大日ガ岳・釈迦ガ岳(だいにたがだけ・しゃかがだけ)福岡県添田町・東峰村

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2014年5月3日

登山口 →0:35→ 第一ピーク →0:20→ 大日ガ岳 →0:30→ 分岐

 →0:30→ 釈迦ガ岳 →0:20→ 登山口

全歩行時間 2時間15分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 2014年のGWは福岡県の山へ集中して登る予定である。その中で最初に登るのは、添田町と東峰村の境界にそびえる大日ガ岳・釈迦ガ岳。登山口に案内されている資料によれば、大日ガ岳と釈迦ガ岳は14世紀の室町時代頃に整備されたと考えられており、彦山と宝満山の間を踏破する入峰修行(にゅうぶしゅぎょう・山岳の霊場などに入り修行をすること)の道筋にある。

 大日ガ岳は、密教の教主であり、宇宙の真理そのものである大日如来が、また、釈迦ガ岳は、仏教の開祖の釈迦如来が鎮座するものと考えられていた。

 彦山春峰修行では、彦山上宮を旧暦2月15日に出発し、3月中旬に筑前・豊前・豊後の国境の三国石を経て筑前に入り、吹原峠下の行者水と高原状尾根筋の木馬(きうま)の平での修行、釈迦ガ岳を迂回し斫石(きりいし)峠を経て、大日ガ岳山頂での修行、山を下り玉来宿(岩屋神社)での修行、釈迦ガ岳に戻り、釈迦ガ岳山頂と北側の山伏の水場での修行を終えた後、小石原を経て宝満山に向かった。

 しかし、明治初年の修験道禁止令により、修験道が壊滅すると、これらの行場は放棄されてしまった。現在は健脚向きの登山コースとして賑わっているそうだ。

斫石峠への案内に従い左折 斫石峠手前から眺める釈迦ガ岳

 さて、登山口へ向かう起点をJR日田彦山線の彦山駅とすれば、駅前からY字路を右折し、国道500号を南へ向かう。このY字路から1km程度進み、斫石峠への案内に従い、左に分岐する県道52号に入る。そのまま道なりに県道を進み、添田町と東峰村の境界の斫石トンネルを潜り東峰村側に出る。このトンネルを抜けた先の左側が大日ガ岳と釈迦ガ岳の登山口である。この付近で車の通行の邪魔にならない場所に車を置いておく。

斫石トンネル 登山口

 登山口には釈迦ガ岳と岳滅鬼山の登山ルートの案内が置かれているのでルートを頭に入れ、登山口の案内に従い植林帯の中へ入る。杉の木の下には苔むした大きな岩がごろごろしており、まさに修験道と言った感じがとても良い。足下にマムシ草を眺めながら坂を登れば、間もな釈迦ガ岳へ0.4km、大日ガ岳へ0.9kmの地点に着く。

植林帯の下を進む 左が大日ガ岳、右が釈迦ガ岳へ続く
尖峰の大日ガ岳の第一ピーク ヤセ尾根

 ここでは最初に距離のある大日ガ岳へ向かうことにし、分岐を左折する。集塊岩のヤセ尾根の先に尖峰の第一ピークを眺め、ロープを伝って岩場を下る。再びヤセ尾根を西へ進み、峰入古道の案内に従い大日ガ岳を目指す。頭上を自然林が覆うものの、明るい道が続いている。ただし、坂の傾斜は急であり、落ち葉が堆積しているため、滑りやすい。

落ち葉の堆積した道 滑りやすい道

 足場を慎重に決めてゆっくり高度を上げないと、一旦滑り出せばロールベアリング状態になりそうな道が続いている。手当たり次第に木々をつかみながら高度を上げるのは、久しぶりのことである。坂の傾斜は更に増し、ロープの補助のある場所に着く。この先はロープをつかみながら一気に高度を上げる。

補助のロープを伝う 第一ピークの展望岩
第一ピークから釈迦ガ岳(クリックで拡大) 大日ガ岳山頂と第四ピーク(クリックで拡大)

