はとても楽しかった。佐連港から沖家室大橋を渡り沖家室島から佐連山を眺めた。山頂部が刈り払われているので山頂を特定しやすく、周回したコースをしっかり眺めることができた。
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