富士山 富士宮口〜富士スバルラインへ縦走2 剣ヶ峰〜御来光〜富士スバルライン〜河口湖駅

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平成23年8月4日

富士宮口新五合目 →0:25→ 六合目 →0:45→ 新七合目 →0:40→ 元祖七合目 →0:35→ 八合目

   →0:35→ 九合目 →0:30→ 九合五勺 →0:45→ 富士館 →0:15→ 剣ヶ峰 →0:35→ 金明水

   →0:15→ 山口屋本店

登山時間 5時間20分

山口屋本店 →0:25→ 九合目久須志神社 →0:25→ 八合五勺御来光館 →0:35→ 元祖室(富士山天拝宮)

   →0:15→ 下山専用ブルドーザー道出合 →0:35→ 緊急避難小屋 →0:20→ 七合目公衆トイレ

   →0:25→ 富士山安全指導センター →0:40→ 富士スバルライン五合目

下山時間 3時間40分

全歩行時間 9時間 0分

富士山登山 富士宮口〜富士山頂上浅間神社までからの続き

銀名水 剣ヶ峰へ続く坂

 富士山頂郵便局で登頂証明書を購入、外はまだ雨の勢いが強いので休憩所に入り、おしるこを飲んで雨宿り。雨が少し小振りになったので、銀名水付近へ向かい、御殿場口方面への下山道等の写真を撮り、再び浅間神社前に戻った。富士山頂公衆トイレに立ち寄り、そのまま最高峰の剣ヶ峰へ向かう。

富士山特別地域気象観測所 剣ヶ峰にて

 お鉢の中には万年雪が残っており、とても感激する風景である。日本最高峰の剣ヶ峰まで200mの案内を過ごせば、急な斜面が待っている。足下がずるずる滑るが、今日は湿気があるので少しは足の踏ん張りが効く。左側に配置してある手摺りに頼ることなく高度を上げ、富士山特別地域気象観測所の建物へ到着、右には日本最高峰富士山剣ヶ峰の石柱が立っている。

火口 二等三角点

富士山山頂 剣ヶ峰から眺める展望

 前回見落としていた二等三角点も確認、正確には標高3775.63mであることがわかった。山頂にて中島先生と記念撮影、前回撮れなかった山頂での写真を取ることができた。周囲を眺めると少しずつ天候は回復、遠くに青い空も見えている。また、霧の切れ間からはお鉢の中に視界も戻ってきた。剣ヶ峰の先には展望所もあるが、今日は周囲を雲に覆われて、展望を得ることはできなかった。

溶岩の目立つ道 お鉢回りで剣ヶ峰を振り返る

 剣ヶ峰にてゆっくり休憩したのでいよいよお鉢回りに向かう。剣ヶ峰から少し戻り、時計回りに続く道を進む。岩壁が崩落し、まるで落石の後に造られたような道が続いている。平坦な場所には何に使ったのかわからないが、石組みのような施設が残っている。そのまま平坦な道を進むと足下には硫黄の塊のような岩が転がっていた。その先には、やはり何に使ったのかわからないが木で組んだ跡も残っており、富士山にはいろいろな施設が残っている。

火口に見える施設 切り立った溶岩

 この場所から剣ヶ峰まで500m、本日の最終目的地付近の久須志神社までは700mの地点である。眼下には水のたまった場所が見えており、その周囲には室のような施設がある。プールのような場所の横にはポンプも置かれており、これは水をくみ上げるための施設のようだ。進行方向には反り返った岩が続いており、この上を歩くことになるが、少し火口側に向かえば、岩が崩落するのではないかと不安になる。

剣ヶ峰と雪渓 金明水

 火口内に雪渓を眺めながら進むと進行方向左には白山岳がそびえている。久須志神社への分岐が立つ場所から右下へ向かう道へ入る。少し高度を下げていると金明水の場所に到着、手前には福徳水の石板も置かれている。ここで小休止を取り、もう一度福寿水の付近を眺めていると、ここには井戸があることがわかった。風よけのために置かれた石をのけ、中を覗いてみると雪が残っていた。

神社手前広場に置かれた施設

 金明水の場所を出発、坂を登ればもう久須志神社までは200m、神社手前の右上広場に行くと富士山のモニュメントが置かれており、全日本山岳リレー縦走のプレートを見ることもできた。そのほか神像や鳥居などの置かれた場所もあり、この付近は信仰の場所なのかも知れない。

