野生の熊と遭遇の乗鞍岳(のりくらだけ)岐阜県高山市 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2010年8月22日 畳平駐車場 →0:20→ 富士見岳 →0:25→ 肩の小屋 →0:40→ 蚕玉岳 →0:15→ 乗鞍岳 剣ヶ峰 →0:40→ 肩の小屋 →0:30→ 畳平駐車場 全歩行時間 2時間50分 平湯温泉にて朝を迎えた。昨日より熟睡できたのは、睡眠時間が少し長かったのと、寒いくらいの外気温のせいである。遠くに特徴的な山が見えており、この山は笠ヶ岳と大星さんより教えられた。自分がどの位置にいるのか、さっぱり解らないというのは困ったものである。駐車場にてゆっくり朝食を摂った後、アカンダナ駐車場へ移動。7時半に乗鞍行きのシャトルバスに乗車、いくつかのバス停を経由し、乗鞍スカイラインに入れば、周囲に美しい景色が広がってきた。
今朝、魔王岳付近でクマが目撃されたため、魔王岳付近は登山禁止の措置が採られるそうだ。しかしながらこの付近の地理が解らない私は、魔王岳って何処・・?。とにかく遠くに尖った山脈が見えてきたので感動しながら眺めていると、8時半に畳平と言う場所に着いた。着いたところは正しく高原と呼ぶにふさわしい場所で、空は青く湖は美しい。絵はがきでしか見たことのない世界である。 畳平へ到着 バスの停車場所の前には、一万尺と書かれた建物が建ち、この中には郵便局があるらしい。その横に神社らしき建物があるので階段を登ると、天照大神などの祀られた乗鞍本宮神社だった。ここで沢山のお願いをし、駐車場に戻り周囲を見まわせば、沢山の観光客や登山者が周囲を散策していた。
乗鞍岳の登山基地 畳平の風景 鶴ヶ池を眺めながら平坦な遊歩道を進む 左手に鶴ヶ池を眺めながら平坦な遊歩道を進む。それにしても鶴ヶ池は、とても美しい色をしている。再び周囲を眺めれば、コロナ観測所のある摩利支天岳2872m、その右には不動岳2875m、駐車場左には恵比寿岳2831m、右には魔王岳2760m、鶴ヶ池の先には大黒岳2772mが聳えている。いずれも美しい山脈で、こんな美しい景色を眺めるのは初めてである。
そのまま遊歩道を進むと、岐阜県と長野県の県境広場へ到着。眼下には長野県の展望が広がっている。県境広場からは南へ向かって坂を登る。少し登るたびに背後に広がる展望はますます美しくなり、眼下には言葉では言い尽くせない、正しく高原の風景を眺めることができる。前方にはゴツゴツした岩が続き、岩の先には明るい青空が広がっている。
岩の転がる道を踏みしめながら登ると、背後に広がる畳平と鶴ヶ池は高度が上がるたびに美しさを増す。もっと素晴らしいのは、高度が上がったことにより。魔王岳と大黒岳の先に感動的な山脈が広がっていることだ。どの山が何という名前なのかは解らないが、周囲の人はヤリが見えるとかホダカが見えるとか叫んで感動していた。ところが私には何の意味かさっぱり解らない。確かに尖った山は見えているような・・・。それよりも私にはコバルトブルーの鶴ヶ池の方が感動的な風景である。 眼下に広がる畳平 駐車場左は恵比寿岳2831m、右は魔王岳2763m 大黒岳2772m 北アルプスの山脈(左側の鋭鋒が槍ヶ岳) 間もなく富士見岳2817mへ到着、周囲に広がる展望は素晴らしいと言う以外に表現のしようがない。特に南に見えているのは本日の最終目的地の乗鞍岳山頂の剣ヶ峰。その尖った山が印象的である。眼下には雪渓の残る不消ヶ池、その上にはコロナ観測所のある摩利支天岳と不動岳。周囲360度に広がる展望は素晴らしい。
富士見岳から眺める展望(動画) 乗鞍岳と不消ヶ池とコロナ観測所
不消ヶ池と摩利支天岳とコロナ観測所 ゆっくり周囲の展望を楽しんだ後、富士見岳を出発。正面に剣ヶ峰を眺めながら富士見岳を下る。少し下って富士見岳を振り返れば、この山は岩山であることが解った。整備された遊歩道の手前で美しい花を観賞、今日はお花畑散策も待っている。
遊歩道まで下り、南へ向かって緩やかな坂を登る。途中で右手にコロナ観測所への分岐を過ごし、更に南へ向かって進むと正面には剣ヶ峰が美しい。その肩の部分には、雪渓が残っており、ここで沢山の人がスキーやスノーボードを楽しんでいる。夏でもスキーができるとは、とても信じがたい話しだが、目の前で実際に起きている出来事である。
休憩所を出発 剣ヶ峰へ向かう 遊歩道を道なりに進むと、間もなく休憩所に到着、いよいよ乗鞍岳の剣ヶ峰へ向かって出発する。「剣が峰口」と書かれた案内を通過、石の転がる登山道に入る。背後の小屋の上には摩利支天岳とコロナ観測所が見えている。これも美しい展望である。
