河平連山(こうひられんざん) 広島県大竹市

2006年12月3日

参考コースタイム

登山口 →0:20→ 自然石の道しるべ →0:10→ 天狗岩標識

 →0:10→ 0号・1号峰分岐 →0:05→ 1号峰 →0:05→ 八畳岩

 →0:10→ 2号峰 →0:10→ 3号峰 →0:05→ 4号峰 →0:05→ 5号峰

 →0:05→ 6号峰 →0:05→ 7号峰 →0:05→ 8号峰 →0:15→ 三段滝

 →0:05→ 東登山口 →0:30 →登山口

全歩行時間 2時25分

 いよいよ12月に入り、今年ももうあとわずか、年内の予定も少しずつ詰まってきている。年内にあといくつの山を楽しむことが出来るのだろうか。

 朝晩の冷え込みが少し厳しくなってきたので、今日は近場の広島の山を目指すことにした。山陽道の玖珂インターから高速道路を走り、大竹インターを下りて国道2号を進む。新恵川橋北の信号を左折、県道42号に入り、踏切を渡ると左手に懐かしい行者山を眺める。

 更に県道を進み松ヶ原町に入ると農協の手前に河平連山登山口の標識を見る。今日は縦走をしてみようと思っているので、下山口の東登山口に行きバイクを置くことにした。更に県道を北に進み廿日市市に入るとすぐ左手に河平連山東登山口を見つけたので久しぶりにバイクを配置する。

河平連山登山道入口標識 河平連山登山口へは農協の交差点を左折

 バイクを下山口に置いた後、登山口に向かうため県道を引き返していると、途中の右手にも河平連山の登山口の標識を見るが、分かり易い道を取りたいので、佐伯中央農協松ヶ原出張所の手前から登山口に向かう。

 登山口への途中で「浅田砲兵大尉殉職の碑」、「水神釜・道しるべ石」の説明板を眺めて更に進むと、右手には里の茶屋があり、お好み焼き・焼きそばを食べることが出来る。また、登山者にトイレや休憩室を解放していると書いてあり、下山をこちら側に取る場合には、ゆっくりコーヒーを飲むこともできそうだ。

ハイキングコースの標識 里の茶屋

 舗装道を更に奥に進んで行き、石山への分岐を右に見た先に河平連山の登山口を見つける。左手に広場があるので車を置き登山を開始する。分岐を右に取り、広い林道のような道に入ると右手に「河平連山(飛行機山)登山口」の標識を過ごす。

林道に入る 河平連山登山口標識

 明るく広い林道を進んで行くと右手に登山ポストを見る。「登山者の方は住所・氏名を記入してください」と書いてあるのでノートに記帳する。その先左手に簡易トイレを過ごし、間もなく沢を渡ることになる。沢の横にはバイブから水が勢いよく流れており、ここで水を補給することが出来るようだ。

登山ポスト 水場を過ごす

 この付近から地元の方が作られた俳句が木にかけてあり、木々には木の名前を書いた札も付けてあるのでゆっくり眺めながら歩いて行くことができる。左右にシダが目立つようになると、分岐が現れるので標識に従って左の道に向かう。その先登山路は右にカーブしながら坂を登ることになる。この付近から、岩峰を背後の木の間越しに見ることができた。

つばきの花を見る 左右の分岐は左に向かう

 おー岩だ!ワクワク!。少し坂を進むと左手に自然石の道しるべの標識を見る。「自然石に、行き先を文字で刻まれているのは大竹市内8ヶ所ある道標の中でここだけである」と登山口付近の説明にあった。大きな岩を右手に過ごすとその先は馬ヶ峠であり、谷尻に抜ける道が続いているようだ。

自然石の道しるべの標識 大きな岩を右に過ごす

 馬ヶ峠からは岩の目立つ、よく踏みしめられた坂道を滑らないよう一踏ん張り、高度が上がる感覚を楽しみながら登ると正面に天狗岩の見える展望地に着く。正面の大きな岩を眺めていると天狗の顔に見えてくるから不思議だ。あの天狗の岩まで行けるのだろうか?・・・早く天狗岩に行ってみたいと先を急ぐ。

前方天狗岩の標識 天狗岩

 左右にシダの冬枯れた道を進むと、左手に岩の露出した場所を見つけたのでこの岩の上に立ち、南方面に広がる傘山の美しい稜線をしばらく眺める。その先正面に岩場を見るので直登するのかと思ったら、左に岩場を迂回し、明るい登山道を快適に進むと0号・1号峰と2号〜8号峰の分岐の鞍部に到着した。

天狗岩を横から眺める 0号・1号峰と2号〜8号峰の分岐

 全峰踏破を目指したいのでまずは左の0号・1号峰方面に向かう。足下に久しぶりにピンクの花を見ると嬉しくなり、満たされた気持ちのまま1号峰に着く。標識には左前方天狗岩とあるので、まずは天狗岩に向かうことにした。

