九州百名山の福智山・鈴ケ岩屋(ふくちやま・すずがいわや)福岡県北九州市 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トップに戻る 2013年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順 2013年11月2日 鱒淵ダム →0:30→ 七重の滝登山口 →0:15→ 一の滝 →0:30→ 七の滝→ 0:25→ 山瀬越分岐 →0:30→ 豊前越 →0:35→ からす落 →0:20→ 山頂 →0:20→ 鈴ヶ岩屋 →0:55→ ホッテ谷新道分岐 →0:25→ 鱒淵ダムコース登山口 →0:40→ 鱒淵ダム 全歩行時間 5時間25分 久しぶりに九州の山へ。山口県へ一番近い北九州市の山の中で、少し手強そうな福智山地の最高峰の福智山へ登ることにした。北九州市の市街から登山口の鱒淵ダムへ向かうと、ダム湖の横に数台の車が停まっている場所へ到着。ちょうど車1台分の駐車スペースが残っていたので、無事駐車することができた。 登山口の鱒淵ダム 登山開始 眼下に見える公園 鱒淵ダム管理事務所 すぐに登山を開始し、ダムの堰堤を渡っていると、眼下には公園が整備されていることが分かった。少し進んで管理事務所の横を抜けると、この先からは鱒淵自転車道なので、車両は通行できないようだ。柵の横から自転車道に入り、快適な道を進んでいると、管理事務所から3分で左に赤います淵橋が見えてきた。 鱒淵自転車道入口 ます淵橋 この地点から登山口まで1.4km、福智山までちょうど5kmと表示されている。ここでは、綺麗なダム湖を眺めるためこの橋を渡ってみることにする。西にはダム湖の先に山が見えているが、これは福智山ではないようだ。ダム湖を見下ろせば、水鳥の親子連れがのんびり泳いでおり、のどかな風景が広がっている。 静かな湖面 自転車道を進む すぐにダム湖の対岸に着き、整備された自転車道を進む。途中には水場があるので、ここで水分の補給をすることができる。橋を渡り15分で福智山の「鱒淵ダムコース」登山口へ着いた。この登山道を採れば、福智山まで3.6km、途中ホッテ谷新道へ分岐することもできる。 鱒淵ダムコース登山口 橋の先が七重の滝コース入口 七重の滝コース入口 沢沿いを進む 私は下山時にこの道を採る予定にしているため、もう少し進んで、七重の滝へ向かうコースを採る。鱒淵ダム登山口からは、わずか2分で七重の滝を経由し、福智山へ向かう登山口へ着いた。この地点より今までの快適な舗装道から離れ、登山道に入るが、左に渓流を眺めながらの登山はとても気持ちの良いものである。 七重の滝合橋を渡る ワイルドな道に変わる 5分も歩くと正面に古びた「七重の滝合橋」が見えてくる。広い作業道は右へ分岐しているが、登山道はこの橋を渡り沢沿いに進む。足下は急にワイルドな道に変貌、周囲には背の高い植林が目立ち始める。さすが九州の山は険しそうだと感心しながら足下不安定な道を進む。 美しい渓谷 ロープを補助に沢を渡る 右下に見える渓流が美しく、何度も足が止まる。やがて沢を渡る場所へ着くが、ここには補助のロープが渡されており、安心して沢を渡ることができた。この先左に沢を眺めながら少し進むと目の前に赤い橋が現れた。 平坦な沢沿いを進む 赤い橋 この橋を渡るといよいよ七重の滝めぐり、正面に現れたのが一の滝である。いきなりの豪快な滝に感激、しばらく滝に魅入られたように立ちつくしていた。一の滝から先に続く登山道を探すと、右上方向にクサリの渡された岩場が見えてきた。これを登るのか・・・。と思うととてもうれしくなる岩道である。 一の滝 進路は右上方向へ クサリの渡された岩場 岩場の上では二の滝が待っていた。二の滝は一の滝の上に位置しており、眼下を見下ろせば、激しい一の滝の流れと、穏やかな二の滝の対比がおもしろい。二の滝を出発、少し進むと、左側に大きな滑滝が現れるが、これは七重の滝の番外のようだ。
