トップに戻る 2020年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順
中岳 →0:10→ 夕陽岳 →0:10→ 三角点 →0:40→ 4合目小屋 →0:20→ 登山口
登山口にはAコースは夕陽岳まで登山可能、Bコースは朝日岳・中岳まで登山可能、Aコース⇔Bコース周回はできませんと案内されていた。本日の登山はBコースをとり、この通行止の理由と、危険性を確認することも目的の一つである。
登山道Bコースの案内に従い最初は緩やかな傾斜の登山道を進む。最初から同行者がハイペースで高度を上げるため、遅れないよう後を追う。登山口から5分で中岳・朝日岳別れまで1km地点を通過、この案内にも通行止情報が掲示されており、更に8分で更に300m進む。
足下には擬木の階段が続き、坂の傾斜もきつくなっている。すぐに4合目小屋入口への分岐を通過、この地点がAコースへの分岐点である。そのままBコースをとり右に大きな岩を過ごす。頭上には名残の紅葉が美しく、しばらく鑑賞する。
胴乱岩の由来を眺めて右の大岩を眺める。これが説明のある胴乱岩かも知れない。この付近が5合目で登山開始から25分、中岳・朝日岳別れまで残り500m地点である。岩の階段状の急登が続き、段差が大きいため大きく足を上げながら高度を稼がなければならない。
やがて6合目で眼下を見晴らす展望地へ着き小休止、周囲には大岩が増えてきた。この岩を観察していると、岩に金属製のフックが多く埋め込まれている。この付近がロッククライミングの練習場なのだろう。樹間越しに覗いている大岩がロッククライマーを誘っているようだ。
まず右の朝日岳へ向かう。岩の上に続く木の根を手がかりに慎重に高度を上げる。やがて大岩が見えてくれば朝日岳の山頂である。向かいには中岳がそびえ、中岳の上には登山者が立っていた。
朝日岳から鞍部へ下りすぐに中岳へ登り返す。石段状の急登を辿れば、その先に鎖の渡された木の根の張り出す難所が待っていた。但し、大岩にクサビが打ち込まれているため、これを足場に高度を上げ、木の根と鎖を手がかりに登れば大丈夫。
三点確保による手と足の共同作業により次第に高度を上げれば、最後は鎖の補助により大岩の上に飛び出た。山頂からは大峰山がとても近く、吉和冠山も見えている。瀬戸内海へと続く展望を眺めた後、問題の夕陽岳へ向かうコースの確認をする。
丁度山頂に廿日市から来たと言う二人の登山者がいて、登山歴を聞くと今日が初めての登山、たしかに足元を見れば新品の登山靴である。この二人も夕陽岳へ行きたいと言い、後をついてきた。これから先はまさに自己責任の世界である。
中岳から下り、途中の分岐を夕陽岳方向へ進む。すぐに注意喚起の案内と通行止めの虎ロープが渡されていたので迂回してこれを通過。鎖を補助に鞍部へ下る。岩の斜面を下るが、この付近には何も問題は起きていなかった。従って中岳と夕陽岳の鞍部までは難なく下ることができる。
鞍部へ着くと今度は「危険、立入禁止」の注意標識と鎖が渡されていた。ここには「鎖が腐食し大変危険」と案内されていた。従って、鎖が腐食しているのが通行止の理由で、「2018年7月豪雨災害による崩落」は通行止の理由ではないようだ。これから先は「鎖の腐食」に気をつけながら進む。
このクサビの打ち込まれた場所を通過すれば、夕陽岳までの残りの行程は半分程度である。この上には崩れやすい砂利状の小石などが目立つので、歩行の際、後続に落石を起こさないよう、十分注意が必要である。
この付近の状況は2年前の崩落等によるものかも知れない。確かに崩落の跡が顕著に残っている部分もあり、大雨の後はやはり心配かも知れない。ただし、この崩落箇所は木の根を手がかりとして鎖を使わず高度を上げることができる。これで一番の難所は無事に通過したものと思われる。
この崩落箇所の上に出れば、鎖を伝って一気に高度を上げる。そして最後に右上へ続く道へ出ればもう一踏ん張り。わずかに登れば夕陽岳と三角点への分岐へ着いた。ここで通行止めのロープを越えれば正規登山道へ入った。後続の初心者2人も無事についてきて、全員夕陽岳への分岐に到着した。
もう夕陽岳へは鎖やロープはなく、わずかに高度を上げれば夕陽岳山頂へ到着。夕陽岳の山頂からは羅漢山がはっきり見えていた。山頂から今度は南へ向かうと、少し下へ向かって歩ける岩場がある。坂の傾斜はたいしたことは無いが、岩の両端が切れ落ちているので緊張感をもって下ってみた。
周囲に素晴らしい展望が広がり、中岳の上にいる登山者をはっきり確認、大峰山から瀬戸内海へ続く展望が素晴らしく、周防大島の山脈まではっきり眺めることができた。ここで昼食を摂り、夕陽岳を出発、次は三角点へ向かう。
中岳との分岐まで引き返し、三角点への案内に従い坂を下れば鞍部へ到着。直進方向が三角点への道で、下山のAコースは左折である。そのまま直進して三角点を目指す。右に倒壊した9合目小屋を過ごし、高度を上げれば周囲を樹林に囲まれ、展望のない三角点へ到着した。
更に登山道は瓦小屋山へ続いているが、今回はここで引き返す。701.6mの二等三角点を確認して下山を開始、鞍部からAコースを下る。下山は整備された登山道を下るだけで、合目表示を確認しながら下るだけ。 時折名残の紅葉を眺め、樹間越しに三倉岳を眺める。やがて4合目小屋を通過してBコースへ向かう分岐へ入る。そのまま道なりに進めばBコースへ入り、更に下れば登山口へ戻った。
中岳と夕陽岳の間を結ぶ、現在通行止とされているコースを実際に歩いてみたところ、通行止にする程の危険性はないレベルに感じた。当日が初めての登山である初心者2人でも無事に通過可能な登山道である。ただし、登山中の行動はすべて自己責任であることをお忘れなく。
登山当日は快晴、名残の紅葉を楽しむことのできる絶好の登山日和だったが、なんと登山者の少なかったことか。コロナ禍にも原因の一端はあるだろうが、一番大きな要因は、三倉岳登山の醍醐味の朝日岳、中岳、夕陽岳等三本槍の周回登山ができないことだろう。一部区間の通行止措置が早期に解除されることを切に願うものである。
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