三鈷峰(さんこほう) 鳥取県大山町 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2007年8月5日 南河原駐車場〜下宝珠越〜ユートピア分岐〜三鈷峰往復まで
南光河原駐車場 →0:10→ 大山寺 →0:10→ 大神山神社 →0:05→ 下宝珠越分岐 →0:10→ 舗装道(下宝珠登山口標識) →0:25→ 下宝珠越 →0:30→ 中宝珠越 →0:40→ 上宝珠越 →0:10→ 勝間ケルン →0:10→ ユートピア分岐 →0:20→ 三鈷峰 →0:15→ ユートピア分岐→ 0:10→ 象ヶ鼻 →0:10→ 振子沢分岐標識 →0:25→ 振子山 →0:25→ 親指ピーク →0:30→ 野田ヶ山 →0:35→ 大休峠 →0:55→ 矢筈ヶ山 →0:45→ 大休峠→1:40→ 川床 →1:10→ 南光河原駐車場 全歩行時間 9時間50分 南光河原駐車場にて起床、時刻は午前5時前で私の時間としては少し早すぎるようだ。周囲を散策した後朝食を取り、朝食の後は美味しいコーヒーを煎れてゆっくりとした時間を過ごす。南光河原駐車場には「大山の頂上を保護する運動(一木一石運動)」への参加を呼びかけるお願い文が掲示されており、登山でけり落とした石をもう一度山頂に持ち上げることを呼びかけている。
掲示板を眺めた後、大山寺橋を渡って食後の散歩を楽しむ。大山寺橋から南方面を眺めると大山北壁がとても美しい。空気の澄んだ朝の散歩は格別であり、これから山歩きをすることができるのでますます嬉しくなる。足慣らしの散歩を終え、午前6時40分にいよいよ駐車場を出発、まずは大山寺に向かって大山寺橋を渡る。
南東方面を眺めると三鈷峰が遠くに聳えており、これから向かう山頂の姿を頭の中に入れておく。大山も朝日を浴びて美しく輝いており、空気の澄んだ日に登ることができた幸せに感謝しながら進んで行く。まもなく大山寺の参道が見えてきたので右折、坂道を登って行き、右手に夏山登山道550mの標識を過ごすと正面には大山寺の山門が見えてきた。
朝早くから沢山の参拝客が大山寺に向かっており、そのほとんどが高校生のようだ。多分昨日からこの付近に宿泊していたのだろう。山門の手前から左手には大神山神社奥宮への参道が続いているのだが、まずは大山寺に参拝することにする。参道を真っ直ぐ進み、山門を潜ると左手に大山寺本坊を過ごし、階段を少し登ると右手には宝うしが寝そべり、正面には鐘突堂が立っている。
鐘突堂にて1回鐘を突いて大山寺に向かう。空気が澄んでいれば北西方面に日本海が見えるはずなのだが、この方向は少し霞んでおり、はっきりと海を識別することができない。大山寺に登山の無事をお願いし、お寺の左手に向かって進んで行く。「重要文化財大神山神社奥宮」の標識に従い進んで行くと、すぐに石畳の道に到着した。この先からは僧兵の力石、夫婦杉、吉持地蔵を眺めながら進んで行くと正面に鳥居が現れる。
右手には延命長寿の御神水が流れているので、たっぷりと頂く。この御神水は冷たくて美味しいのでコップに3杯飲み干した。本日リュックの中には水が約5リッター、途中に水場が無いようなので、水はとても貴重なのだ。御神水を過ごすと苔むした階段道が現れ、その奥には大神山神社の山門が見えている。山門の屋根に付いた苔がとても美しく、とても良い感じだ。
山門を過ごすとその先には大神山神社が待っており、左右に狛犬を見ながら階段道を登るとすぐに大神山神社に到着、しっかりと登山の無事をお願いし、いよいよ山道に向かって出発する。大神山神社の右手奥から登山道は続いており、右手には最後のトイレが設置されていた。登山道の入口には「大山登山道行者谷コース」の案内が立っており、この標識に従って山道に入ると、足下には石の転がる道が続き、道の左右には山アジサイとヤマジノホトトギスの花が美しい。 大神山神社に参拝
まもなく下宝珠越の分岐が見えてくるので分岐に従い左の道を採る。石の転がる坂道を滑らないように登って行くと林道らしき場所に着き、道の横には下宝珠登山口の標識が立っている。道を横切り、急な斜面に向かって進んで行くと、坂の傾斜がきつくなり、木の根っこをつかみながら登ることになる。
まるで葛坂を登るような感覚で慎重に坂を登って行くと、少しずつ上の方向が明るくなってきた。しばらく辛抱しながら登って行くとまもなく下宝珠越に到着、この場所からは宝珠山へ0.5km、中ノ原へ1.8km、中宝珠越へ0.5kmである。進路を右手に取り、中宝珠越に向かうのだが、周囲の樹林が美しく、しばらく周囲を観賞することにした。さあ、中宝珠越に向かって出発しようと歩き始めると同時に左膝を思いっきり草に隠れていた岩にぶつけてしまった。あいたたた!、膝を抱えてうずくまる。幸いにして、歩くのに支障は無いようなのだが、この先左膝に違和感を感じながら歩くことになってしまった。
下宝珠越を振り返る 中宝珠越に向かっていると右手の木の間越しからは大山の北壁が美しく、左手には三鈷峰がまぶしく聳えている。美しい景色を眺めながら歩くことができるというのは本当に幸せな気持ちになれるものだ。いきなり周囲が開けた場所から大山の姿を眺めた後、急な斜面を下りて行くことになるが、周囲に少しずつ花の種類が増えていくので少しも苦にならない。 木の間越しに大山北壁