久しぶりに見る花 1号峰に到着

 シダの繁る道の中を少し進むとそこは展望地となっており、 経小屋山から傘山にかけての素晴らしい展望を楽しむ。展望地から踏み跡を確かめながら急な斜面を下りて行く。間もなく本当に大きな岩の天狗岩の裏に着く。表側に行こうとしたが狭い岩道なのでとても前には行けない事が判った。

天狗岩を裏から見る

 もう一度天狗岩を横から眺めて少し上の岩まで引き返し天狗岩を見下ろす。天狗岩のてっぺんにはたくましい松が根ざしており、自然の生命力に大きな力をもらったような気がした。

1号峰の展望地から 天狗岩を見下ろす

  1号峰に引き返し、0号峰に向かう途中の分岐に浅田大尉記念碑の標識を見る。標識に従って右の坂を下りて行くと、浅田砲兵大尉殉職記念之碑が建っていた。

 大正12年7月7日、福岡県御太刀洗飛行場を発進した乙式一型偵察機が、広島に着陸寸前方向を誤り、河平山0号峰の岩壁に激突、殉職した浅田砲兵大尉の記念碑である。

浅田大尉記念碑の標識 浅田砲兵大尉殉職記念之碑

 記念碑にお参りして右手を見ると0号峰の岩が待っているようだ。記念碑の後ろには帰り道の標識が立っていたので、標識に従って登って行くと1号峰と記念碑の標識の中間付近にひょっこり出た。記念碑には1号峰の帰りに行くのが順路のようだ。

 再び記念碑の分岐標識まで戻り、今度は1号峰に向かって登って行く。左手に大きな岩を見て、この大岩に沿って登って行くのだが、ロープが渡されているので滑り易い斜面も大丈夫、ついつい嬉しくなり、自然に笑顔となっている。岩を登っているのが嬉しくてしょうがないのだ。

ロープの渡された斜面 更に岩場は続く

 最初のロープの場所を通り過ぎると、次にも急な岩場が待っている。ここにもロープが渡してあり、ワクワクするような思いをかみしめながら登って行く。登ってきた斜面を見下ろしてまた感動、本当にこの山に来て良かったと思う。

急な斜面を見下ろす シダの茂る急斜面

 更に上にはシダの茂る急斜面が待っており、シダの道を超えると飛行機衝突岩の0号峰に到着した。標識の先西側には更に岩峰が続いており、そのまま進んで行くと八畳岩と呼ばれる広く平らな岩に着いた。

 この岩に登り更に西方面を見ると岩峰はかなり先まで続いていることが判った。八畳岩の先には1m程度の間を挟んで展望の岩があり、この岩から周囲を眺めると素晴らしい展望が広がっていた。

飛行機衝突岩の0号峰に到着 広い八畳岩を振り返る

 まず東方面に宮島の朱の大鳥居が見えた、こんな場所から大鳥居が見えるとは思わなかった。大鳥居の右手には経小屋山、その横の南方面には傘山が広がり、山の稜線が美しい。西方面にはやはり岩山の瓦小屋山と三倉岳が特徴的な岩場を見せており、三倉岳の右奥には雪の降り続いている羅漢山が見える。

宮島方面の展望

 中国山地では今日は雪模様だ。北方面には吉和冠山が見えるはずなのだが、今日は雪のため展望がきかない。その右手に見える大峰山もこの場所からは確認することが出来なかったが、素晴らしい展望であることには違いない。しばらく美しい展望を八畳岩の上から眺めて記念写真を撮る。八畳岩から最後に宮島の大鳥居と三倉岳の岩を眺めた後、0号峰を出発することにした。

瓦小屋山と三倉岳の展望

 0号峰の標識を過ぎてこれから向かう2号以降の峰を眺める。眺めるたびにワクワクする。0号峰からは左手に少し緩やかに降りる迂回路が続いているのだが、ロープを伝わって慎重に降りなければならない。岩場を降りるのも嬉しくて、いつまでもこの岩場が続いていてほしいと思うのだがすぐに鞍部に着く。

0号峰から眺める2号以降の峰

 鞍部から2号峰に向かう途中に6人程度のパーティーとすれ違う。東登山口から登ってきた人達である。間もなく宮島大鳥居展望の地の標識のある場所に着く。ちょうど向かいの山裾右手に朱の大鳥居を眺めることが出来た。朱色というのは本当に目立つ色であることを実感、直線距離で10km以上先の大鳥居がはっきり見える。

宮島大鳥居展望の地 眼下に宮島の朱の大鳥居を見る

 松の茂る尾根道を快適に進み、三倉岳と羅漢山を眺めながら進んでいると2号峰に到着した。2号峰の展望地から0号峰・三倉岳・羅漢山・これから向かう岩峰の4号峰を眺める。いずれを見ても素晴らしい展望だ。

2号峰 左に三倉岳・右奥の羅漢山は雪模様

 2号峰からいったん鞍部に下りて行くのだが、この道が滑りやすい道で、木には「おとととと すべるすなでも こけないぞ」と書かれており、慎重に下りて行く。間もなく鞍部の札木峠に到着、右に降りると松ヶ原地区に降りることが出来るようだ。

