2006年2月12日(日曜日)

コセンドウ山

登山口 海津の滝入口駐車場

ガイド本 金光康資著 防長山野へのいざない

登山開始 → 11:37 → 山頂到着 → 12:11 → 山頂出発 → 12:42 → 千畳敷到着

 → 12:58 → 民家前到着 → 13:15 → 下山終了 → 13:25

参考コースタイム

登山開始 → 0:34→ 山頂到着 → 0:31 → 下山開始 → 0:16 → 千畳敷到着

 → 0:17 → 民家前到着 → 0:10 → 登山終了

登山時間 1:48

 高い山に向かうと、雪の降り積もっている可能性があるので近場の山に行くことにし、展望を考えて岩国市二鹿のコセンドウ山に向かうことにした。玖珂から国道2号に入り、廿木峠を抜けて入野の大平山登山口の入口を確認し、更に先に向かう。土生地区から左折して二鹿野外活動センターを目指す。途中「パンや楽」を左手に見て細い道を進んで行くと数カ所凍結している場所を過ぎる。この時期は雪対策が必要である。

 そのまま道なりに進むと相ノ谷の県道130号に着く。正面のT字路を右折し二鹿野外活動センターへ向かう。程なく二鹿地区に到着し、まずは二鹿神社に参拝をし登山の無事を祈願する。二鹿神社の横には錦帯橋の古材で作られた錦川源流の碑が建っている。

錦帯橋の古材で作られた錦川源流の碑

 林道を進みコセンドウ山の登山口を探すが、梅津の滝入口手前にある、林道入口の登山口は確認できたが、民家の付近の登山口は判らなかった。周辺を何度も往復し、もう一方の登山口を探すが見つからないので林道入口付近に車を駐車し、登山を開始する。

コセンドウ山 林道登山口

 林道入口には鎖が張ってあるので鎖を跨いで中に入って行く。檜林帯の中に入り、進むこと5分で道は右にカーブし、カーブの左手に残り40分道標が立っている。数メートル進むと左手上の山道に入る事になる。やはり道標が設置してあるので迷うことはない。

残り40分標識を見て左上に向かう

 この先道標がそれぞれの分岐等に、親切に設置してあるので助かる。山道に入るとすぐにジグザグ道となり、少し坂が急になるのでゆっくりと進んで行く。ジクザグ道が終わったかと思うと一本調子の坂道となる。

 周囲の木々の背が高く、背後の展望は木の間越しとなっている。息の切れる坂道をゆっくりと登って行きながら、周囲の木々を観察すると、この辺りが赤松の群生地であることに気が付く。左右にはシダが少し繁っているが登山道はしっかりしており、とても整備されている。

分岐を右に取り、細い道を歩く 右下は谷

 登山開始から20分で分岐に到着、この分岐を右に進んで行くと急に道が細くなり、右下は谷なので慎重に進む。2分も歩くと広い尾根道に到着、前方に山頂が見えてきた。山頂に向かう坂は以外と急であり、なかなか楽しい。

 周囲の木々の助けを借りながら高度を上げて行き、併せて周辺の景色を楽しみながら山頂を目指す。山頂間近のこの雰囲気がとても嬉しい。背後に広がる木の間越しの展望は、山頂からはどのように見えるのだろう、反対方面の景色は開けているのだろうか等と考えながら進むと前方に光が見えてきた。

コセンドウ山山頂

 いよいよコセンドウ山山頂だ。登山開始から34分で山頂に到着した。山頂からは北方面から東方面にかけての展望が、何も遮るもの無く広がっている。じっくりと山を確認すると北東方面に美和町妙見山、その少し右側には岩国市の柏木山と弥山、東方面には雲霞山と雲ヶ山が並んでいる。

コセンドウ山からの展望 左に妙見山・正面に柏木山・弥山と続く

 中国山地沿いには雲が懸り、白く霞んでいるため雪が降っているようだ。山頂付近は強い風が吹いており、とても寒いが空気も澄んでいる。更に双眼鏡でじっくりと観察すると弥山日宛神社のレンガ色の瓦までも確認することができた。

正面に見える妙見山の奥、中国山地には雪が降っている

 展望に満足したので下山を開始する。帰路はそのまま南方面に向けて降りて行く事にした。少し進んでびっくり、急な岩の斜面が待っている。ありがたいことにロープが下げてあるのでロープの助けを借りて少しずつ降りて行く。逆方向から登ってくると山頂に向かう最後のこの登りがさぞかし楽しいことだろう。2〜3分でこの斜面を慎重に降りて行くと平坦な道となる。