足下には岩や小石が転がっており、足場を選びながら高度を上げて行く。少し高度が上がる度に、背後に広がる展望は格段に美しくなり、いつまで経っても先へ進まない。美しい展望は長く楽しみたいものである。それでも少しずつ高度は上がっており、沢山の登山者と一緒に周囲の景色を眺める。いつの間にか前方には、長い縦列ができており、山頂へ向かう一本の線のように見えている。
紺碧の権現池
蚕玉(こだま)岳手前から眺める権現池などの展望 そのうち周囲には雲が懸かり始めてきた。朝日岳2975mへの分岐付近で眼下に権現池が見えてきた。紺碧の湖の色がとても印象的な湖である。この場所からはもう目の前に山頂の剣ヶ峰があると錯覚していたが、剣ヶ峰と思っていた平坦な場所の右手に鳥居を確認。剣ヶ峰はもう少し先であることがわかった。
もう少し高度を上げると、足下が明らかに白くなり、この場所は蚕玉(こだま)岳2979mである。この山頂から眼下に見下ろす権現池は美しく、南には乗鞍岳山頂の剣ヶ峰が美しく聳えている。さあ、最後の坂へ向かおう。相変わらず足下の岩は白く、芸術作品のように美しい登山道である。この蚕玉岳と剣ヶ峰の中間点付近から眺める周囲360度の展望は、とても美しく、権現池は当然のこと、足下の白い道にはとても感激した。
間もなく剣ヶ峰へ向かう左右の分岐へ到着、山頂に向かって左が登山道で右が下山道のように見える。このあたりはガスの発生しやすいポイントのようだ。さあ、乗鞍岳山頂の剣ヶ峰へ向かって出発しよう。滑り易い岩道を少し登れば、乗鞍岳頂上小屋へ到着、もう剣ヶ峰までは僅かな距離となった。
岩の点在する登山道をゆっくり高度を上げて行く。間もなく乗鞍本宮神社と祠の建つ、乗鞍岳の剣ヶ峰へ到着。まず祠の前で記念撮影、眼下には素晴らしい展望が広がっている。反対側へ向かえば乗鞍本宮神社の奥宮、二日続けて三千メーターの山へ登頂することができた。 乗鞍岳山頂の剣ヶ峰の祠と乗鞍本宮 剣ヶ峰での豪華昼食は、カップヌードルと雑炊、本日はおむすび2個を完食した。その後剣ヶ峰3026mにて記念撮影、剣ヶ峰横の三角点にも触ることができた。その後鳥居を潜り、剣ヶ峰を下山開始、帰りに眺める蚕玉岳方面は高度差もあり、やはり美しい展望である。 剣ヶ峰の山頂風景
乗鞍岳山頂 剣ヶ峰の風景(動画) 何度も剣ヶ峰を振り返りながら下りて行く。美しい景色とは、このような景色である。こんな単純なことを実感しながら歩くのは、とても幸せな時間である。霧に隠れがちな剣ヶ峰を振り返りながら、とても幸せな気持ちは何時までも続いている。そのまま富士見岳の下まで行き、畳平までの道はお花畑を通ることにした。
木道で花を観賞 足下に咲く美しい花々を観賞しながら坂を下れば、正面には畳平の駐車場が近づいてきた。左に木道が続いていたのでそのまま木道を一周することができた。丁度畳平の駐車場に着いたところで、大星さんがバスを待たせていてくれたので、急いで平湯温泉行きのバスに乗り込んだ。
美しい乗鞍岳を眺めながら畳平を出発、周囲に広がる美しい展望を眺めていると、猛烈に眠くなってきた。ところが座っている場所が、補助席の最前列なので、とても不安定。睡魔と戦いながら前方を眺める。乗鞍スカイラインも、もうすぐ終わりの所で、左斜面から何か黒い塊が飛び出してきた。一体何が動いているのかと目を凝らすと、なんと小熊が歩いている。バスの中は騒然、クマ! クマ! クマ!とみんなが注目。隣の人が携帯電話で写真を撮ろうとしていたので、私もカメラを取り出しカシャ・カシャ・カシャ。ついでに動画も撮り始めた。やがて小熊は右側に消えていったが、これほど感動したことは珍しい。 初めての熊との遭遇 これはツキノワグマ
乗鞍スカイラインを歩くクマ(動画) クマとの遭遇の余韻も醒めやらぬまま、平湯温泉へ到着。感動的な小熊との出会いと美しい乗鞍岳。なんだか熊のおかげで富士山も乗鞍岳も霞んでしまったような気がした。その後平湯温泉の神の湯に入り、一日の汗を流した。この温泉は硫黄の臭いがとても強く、湯上がり後も硫黄の臭いが身体から漂っていた。また、湯上がり後に冷水で冷やしたトマトを食べてみるととても美味しかった。
恵比寿岳 富士見岳 鶴ヶ池と魔王岳 北アルプス 遊歩道 摩利支天岳とコロナ観測所 権現池 蚕玉岳 大日岳・屏風岳・薬師岳 前の山 富士山 を見る 次の山 烏ヶ山新小屋峠周回コース を見る 登山口周辺の地図はこちら 岐阜県高山市 乗鞍岳 登山口付近のMAP |