二の滝 番外の滑滝 左側にクサリの渡された場所を通過すると、次に現れたのは三の滝。この滝は落差の大きな豪快な滝で、轟音を立てて水が流れ落ちている。次は補助のロープを伝って坂を登ると、ワイルドな岩道を進むことになる。 三の滝 四の滝 間もなく三の滝上に出れば、この先に見えてくるのは穏やかな四の滝である。四の滝は二段になっており、流れ落ちた滝壺が広く更に穏やかに感じる。四の滝の先から岩場を越え、クサリを伝いながら進むと左に石組みの美しい施設跡が見えてくる。炭焼き跡にしては広すぎるくらいの施設跡である。 クサリを伝って登る 大きな石組み 五の滝 間もなく現れるのが五の滝で、水量の多い滑滝である。こちらも豪快な滝なので、いくら眺めていても飽きることはない。五の滝を過ごせば、女性的な穏やかな六の滝へ着く。この滝は見るからに清楚な美しい滝である。 六の滝 そして最後に現れるのが七の滝。豪快で美しい滝である。落差も大きく水量も豊富、まさに七重の滝の代表にふさわしい滝である。今回は一日一山登山なので、久しぶりにのんびり滝めぐりをすることができた。 七の滝 手摺りのような木を伝って沢を渡る 平坦な道を進む 七の滝を過ごし、上流へ向かうと周囲は平坦となり、沢を渡って右方向へ移動することになる。ここには倒木がまるで手摺りのような配置になっており、簡単に沢を渡ることができた。少し上へ移動すると、福智山への案内が立っているので道を間違えていないことを確認、そのまま案内に従い道なりに進む。しばらく平坦な道が続くのでとても快適である。 朽ちた橋 沢沿いに石組みが残っている 間もなく沢を渡るのだが、ここの木橋は朽ちて壊れていた。そこで、左方向へ迂回して沢を渡る。沢沿いには綺麗に石組みが残っており、平坦なこの付近に、昔は多くの人が生活をし、農作物などを作っていたのかも知れない。やがて壊れた木橋から8分で山瀬の分岐へ到着、この分岐を直進すると山瀬越、左折すると豊前越を経て福智山へ至る。 上流に向かって平坦な道が続く 山瀬の分岐(写真をクリックで拡大) ここでは当然福智山を目指して左折するが、この案内を見てとても安心した。時刻は丁度12時だが、安心して食事をするため、豊前越へ着いてから昼食を摂ることにする。周囲は杉の植林帯に覆われ、立派な石組みが残っている。この付近まで昔の生活の跡が残っている。 整然と並ぶ石組み 植林帯の下を進む 沢に渡された木橋を渡り、美しい植林帯の下を進む。やがて足下に小石が増えてくれば少しずつ坂の傾斜が増してくる。滑り易い足下に注意を払いながら高度を上げると、道とは言えないような砂利の敷き詰められた沢を詰める。時折木に巻かれた赤テープが唯一登山道を外していないと確認できる目印である。 足下には岩や石が増えてくる 岩道が続く 倒木を抜ける 倒木を越えると前方に登山道が復活、この先は踏み跡に従って少しずつ高度を上げる。自然林の下を快適に進むと、間もなく峠の交差点へ到着した。案内によれば、ここが豊前越。分岐を右折し北に採れば釈岳、直進し東へ採れば内ヶ磯バス停、左折し南に採れば福智山となる。 豊前越 豊前越の風景 豊前越には休憩用の椅子とテーブルが整備されているので遅めの昼食を採る。おむすびにまるちゃん正麺の豚骨味、この組み合わせもなかなか良い。昼食を終え、13時過ぎに豊前越を出発、ここから福智山へは2.3kmの行程である。 豊前越を出発 距離表示 緩やかな傾斜の登山道をのんびり進む。途中の距離表示に元気をもらいながら少しずつ高度が上がっていることを確認。美しい自然林を楽しみながら進むと、豊前越から500m毎に距離表示が置かれていることに気づいた。山頂まで残り800mを過ごした先で明治の時代に置かれた下関要塞の石柱を過ごす。 下関要塞の石柱 からす落 からす落の風景 更に高度を上げると、分岐のある交差点へ到着、左は鱒淵ダムからのホッテ谷新道コース、右は内ヶ磯へ向かう道で、この地点は「からす落」と言われている場所である。からす落から山頂までは残り700m、坂の傾斜を感じながら少しずつ高度を上げるとたぬき水の案内の立つ場所に着いた。 たぬき水 避難小屋の荒宿荘 たぬき水の風景 ここで少し左方向へ移動すると、ビニールパイプから清水が流れていた。そこで、この水をペットボトルへ詰め山頂を目指す。少し進むと右には避難小屋の荒宿荘が建っている。避難小屋からは眼下に展望が広がっているはずだが、本日は霧に視界をさえぎられている。 避難小屋から山頂へ向かう 左右の分岐は左折した 避難小屋を出発し、いよいよ福智山へ至る急登に取りかかる。