岩の斜面を降りて山頂方面を振り返る

 大きな岩の上に立つ松を横に見ながら降りて行き、更に2〜3分で再び急な下り斜面が待っている。この斜面にもしっかりとロープが渡されているので安心して降りることができる。斜面の途中で立ち止まり、降りてきた方向を見上げると、今更ながらに急斜面であることを実感する。やはり反対方向から登ってくると、アクセントのあるなかなか楽しい山登りが堪能できるようだ。

ロープに掴まりながら降り、真っ直ぐな急斜面を振り返る

 更に左右にシダのある道を下ること5分で二鹿集落を見下ろす尾根道を歩くことになり、更に5分で平坦な展望地に着く。この付近には千畳敷の標識もあり、眼下の集落が箱庭のように美しい。

千畳敷に到着

 南方面には綺麗な稜線も広がっており、いつまで眺めていても見飽きない展望が広がっている。しばらく千畳敷に座り込み、心ゆくまで素晴らしい展望を満喫する。

千畳敷からの二鹿集落の展望

 千畳敷からは再びジグザク道を降りて行き、一気に高度を下げる。その先は明るいシダ道となり、千畳敷からは10分で南第六十六番霊場の大師堂に到着した。

大師堂とお地蔵様

 大師堂の木札には「春四月八日午前」、「秋拾月五日午後」と書かれており、この日が縁日なのだろうか。早速大師堂に参拝し、その先のお地蔵様にお参りをして緩やかな坂を下りて行く。坂の下にはコセンドウ山への道標が立っており、道標の上には山頂まで約30分と書いてある。

 そのまま降りて行くと民家の横から道路に出たが、道路から見える場所には登山口の道標は無く、少し中に入らないと初めてコセンドウ山に登る場合には登山口は分からないものと思われる。

 コセンドウ山の最初の登山口は二鹿野外活動センター方面から梅津の滝に向かい、左手に石楠花橋を見ると、橋の右手にある民家の手前(南側)に奥(東方向)に向かう道があるので、奥に進んで行く。すると正面にコセンドウ山への道標が現れる。これから先は道標が整備されているので迷うことはない。

民家の横から奥に抜ける 民家の奥に道は続き木立の中に道標がある

 もう一つの登山口が判ったので安心して登山口に戻る。民家の前を出発し、最初の登山口に引き返す途中、民家からは5分程度先の右上に石仏を見て、更に3分で登山口の駐車場に到着、登山を終了した。

 梅津の滝がすぐ先にあるので滝への遊歩道に向かう。林道を少し進むと右手に橋が架かり、橋を渡ると遊歩道が続いている。遊歩道を降りて行くと梅津地蔵と対面、お地蔵様にお参りし、先を行くと綺麗な滝がいくつも続いており、とても嬉しくなる。エメラルドのように澄んだ清流を岩の上に座り込んでしばらくの間眺めていた。

上は梅津の滝 下は綺麗な清流

 なお、今回訪れた二鹿地区の地名について調べてみると、平安時代の朱雀天皇の頃、二つの頭を持つ凶暴な鹿がおり人々を苦しめていたので、朱雀天皇が梅津中将清景(うめづちゅうじょうきよかげ)に、この鹿を征伐するよう命じた。梅津中将は鹿を追ってこの地に入り、見事双頭の鹿を討ち取ったとのことで、この地が二鹿と言う地名になったそうだ。梅津の滝は、鹿を退治し疲れ切った梅津中将が力尽きて無くなった場所とされており、二鹿神社にはその梅津中将清景と二つの頭を持つ鹿が祀られている。

梅津中将清景と二つの頭を持つ鹿が祀られている二鹿神社

 また、双頭の鹿は柳井市伊陸(いかち)地区にも逃走してきたそうで、梅津中将清景が伊陸地区にて鹿を射損じ、鹿が怒って逃走したことから恚鹿地(いかじ)と言われ、それが現在の伊陸の名に由来するとも伝えられている。歴史を調べてみると、全く関係無いと思われた場所が、何らかの関係で繋がっている事がある。これがあるから歴史は面白い。

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら コセンドウ山 登山口付近のMAP

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