 苔むす岩を鑑賞しながら少しずつ坂を登れば、やがて大岩のそびえる第一ピークに着いた。この岩上には登ることが出来るので手前の木を伝って岩の上に立つと、西にはこれから向かう大日ガ岳、その右に展望の第四ピーク、東には尖峰の釈迦ガ岳がそびえており、眼下には筑前岩屋駅付近の田園風景が広がっている。岩上からの展望を眺めて第一ピークを出発する。

岩場を下る 咲き始めのシャクナゲ(クリックで拡大)

 すぐにシャクナゲの群生地に着き、咲き始めのシャクナゲの花を観賞する。このシャクナゲは天然記念物のツクシシャクナゲかも知れない。尾根道を進み、植林帯の中に入ると少し高度が上がり、やがて第三ピークへ着く。このピークから右方向へ向かえば、県道52号(新古木橋方面)に出ると案内されているが、「ハード」とも書かれていた。

岩場が続く 第三ピークの分岐

 大日ガ岳へは分岐を左折し、坂を下って登り返せば左にピークが見えている。踏み跡を辿り、わずかに高度を上げれば第四ピークへ到着。左に第一ピーク、東の正面には釈迦ガ岳の美しい山容が一望である。

峰入り古道 第四ピークから第一ピークと釈迦ガ岳

 第四ピークを出発し、少し進めば待望の大日ガ岳の山頂へ到着、そのまま道なりに進むと「陣屋」へと案内されている。このあたりはいろいろなところに登山道が続いていることがわかる。さて、四等三角点の置かれた山頂からは、木の間越しに釈迦ガ岳の山容を眺めることが出来るものの、周囲は樹林に覆われて、すっきりした展望とは言いがたい。

大日ガ岳山頂(クリックで入峰修行の木札) 山頂から眺める釈迦ガ岳

 ただし、木に打ち付けられた「八大童子入峰修行」の木札が大日ガ岳の修験道としての位置づけをしっかり示しているようだ。大日ガ岳の山頂を出発、元来た道を引き返し、鞍部の斫石トンネル上の分岐まで戻った。次は釈迦ガ岳を目指し、東へ進路を採る。

斫石トンネル上から眺める釈迦ガ岳 分岐から釈迦ガ岳を目指す
直登道入口(クリックで拡大) 岩の急登が続く

 岩の多い道を進むと、左へ頂上への分岐が現れる。この案内の道は直登道で、とても険しい。さすが修験の道であるが、一般にはそのまま道なりに続く道を採ると、岳滅鬼山から続く道と合流するので、少々迂回気味だが、こちらの方が安全と思われる。ここで私は修験道の直登道を採る。

急斜面に渡されたロープ 岩の多い修験道

 岩の多い急傾斜の道を進み、木の根の露出した地点を通過する。やがてロープの補助のある急傾斜を乗り越えるが、このあたりもなかなかワイルドで、修験の道の険しさを体験することが出来る。この先では岩の多い木の根の露出した地点を通過、周囲に大岩が目立ち始めれば山頂は近い。

背後に大日ガ岳 大岩の横を抜ける

山頂手前のシャクナゲ(クリックで拡大) 釈迦ガ岳山頂(クリックで拡大)

 木の間越しに大日ガ岳を振り返り、ツツジやシャクナゲを観賞しながら高度を上げると、まもなく平坦で細長い釈迦ガ岳の山頂へ到着した。二等三角点の置かれた山頂からは北東に英彦山がその特徴的な山容を見せており、東には岳滅鬼山へ向かう稜線が続いている。すばらしい展望地から眺める風景を堪能したので下山を開始する。

山頂から眺める風景(クリックで拡大)

 登山口の案内にあった周回道は、これから東へ続く道を下るが、私は元来た道を引き返すことにした。登るときに苦労した急登は、下山時にも滑りやすくて苦労するが、下山時間はあっという間で登山口の斫石トンネル前に降り立った。

第一ピークから釈迦ガ岳

第一ピークから大日ガ岳

釈迦ガ岳山頂

釈迦ガ岳から英彦山方面

麓から眺める大日ガ岳と釈迦ガ岳(クリックで拡大)

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 福岡県添田町・東峰村 大日ガ岳 登山口付近のMAP

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