 再び滑りやすい道を登り返すと前方に大きな展望岩を眺める。左手にマサ土の崩壊地を過ごすとロープを伝って岩を登ることになり、この岩を登り切ると3号峰の花崗岩景勝地に着いた。

ロープを伝って岩を登る 3号峰

 右手には大きな展望岩があり、この場所から眺める宮島・経小屋山・傘山の展望、傘山から0号峰に至る展望が素晴らしい。美しい展望を見ていると嬉しくなる。普段の感動が少ない分だけ山に来ると感動してばかりいるようだ。

大きな展望岩 傘山

 3号峰を下り鞍部に行く途中に眺める4号峰は素晴らしい岩峰で、登るのが勿体ないような素晴らしい山容だ。これからあの岩峰に登って行くのだと思うと再びワクワクする。今日は何回ワクワクするのだろう、急な斜面を楽しみながら登って行くと松の多い尾根となり、すぐに水神釜(雨乞い信仰)の標識のある4号峰に到着した。

岩峰の4号峰を見上げる 4号峰は素晴らしい岩峰

 雨が降らないと、昔の人はこの石の穴に溜まった水を混ぜると、雨を呼ぶと信じ、ここで雨乞いの儀式が行われたそうだ。大きな岩の上に立ち北方面を眺めると引き続き中国山地には雪が降り続いている。

4号峰 4号峰の岩の上から展望を楽しむ

中国山地には雪が降り続いている

 4号峰を出発し、南方面を眺めると今まで傘山の山裾に隠れていた大竹の工場群が見えてきた。ますます展望が広がってきているようだ。その先には5号峰の標識が立ち、ようやく河平山山頂三角点に到着した。岩の上に立つ三角点にタッチした後すぐに山頂を出発する。

大竹の工場群が見えてきた 5号峰・河平山

 5号峰(河平山)を下りていると前方にはマサ土の崩壊地と見られる7号峰が見えてきた。7号峰まではかなりの距離があるように見えるが実際にはあっという間に着き、自分の足で距離を稼いでいるという実感が湧いてくる。眼下に池を見ながら進むとすぐに三県一望之地、6号峰に到着、この峰から瀬戸の展望と中国山地の雪の展望を眺める。

5号峰から7号峰のマサ土の崩壊地を眺める 6号峰
6号峰から5号峰を振り返る 左端に周防大島の嵩山が見える

 瀬戸方面には周防大島の嵩山がくっきりと見えている。6号峰を出発するとすぐに7号峰に到着、7号峰の左手にはマサ土の崩壊地が続いており、ヤセ尾根でもあるため左側に滑らないように気をつけて尾根道を進んで行くことになる。渡ノ瀬ダムの先、北側には山頂まで車道が続いているような山を見る。いったい何という山なんだろう。

7号峰 左手にはマサ土の崩壊地が続いている
眼下の渡ノ瀬ダム 山頂に車道の見える山

 崩落地を過ごすとその先には最後の峰8号峰が待っていた。最後の峰から眼下の渡ノ瀬ダムを眺めた後、いよいよ河平連山の縦走も最終段階、8号峰を出発する。滑りやすい道を慎重に下りて行くとすぐに宮ヶ谷の大瀧(岩肌)の標識を見る。背後を振り返ると岩が瀧のように流れているようだ。

マサ土の崩落地 8号峰

 更に岩場を楽しみながらの快適な道を下りて行く。眼下に県道が見えてくるとロープの渡された道となり、ロープの助けを借りながら慎重に岩道を下りて行く。間もなく三段瀧に到着するが水量が少なく乾いた瀧という感じがした。

宮ヶ谷の大瀧(岩肌) 三段滝

 水量のある三段瀧は素晴らしいのだろうと思いながら三段瀧を出発する。黄葉の素晴らしい場所を過ぎるともうそこは東登山口、楽しい縦走が終了した。後はバイクに乗って登山口まで帰るだけなのだが・・・・・、普段の運動不足をこの機会に補うことが出来そうなので、健康のためそのまま登山口まで歩いて帰ることにした。

東登山口に到着 河平連山を眺める

 明るい日射しの中の舗装道歩きは暖かく、全く苦にはならない。廿日市市から大竹市に入り、少し進むと右手に向かう登山口標識を見つけた。何の心配もない舗装道を散歩気分で歩いて行き、間もなく車を駐車した登山口に到着、河平連山の縦走が無事終了した。

登山口に向かって舗装道を戻る 廃屋と石山

 素晴らしい岩峰の河平連山、どの峰も素晴らしい個性を持っている連山であった。リュックを車に入れて出発しようとしたところで、2号峰途中にて出会ったパーティーが目の前に見えてきた。このグループ、意外に健脚である。

 車にて東登山口に行き、使わなかったバイクを回収した。

天狗岩

急な斜面

八畳岩

八畳岩の先に続く岩峰

三倉岳

4号峰・水神釜

4号峰から傘山

4号峰から中国山地

渡ノ瀬ダム

三段滝

河平連山

 前の山 大応山 を見る

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 大竹市 河平連山 登山口付近のMAP

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