すぐに左右の分岐に着くが、左道の方が険しそうなので分岐を左折する。足下に岩が増え、眼下を見晴らす展望地に出ると、目の前に紅葉の始まりを眺めることができた。但し、その先の展望はやはり霧に包まれている。 紅葉の始まり 笹道 大岩 筑前の黒田藩により祀られた福智社(鳥野神社) 山頂へ向かうと急に笹が増え、左右に背の高い笹を眺めながら高度を上げる。進行方向には大岩が目立ち、少しずつ山頂へ近づいていることがわかる。そして奇岩大岩の先には霊峰福智山の山頂が待っていた。まずは山頂手前(西)に置かれた福智社(鳥野神社)に参拝、この神社は筑前の黒田藩により祀られたものである。福と智恵の授かる福智山で、依頼を受けていた方の大学への合格祈願等をした。 福智山山頂と一等三角点 福智山山頂風景 祠の中には山の神と英彦山金剛界奥駆修行祈攸の御札が置かれている。書かれている日付によれば、毎年5月3日に神事があるのだろう。祠を過ごした先には福智山山頂900.8mの大きな標識が置かれている。晴れていれば周囲360度の展望広がる山頂だが、本日は霞気味。その中でも貫山は美しい山容をわずかに眺めることができた。また、北には釈岳や皿倉山等もその山容をわずかに見せている。 鷹取山 周囲の展望は霞んでいる 一等三角点は周囲を補強され、壊されないような処理がされている。一等三角点に触った後、周囲の展望を眺めて下山を開始する。鱒淵ダムへ向かうコースを採ると、もう一つの祠が祀られている。こちらは豊前の小笠原藩により祀られた「福智神社」で、稲の神様と福智権現が安置されている。福智神社で大学への合格祈願をし、更に下山を続ける。 山頂の風景 小笠原藩により祀られた福智神社 福智神社の風景 案内には登山口まで3.5km、鱒淵ダム管理事務所までは5.1kmの行程であると書かれている。下山開始は午後3時過ぎ、足下にらっきょうやリンドウの花を眺めながらのんびり高度を下げる。目の前に現れる奇岩大岩も素晴らしく、申し分ない道が続いている。ススキの原を下りながら周囲に広がる展望を眺める。この季節だからこその風景が美しく、山歩きの楽しさを再認識することができた。 らっきょう りんどう 間もなく鈴ヶ岩屋を通過、福智山頂上まで10分の案内を過ごした先で、鈴ヶ岩屋への案内が立っていた。福智山は、山岳宗教の修験場として栄えた信仰の山で、昔英彦山修験の流れを汲み、福智山を開山したと言われる釈教順という僧が、この岩場で金の鈴を、地中から仏像を発見し、供養したことから鈴ヶ岩屋と呼ばれるようになったそうだ。 鈴ヶ岩屋 鈴ヶ岩屋山頂 そこで鈴ヶ岩屋へ向かって進んでみることにした。刈り払われた道を進むと、すぐに鈴ヶ岩屋のピークへ到着、背後を振り返ればススキの原の先に見える福智山が美しい。ピークから先は下り坂となるので元来た道を引き返し、登山道へ戻る。 鈴ヶ岩屋山頂から眺める福智山 1.8のコル すぐに登山口へ2.9kmの案内を過ごすが、麓に下りるまでこの案内に元気をもらい続ける。整備された自然歩道を快適に下り、やがて1.8のコルを過ごす。この先から更に急な傾斜となり、足下が滑り易いので慎重に下る。 滑り易い道 「ホッテ谷新道」の分岐 やがて突然前方が開け、とても明るい場所に出たので少し安心、秋の日暮れの早いことを実感する。間もなくからす落ちへ続く「ホッテ谷新道」の分岐を通過、沢に架かる木の橋を渡り、眼下に流れる清流を眺める。 木の橋を渡る 眼下に美しい滝を見る 快適に平坦道を下っていると、眼下に美しい滝を見下ろし、更に下ればもう登山口まで500m地点へ到着。やがて林道との合流点を過ごせば「鱒淵ダムコース」の登山口へ着いた。時刻は16時45分ということで、17時前に麓に着くことができた。この先は何の心配も無い舗装道歩き、登山時とは反対のダム湖北側の道を採り、無事駐車地まで戻った。登山終了時刻は17時30分、一日たっぷり楽しんだ山歩きである。 鱒淵ダムコース登山口へ到着 ダム越しに眺める福智山山頂 一の滝 五の滝 七の滝 山頂 鷹取山 鈴ヶ岩屋から眺める福智山 前の山 阿品山・岩国弥山周回 を見る 次の山 貫山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 福岡県北九州市 福智山 登山口付近のMAP |