天応 烏帽子岩山(えぼしいわやま) 広島県呉市

2007年7月15日

烏帽子岩山

墓地駐車場 →0:15→ 最初の展望岩 →0:45→ ドンガメ岩横 →0:15→ 烏帽子岩山山頂

 →0:10→ ドンガメ岩横 →0:30→ 最初の展望岩 →0:10→ 墓地駐車場

全歩行時間 2時間5分

 大型の台風4号が過ぎ去り、朝早くから自宅の周囲を見回すと風がいろいろなゴミを運んでくれていたみたいで、とても綺麗になっていた。空を見上げると青空が広がっており、本日は快晴の予感、急いで山歩きの準備をして柳井を出発することにした。

 まだ梅雨が明けておらず、中国山地は前回鈴の大谷山で雨に遭って懲りているので、今回は瀬戸内海沿岸、広島県呉市天応の烏帽子岩山に向かうことにした。柳井を出発し玖珂インターから高速道路を走り、廿日市インターで高速道路を下りて国道2号から国道31号に入り南下する。

絵下山を見ながら呉方面へ向かう 天狗城山

 海岸線の左手に美しい岩山の天狗城山、右手に呉ポートピアを過ごしその先のトンネルを抜けるとJR天応駅を左手に見る。この付近で烏帽子岩山への登山口を探すのだがよくわからない。結局天応駅から2つめの信号の交差点を右折して道なりに進んで行き、広島呉道路を越えた先(汐見ヶ丘団地入口の100m程度手前)で左折し、広島呉道路の右側を北に向かって進む。

汐見ヶ丘団地入口の100m程度手前を左折 右手に城神社を過ごす

 右手に城神社を過ごした先の右側に烏帽子岩山への登山口標識を見ることができるので、この標識に従って急坂のコンクリート道を進んで行くと、まもなく墓地の駐車場に到着、この場所が今回の登山口である。駐車場にはすでに車が1台置かれており先行者がいるようだ。

烏帽子岩山の登山標識に従い右折する 登山口の墓地駐車場

 久しぶりの山歩きなので登山準備を入念に行い、忘れ物がないかしっかり確認をしていると、駐車場からは槍の穂先のような烏帽子岩山がはっきりと見えている。駐車場を出発し、正面の民家の右側の道を進んで行くと、足下のシダが綺麗に刈られていることに気が付いた。このような方のおかげで、快適な山歩きが出来ることに感謝しながら進んで行く。

駐車場から眺める烏帽子岩山 民家の右を進む

 少し進むと背後には似島の安芸小富士が美しく、正面には烏帽子岩とクロナメラの岩壁が行く手を阻むように立っている。すぐに沢を越えるとシダを刈られている方と出会ったので、お礼を述べて先に進む。この先の分岐は右に取り、明確なる踏跡を辿りながら高度を上げて行くことになる。久しぶりの山歩きなので焦らないようにゆっくりと進むのだが、足が軽すぎてオーバーペース気味になってしまう。

烏帽子岩とクロナメラの岩壁 明確なる踏跡を辿る

 しばらく木陰の樹林の中を歩くことになり、樹林の中には適度な風が吹いているのでとても涼しい。木漏れ日の中を快適に進んでいるとすぐに岩の道となり、その先で最初の展望岩に到着した。大して登っていないのに江田島・似島と瀬戸の展望が素晴らしい。

最初の展望岩 展望岩から眺める江田島と似島

 この先快適な岩道をゆっくりと登って行くのだが、正面に見える烏帽子岩が登るたびに近くなるのがとても嬉しい。クロナメラの岩壁にはたくさんの滝が流れているようで、朝日に輝き幻想的な光景が広がっている。岩場を三点確保の要領にて進路を探しながら慎重に登って行く。久しぶりの岩山のこの作業はとても楽しいものである。

烏帽子岩を見ながら岩道を登る クロナメラの岩壁

 大岩の横に松の木が立つ展望地を過ごすと、この先からは左から右方向に岩を巻ながら登ることになり、その先では右手の岩場の細い道を進んで行く。この先も急な岩道が続き、少し進むと右手に水場があるので小休止を取る。

大岩の横に松の木が立つ展望地 この下から登ってきた
岩道を進んで行く 右手には岩壁

 冷たく美味しい水をコップに注いで一気に飲み干す。足場は不安定なのだがこの場所で水が飲めることが嬉しい。本日用意した水分は2.5リッター、日射しが強いので少しでも水は貴重である。

美味しい水を飲む 急な斜面に取り付く

 水場を過ごすと滑りやすい急な斜面に取り付くことになり、昨日来の雨のため、岩が濡れているのでますます慎重に登ることになる。体全体を使いながら岩場に取り付くのだが、少しでも気を抜くと下まで滑り落ちてしまいそうな岩道なので体中に緊張感が走る。

