箱根山 神山・駒ヶ岳(かみやま・こまがだけ)神奈川県箱根町 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トップに戻る 2014年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順 2014年5月11日 早雲山駅 →1:20→ 大涌谷分岐 →0:40→ 冠ヶ岳 →0:15→ 神山 →0:40→ 鞍部 →0:30→ 駒ヶ岳 全歩行時間 3時間25分 箱根山の登山の二日目は最高峰の神山と駒ヶ岳へ登る。宿泊地の平塚から小田原へ移動し、箱根登山電車に乗り換え強羅へ向かう。途中にはスイッチバックもあり楽しい登山鉄道である。
箱根登山鉄道のスイッチバック
強羅からは登山ケーブルカーに乗り換え、終点の早雲山駅へ着く。ここで下車して神山へ向かうハイキングコースに入る。登山口の案内には大涌谷へ80分、神山へは105分、駒ヶ岳までは3時間と案内されている。 早雲山駅と登山口(クリックで拡大) さて、ハイキングコースに入れば周囲に新緑が美しい。足下には岩などが点在しているものの、登山道はよく整備されているので歩行に支障は無い。山腹につけられた道を辿り、ぐいぐいと高度を上げる。足下には歩道管理用の距離表示もあり、万一の時にはこの番号を知らせることにより、現在地を容易に知らせることができる。 明るい植林帯の下には木の根が張り出し、少々歩き難い場所もあるが、総じて楽しい道が続いている。登山口から700mを過ぎたあたりで木の間越しに、昨日登った金時山が見えてきた。早朝のさわやかな新緑の下、木漏れ日を浴びながら歩くのはとても幸せな気分である。
しばらく展望のない自然林の下を歩いていたが、坂の傾斜が緩まる頃、硫黄のにおいが漂い始めた。いったいどこからかと、周囲を観察していたら、進行方向の左下に硫黄の採掘所があり、そのあたりから漂ってきているようだ。 左右に笹の茂る道を少し進むと、右側に祠が祀られていた。祠を過ごし、右の木の間越しに富士山を眺めながら進んでいると、少し高度が下がり始める。右下にはやはり木の間越しながら大涌谷がくっきり見えている。ここで周囲をしっかり観察していると、可憐なマメザクラが咲いていることに気づいた。
この花は箱根近辺で自生しており、樹高が高くならない品種らしい。左右を覆っていた樹林が突然開けると、西には富士山が美しい山容を見せている。一旦ピークを過ごし、坂を下ると大岩の点在する箇所を通過する。不安定な足場なので慎重に歩を進めると、神山と大涌谷との分岐に着いた。ここで大涌谷へは15分、神山を経由せずに駒ヶ岳へは85分、神山へは40分、神山経由の駒ヶ岳へは100分と案内されている。私はオーソドックスに神山の山頂を踏み、駒ヶ岳へ向かうことにした。 岩の目立つワイルドな登山道を辿り、一気に高度を上げる。北には木の間越しに富士山が美しい姿を見せ始めた。少し坂の傾斜が緩んだ付近で、登山道と下山道の分岐へ着く。この山は人気ある山なので左右に木道が渡され、それぞれ一方通行の案内が置かれている。明るい尾根道を進めば、富士山や金時山の展望が広がり、間もなく倒壊しかけた朱の鳥居前に着いた。
満開のマメザクラの風景 鳥居の先にはマメザクラと馬酔木の花が咲き乱れており、特にマメザクラの群生が素晴らしい。しばらく可憐なマメザクラを鑑賞、右下にはやはり木の間越しながら大涌谷がくっきり見えている。左右を覆っていた樹林が突然開けると、西には富士山が美しい山容を見せている。 間もなく冠ヶ岳への分岐へ到着、冠ヶ岳までは5分と案内されている。分岐を右折し、少し坂を登ればお堂の前に出る。お堂に手を合わせ、冠ヶ岳へ続く道を辿ると、すぐに冠ヶ岳の山頂へ着く。冠ヶ岳は仙石原方面から見ると、烏帽子のように見えることから冠ヶ岳と名付けられ、粘性の高い溶岩が柱状のまま固まってできた山と案内されている。
冠ヶ岳の風景 10月になれば紅葉が美しいそうだが、この季節では周囲に木々が茂っており、すっきりした展望とは言いがたい。ただし、樹幹越しに金時山だけはしっかり確認することができる。小休止の後、向かいにそびえる神山へ向かうことにした。
