燧ヶ岳(ひうちがたけ)群馬県檜枝岐村 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トップに戻る 2015年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順 2015年8月4日 御池駐車場 →0:50→ 広沢田代 →1:00→ 熊沢田代 →1:30→ 俎ー →0:20→ 柴安ー →0:20→ 俎ー →0:30→ ミノブチ岳 →1:50→ 尾瀬沼ビジターセンター →1:10→ 沼山峠休憩所 全歩行時間 7時間30分 早朝に福島県檜枝岐村の御池駐車場にいる。この場所は尾瀬にそびえる燧ヶ岳の登山口である。登山前に駐車場内を散策していたら、駐車場の入口付近からは燧ヶ岳を眺めることはできないものの、登山口付近の北側へ行くと山頂部を確認することができた。
さて、駐車場から西へ移動し登山道に入る。すぐに分岐があり、燧ヶ岳へ4.5kmの案内に従い左折、南下を始める。なお、直進方向は尾瀬ヶ原の見晴で、8.9kmと書かれていた。岩や石の目立つ道に入り、少しずつ高度を上げる。周囲には樹林の背が高く、展望を得ることはできない。
要所には木道が配置されているものの、ぬかるんだ場所もあるので、足下には注意が必要である。岩に根ざす木が珍しく、尾瀬の風景を脳裏に刻みながら進んでいると、少しずつ日が差してきた。足下不安定な石を乗り越えながら高度を上げていると、間もなく御池登山道2合目の表示が見えてきた。この登山道には節目の案内が要所に掲示されているようだ。
更に高度を上げていると、背後には木の間越しながら北にそびえる山の山頂部が顔を出した。位置からすると大杉岳だろうか。間もなく木道が現れ、木道の左右に咲く花を眺めながら平坦な道を進む。進行方向には平坦な小山の山頂部が現れるものの、目指す燧ヶ岳は視界に入ってこない。 左右を覆っていた樹林が切れると平坦な湿原の中央に到着、周囲に池塘が見えてくれば、この付近が広沢田代の湿原である。背後を振り返れば、大杉岳から会津駒ヶ岳へ続く山脈が顔を出している。朝日を浴びた美しい地塘の風景を眺めて小休止、早朝から登山を始めるとこんなご褒美が待っている。
さて、広沢田代を出発、風にそよぐチングルマの実やコバギボウシ、キンコウランの群生やワタスゲ等を足下に眺め、目の前にそびえる小山へ向かう。木道が終われば岩の目立つ道に入り、急な傾斜に向かえば一気に高度も上がる。湿地帯を抜ければ背後に展望が広がり、視線の先に見えているのは会津駒ヶ岳だろう。逆光気味なので確認しづらいが、確かにピークが見えている。
間もなく横木の階段に5合目の案内を確認、周囲にはこの季節に多いアブが旋回している。展望地からは、眼下に先ほど通過した広沢田代、その先に出発地の御池駐車場、更に先には大杉岳や会津駒ヶ岳などが一望である。 整備された木道を一登りすれば、突然目の前に現れたのが燧ヶ岳。それにしてもなんと美しい山だろうか。緩やかに下る木道を辿り、ハイマツ帯を抜ければ熊沢田代の先にそびえる燧ヶ岳が目の前に迫ってきた。このあたりの絵はテレビなどでよく見る風景なのだろうが、目の当たりにすると感動せざるを得ない。 しばらく美しい風景を眺めた後、ベンチの置かれた付近へ向かう。木道の左右に大きな池を眺め、ベンチに腰掛けて小休止。前を見ても後ろを振り返っても広い草原、一番美しい景色の中央に座っている。目指す燧ヶ岳はもう目の前に見えるが、これから先は急な坂が待っていそうだ。 熊沢田代を出発、緩やかな傾斜の木道を辿る。やがて左右に笹が茂り、少々歩き難くなるものの、笹を抜ければ展望が開ける。背後の熊沢田代の先には会津駒ヶ岳が霞みながらもそびえている。今回登山をパスした山なので、いずれは山頂を極めたいものである。
木道の周囲にリンドウやチングルマなどを眺め、ハイマツ帯に入ると6合目を通過する。間もなく木道が終わり、淡々と高度を稼いでいると、すぐに7合目を通過。なんともこの間はあっという間で、とても短く感じた。左右に笹を眺めながら進んでいると、岩の目立つ急登にさしかかり、カラマツソウ等の花を眺めて滑り易い岩の道を辛抱する。 まるで牛歩のごとく登っていたら、ようやく岩の道が終わり、熊沢田代などを見下ろす展望地に立つ。よくここまで登ってきたものだと、自分を褒めたいほどの高度差を感じながら展望を満喫する。ここまで来れば、もう山頂までの距離の方が近い。足下に「ガレ場に注意」の案内を眺め、少し進むと笹の中に横たわる木に掲示された8合目へ着く。 山腹につけられた道を辿り、滑り易いガレ場へ向かう。ガレ場を過ごせば山頂へ向かっての直登が始まる。足下に9合目の案内を過ごし、整備された横木の階段を登る。ハイマツとしゃくなげの混じった道を進んでいると、足下には大岩や石が増え始め、更に岩場を乗り越えれば大岩の目立つ燧ヶ岳の三角点峰、俎ー(まないたぐら)へ到着した。