久須志神社 山口屋本店

 正規の道に戻り、少し進むと鳥居と石柱が立っていた。石柱には富士山頂上浅間大社奥宮と刻まれ、富士宮口の山頂に立っている神社と同じである。早速末社の久須志神社へ参拝、安産祈願をする。これで両参りを達成、願いは必ず成就するだろう。ここで願いの叶うお札を頂いた。そのまま宿泊場所の山口屋本店へ行き、午後4時半にチェックイン。宿泊料金は夕食込みで一人7千円である。

宿泊施設 夕食はカレーライス

 夕食は午後5時、宿泊場所を指定されたので荷物などを置きに行く。寝る場所は横幅は畳半畳ほど、掛け布団は恐ろしく分厚くて普通の大きさのものを二枚重ねのように掛ける。間もなく午後5時になったので食堂へ行き夕食を摂る。夕食はカレーライスで、これが一番手軽なのだろう。高山病で食欲はないが、無理をして飲み込むことができた。お米は少し硬いところもあり、わざわざ炊いているのかも知れない。

大日岳へ向かう 大日岳の山頂

 夕食後には小屋の回りを散策、山小屋から南方面へ向かって坂を登れば大日岳へ到着。大日岳には小さな鳥居が置かれており、豊作祈願のプレートも置かれている。周囲を見回せば、富士山のお鉢が一望、雲は明らかに目線の下に浮かび、遠く南には海に浮かぶ島のようなものが見えている。

大日岳から眺める剣ヶ峰 眼下に広がる雲海

大日岳から眺める展望

 午後6時に近くなってきたので山小屋へ帰り就寝の準備をし、食堂付近で雑談をしていたら、午後7時の消灯時刻になった。他にすることもないので寝床に入る。これからが高山病にかかった者にとって一番つらい時間の始まりである。頭が痛い。とても頭が痛い。これは完全な高山病である。同宿の人々はいびきをかいて快眠。でも頭が痛くて眠れない。深呼吸を繰り返し始めると少し楽になった気もする。

早朝に着いた登山者 朝食はラーメン

 翌日午前2時になり、自分ではまだ眠った感覚はない(・・・が、しっかり眠っていたとの証言もある)。深呼吸を続けていると少し楽になってきたので安心感が広がる。午前3時もう眠ることはできない。トイレに行ったりゴソゴソしている内に午後4時、ヒートテックの上にフリース、その上に綿シャツ、更にダウンジャケットを着て、その上にカッパも着た。これだけ着れば暖かいはずである。店の方へ行くと、団体の登山者が食事を摂っていた。暖かい食事が一番なのでみそラーメンを注文、1杯900円はとても安い気がする。

御来光を待つ 雲海に昇る朝日

御来光前に眼下に広がる雲海

 温かいラーメンを食べた後、午前4時過ぎに大日岳方面へ向かう。周囲には御来光を眺めるためにたくさんの登山者が座っている。手頃な場所へ行き、腰を下ろして御来光を待つ。眼下には雲海が広がり、東の方面が少しずつ明るくなり始め、4時40分を過ぎて雲の上に明るい光が差し込んできた。いよいよ御来光である。

多くの登山者 朝日を浴びた剣ヶ峰

富士山の御来光

撮影 中島篤巳氏

 厳粛な雰囲気の中、ゆっくりと朝日が雲の間から昇ってくる。雲の量が多いため、はっきりとした御来光ではないが、富士山山頂では久しぶりの晴れ。確かに御来光を眺めることができた。周囲には万歳コールが始まり、まるでウエーブのように北から南へ続いている。

雲海 久須志神社を出発

 朝日が登ったので周囲に広がる景色を眺める。剣ヶ峰方面にもたくさんの人が登っているようだ。眼下には雲海がはっきり姿を現し、美しい展望を眺めることかできる。まさしくこの光景は飛行機以外ではこの場所しか眺めることのできない景色である。山小屋へ戻り荷物をまとめて山頂を出発する。

鳥居に青空が映える 急な下り坂

 浅間大社の横を抜け下山を開始する。大鳥居をくぐり、山頂方面を振り返れば空がとても青いことがわかる。下山方面を見下ろせば、これから下る道はとても急斜面である。岩の階段をゆっくり下り、山頂方面を振り返れば、急な坂の角度にびっくりする。太陽は少しずつ高くなり、体感温度も少しずつ暑くなっている。