岩は濡れており滑りやすくなっている 体全体を使って登る

 時間をかけて岩の道をよじ登り、ドンガメ岩の横に到着と同時に平らな岩の上に寝ころび休憩する。この間20分の行程だったのだが、久しぶりの山歩きは体力の低下を痛感することになった。

ドンガメ岩に到着

 ドンガメ岩にはロープと縄梯子が設置されており、簡単に登れるものと思い、取り付くのだが、これがなかなか難しい。ここまで体全体を使って登ってきたものだから握力も腕力も無くなっており、しばらくセミのように岩に張り付いてみたのだが、体力の限界を感じ、ドンガメ岩に登ることをあきらめた。

ドンガメ岩には縄梯子が設置されている 寝ころんだ岩

 再び岩の上で寝ころんで体力を回復、ドンガメ岩を左に過ごして少し上に向かうと展望岩があり、しばらく周囲の展望を眺める。この展望を楽しむためにここまで登ってきたのだ。暑い日射しの中を苦労して登ってきたご褒美は素晴らしい展望である。

正面に江田島

 眼下には江田島、東西能美島、似島が広がり、遠くには羅漢山、大峰山がはっきりと見えている。真下にはドンガメ岩と烏帽子岩、海岸線には呉ポートピアパーク、その上には天狗城山の三角形が美しい。

正面に似島・右端には天狗城山

 海はどこまでも青く、真夏を思わせるような心に染みるコバルトブルー、この景色はいつまで見ていても見飽きない素晴らしい世界だ。しばらく展望地にて休憩の後、山頂に向かって出発する。

木漏れ日の中を進む 分岐標識

 すぐに樹林帯に入ると日射しが遮られ、木漏れ日の中を適度な風が吹いているのでとても涼しく感じる。但し、足下の斜面は急なので、ゆっくりと歩くことになる。登り始めは軽かった足下が、少し重く感じ始めたころに中国自然歩道と合流、右手の道を進むとすぐに祠の立つ烏帽子岩山の山頂に到着した。

烏帽子岩山の山頂と祠

 山頂からはすこし周囲の視界が遮られるので、山頂を過ごした先の岩に下りて座り込む。この岩からは烏帽子岩側から見えなかった呉の工場群と倉橋島方面が開けており、またまた素晴らしい展望が広がっている。と・・・、南西方面に広がる周防大島を眺めているとその先右手の山に何かくるくる回っている。

呉の工場 平生町大星山の風車

 双眼鏡で眺めてみると風力発電の風車のようだ。大星山だ、山口県平生町の大星山が呉市の山の上から見えている。周防大島が見えているのだから当たり前の事ではあるが、これにはびっくりした。

呉湾の展望

山頂から眺める展望(動画)

 しばらく岩の上にて休憩をしたので山頂を下りることにする。再び烏帽子岩の山頂を過ごし、来た道を引き返すことした。樹林帯を下りるとすぐに展望岩に到着、12時を過ぎていることに気がついたので、明るい日差しの中で昼食を取る。眼下に広がる展望を楽しみながらの昼食は贅沢の極みである。

展望岩から眺める正面の岩山

 遠く羅漢山には特徴あるレーダードームがくっきりと見えており、その右手に広がる高い山は大峰山のようである。台風が澱んだ空気を吹き飛ばしてくれたおかげで、今日の空気はとても澄んでおり、遠くまで見晴らすことができる。しっかりと周囲の展望を楽しんだので更に下りることにする。

羅漢山とレーダードーム 大峰山

 すぐにドンガメ岩の横を抜け、これから急な岩場の下りに向かう。この道は登るよりも下りる方が大変なようで、まっすぐ下を向いて下りる事なんてできないので、登る時と同様の格好で後ずさりするように慎重に下りて行く。

岩壁を横から見る

 滑りやすい岩道をゆっくりと時間をかけて下りて行き、松の木の立つ展望地に着くと一安心、これから先は慎重に下りれば大丈夫、周囲の展望を楽しみながら下りて行き、最初の展望岩にて最後の展望を楽しんだ後、樹林帯に入る。

クロナメラの岩壁を振り返る

 登るときにシダの茂っていた道はすっかり綺麗に刈られており、快適な下山道を下りていると再び草を刈られている方に出会った。お礼を述べて横を通り、沢を越えるとすぐに登山口の駐車場に到着した。

烏帽子岩山の全景 天狗城山と絵下山

 素晴らしい岩の道と展望に満足の山歩きだった。リュックを車に積み込み、駐車場を出発し国道手前から烏帽子岩、天狗城山、絵下山を眺める。

 あっ・・・烏帽子岩の上に立つのを忘れてた。

似島

岩壁と滝

烏帽子岩とドンガメ岩

呉の工場

江田島

烏帽子岩への道

烏帽子岩

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 広島県呉市 天応烏帽子岩山 登山口付近のMAP

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