山頂には三角点と祠が置かれ、南に尾瀬沼、西に最高峰の 柴安ー(しばやすぐら)その左に至仏山、手前には尾瀬ヶ原と豪華な展望が広がっている。山頂の石柱を眺めていると、一つは八海山大御神、もう一つは天之御中主神と彫られていた。さて、小休止の後は最高峰の柴安ーへ向かう。
俎ーの山頂から岩場を下り、足下に岩の目立つ道を下れば鞍部へ着く。すぐに木道の整備された鞍部を通過し、柴安ーへ続く登山道に入る。足下にコバイケイソウを眺めて岩場へ向かい、岩を一気に乗り越えれば燧ヶ岳の最高峰、柴安ーの山頂へ着いた。岩の目立つ山頂には燧ヶ岳最高峰の石碑が置かれており、最高峰に立ったという感激が涌いてくる。
山頂からは南に尾瀬沼が広がり、西には眼下に尾瀬ヶ原、その先には至仏山がそびえている。その左にそびえているのは武尊山だろうか、展望広がる山頂から飽きることなく周囲に展望を楽しんでいると、群馬県警察のヘリコプターがパトロールをしていた。尾瀬沼の先に霞んでいるのは男体山と日光白根山あたりだろう。しばらく柴安ーの山頂からの展望を楽しんだ後、俎ーへ引き返す。
下山は一周回りのコースを採り、尾瀬沼へ向かうことにする。最初に目指すのは眼下に見えているミノブチ岳、岩の多い道を下れば、西に柴安ーや尾瀬ヶ原、至仏山の展望が美しい。岩場の延長線上に御池岳を眺めながら急な岩場を下る。岩場の下から見上げる俎ーの美しさは、何ものにもたとえようが無い。
やがて長英新道の9合目を通過、ハイマツの間を下って8合目のナデッ窪と長英新道の分岐へ着いた。ここで少し南側へ寄り道してミノブチ岳へ着く。平坦なミノブチ岳からは眼下に尾瀬沼が美しく、背後には燧ヶ岳の勇姿がそびえている。絶好の展望地なので、カップヌードルとおむすびの豪華昼食を摂った。 ミノブチ岳から眺める尾瀬沼と俎ー
大休止の後、ミノブチ岳を出発。この先は尾瀬沼を眺め、足下に咲く花を観賞しながら尾瀬沼を目指すだけ。やがて展望がなくなり、足下に注意しながら延々と続く坂を下っていると尾瀬沼湖畔の長英新道入口へ着いた。更に木道を辿れば、目の前に広い草原の大江湿原が現れた。
大江湿原の中央を通って左右の分岐へ到着。左は沼山峠休憩所へ3km、右は尾瀬沼ビジターセンターへ200mである。帰路を急ぐわけではないので、背後に燧ヶ岳を眺めた後、尾瀬沼ビジターセンターへ向かう。売店やビジターセンターを過ごし、少し先の休憩所から尾瀬沼越しに燧ヶ岳を眺める。この付近から眺める燧ヶ岳も美しい。
売店で買ったコーラをかぶ飲みしながら眺める燧ヶ岳は、とても思い出に残るシーンである。しばらく休憩を取った後、尾瀬沼を出発。大江湿原に渡された長い木道を辿る。多くの花を眺め、湿原を離れて沼山峠へ向かう坂を登る。沼山峠の展望所から尾瀬沼の一部を眺めたが、大展望と言うほどのものではなかった。
樹林の間を抜ければ、やがて檜枝岐村の営業する沼山峠休憩所へ到着。これで燧ヶ岳の登山は無事終了である。到着時刻は午後3時40分、バスの発車時刻まで店内で休憩を取った。御池行きのバスは午後4時に出発、御池駐車場には4時17分に着いた。
明日登山予定の谷川岳登山口までの移動距離を確認すると170km、なんと昨日西吾妻山の天元台からここまで走った距離と全く同じだった。御池駐車場を出発、駐車料金1000円を支払った後、次は檜枝岐村の燧の湯に入り汗を流した。その後は再び御池駐車場の横を通り、会津駒ヶ岳への登山口を確認した。ただし、この地点から登れば山頂まで10.9km、6.5時間かかるそうだ。
しばらくは燧ヶ岳を眺めながら細い道を快適に進む。やがて橋を渡り新潟県の魚沼市に入り、途中で銀山供養塔の案内があったので見学した。そのうちに周囲が暗くなり、新潟県では長いトンネルのような道を通過、高速手前のコンビニで眠気覚ましのコーヒーを購入。小出インターから高速道路に入り、途中に六日町や十日町などよく聞く地名を過ごして群馬県みなかみ町に入った。
熊沢田代 俎ー山頂 柴安ー 尾瀬沼 尾瀬ヶ原と至仏山 大江湿原と燧ヶ岳 尾瀬沼越しの燧ヶ岳 前の山 西吾妻山 を見る 次の山 日光白根山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 群馬県檜枝岐村 燧ヶ岳 登山口付近のMAP |