九合目久須志神社 下山専用のブルドーザー道

 鳥居の立つ場所に着いたと思ったら、この場所は九合目久須志神社であった。九合目の高さは3600m、山頂までは残り400mと案内されている。北には高い山が見えているが、山名まではわからなかった。九合目久須志神社を出発、下山専用道のブルドーザー道から多くの人が下りていることを確認した。

八合五勺の御来光館 本八合目

 やがて標高3450m、八合五勺の御来光館へ到着、眼下には次の山小屋が見えている。なお、この八合五勺から九合目までは500m30分、山頂までは900m60分と案内されていた。八合五勺を出発、赤茶けた溶岩の道を下れば標高3400mの本八合目江戸屋へ到着。この付近にはトモエ館、上江戸屋、富士山ホテルなど多くの山小屋が建ち並んでいる。

「富士山天拝宮」と道中守護の「烏帽子岩神社」

 この本八合目での温度は18℃、今日は昨日に比べて暖かいようだ。我々は富士山ホテルの前を抜け、左(東)方面へ進路を採り元祖室へ向かう。ここは富士山信仰登山の聖地「富士山天拝宮」と道中守護の「烏帽子岩神社」が祀られている。ご神体と思われる烏帽子岩へも参拝し、小休止。もう少し高度を下げて標高3200mの八合目白雲荘前を通過、これから先は下山専用道のブルドーザー道へ向かって少し高度を上げる。

白雲荘 下山道

下山途中の展望

 目の前に広がる雲海は目線の少し下までの高さになってきた。やがて下江戸屋と白雲荘の中間地点にて下山専用道に合流、これから先は滑りやすい道をひたすら下りて行く。水平方向に広がる雲海、山頂方面と下山方面を交互に眺めながら慎重に坂を下る。少し気を緩めると、ずるっと滑るので要注意。途中で緊急避難所を通過、吉田口下山道公衆トイレ前も通過、一段低い場所に下りれば周囲に緑が目立ち始める。

シェルター 吉田口登山道

 やがて森林限界を通過し、森林の中に戻ったようだ。なだらかな水平道につけられたシェルターの中を歩けば、この先には馬がつながれていた。なお、この馬には乗ることができるようだ。更に高度を下げて道なりに進むと、吉田口登山道と合流、たくさんの人が富士山を目指して登っている。

富士山安全指導センター 泉滝

 仮設トイレのある六合目に到着、ここには富士山安全指導センターが置かれている。六合目を出発、シェルター内を通過し、この先から緩やかな坂を上り返す。疲れた身体には少々つらい。この付近に馬や馬車が置かれているのは、疲れた人が利用するためだろう。シャクナゲの花を眺めながら少し坂を下れば、泉滝へ到着。滝と言ってもほとんど枯れているような細い滝である。

富士スバルライン五合目

 泉滝の先で吉田口と富士スバルラインの登山道は分岐する。石畳の坂道を登ればすぐに富士スバルライン五合目に到着。いきなり大都会に迷い込んだような、錯覚を起こすくらい大勢の人でごった返している。お土産物店もたくさんあり、店内は大勢の人でいっぱいである。

河口湖駅 名物のほうとう

 小休止の後、河口湖駅方面へ向かうバスに乗り、1時間程度で河口湖駅へ到着。丁度お昼になったので、駅前のお店に入り、名物のほうとうを頼んだ。熱いなべに入ったほうとうは、うどんともきしめんとも違い、歯ごたえのある麺である。カボチャの入ったスープはとても美味しかった。その後おみやげ物屋へ行き、沢山のお土産を購入、午後1時過ぎに西新宿行きの高速バスに乗車、新宿駅からは品川駅を経由し帰路についた。

火口

金明水

富士山頂上浅間大社奥宮

御来光

早朝の富士山頂上浅間大社奥宮

富士スバルラインへ下山

 前の山 富士山登山 富士宮口〜頂上浅間神社まで を見る

 次の山 長野山 五万堂渓谷コース を見る

歩いた足跡  富士宮口五合目〜山頂 
         山頂〜富士スバルライン五合目 

登山口周辺の地図はこちら 静岡県富士宮市・山梨県富士吉田市 登山口付近のMAP

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