先ほどの分岐まで引き返し、神山への案内を確認して分岐を左折、マメザクラの先に目指す神山がそびえている。足下には大岩などが目立つので慎重に歩を進め、背後を振り返れば、先ほどまで立っていた冠ヶ岳が尖峰であることを物語る姿を目の当たりにする。木の根の張り出す登山道を踏ん張ると、まもなく平坦な神山の山頂へ到着した。
一等三角点の置かれた山頂には、天照主大神の歴史ある石碑が建ち、南の展望地へ移動すると、樹幹越しに駒ヶ岳のロープウエイ駅が見えている。神山から眺める駒ヶ岳山頂は芝生広場という感じを受けた。駒ヶ岳の先には太平洋が広がり、それこそ雄大な景色が広がっている。
神山の山頂風景
神山からの展望は限られているので、早々に山頂を出発することにした。駒ヶ岳へ60分の案内を確認し、坂を下る。足下には大岩が点在しているので滑らないよう慎重に下る。この途中にもマメザクラが満開で思わず足が止まるほど。明るい日差しに映えるマメザクラはとても華やかである。やがて足下にはイチゲが目立ち始める。最初は白いイチゲばかりだったが、途中でムラサキイチゲも顔を出し、ただ花を見ているだけで楽しくなる。 イチゲ 神山と駒ヶ岳の鞍部から眺める風景 やがて神山と駒ヶ岳の鞍部へ着き、左には大涌谷へ周回する分岐を過ごす。間もなく駒ヶ岳を一望する広場へ着き、ぐるり周囲を眺める。ここではマメザクラがやはり満開で、白く清楚な花が美しい。しばらくマメザクラを鑑賞の後、本日の最終目的地の駒ヶ岳へ向かう。整備された遊歩道を登っていると、たくさんのイチゲを見つける。この付近はイチゲの群生地のようだ。 登山途中に眺める富士山の風景 岩の目立つ道を慎重に高度を上げれば、少しずつ富士山がその山容を見せ始める。やがてロープウエイ駅と箱根神社元宮の分岐へ着くので左折し、箱根元宮方面へ向かう。左右に細竹を眺めながら高度を上げれば、西に富士山が見えてきた。笹原に続く一本の線は登山道で、緩やかな傾斜を辿れば間もなく駒ヶ岳の山頂へ到着した。山頂には大岩が点在しており、この大岩は何かの施設跡かも知れない。 駒ヶ岳山頂風景 駒ヶ岳の山頂風景 西にそびえる富士山は最高に美しく、ただ眺めているだけで楽しくなる。山頂から少し南東方面へ移動し、箱根神社元宮へ参拝、神社先から東には、小田原の市街が一望で、その先には太平洋が続いている。 箱根元宮神社から眺める風景 箱根神社からロープウエイ駅へ向かい、眼下に広がる展望を確認。眼下には芦ノ湖が美しく、湖には船が浮かび、多くの人がクルージングを楽しんでいるようだ。また、芦ノ湖の先にそびえる高い山は天城山と思われる。この山には昨年12月に登っており、記憶も新しいはずなのだが、もう懐かしい山の仲間入りをしている。 ロープウエイ駅から眺める風景 駒ヶ岳ロープウエイで箱根園駅へ 箱根園から眺める風景 駒ヶ岳からの下山は駒ヶ岳ロープウエイを利用し、わずかの時間で麓の箱根園駅へ到着した。箱根園からは遊覧船に乗り換え、湖尻へ向かう。船の上から眺める駒ヶ岳や芦ノ湖の美しさは格別で、快晴の空の下に映える風景をしっかり堪能する。やがて前方には昨日歩いた箱根丸岳のアンテナが見えてくる。
芦ノ湖クルージング
昨日は、金時山から丸岳を経由し、湖尻へ着いたが、本日は逆方向から湖尻を目指している。金時山が目の前に現れると終着点は近い。間もなく湖尻へ到着、そのまま舗装道を辿り桃源台駅へ着いた。ロープウエイに乗り富士山を眺めながら大涌谷でロープウエイを下りる。噴煙たなびく大涌谷を観光、玉子茶屋へ向かい、ここでくろたまごをお土産に購入した。
大涌谷の風景 大涌谷の温泉池に玉子をつけておくと、玉子の白い殻が真っ黒の「くろたまご」に変身する。なお、このくろたまごは1個食べれば7年長生きをするそうだ。頭上に冠ヶ岳、北に金時山、西に富士山を眺めて大涌谷駅まで引き返す。日曜日なので大勢の観光客がおり、大渋滞の中を引き返すことになった。 大涌谷駅から早雲山駅へ行き、再び登山口の前を確認した。次はケーブルカーに乗り換えて強羅へ向かう、強羅からは登山鉄道に乗り換えで箱根湯本駅まで帰り着いた。今回の遠征は終始明るい山ばかりで、快晴の空の下、多くの美しい風景を眺めることができた。 満開のマメザクラ 神山山頂 箱根神社元宮 芦ノ湖 芦ノ湖から駒ヶ岳 大涌谷 富士山 前の山 箱根 浅間山・鷹ノ巣山 を見る 次の山 塔ノ岳・丹沢山 を見る 登山口周辺の地図はこちら 神奈川県箱根町 神山 登山口付近のMAP |