北西方面に美しい孝霊山が見えてくるとすぐに中宝珠越の標識に到着、上宝珠越へは0.6km、ユートピアへは1.1km、少しずつ目的地に向かって進んでいることを実感する。中宝珠越を過ぎると早速右手に崩壊地を過ごし、この先細い道を慎重に進んで行き、その先では岩の道を登って行く。足下がもろい岩なので、落石を起こさないよう、いつも以上に足下に注意しながら慎重に登っている。
この付近から眺める大山北壁がとても美しく、この美しい展望が元気の源となっている。周囲の美しい花を眺めながら歩いて行くのがとても嬉しい。はるか遠くに崩落地を登っている人の姿を確認、ロープをつかんで登っている姿が印象的である。一旦樹林の中に入り岩の道を登って行く。出た所は真下が崩落地、崩落地には白い花が沢山咲いており、とても感激する場所だ。
「この先危険」の標識を見て少し怯むが、ここで引き返すわけには行かない。岩に渡されたロープを補助に、岩をよじ登って行く。岩を越えた先は滑りやすい道が続いている。中央に渡されたロープに従って一気に岩道を抜けて行き、安定した場所に立ち、登ってきた方向を振り返る。これはとても感激する瞬間であり、嬉しい時である。
ああ、自分の足でこんなすごい危険な場所を無事通り抜けてきたんだ。 崩壊地の先にも細い道が続いており、周囲には沢山の花が咲いているので、ただ歩いているだけで嬉しくなる。間もなく上宝珠越に到着、右手には砂すべりの分岐が見えている。左手にはユートピア小屋・三鈷峰の分岐が続いており、さらにユートピアに向かって進んで行く。
上宝珠越からはますます孝霊山が美しく、三鈷峰も少しずつ見える角度が変わっており、とても素晴らしい展望である。ユートピアへは途中ミニ崩落地を通過することになるのだが、この時ばかりは下に滑り落ちないか不安になり、慎重に通過する。崩落地を通過したら、今度は急な岩の斜面を登り、出た場所は再びミニ崩落地のような所である。 崩落地を通過する
今まで経験したことのない登山道に感激しながら進んでおり、前方を見上げればユートピアの避難小屋が遠くに見えてきた。進行方向にはなんか三角形の鉄骨が立っている。これは「勝間ケルン」というそうだ。滑りやすい登山道を抜けて行くと、勝間ケルンの下付近からは草木の茂る登山道となり、足下が見えにくく、慎重に足下を確かめながら行かないと躓いてしまう。
周囲の花に気を取られ、足下の石に躓きそうになりながらも体勢を立て直し、少しずつユートピアに向かって進んでいる。時には倒木にも気をつけながら慎重に進んで行き、ユートピアと三鈷峰の分岐標識に到着、周囲には沢山の花が咲いており、有名なユートピアに着いた事がとても嬉しい。
しばらく美しい花々を観賞した後、次は三鈷峰に向かうことにする。分岐の標識から北に向かい、花の咲き乱れる細い道を慎重に進んで行く。間もなく手前のピークに着くと三鈷峰から登山者がゆっくりと下りてくる。じっくりと三鈷峰を観察してみると山の北斜面は崩壊し始めており、南斜面は緑に覆われている。これはとても対照的な素晴らしい光景である。また、登山道はその中間地点を通っており、わくわくするような道が山頂に続いている。
途中で下りてきた登山者とすれ違い、岩の道に取り付いて行く。ロープを頼りに進んで行くのだが、北の斜面が素晴らしく、吸い込まれそうな景色が広がっている。下りている登山者を振り返るとなかなかスリルのある下山道だ。三鈷峰山頂までのワクワクする危険箇所は1ヶ所のみ、すぐに山頂に到着し3つのケルンを眺める。
三鈷峰山頂 三鈷峰山頂からは正しく360度の展望が広がっており、船上山・甲ヶ山・矢筈ヶ山と続く稜線が美しく、大山北壁を展望する指定席でもあるようだ。遠く日本海方面はやはり霞んでいるので、はっきりと海を確認することはできないが、素晴らしい展望が広がっている。 船上山・甲ヶ山・矢筈ヶ山と続く稜線 大山北壁 振子山とユートピア 山頂にリュックを置いて水分補給をするのだが、この時点で消費している水分はまだ500ml、まだまだ充分余裕がある。山頂に転がる岩に腰掛け、周囲の展望を楽しんだ後、三鈷峰を出発する事にした。 三鈷峰から眼下の展望 急な斜面をロープを伝いながら下りて行くのだが、これがなかなか嬉しい作業なのだ。楽しい時間はあっという間に終わり、岩の道を下りて行き、三鈷峰の粗々した岩肌を振り返る。こんなに崩壊した岩を間近に見るのは初めてだ。
しばらく三鈷峰手前のピークから周囲の展望を眺めた後、ユートピアに向かって下りて行き、途中では沢山の花々を観賞する。ユートピアの分岐から避難小屋方面に向かいながら沢山の写真を撮る。風が強いのでとても涼しいのだが、落ち着いた写真を撮るには少し環境が悪いようだ。
勝間ケルン ユートピアの分岐 三鈷峰手前 ユートピア避難小屋 三鈷峰を下りる 三鈷峰山頂 大山北壁 三鈷峰の岩肌 孝霊山 三鈷峰 なお、ユートピアのお花畑は次回の 「ユートピアの花」 にて紹介する予定です 前の山 御伊勢山 を見る 次の ユートピアの花 を見る 登山口周辺の地図はこちら 鳥取県大山町 三鈷峰 登山口付近のMAP |